2019年11月1日金曜日

「PならばPでない。故に、Pでない。」について。

(01)
23 P→~P├ ~P
1 (1) P→~P A
 2(2) P    A
12(3)   ~P 12MPP
12(4) P&~P 23&I
1 (5)~P    24RAA
ここでもまた、~Pを求めてPを仮定し((2)の行)、矛盾を導く((4)の行)、故に、(1)が与えられるならば~Pが、RAAによって結論されるのである。証明された連式は特徴的で、恐らく予期されなかったものであろう――ある命題がならばその否定であるとすれば、その否定であると結論することができる(E.J.レモン、竹尾治一郎、 浅野楢英、1973年、35頁)。
従って、
(01)により、
(02)
23 P→~P├ ~P ⇔
23 Pならば、Pでない。故に、Pでない。⇔
23 ある命題が「本当」であるならば、その命題は「ウソ」である。故に、その命題は「ウソ」である。
といふ「推論」は、「妥当」である。
といふ結果は、特徴的で、恐らく予期されなかったものであろう(striking and perhaps unexpected)。
然るに、
(03)
(ⅰ)P→Q├ ~P∨Q
1    (1)   P→ Q   A
 2   (2)   P&~Q   A
 2   (3)   P      2&E
 2   (4)     ~Q   2&E
12   (5)      Q   13MPP
12   (6)   ~Q&Q   45&I
1    (7) ~(P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~(~P∨Q)  A
   9 (9)   ~P     A
   9 (ア)   ~P∨Q   9∨I
  89 (イ) ~(~P∨Q)&
          (~P∨Q)  89&I
  8  (ウ)  ~~P
  8  (エ)    P
    オ(オ)      Q   A
    オ(カ)   ~P∨Q   オ∨I
  8 オ(キ) ~(~P∨Q)&
          (~P∨Q)
  8  (ク)     ~Q   オキRAA
  8  (ケ)   P&~Q   エク&I
1 8  (コ) ~(P&~Q)&
          (P&~Q)  7ケ&I
1    (サ)~~(~P∨Q)  8コRAA
1    (シ)   ~P∨Q   サDN
(ⅱ)~P∨Q├ P→Q
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P& P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   A
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   エオ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   7カRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(03)により、
(04)
①   P→Q≡Pならば、Qである。
② ~P∨Q≡PでないかQである。
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
①   P→Q≡Pならば、Qである。
② ~P∨Q≡PでないかQである。
に於いて、
① Q=~P
② Q=~P
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
①   P→~P≡Pならば、Pでない。
② ~P∨~P≡PでないかPでない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
冪等律」により、
② ~P∨~P≡PでないかPでない。
③    ~P≡Pでない。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
①   P→~P≡Pならば、Pでない
② ~P∨~P≡PでないかPでない
③    ~P≡Pでない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(07)により、
(08)
①   P→~P≡Pならば、Pでない。
② ~P∨~P≡PでないかPでない。
③    ~P≡Pでない。
に於いて、
①=③ であって、
②=③ である。
従って、
(08)により、
(09)
①「Pならば、Pでない。」=「Pでない。」
②「PでないかPでない。」=「Pでない。」
に於いて、
①=② である。
従って、
(09)により、
(10)
①「Pならば、Pでない。故に、Pでない。」
②「PでないかPでない。故に、Pでない。」
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
①「Pならば、Pでない。故に、Pでない。」
②「PでないかPでない。故に、Pでない。」
に於いて、
① は、「不思議」であるが、
② は、「不思議」ではない。
従って、
(05)(11)により、
(12)
①   P→~P≡Pならば、Pでない。
② ~P∨~P≡PでないかPでない。
に於いて、
①=② であるが故に、
①「Pならば、Pでない。故に、Pでない。」
②「PでないかPでない。故に、Pでない。」
に於いて、
② だけでなく、
① であっても、「不思議」ではない。
従って、
(02)(13)により、
(13)
①  P→~P├ ~P
を見た際に、
① ~P∨~P├ ~P
であることに、気付きさえすれば、
①  P→~P├ ~P
といふ「連式」は、「不思議」ではない。
然るに、
(14)
①   P→~P├ ~P
の場合は、
① ~(P&P)├ ~P
であって、
① ~(P&P)├ ~P
は、「ド・モルガンの法則」により、
①  ~P∨~P├ ~P
である。
従って、
(13)(14)により、
(15)
①   P→~P ├ ~P
②  ~P∨~P ├ ~P
③ ~(P& P)├ ~P
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(15)により、
(16)
①「Pならば、Pでない。故に、Pでない。」
②「PでないかPでない。故に、Pでない。」
③「PかつPである。といふことはない。故に、Pでない。」
に於いて、
①=②=③ である。
令和元年11月01日、毛利太。

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