2019年11月29日金曜日

「鼻は象が長い」の「述語論理」(其の?)。

― しばらく、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他」を、お読み下さい。―

(01)
{象、兎、キリン}であるならば、
① 鼻は、象長く、
② 耳は、兎長く、
③ 首は、キリン長い。
従って、
(01)により、
(02)
{象、兎、キリン}であるならば、
① すべてのxとyについて、yがxの鼻であって、yが長いならば、xは象であり、
② すべてのxとyについて、yがxの耳であって、yが長いならば、xは兎であり、
③ すべてのxとyについて、yがxの首であって、yが長いならば、xはキリンである。
然るに、
(03)
(a)
1    (1)  ∀x∀y(鼻yx&長y→象x) A
1    (2)    ∀y(鼻ya&長y→象a) 1UE
1    (3)       鼻ba&長b→象a  2UE
 4   (4)             ~象a  A
  5  (5)      鼻ba&長b      A
1 5  (6)              象a  35MPP
145  (7)          ~象a&象a  46&I
14   (8)    ~(鼻ba&長b)     57RAA
14   (9)    ~鼻ba∨~長b      8ド・モルガンの法則
14   (ア)    ~長b∨~鼻ba      9交換法則
14   (イ)     長b→~鼻ba      ア含意の定義
1    (ウ)    ~象a→(長b→~鼻ba) 4イCP
   エ(エ)    ~象a& 長b       A
    エ(オ)    ~象a           エ&E
1   エ(カ)         長b→~鼻ba  ウオCP
    エ(キ)         長b       エ&E
1   エ(ク)            ~鼻ba  カキMPP
1    (ケ)     ~象a&長b→~鼻ba  エクCP
1    (コ)  ∀y(~象a&長y→~鼻ya) ケUI
1    (サ)∀x∀y(~象x&長y→~鼻yx) コUI
(b)
1    (1)∀x∀y(~象x&長y→~鼻yx) A
1    (2)  ∀y(~象a&長y→~鼻ya) 1UE
1    (3)     ~象a&長b→~鼻ba  2UE
 4   (4)             鼻ba  A
  5  (5)     ~象a&長b       A
1 5  (6)            ~鼻ba  36MPP
145  (7)        鼻ba&~鼻ba  46&I
14   (8)   ~(~象a&長b)      57RAA
14   (9)     象a∨~長b       8ド・モルガンの法則
14   (ア)     ~長b∨象a       9交換法則
14   (イ)      長b→象a       ア含意の定義
1    (ウ) 鼻ba→(長b→象a)      4イCP
      エ(エ) 鼻ba& 長b          A
   エ(オ) 鼻ba              エ&E
1  エ(カ)      長b→象a       ウオCP
   エ(キ)      長b          エ&E
1  エ(ク)         象a       カキMPP
1   (ケ) 鼻ba&長b→ 象a       エクCP
1   (コ)    ∀y(鼻ya&長y→象a) ケUI
1   (サ)  ∀x∀y(鼻yx&長y→象x) コUI
(04)
(b)
1  (1)∀x∀y(~象x&長y→~鼻yx) A
1  (2)  ∀y(~象a&長y→~鼻ya) 1UE
1  (3)     ~象a&長b→~鼻ba  2UE
 4 (4)     ~象a&鼻ba      A
  5(5)         長b       A
 4 (6)     ~象a          4&E
 45(7)     ~象a&長b       56&I
145(8)            ~鼻ba  37MPP
 4 (9)         鼻ba      4&E
145(ア)        鼻ba&~鼻ba  89&I
14 (イ)        ~長b       5アRAA
1  (ウ)     ~象a&鼻ba→~長b  4イCP
1  (エ)  ∀y(~象a&鼻ya→~長y) ウUI
1  (オ)∀x∀y(~象x&鼻yx→~長y) エUI
(c)
1  (1)∀x∀y(~象x&鼻yx→~長y) A
1  (2)  ∀y(~象a&鼻ya→~長y) 1UE
1  (3)     ~象a&鼻ba→~長b  2UE
 4 (4)     ~象a&長b       A
  5(5)         鼻ba      A
 4 (6)     ~象a          4&E
 45(7)     ~象a&鼻ba      56&I
145(8)             ~長b  37MPP
 4 (9)         長b       4&E
145(ア)         長b&~長b   89&I
14 (イ)        ~鼻ba      5アRAA
1  (ウ)     ~象a&長b→~鼻ba  4イCP
1  (エ)  ∀y(~象a&長y→~鼻ya) ウUI
1  (オ)∀x∀y(~象x&長y→~鼻yx) エUI
従って、
(03)(04)により、
(05)
(a)∀x∀y( 鼻yx&長y → 象x )
(b)∀x∀y(~象x &長y →~鼻yx)
(c)∀x∀y(~象x &鼻yx→~長y )
に於いて、
(a)=(b)=(c) である。
従って、
(02)(05)により、
(06)
① すべてのxとyについて、yがxの鼻であって、yが長いならば、 xは象である。
② すべてのxとyについて、yがxの耳であって、yが長いならば、 xは兎である。
③ すべてのxとyについて、yがxの首であって、yが長いならば、 xはキリンである。
④ すべてのxとyについて、  xが象ではなく、yが長いならば、 yはxの鼻ではない。
⑤ すべてのxとyについて、  xが兎ではなく、yが長いならば、 yはxの耳ではない。
⑥ すべてのxとyについて、xがキリンではなく、yが長いならば、  yはxの首ではない。
⑦ すべてのxとyについて、  xが象ではなく、yがxの鼻ならば、yは長くない。
⑧ すべてのxとyについて、  xが兎ではなく、yがxの耳ならば、yは長くない。
⑨ すべてのxとyについて、xがキリンではなく、yがxの首ならば、yは長くない。
に於いて、
①=④=⑦ であって、
②=⑤=⑧ であって、
③=⑥=⑨ である。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
{象、兎、キリン}であるとして、
① 鼻は、象長い。
② 耳は、兎長い。
③ 首は、キリン長い。
④ 象以外(兎かキリン)で、長いとすれば、鼻ではない。
⑤ 兎以外(象かキリン)で、長いとすれば、耳ではない。
⑥ キリン以外(象か兎)で、長いとすれば、首ではない。
⑦ 象以外(兎かキリン)の鼻は長くない。
⑧ 兎以外(象かキリン)の耳は長くない。
⑨ キリン以外(象か兎)の首は長くない。
に於いて、
①=④=⑦
②=⑤=⑧
③=⑥=⑨
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(07)により、
(08)
④ 象以外(兎かキリン)で、長いとすれば、鼻ではない
といふのであれば、、
⑦ 象以外(兎かキリン)の鼻は長くない
いといふことになり、
⑦ 象以外(兎かキリン)の鼻は長くない
といふのであれば、
① 鼻は、象長い。
といふ、ことになる。
然るに、
(09)
{象、兎、キリン}
に於いて、
① 鼻は、象長い。
といふことは、
① 象の鼻長い。
といふことである。
然るに、
(10)
{象、象、キリン}
に於いて、
① 象の鼻長い。
といふことは、
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない
といふ、ことである。
従って、
(10)により、
(11)
① 象の鼻長い。
といふ「日本語」がさうであるやうに、
① ABである。
といふ「日本語」は、
② AはBであり、A以外はBでない
といふ「意味」である。
然るに、
(12)
「対偶(Contraposition)」により、
② AはBであり、A以外はBでない
③ AはBであり、はAである。
に於いて、
②=③ である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
① AがBである。
② AはBであり、A以外はBでない
③ AはBであり、はAである。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(13)により、
(14)
③ 理事長は私です。
といふのであれば、必然的に、
① 私理事長です。
といふ、ことになる。
然るに、
(15)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
① 私タゴール記念会の理事長です。
② 私はタゴール記念会の理事長であり、私以外は記念会の理事長ではない
③ 私はタゴール記念会の理事長であり、タゴール記念会の理事長は私です。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(15)(16)により、
(17)
④ タゴール記念会は、私理事です。
といふ「日本語」は、
④ ∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}。
④ すべてのxについて、xがタゴール記念会の会員であるならば、あるyは私であって、yはxの理事長であって、すべてのzについて、zがxの理事長であるならば、yはzと「同一」である。
といふ「述語論理(Predicate logic)」に、対応する。
令和元年11月29日、毛利太。

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