2019年11月26日火曜日

「正確に3つのFが存在する」の「述語論理」。

― しばらく、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他」を、お読み下さい。―

(01)
①   ∃xFx
②   ∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}
といふ「論理式」は、
① 少なくとも、1つ以上のxがFである。
② 少なくとも、2つ以上のxがFである。
といふ「意味」である。
従って、
(01)により、
(02)
①   ∃xFx
② ~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}
といふ「論理式」は、
① 少なくとも、1つ以上のxがFである。
② 少なくとも、2つ以上のxがFである。といふことはない
といふ「意味」である。
然るに、
(03)
② 少なくとも、2つ以上のxがFである。といふことはない
といふことは、
2つ未満のxがFである。
といふことである。
従って、
(02)(03)により、
(04)
①   ∃xFx
② ~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}
といふ「論理式」は、
① 少なくとも、1つ以上のxがFである。
2つ未満のxがFである。
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
(ⅱ)
1(1)~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y} A
1(2)∀x~∃y{(Fx&Fy)&x≠y} 1量化子の関係
1(3)∀x∀y~{(Fx&Fy)&x≠y} 2量化子の関係
1(4)  ∀y~{(Fa&Fy)&a≠y} 3UE
1(5)    ~{(Fa&Fb)&a≠b} 4UE
1(6)      ~(Fa&Fb)∨a=b  5ド・モルガンの法則
1(7)      (Fa&Fb)→a=b  6含意の定義
1(8)    ∀y{(Fa&Fy)→a=y} 7UI
1(9) ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y} 8UI
(ⅲ)
1(1) ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y} A
1(2)   ∀y{(Fa&Fy)→a=y} 1UE
1(3)       Fa&Fb →a=b  2UE
1(4)     ~(Fa&Fb)∨a=b  3含意の定義
1(5)    ~{(Fa&Fb)&a≠b} 4ド・モルガンの法則
1(6)  ∀y~{(Fa&Fy)&a≠y} 5UI
1(7)  ~∃y{(Fa&Fy)&a≠y} 6量化子の関係
1(8)∀x~∃y{(Fa&Fy)&x≠y} 7UI
1(9)~∃x∃y{(Fa&Fy)&x≠y} 8量化子の関係
従って、
(05)により、
(06)
② ~∃x∃y{(Fx&Fy)&x≠y}
③   ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
①   ∃xFx
②   ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}
といふ「論理式」は、
① 少なくとも、1つ以上のxがFである。
2つ未満のxがFである。
といふ「意味」である。
然るに、
(08)
① 少なくとも、1つ以上のxがFであって、
② 尚且つ、2つ未満(1個か0個)のxがFである。
といふことは、
③ 正確に、1つ(1個以上1個以下)のモノがFである。
といふことである。
従って、
(07)(08)により、
(09)
①&② ⇔
③ ∃xFx& ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}⇔
③ あるxはFであって、すべてのxとyについて、xがFであり、yもFであるならば、xとyは「同一」である。
といふことは、
正確に、1つのモノがFである。
といふことである。
然るに、
(10)
(ⅲ)
1  (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  A
1  (2)∃xFx                  1&E
 3 (3)  Fa                  A
1  (4)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  1&E
1  (5)       ∀y(Fa&Fy→a=y)  4UE
1  (6)          Fa&Fb→a=b   5UE
  7(7)             Fb       A
 37(8)          Fa&Fb       37&I
137(9)                a=b   68MPP
13 (ア)             Fb→a=b   79CP
13 (イ)          ∀y(Fy→a=y)  アUI
13 (ウ)       Fa&∀y(Fy→a=y)  3イ&I
13 (エ)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ウUI
1  (オ)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 13エEE
(ⅳ)
1  (1)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
 2 (2)       Fa&∀y(Fy→a=y)  A
 2 (3)       Fa             2&E
 2 (4)          ∀y(Fy→a=y)  2&E
 2 (5)             Fb→a=b   4UE
  6(6)          Fb&Fb       A
  6(7)             Fb       6&E
 26(8)                a=b   57MPP
 26(9)            a=b&a=b   88&I
 26(ア)                a=b   9&E
 26(イ)                b=b   8ア=E
 2 (ウ)          Fb&Fb→b=b   5イCP
 2 (エ)       ∀y(Fb&Fy→b=y)  ウUI
 2 (オ)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  エUI
 2 (キ)     ∃xFx             3EI
 2 (ク)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  オキ&I
1  (ケ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  12クEE
従って、
(10)により、
(11)
③ ∃xFx& ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}
④    ∃x{Fx&∀y(Fy        →x=y)}
に於いて、
③=④ である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
③ ∃xFx& ∀x∀y{(Fx&Fy)→x=y}
④      ∃x{Fx&∀y(Fy        →x=y)}
といふことは、すなはち、
③ あるxはFであって、すべてのxとyについて、xがFであり、yもFであるならば、xとyは「同一」である。
④ あるxはFであり、 すべてのxについて、  xがFであるならば、       xとyは「同一」である。
といふことは、両方とも、
正確に、1つのモノがFである。
正確に、1つのモノがFである。
といふ、「意味」である。
然るに、
(13)
④ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}⇔
④ あるxはFであり、すべてのxについて、xがFであるならば、xとyは「同一」である。
といふことは、
④ あるxはFであるが、2つ目のFは、仮に有るとして、x以外には無い
といふ、ことである。
然るに、
(14)
④ あるxはFであるが、2つ目のFは、仮に有るとして、x以外には無い
といふことは、
正確に、1つのモノがFである(Exactly one thing is F)。
といふ、ことである。
従って、
(13)(14)により、
(15)
正確に、2つのxがFである(Exactly two things are Fs)。
と言ひたいのであれば、
⑤ あるxとyはFであるが、3つ目のFは、仮に有るとして、xとy以外には無い
といふ風に、言へばよい。
然るに、
(16)
⑤ ∃x∃y{Fx&Fy&x≠y&∀z(Fz→z=x∨z=y)}⇔
⑤ あるxはFであり、あるyもFであり、xとyは「同一」ではなく、すべてのxについて、zがFであるならば、zは、xとyの、どちらか一方と「同一」である。
といふことは、
⑤ あるxとyはFであるが、3つ目のFは、仮に有るとして、xとy以外には無い。
といふ、ことである。
従って、
(15)(16)により、
(17)
⑤ ∃x∃y{Fx&Fy&x≠y&∀z(Fz→z=x∨x=y)}
といふ「論理式」は、
正確に、2つのxがFである(Exactly two things are Fs)。
といふ「意味」である。
従って、
(12)(17)により、
(18)
④   ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
⑤ ∃x∃y{Fx&Fy&x≠y&∀z(Fz→z=x∨x=y)}
といふ「論理式」は、
正確に、1つのモノがFである。
正確に、2つのモノがFである。
といふ「意味」である。
従って、
(18)により、
(19)
④     ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
⑤   ∃x∃y{Fx&Fy&x≠y&∀z(Fz→z=x∨x=y)}
⑥ ∃x∃y∃z{Fx&Fy&Fz&(x≠y&x≠z&y≠z)&∀w(Fw→w=x∨w=y∨w=z)}
といふ「論理式」は、
正確に、1つのモノがFである。
正確に、2つのモノがFである。
正確に、3つのモノがFである。
といふ「意味」である。
令和元年11月26日、毛利太。

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