2020年10月17日土曜日

「パースの法則」と「質料含意のパラドックス」。

(01)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う(ウィキペディア)。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1   (1)  (P→Q)→P   A
 2  (2)  ~P∨Q      A
 2  (3)   P→Q      2含意の定義
12  (4)        P   13MPP
1   (5) (~P∨Q)→P   24CP
1   (6)~(~P∨Q)∨P   5含意の定義
1   (7) (P&~Q)∨P   6ド・モルガンの法則
  8 (8)  P&~Q      A
  8 (9)  P         8&E
   ア(ア)        P   A
1   (イ)        P   789アア
    (ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
(ⅱ)
1   (1)  (P→~Q)→P   A
 2  (2)  ~P∨~Q      A
 2  (3)   P→~Q      2含意の定義
12  (4)         P   13MPP
1   (5) (~P∨~Q)→P   24CP
1   (6)~(~P∨~Q)∨P   5含意の定義
1   (7)  (P& Q)∨P   6ド・モルガンの法則
  8 (8)   P& Q      A
  8 (9)   P         8&E
   ア(ア)         P   A
1   (イ)         P   789アア
    (ウ)((P→~Q)→P)→P 1イCP
従って、
(01)(02)により、
(03)
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
に於いて、すなはち、
①((PならばQである)ならばP)ならばPである。
②((PならばQでない)ならばP)ならばPである。
に於いて、「両者」は、「恒真式(トートロジー)」であって、
① は、「パースの法則」である。
然るに、
(04)
①((P→ 真)→P)→P
②((P→~偽)→P)→P
であるならば、「両方」とも、
①((P→ 真)→P)→P
②((P→ 真)→P)→P
である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
といふ「恒真式(トートロジー)」に於いて、すなはち、
①((PならばQである)ならばP)ならばPである。
②((PならばQでない)ならばP)ならばPである。
に於いて、「両者」を、「区別」する必要はない。
従って、
(05)により、
(06)
①((P→Q)→P)→P
といふ「パースの法則」は、「実質的」には、
①((Pならば、Qであらうと、Qでなからうと、)いづれにせよ、P)ならばPである。
といふ「意味」になる。
然るに、
(07)
1(1)   P A
1(2)~Q∨P 1∨I
1(3) Q→P 2含意の定義
といふ「計算」は、
P(1)   P A
P(2)~Q∨P 1∨I
P(3) Q→P 2含意の定義
といふ「計算」に「等しい」。
(08)
P(1)   P A
P(2)~Q∨P 1∨I
P(3) Q→P 2含意の定義
といふ「計算」は、
Pが「真」なので、   P は「真」である。
Pが「真」なので、~Q∨P も「真」である。
Pが「真」なので、 Q→P も「真」である。
といふ「意味」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
1(1)     P  A
1(2)  ~Q∨P  1∨I
1(3)   Q→P  2含意の定義
 (4)P→(Q→P) 13CP
といふ「計算(質料含意のパラドックス)」は、
真(1)     真  A
真(2)  ~Q∨真  1∨I
真(3)   Q→真  2含意の定義
 (4)真→(Q→真) 13CP
といふ「計算」に、他ならない。
然るに、
(10)
① 偽→(真→偽)
② 偽→(偽→偽)
③ 真→(真→真)
④ 真→(偽→真)
に於ける「4通り」は、「すべて、真」である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
真(1)     真  A
真(2)  ~Q∨真  1∨I
真(3)   Q→真  2含意の定義
 (4)真→(Q→真) 13CP
といふ「計算(質料含意のパラドックス)」は、
① 偽→(真→偽)
② 偽→(偽→偽)
→(真→
→(偽→
に於ける「4通り」に於ける、特に
→(真→
→(偽→
といふ「通り」が「」である。
といふことを、示してゐる。
従って、
(11)により、
(12)
③ P→(Q→P)
→(Q→
といふ「質量含意のパラドックス」は、
③ Pならば(Qであらうと、Qでなかららうと、いづれにせよ、Pである。)
といふ「意味」になる。
然るに、
(13)
1   (1)     P      A
1   (2)  ~Q∨P      1∨I
1   (3) ~~Q∨P      1∨I
1   (4)   Q→P      2含意の定義
1   (5)  ~Q→P      3含意の定義
 6  (6)   Q∨~Q     A
  7 (7)  Q        A
1 7 (8)     P      47MPP
   9(9)     ~Q     A
1  9(ア)     P      59MPP
16  (イ)     P      6789ア∨I
1   (ウ)   Q∨~Q→P  6イCP
    (エ)P→(Q∨~Q→P) 1ウCP
    (〃)Pならば(Qであるか、QでないならばPである。)
    (〃)Pならば(Qであらうと、Qでなかららうと、いづれにせよ、Pである。)
従って、
(09)~(13)により、
(14)
③ P→(Q→P)
④ P→(Q∨~Q→P)
といふ「2つの恒真式(トートロジー)」は、両方とも、
③ Pならば(Qであらうと、Qでなかららうと、いづれにせよ、Pである。)
④ Pならば(Qであらうと、Qでなかららうと、いづれにせよ、Pである。)
といふ「意味」になる。
従って、
(05)(06)(14)により、
(15)
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
③  P→(Q→P)
④  P→(Q∨~Q→P)
に於いて、
① は「パースの法則」であって、
② も「パースの法則」であって、
③ は「質量含意のパラドックス」であって、
④ も「質量含意のパラドックス」であって、これらは、
①((Pならば、Qであらうと、Qでなからうと、)いづれにせよ、P)ならばPである。
②((Pならば、Qであらうと、Qでなからうと、)いづれにせよ、P)ならばPである。
③ Pならば(Qであらうと、Qでなかららうと、いづれにせよ、Pである。)
④ Pならば(Qであらうと、Qでなかららうと、いづれにせよ、Pである。)
といふ「意味」になる。
令和02年10月17日、毛利太。

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