2021年6月24日木曜日

「十分条件(P&Q)」と「必要条件(R)」。

―「昨日(令和03年06月24日)の記事」を書き直します。―
(01)
(ⅰ)
1   (1) (P&Q)→R    A
1   (2)~(P&Q)∨R    1含意の定義
 3  (3)~(P&Q)      A
 3  (4)~P∨~Q       3ド・モルガンの法則
 3  (5)~P∨~Q∨R     4∨I
  6 (6)       R    A
  6 (7) ~P∨~Q∨R    6∨I
1   (8) ~P∨~Q∨R    13567∨E
1   (9)~P∨(~Q∨R)   3結合法則
 ア  (ア)~P          A
 ア  (イ)~P∨R        ア∨I
 ア  (ウ) P→R        イ含意の定義
 ア  (エ)(P→R)∨(Q→R) ウ∨I
   オ(オ)     (~Q∨R) A
   オ(カ)       Q→R  オ含意の定義
   オ(キ)(P→R)∨(Q→R) カ∨I
1   (ク)(P→R)∨(Q→R) 2アエオキ∨I
(ⅱ)
1    (1) (P&Q)⇔R          A
1    (2) (P&Q)→R)&R→(P&Q) 1Df.⇔
1    (3)          R→(P&Q) 2&E
 4   (4)           ~P∨~Q  A
 4   (5)           ~(P&Q) 4ド・モルガンの法則
14   (6)         ~R       35MTT
1    (7)   ~P∨~Q→~R       46CP
  8  (8)   ~P             A
  8  (9)   ~P∨~Q          8∨I
1 8  (ア)         ~R       79MPP
1    (イ)   ~P→~R          8アCP
   ウ (ウ)      ~Q          A
   ウ (エ)   ~P∨~Q          ウ∨I
1  ウ (オ)            ~R    7エMPP
1    (カ)         ~Q→~R    ウオCP
1    (キ)(~P→~R)&(~Q→~R)   イカ&I
従って、
(01)により、
(02)
①(P&Q)→R
②(P→R)∨(Q→R)
③(P&Q)⇔R
④(~P→~R)&(~Q→~R)
に於いて、
① ならば、② であり、
③ ならば、④ である。
然るに、
(03)
②(P→R)∨(Q→R)
といふことは、
(ⅰ) P&~Q は、Rの「十分条件」である、かも知れないし、
(ⅱ)~P& Q は、Rの「十分条件」である、かも知れないし、
(ⅲ) P&  Q は、Rの「十分条件」である。
といふことに、他ならない。
(04)
④(~P→~R)&(~Q→~R)
といふことは、
(ⅰ)P   は、Rの「必要条件」であって、
(ⅱ)  Q も、Rの「必要条件」であって、
(ⅱ)P&Q も、Rの「必要条件」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
①(P&Q)→R
③(P&Q)⇔R
に於いて、
P=25歳以上である。
Q=日本人である。
R=衆議院議員の被選挙権を有す。
であるとして、
① であるならば、
(α)25歳以上であるならば、 日本人でなくとも、 衆議院議員であることは、「不可能」ではなく
② であるならば、
(β)25歳以上であるとしても、日本人でないならば、衆議院議員であるおとは、「不可能」である。
といふ、ことになる。
従って、
(05)により、
(06)
①(25歳以上であって、日本人である)ならば、         衆議院議員の被選挙権を有す。
②(25歳以上であって、日本人である)ならば、そのときに限って、衆議院議員の被選挙権を有す。
に於いて、
① であるならば、
(α)25歳以上であるならば、 日本人でなくとも、 衆議院議員であることは、「不可能」ではなく
② であるならば、
(β)25歳以上であるとしても、日本人でないならば、衆議院議員であることは、「不可能」である。
といふ、ことになる。
然るに、
(07)
①(25歳以上であって、日本人である)ならば、衆議院議員の被選挙権を有す。
といふのであれば、
(β)25歳以上であるとしても、日本人でないならば、衆議院議員であることは、「不可能」である。
といふ風に、解する方が、「普通」である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
我々、日本人は、
①(25歳以上であって、日本人である)ならば、衆議院議員の被選挙権を有す。
といふ「日本語」を、
②(25歳以上であって、日本人である)ならば、そのときに限って、衆議院議員の被選挙権を有す。
といふ「意味」で、用ひてゐる。
といふ、ことになる。
従って、
(05)~(08)により、
(09)
我々、日本人は、
P=25歳以上である。
Q=日本人である。
R=衆議院議員の被選挙権を有す。
であるとして、
①(P&Q)→R
といふ「論理式」を、
③(P&Q)
といふ「論理式」として、用ひてゐる。
といふ、ことになる。
然るに、
(10)
③(P&Q)
ではなく、
①(P&Q)→R
といふ「論理式」に関して、
大西拓郎先生(京都大学)曰く、
PかつQ、2つの前提からRが導かれるんだったら実はそれ、1つで十分ですよ、みたいな、そういう推論なんですね。まぁこれ、をかしい
実質含意にはこういう変な推論がどうしてもつきまとうんですが、厳密含意になると、それがちゃんと妥当ではなくなってくれるという、ことです[2020年度後期哲学演習I 厳密含意の論理(1) [修正版](ユーチューブ:9分10秒頃)]。
然るに、
(11)
改めて、「確認」すると、
(ⅰ)
1   (1) (P&Q)→R    A
1   (2)~(P&Q)∨R    1含意の定義
 3  (3)~(P&Q)      A
 3  (4)~P∨~Q       3ド・モルガンの法則
 3  (5)~P∨~Q∨R     4∨I
  6 (6)       R    A
  6 (7) ~P∨~Q∨R    6∨I
1   (8) ~P∨~Q∨R    13567∨E
1   (9)~P∨(~Q∨R)   3結合法則
 ア  (ア)~P          A
 ア  (イ)~P∨R        ア∨I
 ア  (ウ) P→R        イ含意の定義
 ア  (エ)(P→R)∨(Q→R) ウ∨I
   オ(オ)     (~Q∨R) A
   オ(カ)       Q→R  オ含意の定義
   オ(キ)(P→R)∨(Q→R) カ∨I
1   (ク)(P→R)∨(Q→R) 2アエオキ∨I
(ⅱ)
1   (1)(P→R)∨(Q→R) A
 2  (2)(P&Q)       A
  3 (3) P→R        A
    (4) P          2&E
 23 (5)   R        34MPP
   6(6)       Q→R  A
 2  (7)       Q    2&E
 2 6(8)         R  67MPP
12  (9)   R        13568∨E
1   (ア)(P&Q)→R     29CP
従って、
(11)により、
(12)
①(P&Q)→R
②(P→R)∨(Q→R)
に於いて、
①=② であり、
② であれば、 PかつQ、2つの前提からRが導かれるんだったら実はそれ、1つで十分ですよ、みたいな、そういう推論なんですね。
とは、言ふものの、
まぁこれ、をかしい
といふことには、ならない
従って、
(09)~(12)により、
(13)
大西拓郎先生(京都大学)の場合は、
①(P&Q)→R
③(P&Q)
に於いて、
①と③ を、「混同」してゐると、言はざるを得ない
令和03年06月25日、毛利太。

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