2019年10月23日水曜日

「PならばQである」の「否定(P&~Q)」について。

― しばらく、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他」を、お読み下さい。―
(01)
(ⅰ)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
12(4)     Q  13
 2(5)    ~Q  2&E
12(6)  Q&~Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(ⅱ)
1  (1)~(P&~Q)  A
 2 (2)  P      A
  3(3)    ~Q   A
 23(4)  P&~Q   23&I
123(5)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  14&I
12 (6)   ~~Q   35RAA
12 (7)     Q   6DN
1  (8)  P→ Q   27CP
従って、
(01)により、
(02)
①    P→ Q ≡PならばQである。
②  ~(P&~Q)≡Pであって、Qでない。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
①  ~(P→ Q)≡PならばQである。といふことはない。
② ~~(P&~Q)≡Pであって、Qでない。といふことはない。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
「二重否定」により、
② ~~(P&~Q)≡Pであって、Qでない。といふことはない。といふことはない。
③       P&~Q ≡Pであって、Qでない。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
①  ~(P→ Q)≡PならばQである。といふことはない。
③     P&~Q  ≡Pであって、Qでない。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
P=すべての人間がある金額の金を私にくれる。
Q=私は幸福になる。
であるとして、
①(PならばQである。)の「否定」は、
③(すべての人間がある金額のお金を私にくれたとしても、私は幸福にならない。)である。
然るに、
(07)
[2]命題「すべての人間がある金額のお金を私にくれるならば、私は幸福になる。」の否定はどれか、番号で答えよ、
(1)ある人間がすべての金額のお金を私にくれなければ、私は幸福にならない。
(2)すべての人間がある金額のお金を私にくれるならば、私は幸福にならない。
(3)ある人間がすべての金額のお金を私にくれたとしても、私は幸福にならない。
(4)すべての人間がある金額のお金を私にくれたとしても、私は幸福にならない。
(中内伸光、ろんりの練習帳、2002年、123頁)
従って、
(06)(07)により、
(08)
答へ」を見るまでもなく、
 ①(すべての人間がある金額の金を私にくれるならば、私は幸福になる。)の「否定」は、
 ③(すべての人間がある金額のお金を私にくれたとしても、私は幸福にならない。)であって、それ故、
(4)すべての人間がある金額のお金を私にくれたとしても、私は幸福にならない。 が「正解」である。
然るに、
(09)
答へ(202頁)」を見ると、
[2]xは「人間」の全体を動き、yは「金額」の全体を動くとき、「xがyという金額のお金を、私にくれる」という命題関数をp(x、y)とし、「私は幸福になる」という命題をqとすると、与えられた命題は、∀x∃yp(x,y)→qである。したがって、その否定は、~(∀x∃yp(x,y)→q)≡∀x∃yp(x,y)&~qとなり、答えは(4)である
(中内伸光、ろんりの練習帳、2002年、202頁改)
然るに、
(05)により、
(10)
もう一度、確認すると、固より、
①  ~(P→ Q)≡PならばQである。といふことはない。
③     P&~Q  ≡Pであって、Qでない
に於いて、
①=③ である。
従って、
(07)(09)(10)により、
(11)
[2]命題「すべての人間がある金額のお金を私にくれるならば、私は幸福になる。」といふ「仮言命題否定」を言ふ際に、敢へて、
[2]xは「人間」の全体を動き、yは「金額」の全体を動くとき、「xがyという金額のお金を、私にくれる」という命題関数をp(x、y)とし、「私は幸福になる」という命題をqとすると、与えられた命題は、∀x∃yp(x,y)→qである。
といふことを、述べる「必要」は、全く無い
令和元年10月23日、毛利太。

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