2020年10月25日日曜日

「百獣は虎(は・が・も)長である。」の「述語論理」。

(01)

(02)
① ∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)}
② ∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)& ∀z(~虎z→~長zx)}
③ ∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)&~∀z(~虎z→~長zx)}
に於いて、
②と③ は、
②  ∀z(~虎z→~長zx)}
③ ~∀z(~虎z→~長zx)}
の「部分」が、「矛盾」する。
然るに、
(03)
(ⅲ)
1 (1)~∀z(~虎z→~長zx) A
1 (2)∃z~(~虎z→~長zx) 1量化子の関係
 3(3)  ~(~虎c→~長cx) A
 3(4)   ~(虎c∨~長cx) 3含意の定義
 3(5)    ~虎c& 長cx  4ド・モルガンの法則
 3(6) ∃z(~虎z& 長zx) 5EI
1 (7) ∃z(~虎z& 長zx) 136EE
(ⅳ)
1 (1) ∃z(~虎z& 長zx) A
 2(2)    ~虎c& 長cx  A
 2(3)   ~(虎c∨~長cx) 2ド・モルガンの法則
 2(4)  ~(~虎c→~長cx) 3含意の定義
 2(5)∃z~(~虎z→~長zx) 4EI
1 (6)∃z~(~虎z→~長zx) 125EE
1 (7)~∀z(~虎z→~長zx) 6量化子の関係
従って、
(03)により、
(04)
③ ~∀z(~虎z→~長zx)≡すべてのzについて(zが虎でないならば、zはxの長ではない。)といふわけではない
④  ∃z(~虎z& 長zx)≡あるzは(虎ではないが、xの長である)。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① ∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)}
② ∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)& ∀z(~虎z→~長zx)}
③ ∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)&∀z(~虎z→~長zx)}
に於いて、すなはち、
① ∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)}
② ∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)&∃z(~虎z&長zx)}
③ ∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)& ∃z(~虎z&長zx)}
に於いて、
②と③ は、「矛盾」する。
従って、
(05)により、
(06)
① すべてのxについて{xが百獣であるならば、あるyは(虎であって、yはxの長である)。}
② すべてのxについて{xが百獣であるならば、あるyは(虎であって、yはxの長である)が、ある(、虎以外のz、xの長である)といふことはない。}
③ すべてのxについて{xが百獣であるならば、あるyは(虎であって、yはxの長である)が、ある(、虎以外のz、xの長である)。}
に於いて、
②と③ は、「矛盾」する。
然るに、
(07)
② 誰百獣の長であるか。
であって、
① 誰百獣の長であるか。
③ 誰百獣の長であるか。
ではない
従って、
(07)により、
(08)
② 誰百獣の長であるか。
② 虎百獣の長である。
といふ、ことになる。
然るに、
(09)
② 誰百獣の長であるか。
② 虎百獣の長である。
といふのであれば、
② すべてのxについて{xが百獣であるならば、あるyは(虎であって、yはxの長である)が、ある(、虎以外のz、xの長である)といふことはない。}
といふ、ことになる。
然るに、
(10)
③ すべてのxについて{xが百獣であるならば、あるyは(虎であって、yはxの長である)が、ある(、虎以外のz、xの長である)。}
といふのであれば、
③ 虎も百獣の長である。
といふ、ことになる。
従って、
(06)~(10)により、
(11)
① すべてのxについて{xが百獣であるならば、あるyは(虎であって、yはxの長である)。}
の場合は、
② 虎が百獣の長である。
ではないし、
③ 虎も百獣の長である。
でもないため、
① 虎百獣の長である。
といふ、ことになる。
従って、
(05)~(11)により、
(12)
① 百獣は、虎は長である=∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)}。
② 百獣は、虎長である=∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)&∃z(~虎z&長zx)}。
③ 百獣は、虎長である=∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)& ∃z(~虎z&長zx)}。
といふ、ことになる。
然るに、
(13)
1    (1)∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)&~∃z(~虎z&長zx)} A
1    (〃)百獣は、虎長である。                     A
 2   (2)~∃z(狐z&虎z)                      A
 2   (〃)あるzが狐であって、尚且つ、虎である。といふことはない。    A
 2   (〃)狐は虎ではない。                        A
  3  (3) ∃z(狐z)                         A
  3  (〃)あるzは狐である。                       A
  3  (〃)狐はゐる。                           A
1    (4)   百獣a→∃y(虎y&長ya)&~∃z(~虎z&長za)  1UE
   5 (5)   百獣a                          A
1  5 (6)       ∃y(虎y&長ya)&~∃z(~虎z&長za)  45MPP
 2   (7)∀z~(狐z&虎z)                      2量化子の関係
 2   (8)  ~(狐c&虎c)                      7UE
 2   (9)  ~狐c∨~虎c                       8ド・モルガンの法則
 2   (ア)   狐c→~虎c                       9含意の定義
    イ(イ)   狐c                           A
 2  イ(ウ)      ~虎c                       アイMPP
1  5 (エ)                  ~∃z(~虎z&長za)  6&E
1  5 (オ)                  ∀z~(~虎z&長za)  エ量化子の関係
1  5 (カ)                    ~(~虎c&長ca)  オUE
1  5 (キ)                    ~~虎c∨~長ca   カ、ド・モルガンの法則
1  5 (ク)                     ~虎c→~長ca   キ含意の定義
12 5イ(ケ)                         ~長ca   ウクMPP
12 5イ(コ)                      狐c&~長ca   イケ&E
12 5イ(サ)                   ∃z(狐z&~長za)  コEI
1235 (シ)                   ∃z(狐z&~長za)  3イサEE
1  5 (ス)       ∃y(虎y&長ya)               6&E
1235 (セ)       ∃y(虎y&長ya)& ∃z(狐z&~長za)  シス&I
123  (ソ)   百獣a→∃y(虎y&長ya)& ∃z(狐z&~長za)  5セCP
123  (タ)∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)& ∃z(狐z&~長zx)} ソUI
従って、
(13)により、
(14)
(ⅰ)∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)&~∃z(~虎z&長zx)}。然るに、
(ⅱ)~∃z(狐z&虎z)。然るに、
(ⅲ) ∃z(狐z)。   従って、
(ⅳ)∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)& ∃z(狐z&~長zx)}。 といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが百獣であるならば、あるyは(虎であって、yはxの長である)が、ある(、虎以外のzが、xの長である)といふことはない。}然るに、
(ⅱ)あるz(が、狐であって、虎である。といふことは。)然るに、
(ⅲ)あるz(は、狐である。)従って、
(ⅳ)すべてのxについて{xが百獣であるならば、あるyは(虎であって、yはxの長であり)、あるzは(狐であって、zはxの長ではない)。}
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(14)により、
(15)
(ⅰ)百獣は、虎長である。然るに、
(ⅱ)狐は、 虎ではない。 然るに、
(ⅲ)狐は、ゐる。     従って、
(ⅳ)百獣は、虎が長であって、狐は長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(01)(12)~(15)により、
(16)
② 百獣は、虎が長である。⇔
② ∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)&~∃z(~虎z&長zx)}⇔
② すべてのxについて{xが百獣であるならば、あるyは(虎であって、yはxの長である)が、ある(、虎以外のzが、xの長である)といふことはない。}
といふ「命題」が「真」であるならば、
② 狐は(虎に向かって)言った、「あなたはけっしてわたしを食べたりしてはいけない。(そもそも)天の神様は、このわたしを百獣のかしらとしたのです。いまもしもあなたがわたしをたべれば、それは天の神様の命令にそむくことになります(旺文社、漢文の基礎、1973年、39頁)。」
といふ狐の「発言」は、「」になる。
然るに、
(17)
1   (1)∀x{百獣x→∀z(虎z∨狐z→長zx)} A
1   (〃)百獣は、虎か、狐が、長である。       A
 2  (2) ∃z(狐z)               A
 2  (〃)あるzは狐である。             A
 2  (〃)狐はゐる。                 A
1   (3)   百獣a→∀z(虎z∨狐z→長za)  1UE
  4 (4)   百獣a                A
1 4 (5)       ∀z(虎z∨狐z→長za)  34MPP
1 4 (6)          虎c∨虎x→長ca   5UE
   7(7)    狐c                A
   7(8) 虎c∨狐c                7∨I
1 47(9)                長ca   68MPP
1 47(ア)    狐c&長ca            79&I
1 47(イ) ∃z(狐z&長za)           アEI
124 (ウ) ∃z(狐z&長za)           27イEE
12  (エ)   百獣a→∃z(狐z&長za)     4ウCP
12  (オ)∀x{百獣x→∃z(狐z&長zx)}    エUI
従って、
(17)により、
(18)
(ⅰ)∀x{百獣x→∀z(虎z∨狐z→長zx)}。然るに、
(ⅱ)∃z(狐z)。従って、
(ⅲ)∀x{百獣x→∃z(狐z&長zx)}。
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが百獣であるならば、すべてのzについて(zが虎か、または、zが狐であるならば、zはxの長である)。}然るに、
(ⅱ)あるz(は狐である。)従って、
(ⅲ)すべてのxについて{xが百獣であるならば、あるz(は、狐であって、xの長である)。}
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(18)により、
(19)
④ 百獣は、虎か、または、狐が、長である。然るに、
④ 狐はゐる。従って、
④ 百獣は、狐は長である。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(18)(19)により、
(20)
④ 百獣は、虎か、または、狐が、長である。⇔
④ ∀x{百獣x→∀z(虎z∨狐z→長zx)}⇔
④ すべてのxについて{xが百獣であるならば、すべてのzについて(zが虎か、または、zが狐であるならば、zはxの長である)。}
といふ「命題」が「真」であるならば、
② 百獣は、虎が長である。⇔
② ∀x{百獣x→∃y(虎y&長yx)&~∃z(~虎z&長zx)}⇔
② すべてのxについて{xが百獣であるならば、あるyは(虎であって、yはxの長である)が、ある(、虎以外のzが、xの長である)といふことはない。}
といふ「命題」が「真」であるならば、
② 狐は(虎に向かって)言った、「あなたはけっしてわたしを食べたりしてはいけない。(そもそも)天の神様は、このわたしを百獣のかしらとしたのです。いまもしもあなたがわたしをたべれば、それは天の神様の命令にそむくことになります(旺文社、漢文の基礎、1973年、39頁)。」
といふ狐の「発言」は、「」ではない
令和02年10月25日、毛利太。

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