2019年10月18日金曜日

「マンモスは鼻と牙と毛が長い」の「述語論理」。

― しばらく、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他」を、お読み下さい。―
(01)
巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さ5.2メートルに達することもある。日本では、シベリアと北アメリカ大陸に生息し、太く長い体毛で全身を覆われた中型のケナガマンモス M. primigenius が有名である(ウィキペディア)。
然るに、
(02)
M=ケナガマンモス M. primigenius
であるとして、
1      (1)Mは鼻と牙と毛長い。                                  A
1      (〃)∀x{Mx→∀y(鼻yx∨牙yx∨毛yx→長y)&∀z(長z→鼻zx∨牙zx∨毛zx)} A
 2     (2)兎の耳は長いが、兎の耳は、鼻でも牙でもない(し、例へば、尻尾も、鼻でも牙でもない)。   A
 2     (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx&~牙zx&~毛zx)}     A
  3    (3)ある兎はMである。                                    A
  3    (〃)∃x(兎x&Mx)                                    A
1      (4)   Ma→∀y(鼻ya∨牙ya∨毛ya→長y)&∀z(長z→鼻za∨牙za∨毛za)  1UE
 2     (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za&~牙za&~毛za)      2UE
   6   (6)   兎a&Ma                                     A
   6   (7)   兎a                                        6&E
   6   (8)      Ma                                     6&E
1  6   (9)      ∀y(鼻ya∨牙ya∨毛ya→長y)&∀z(長z→鼻za∨牙za∨牙za)  48MPP
1  6   (ア)      ∀y(鼻ya∨牙ya∨毛ya→長y)                     9&E
1  6   (イ)         鼻ba∨牙ba∨毛ya→長b                      イUE
1  6   (ウ)                     ∀z(長z→鼻za∨牙za∨毛za)      9&E
1  6   (エ)                        長b→鼻ba∨牙ba∨毛ba       ウUE
 2 6   (オ)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za&~牙za&~毛ba)      57MPP
 2 6   (カ)      ∃y(耳ya&長y)                             オ&E
    キ  (キ)         耳ba&長b                              A
    キ  (ク)             長b                              キ&E
    キ  (ケ)         耳ba                                 キ&E
1  6キ  (コ)                           鼻ba∨牙ba∨毛ba       エクMPP
1  6キ  (サ)                     長b                      イコMPP
 2 6   (シ)                 ∀z(耳za→~鼻za&~牙za&~毛ba)      オ&E
 2 6   (ス)                    耳ba→~鼻ba&~牙ba&~毛ba       コUE
     セ (セ)                    耳ba                      A
 2 6 セ (ソ)                        ~鼻ba&~牙ba&~毛ba       スセMPP
 2 6 セ (タ)                         ~(鼻ba∨牙ba∨毛ba)      ソ、ド・モルガンの法則
 2 6   (チ)                     耳ba→~(鼻ba∨牙ba∨毛ba)      セタCP
12 6キ  (ツ)                         ~(鼻ba∨牙ba∨毛ba)      ケチMPP
                                    (鼻ba∨牙ba∨毛ba)&
                                   ~(鼻ba∨牙ba∨毛ba)      コチ&I
12 6   (テ)            ~長b                              クツRAA
12 6キ  (ト)            ~長b&長b                           サテ&I
12 6   (ナ)            ~長b&長b                           カキトEE
123    (ニ)            ~長b&長b                           36ナEE
12     (ヌ)~∃x(兎x&Mx)                                   32RAA
12     (ネ)∀x~(兎x&Mx)                                   ヌ量化子の関係
12     (ノ)  ~(兎a&Ma)                                   ネUE
12     (ハ)  ~兎a∨~Ma                                    ノ、ド・モルガンの法則
12     (ヒ)  ~Ma∨~兎a                                    ハ交換法則
12     (フ)   Ma→~兎a                                    ヒ含意の定義
12     (ヘ)∀x(Mx→~兎x)                                   フUI
12     (〃)すべてのxについて、xがマンモスであるならば、xは兎ではない。              フUI
12     (〃)マンモスは兎ではない(兎はマンモスではない)。                      フUI
従って、
(02)により、
(03)
(1)マンモスは、鼻と牙と毛長い。 然るに、
(2)兎の耳は長いが、兎の耳は、鼻でも牙でもない。 従って、
(ヘ)マンモスは兎ではない(兎はマンモスではない)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
① ∀x{Mx→∀y(鼻yx∨牙yx∨毛yx→長y)&∀z(長z→鼻zx∨牙zx∨毛zx)}
② ∀x{Mx→∀y(鼻yx∨牙yx∨毛yx→長y)&∀y(長y→鼻yx∨牙yx∨毛yx)}
③ ∀x{Mx→∀y(鼻yx∨牙yx∨毛yx→長y &   長y→鼻yx∨牙yx∨毛yx)}
④ ∀x{Mx→∀y(鼻yx∨牙yx∨毛yx⇔長y)}
に於いて、
①=②=③=④
であるものの、「計算」をする際には、
① が「一番、読みやすい」。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
④ マンモスは鼻と牙と毛長い。
といふ「日本語」の「論理構造」は、
④ マンモスは鼻と牙と毛が長い。≡
④ ∀x{Mx→∀y(鼻yx∨牙yx∨毛yx⇔長y)}≡
④ すべてのxについて{xがマンモスであるならば、すべてのyについて(yが、xの鼻であるか、xの牙であるか、毛であるならば、そのときに限って、yは長い)}。
といふ風に、「理解」することが出来る。
令和元年10月18日、毛利太。

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