2019年11月23日土曜日

「AとBの積集合が空集合である」場合の論理の「謎」が解けました。

― しばらく、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他」を、お読み下さい。―

(01)
「算用数字」も、「漢数字」も、「ローマ数字」も、すべて「数字」としては「同じである」とする。
従って、
(02)
A={1,2,3,4}
B={一、二、三、四}
であれば、両方とも、
A={Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ}
B={Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ}
であって、それ故、
A=B である。
然るに、
(03)
A={1,2,3,4}
B={五、六、七、八}
であれば、
A={Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ}
B={Ⅴ,Ⅵ,Ⅶ,Ⅷ}
であって、それ故、
A=B ではない。
然るに、
(04)
A={1,2,3,4}
B={五、六、七、八}
であれば、
Aの中に、Bの要素はないし、
Bの中に、Aの要素はないため、
AとBは、「完全に、別である。」
然るに、
(05)
A={1,2,
B={、五、六}
であれば、
Aは{}を含んでゐて、
Bも{}を含んでゐる。
従って、
(05)により、
(06)
A={1,2,
B={、五、六}
であれば、
AとBは、「完全に、である。」といふわけでない
然るに、
(07)
集合Aと集合Bは等しい。⇔
∀x(Ax→Bx&Bx→Ax)⇔
すべてのxについて、xがAの要素であるならば、xはBの要素であり、xがBの要素であるならば、xはAの要素である。
といふ風に、「定義」する。
従って、
(07)により、
(08)
A={1,2,3,4}
B={一、二、三、四}
であれば、
A=B であるが、その一方で、
A={1,2,3,4}
B={五、六、七、八}
であれば、
A=B でないことは固より、
A={,3,4}
B={三、四、
であっても、
A=B ではないし、更には、例へば、
A={1,2,3,4}
B={一、二、三}
であっても、
A={1,2}
B={一、二、三}
であっても、
A=B ではない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
集合Aと集合Bは等しい。⇔
∀x(Ax→Bx&Bx→Ax)⇔
すべてのxについて、xがAの要素であるならば、xはBの要素であり、xがBの要素であるならば、xはAの要素である。
といふ風に、「定義」する限り、
① A=B(AとBは等しい。)
② A≠B(AとBは等しくない。)
に於いて、
① は、「唯一無二である」のに対して、
② は、「幾通りも有る」といふことになる。
然るに、
(10)
(ⅰ)
1      (1)~∀x(Ax→Bx &  ~Ax→~Bx)  A
1      (2)∃x~(Ax→Bx &  ~Ax→~Bx)  1量化子の関係
 3     (3)  ~(Aa→Ba &  ~Aa→~Ba)  A
 3     (4)  ~(Aa→Ba)∨~(~Aa→~Ba)  3ド・モルガンの法則
 3     (5)   (Aa→Ba)→~(~Aa→~Ba)  4含意の定義
  6    (6)   (Aa→Ba)             A
 36    (7)           ~(~Aa→~Ba)  56MPP
   8   (8)              Aa∨~Ba   A
   8   (9)             ~Aa→~Ba   8含意の定義
 368   (ア)           ~(~Aa→~Ba)&
                      (~Aa→~Ba)  79&I
 36    (イ)            ~(Aa∨~Ba)  8アRAA
 36    (ウ)             ~Aa& Ba   イ、ド・モルガンの法則
 3     (エ)    (Aa→Ba)→(~Aa& Ba)  6ウCP
 3     (オ)   ~(Aa→Ba)∨(~Aa& Ba)  エ、含意の定義
    カ  (カ)   ~(Aa→Ba)            A
     キ (キ)    ~Aa∨Ba             A
     キ (ク)     Aa→Ba             キ含意の定義
    カキ (ケ)   ~(Aa→Ba)&
              (Aa→Ba)            カク&I
    カ  (コ)  ~(~Aa∨Ba)            キケRAA
    カ  (サ)    Aa&~Ba             コ、ド・モルガンの法則
    カ  (シ)   (Aa&~Ba)∨(~Aa& Ba)  サ∨I
      ス(ス)            (~Aa& Ba)  A
      ス(セ)   (Aa&~Ba)∨(~Aa& Ba)  ス∨I
 3     (ソ)   (Aa&~Ba)∨(~Aa& Ba)  オカシスセ∨E
 3     (タ)∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)} ソEI
1      (チ)∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)} 23タEE
(ⅱ)
1      (1)∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)} A
 2     (2)   (Aa&~Ba)∨(~Aa& Ba)  A
  3    (3) ∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx)  A
  3    (4)    Aa→ Ba & ~Aa→~Ba   3UE
  3    (5)    Aa→ Ba             4&E
   6   (6)    Aa&~Ba             A
   6   (7)    Aa                 6&E
  36   (8)        Ba             57MPP
   6   (9)       ~Ba             6&E
  36   (ア)    Ba&~Ba             89&I
   6   (イ)~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx)  3アRAA
  3    (ウ)             ~Aa→~Ba   4&E
    エ  (エ)             ~Aa& Ba   A
    エ  (オ)             ~Aa       エ&E
  3 エ  (カ)                 ~Ba   ウオMPP
    エ  (キ)                  Ba   オ&E
  3 エ  (ク)              ~Ba&Ba   カキ&I
    エ  (ケ)~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx)  37RAA
 2     (コ)~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx)  26イエケEE
1      (サ)~∀x(Ax→ Bx & ~Ax→~Bx)  12コEE
従って、
(10)により、
(11)
① ~∀x(Ax→  Bx  &  ~Ax→~Bx)
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(12)
「十分に説明する」のは難しい(ややこしい)ものの、
① ~∀x(Ax→  Bx  &  ~Ax→~Bx)
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)}
に於いて、
①=② である。
といふことは、
A={1,2,3,4}
B={五、六、七、八}
といふ場合には、確かに、「当てはまる」が、例へば、
A={1,2,3,4}
B={三、四、五、六}
といふ場合には「当てはまらない」。
例へば、
(13)
A={1,2,3,
B={五、六、七、八}
に於いて、
x= であるならば、
xは、A={1,2,3,}の中にあって
xは、B={五、六、七、八}の中にないものの、
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax&Bx)}
は、さういふ「意味」である。
然るに、
(14)
A={1,2,3,
B={三、、五、六}
に於いて、
x= であるならば、
xは、A={1,2,3,}の中にも、
xは、B={三、、五、六}の中にもあるため、この場合は、
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax&Bx)}
といふことには、ならない
従って、
(01)~(14)により、
(15)
① ~∀x(Ax→  Bx  &  ~Ax→~Bx)
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)}
③「集合Aと集合Bは等しくない。」
に於いて、
①=②=③ である。
とするならば、
A={1,2,3,4}
B={五、六、七、八}
といふ場合であれば、
③「集合Aと集合Bは等しくない。」と言へるものの、
A={1,2,3,
B={三、、五、六}
といふ場合であれば、
③「集合Aと集合Bは等しくない。」とは言へない
従って、
(09)(15)により、
(16)
集合Aと集合Bは等しい。⇔
∀x(Ax→Bx&Bx→Ax)⇔
すべてのxについて、xがAの要素であるならば、xはBの要素であり、xがBの要素であるならば、xはAの要素である。
といふ風に、「定義」する限り、
① A=B(AとBは等しい。)
② A≠B(AとBは等しくない。)
に於いて、
① は、「唯一無二である」のに対して、
② は、「幾通りも有る」ものの、
その一方で、
① ~∀x(Ax→  Bx  &  ~Ax→~Bx)
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)}
といふ「定義」は、「幾通りも」の「それ」には、対応してゐない。
といふ、ことになる。
(17)
といふわけで、うまくは「説明」できなかったものの、
① ~∀x(Ax→  Bx  &  ~Ax→~Bx)
② ∃x{(Ax&~Bx)∨(~Ax& Bx)}
③「集合Aと集合Bは等しくない。」
に於いて、
①=②=③ である。
とは言へない。といふのが、「結論」である。
令和元年11月23日、毛利太。

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