2020年3月23日月曜日

「私が理事長です(理事長は私です)。」と「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
1      (1)∀x(理事長x→鈴木x∨ 私x)  A
1      (2)   理事長a→鈴木a∨ 私a   1UE
 3     (3)   理事長a           A
13     (4)        鈴木a∨ 私a   23MPP
  5    (5)       ~鈴木a&~私a   A
   6   (6)        鈴木a       A
  5    (7)       ~鈴木a       5&E
  56   (8)        鈴木a&~私a   67&I
   6   (9)     ~(~鈴木a&~私a)  58RAA
    ア  (ア)             私a   A
  5    (イ)            ~私a   5&E
  5 ア  (ウ)         私a&~私a   アイ&I
    ア  (エ)     ~(~鈴木a&~私a)  5ウRAA
13     (オ)     ~(~鈴木a&~私a)  469アエ∨E
     カ (カ)       ~鈴木a       A
      キ(キ)            ~私a   A
     カキ(ク)       ~鈴木a&~私a   カキ&I
13   カキ(ケ)     ~(~鈴木a&~私a)&
                (~鈴木a&~私a)  オク&I 
13   カ (コ)           ~~私a   キケRAA
13   カ (サ)             私a   コDN 
13     (シ)       ~鈴木a→ 私a   カサCP
1      (ス) 理事長a→(~鈴木a→ 私a)  3シCP 
      セ(セ) 理事長a& ~鈴木a       A
      セ(ソ) 理事長a             セ&E
1     セ(タ)       ~鈴木a→ 私a   シソMPP
      セ(チ)       ~鈴木a       セ&E
1     セ(ツ)             私a   タチMPP
1      (テ)   理事長a&~鈴木a→私a   セツCP
1      (ト)∀x(理事長x&~鈴木x→私x)  テUI
(ⅱ)
1      (1)∀x(理事長x&~鈴木x→私x)  A
1      (2)   理事長a&~鈴木a→私a   1UE
 3     (3)   理事長a           A
  4    (4)        ~鈴木a      A
 34    (5)   理事長a&~鈴木a      34&I
134    (6)             私a   25MPP
13     (7)        ~鈴木a→私a   46CP
   8   (8)       ~(鈴木a∨私a)  A
    9  (9)         鈴木a      A
    9  (ア)         鈴木a∨私a   9∨I
   89  (イ)       ~(鈴木a∨私a)&
                  (鈴木a∨私a)  8ア&I
   8   (ウ)        ~鈴木a      9イRAA
13 8   (エ)             私a   7ウMPP
13 8   (オ)         鈴木a∨私a   エ∨I
13 8   (カ)       ~(鈴木a∨私a)&
                  (鈴木a∨私a)  8オ&I
13     (キ)      ~~(鈴木a∨私a)  8カRAA
13     (ク)         鈴木a∨私a   キDN
1      (ケ)    理事長a→鈴木a∨私a   3クCP
1      (コ) ∀x(理事長x→鈴木x∨私x)  ケUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x(理事長x→ 鈴木x∨私x)
② ∀x(理事長x&~鈴木x→私x)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xが理事長であるならば、xは鈴木か、xは私である。
② すべてのxについて、xが理事長であって、xが鈴木でないならば、xは私である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① 理事長は、鈴木氏か、私である。
② 理事長が、鈴木氏でないならば、理事長は私である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念館は、私理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 理事長は、鈴木氏か、私である。
② 鈴木氏が理事長でないならば、理事長は私である。
③ 鈴木氏が理事長でないならば、私理事長である。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(06)
① 私以外は理事長ではない。
② 理事長は私です。
に於いて、
①=② は「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① 鈴木氏が理事長でないならば、私以外は理事長ではない
② 鈴木氏が理事長でないならば、理事長は私である
③ 鈴木氏が理事長でないならば、私が理事長である
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(07)により、
(08)
「番号」を付け直すと、
① 私が理事長です。
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(09)
③ 私は、唯一の、私であって、
③ 私以外に、私はゐない
従って、
(09)により、
(10)
その「意味」でも、
① 私理事長です。
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(04)により、
(11)
「日本語の論理、1963年」を書いた、三上章先生は、
① 私理事長です。
理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない
に於いて、
①=② である。といふことには、気付いてはゐても、その上、
②=③ である。といふことにまでは、気付いてゐない。
(12)
かりに大倉氏が、
タゴール記念館は、私理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
といふことが、「本当であれ、ウソであれ」、そのことからは、
③ 私以外は理事長ではない
といふことには、ならない。
令和02年03月23日、毛利太。

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