2019年10月31日木曜日

「選言導入の規則(∨I)」と「ド・モルガンの法則」。

― しばらく、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他」を、お読み下さい。―

(01)
① ~(P∨Q)≡(Pであるか、Qである。)といふことはない。
②  (P∨Q)≡(Pであるか、Qである。)
に於いて、
①&② は、「矛盾」そのものである。
然るに、
(02)
実際には、
① ~(P∨Q)≡Pであるか、Qである。といふことはない。
②   P   ≡Pである。
③     Q  ≡Qである。
に於いても、
①&② は、「矛盾」するし、
①&③ も、「矛盾」する。
従って、
(02)により、
(03)
① ~(P∨Q)≡Pであるか、Qである。といふことはない。
②   P   ≡Pである。
③     Q  ≡Qである。
に於いて、
① ならば、② ~P≡Pでない
① ならば、③ ~Q≡Qでない
然るに、
(04)
選言導入(∨I)」により、
②(P≡Pである。)→(P∨Q≡Pであるか、Qである。)
③(Q≡Qである。)→(P∨Q≡Pであるか、Qである。)
然るに、
(05)
(ⅰ)
1  (1)~(P∨ Q)  A
 2 (2)  P      A
 2 (3)  P∨ Q   2選言導入(∨I)
12 (4)~(P∨ Q)&
       (P∨ Q)  13&I
1  (5) ~P      24RAA
  6(6)     Q   A
  6(7)  P∨ Q   6選言導入(∨I)
1 6(8)~(P∨ Q)&
       (P∨ Q)  17&I
1  (9)    ~Q   68RAA
1  (ア) ~P&~Q   59&I
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ~(P∨Q)├ ~P&~Q
といふ「連式(sequent)」、すなはち、
① Pであるか、Qである。といふことはない。故に、Pではないし、Qでもない。
といふ「ド・モルガンの法則」は、「妥当」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
 2 (3)  P∨ Q   2選言導入(∨I)
  6(7)  P∨ Q   6選言導入(∨I)
がさうであるやうに、
②(P≡Pである。)→(P∨Q≡Pであるか、Qである。)
③(Q≡Qである。)→(P∨Q≡Pであるか、Qである。)
である所の、「選言導入(∨I)」を用ひなければ、例へば、
① ~(P∨Q)├ ~P&~Q
① Pであるか、Qである。といふことはない。故に、Pではないし、Qでもない。
である所の、「ド・モルガンの法則」を、「証明」することは、出来ない。
従って、
(07)
例へば、
②(P≡偶数の和は奇数である。)→
②(P∨Q≡偶数の和は奇数であるか、太陽は西から昇って東に沈む。)
といふ「選言導入の規則」を認めなければ、「ド・モルガンの法則」を「証明」することは、出来ない
令和元年10月31日、毛利太。

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