従って、
(01)(02)により、
(03)
(ⅰ)レ、一レ、上レ、甲レ、天レ
(ⅱ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
(ⅲ)上、中、下
(ⅳ)甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
(ⅴ)天、地、人
に於いて、
(ⅰ)レ点 は、「不要」である。
然るに、
(04)
従って、
(02)(04)により、
(05)
(ⅱ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
(ⅲ)上、中、下
(ⅳ)甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
(ⅴ)天、地、人
に於いて、
(ⅱ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
以外は、「不要」である。
然るに、
(06)
① 四 三 二 一。
② 三 二 一。
⑤ 四 三 二 一。
⑧ 三 二 一。五 四 三 二 一。
⑨ 六 五 四 三 二 一。
⑪ 三 二 一。
⑫ 三 二‐ 一。
の場合は、
⑧ 三 二 一。五 四 三 二 一。
を含めて、「すべて、右から左へ、返ってゐる」。
然るに、
(07)
③ 丁 丙 二 一 乙 甲。
④ 下 中 二 一 上。
⑥ 下 中 三 二 一 上。
⑦ 下 四 三 二 一 上。
⑩ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天。
の場合も、例へば、
⑩ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天。
に於いて、
⑩ 二 一 は、「右から左へ、返ってゐる」。
⑩ 下 中 上 は、「右から左へ、返ってゐる」。
⑩ 丙 乙 甲 は、「右から左へ、返ってゐる」。
⑩ 二 一 は、「右から左へ、返ってゐる」。
⑩ 地 天 は、「右から左へ、返ってゐる」。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 四 三 二 一。
② 三 二 一。
③ 丁 丙 二 一 乙 甲。
④ 下 中 二 一 上。
⑤ 四 三 二 一。
⑥ 下 中 三 二 一 上。
⑦ 下 四 三 二 一 上。
⑧ 三 二 一。五 四 三 二 一。
⑨ 六 五 四 三 二 一
⑩ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天。
⑪ 三 二 一。
⑫ 三 二 一。
は、「(縦書きであれば、)すべて、下から上へ、返ってゐる」。
従って、
(02)(04)(08)により、
(09)
① 四 三 二 一。
② 三 二 一。
③ 七 六 二 一 四 三。
④ 五 四 二 一 三。
⑤ 四 三 二 一。
⑥ 六 五 三 二 一 四。
⑦ 下 四 三 二 一 五。
⑧ 三 二 一。五 四 三 二 一。
⑨ 六 五 四 三 二 一
⑩ 十三 八 五 二 一 四 三 七 六 十 九 十二 十一。
⑪ 三 二 一。
⑫ 三 二 一。
は、「(縦書きであれば、)すべて、下から上へ、返ってゐる」。
然るに、
(10)
⑩ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天。
に於いて、
⑩ 二 一 は、「右から左へ、返ってゐる」。
⑩ 下 中 上 は、「右から左へ、返ってゐる」。
⑩ 丙 乙 甲 は、「右から左へ、返ってゐる」。
⑩ 二 一 は、「右から左へ、返ってゐる」。
⑩ 人 地 天 は、「右から左へ、返ってゐる」。
といふことは、
⑩ 十二 八 五 二 一 四 三 七 六 十 九 十一。
に於いて、
⑩ 二 一 は、「右から左へ、返ってゐる」。
⑩ 五 四 三 は、「右から左へ、返ってゐる」。
⑩ 八 七 六 は、「右から左へ、返ってゐる」。
⑩ 十 九 は、「右から左へ、返ってゐる」。
⑩ 十二 十一 は、「右から左へ、返ってゐる」。
といふことに、他ならない。
然るに、
(11)
⑩ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天。
であれば、
⑩ # # # は、「右から左へ、返ってゐる」。
といふことが、「一目瞭然」であるが、
⑩ 十二 八 五 二 一 四 三 七 六 十 九 十一。
の場合は、さうではない。
従って、
(12)
⑩ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天。
⑩ 十三 八 五 二 一 四 三 七 六 十 九 十二 十一。
に於いて、「後者(一二点だけ)」は、「とても、読みにくい」。
従って、
(05)(10)により、
(13)
(ⅱ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
だけからなる「返り点」は、「とても、読みにくい」が故に、
(ⅱ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
に加へて、
(ⅲ)上、中、下
(ⅳ)甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
(ⅴ)天、地、人
といふ「返り点」を、必要とする。
然るに、
(01)(02)(08)により、
(14)
① レ レ レ。
② 二 一レ。
③ レ 二 レ 一レ。
④ レ 下 二 一 上。
⑤ レ 三 二 一。
⑥ レ 二 レ レ 一。
⑦ 下 レ レ 二 一 上。
⑧ レ レ 二 一レ 二 一レ。
⑨ レ レ 二 一レ レ。
⑩ 乙 下 二 レ 一レ 上レ レ 甲レ。
⑪ レ レ。
⑫ レ 二‐ 一。
であっても、「(縦書きであれば、)すべて、下から上へ、返ってゐる」。
従って、
(08)(14)により、
(15)
「返り点」は、「(縦書きであれば、)すべて、下から上へ、返ってゐる」。
「返り点」は、「(横書きであれば、)すべて、右から左へ、返ってゐる」。
然るに、
然るに、
(02)(04)により、
(16)
① 四 三 二 一。
② 三 二 一。
③ 丁 丙 二 一 乙 甲。
④ 下 中 二 一 上。
⑤ 四 三 二 一。
⑥ 下 中 三 二 一 上。
⑦ 下 四 三 二 一 上。
⑧ 三 二 一。五 四 三 二 一。
⑨ 六 五 四 三 二 一。
⑩ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天。
⑪ 三 二 一。
⑫ 三 二 一。
といふ「(レ点を除く)返り点」は、
① 四 三 二 一。
② 三 二 一。
③ 七 六 二 一 四 三。
④ 五 四 二 一 三。
⑤ 四 三 二 一。
⑥ 六 五 三 二 一 四。
⑦ 下 四 三 二 一 五。
⑧ 三 二 一。五 四 三 二 一。
⑨ 六 五 四 三 二 一。
⑩ 十三 八 五 二 一 四 三 七 六 十 九 十二 十一。
⑪ 三 二 一。
⑫ 三 二 一。
といふ「順番」、すなはち、
① 4 3 2 1。
② 3 2 1。
③ 6 5 2 1 4 3。
④ 5 4 2 1 3。
⑤ 4 3 2 1。
⑥ 6 5 3 2 1 4。
⑦ 6 4 3 2 1 5。
⑧ 3 2 1。5 4 3 2 1。
⑨ 6 5 4 3 2 1。
⑩ 12 8 5 2 1 4 3 7 6 10 9 11。
⑪ 3 2 1。
⑫ 3 2 1。
といふ「順番」である。
然るに、
(17)
① 4 3 2 1。
② 3 2 1。
③ 6 5 2 1 4 3。
④ 5 4 2 1 3。
⑤ 4 3 2 1。
⑥ 6 5 3 2 1 4。
⑦ 6 4 3 2 1 5。
⑧ 3 2 1。5 4 3 2 1。
⑨ 6 5 4 3 2 1。
⑩ 12 8 5 2 1 4 3 7 6 10 9 11。
⑪ 3 2 1。
⑫ 3 2 1。
に対しては、
① 4[3〔2(1)〕]。
② 3〔2(1)〕。
③ 6[5〔2(1)4(3)〕]。
④ 5[4〔2(1)3〕]。
⑤ 4[3〔2(1)〕]。
⑥ 6{5[3〔2(1)〕4]}。
⑦ 6{4[3〔2(1)〕]5}。
⑧ 3〔2(1)〕。5{4[3〔2(1)〕]}。
⑨ 6〈5{4[3〔2(1)〕]}〉。
⑩ 13{8[5〔2(1)4(3)〕7(6)]10(9)12(11)}。
⑪ 3〔2(1)〕。
⑫ 3〔2(1)〕。
といふ「括弧」を付けることが、出来る。
然るに、
(18)
例へば、
⑩ 13{8[5〔2(1)4(3)〕7(6)]10(9)12(11)}。
に於いて、
13{ }⇒{ }13
8[ ]⇒[ ]8
5〔 〕⇒〔 〕5
2( )⇒( )2
4( )⇒( )4
7( )⇒( )7
10( )⇒( )10
12( )⇒( )12
といふ「移動」を行ふと、
⑩ 13{8[5〔2(1)4(3)〕7(6)]10(9)12(11)}⇒
⑩ {[〔(1)2(3)4〕5(6)7]8(9)10(11)12}13=
⑩ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<10<11<12<13。
といふ「ソート(並び替へ)」を、行ったことになる。
然るに、
(19)
⑩ 13{8[5〔2(1)4(3)〕7(6)]10(9)12(11)}。
対して、例へば、
⑩ 13{##8[5〔2(#1)4(#3)〕7(6)]10(#9)#12(#11)}。
であるならば、「#が7個」加はったため、
⑩ 20{1 2 12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)]15(13 14)16 19(17 18)}。
である。
然るに、
(20)
⑩ 20{1 2 12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)]15(13 14)16 19(17 18)}。
に於いて、
に於いて、
20{ }⇒{ }20
12[ ]⇒[ ]12
9〔 〕⇒〔 〕9
5( )⇒( )5
8( )⇒( )8
11( )⇒( )11
15( )⇒( )15
19( )⇒( )19
といふ「移動」を行ふと、
⑩ 20{1 2 12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)]15(13 14)16 19(17 18)}⇒
⑩ {1 2 [〔(3 4)5(6 7)8〕9(10)11]12(13 14)15 16(17 18)19}20=
⑩ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<10<11<12<13<14<15<16<17<18<19<20。
といふ「ソート(並び替へ)」を、行ったことになる。
然るに、
(21)
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(銭財)以済(医薬)}。
に於いて、
使{ }⇒{ }使
不[ ]⇒[ ]不
以〔 〕⇒〔 〕以
畜( )⇒( )畜
憂( )⇒( )憂
乱( )⇒( )乱
有( )⇒( )有
済( )⇒( )済
といふ「移動」を行ふと、
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(銭財)以済(医薬)}⇒
⑩ {籍誠[〔(妻子)畜(飢寒)憂〕以(心)乱]不(銭財)有以(医薬)済}使=
⑩ {籍をして誠に[〔(妻子を)畜ひ(飢寒を)憂ふる〕以て(心を)乱さ]不(銭財)有りて以て(医薬を)済さ}使む。
といふ、「漢文・訓読」の「語順」を、得ることになる。
然るに、
(22)
⑩ 人{##丙[下〔ニ(#一)中(#上)〕乙(甲)]二(#一)#地(#天)}。
に於いて、
人{ }⇒{ }人
丙[ ]⇒[ ]乙
下〔 〕⇒〔 〕下
二( )⇒( )二
中( )⇒( )中
乙( )⇒( )乙
二( )⇒( )二
地( )⇒( )地
といふ「移動」を行ふと、
⑩ 人{##丙[下〔ニ(#一)中(#上)〕乙(甲)]二(#一)#地(#天)}⇒
⑩ {##[〔(#一)ニ(#上)中〕下(甲)乙]丙(#一)二#(#天)地}人=
⑩ {#をして#に[〔(#一を)ニひ(#上を)中ふる〕下て(甲を)乙さ]丙(#一)二りて#て(#天を)地さ}人む。
といふ、「語順」を、得ることになる。
然るに、
(23)
「漢字」に「返り点」が付いてゐる。といふことは、その一方で、
「返り点」に「漢字」が付いてゐる。といふことに、他ならない。
従って、
(02)(22)(21)(23)により、
(24)
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(銭財)以済(医薬)}。
に於ける、
⑩ { [ 〔 ( ) ( )〕 ( )] ( ) ( )}
といふ「括弧」は、「返り点」の「役割」を果たしてゐる。
然るに、
(25)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。しかし、訓読は、国語の語順に置きかえて読むことが、その大きな原則となっている。それでその補足構造によっている文も、返り点によって、国語としての語順が示されている(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(24)(25)により、
(26)
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(銭財)以済(医薬)}。
に於ける、
⑩ { [ 〔 ( ) ( )〕 ( )] ( ) ( )}
といふ「括弧」は、「返り点」の「役割」を果たしてゐると「同時」に、
⑩ 使籍誠不以畜妻子憂飢寒乱心有銭財以済医薬。
といふ「漢文の補足構造」を、示してゐる。
従って、
(21)(25)(16)により、
(27)
⑩ 使籍誠不以畜妻子憂飢寒乱心有銭財以済医薬=
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(銭財)以済(医薬)}=
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(銭財)以済(医薬)}⇒
⑩ {籍誠[〔(妻子)畜(飢寒)憂〕以(心)乱]不(銭財)有以(医薬)済}使=
⑩ {籍をして誠に[〔(妻子を)畜ひ(飢寒を)憂ふる〕以て(心を)乱さ]不(銭財)有りて以て(医薬を)済さ}使む。
といふ「漢文・訓読」を行ったとしても、
(ⅰ)「語順」は、変はるものの、
(ⅱ)「補足構造」は、変はらない。
従って、
(27)により、
(28)
⑩ 使籍誠不以畜子憂寒乱心有財以済薬=
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(子)憂(寒)〕乱(心)]有(財)以済(薬)}=
⑩ 使{籍誠不[以〔畜(子)憂(寒)〕乱(心)]有(財)以済(薬)}⇒
⑩ {籍誠[〔(子)畜(寒)憂〕以(心)乱]不(財)有以(薬)済}使=
⑩ {籍をして誠に[〔(子を)畜ひ(寒さを)憂ふる〕以て(心を)乱さ]不(財)有りて以て(薬を)済さ}使む。
といふ「漢文・訓読」を行ったとしても、
(ⅰ)「語順」は、変はるものの、
(ⅱ)「補足構造」は、変はらない。
然るに、
(29)
(1)レ点
下の一字から上の一字に返る場合に用いる。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、41頁)
(01)(02)(29)により、
(30)
⑩ 使籍誠不以畜子憂寒乱心有財以済薬。
に付く「返り点」は、
⑩ 乙 下 二 レ 一レ 上レ レ 甲レ。
であって、
⑩ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天。
ではない。
然るに、
(31)
⑩ 人{丙[下〔ニ(一)中(上)〕乙(甲)]二(一)地(天)}。
とは異なり、
⑩ 乙 下 二 レ 一レ 上レ レ 甲レ。
に対しては、「括弧」を付けることが、出来ない。
従って、
(03)(27)~(31)により、
(32)
(ⅰ)レ、一レ、上レ、甲レ、天レ
(ⅱ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
(ⅲ)上、中、下
(ⅳ)甲、乙、丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
(ⅴ)天、地、人
に於いて、
(ⅰ)レ、一レ、上レ、甲レ、天レ
は、「不要」であると、しない限り、
(α)「返り点」が表してゐるのは、「訓読の語順」であって、
(β)「漢文の補足構造」ではない。
然るに、
(33)
⑬ 二 三 一
であれば、
⑬ 二 ← 一
の際に、「右(下)から左(上)に返り」、
⑬ 二→三
の際に、「左(上)から右(下)へ返ってゐる」。
然るに、
(34)
⑬ Who are you?
⑬ 誰 ですか。あなたは、
であるため、
⑬ あなたは 誰 ですか。
といふ「語順」で読むためには、
⑬ 二 三 一
といふ「それ」が、必要になる。
cf.
Wh移動(生成文法)。
然るに、
(35)
「漢文」の場合は、
⑬ 子 為 誰
⑬ あなたは ですか。誰
⑬ 二 一
であるため、
⑬ 二 ← 一
の際に、「右(下)から左(上)に返り」、
⑬ 二→三
の際に、「左(上)から右(下)へ返ってゐる」。
といふことはない。
cf.
論語、微子、六。
然るに、
(36)
⑬ n+1<n+2>n(nは1以上の正の整数)。
に於いて、
⑬ n=1 であるならば、
⑬ 2<3>1 であるため、
⑬ 二 三 一 である。
然るに、
(37)
⑬ 2(3{1)}。
に於いて、
2( )⇒( )2
3{ }⇒{ }3
といふ「移動」を行ふと、
⑬ 2(3{1)}⇒
⑬ ({1)2}3=
⑬ 1<2<3。
といふ「ソート(並び替へ)」を、行ったことになる。
然るに、
(38)
⑬ 2(3{1)}。
⑭ 3{2(1)}。
に於いて、
⑭ {( )} は「括弧」であるが、
⑬ ({ )} は「括弧」ではない。
従って、
(36)(37)(38)により、
(39)
⑬ n+1<n+2>n(nは1以上の正の整数)。
⑬ n+1<n+3>n(nは1以上の正の整数)。
⑬ n+1<n+4>n(nは1以上の正の整数)。
のやうな「順番」を含んでゐるのであれば、「そのやうな順番」に対しては、「括弧」を付けることは、出来ない。
従って、
(39)により、
(40)
⑭ 読漢文=
⑭ 読(漢文)⇒
⑭ 読(漢文)⇒
⑭ (漢文)読=
⑭ (漢文を)読む。
ではなく、
⑬ 文読漢=
⑬ 文(読{漢)}⇒
⑬ ({漢)文}読=
⑬ ({漢)文を}読む。
であるならば、そのやうな、
⑬ 文読漢=漢文を読む。
に対しては、「括弧」を、付けることが、出来ない。
然るに、
(41)
言ふまでもなく、
⑬ 文読漢=漢文を読む。
のやうな「変な語順」の「漢文」は無い。
然るに、
(03)により、
(42)
(ⅰ)レ、一レ、上レ、甲レ、天レ
は、「不要」であるし、
(ⅱ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
(ⅲ)上、中、下
(ⅳ)甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
(ⅴ)天、地、人
に於いて、
(ⅱ)を挟んで返る場合に、
(ⅲ)を用ひ、
(ⅲ)を挟んで返る場合に、
(ⅳ)を用ひ、
(ⅳ)を挟んで返る場合に、
(ⅴ)を用ひる。
従って、
(42)により、
(43)
例へば、
⑮ 人 乙 下 中 二 一 上 甲 天 二 一 地。
であって、この場合は、
⑮ 12 7 5 4 2 1 3 6 11 9 8 10。
である。
然るに、
(44)
⑮ 12 7 5 4 2 1 3 6 11 9 8 10。
に於いて、
⑬ n+1<n+2>n(nは1以上の正の整数)。
⑬ n+1<n+3>n(nは1以上の正の整数)。
⑬ n+1<n+4>n(nは1以上の正の整数)。
のやうな「順番」は、「一つも無い」。
従って、
(42)(43)(44)により、
(45)
(ⅰ)レ、一レ、上レ、甲レ、天レ
(ⅱ)一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、・・・・・
(ⅲ)上、中、下
(ⅳ)甲、乙、丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
(ⅴ)天、地、人
に於いて、
(ⅰ)レ、一レ、上レ、甲レ、天レ
は、「不要」であるし、
(ⅱ)を挟んで返る場合に、
(ⅲ)を用ひ、
(ⅲ)を挟んで返る場合に、
(ⅳ)を用ひ、
(ⅳ)を挟んで返る場合に、
(ⅴ)を用ひる。
が故に、「返り点が表す順番」の「集合」の中に、
⑬ n+1<n+2>n(nは1以上の正の整数)。
⑬ n+1<n+3>n(nは1以上の正の整数)。
⑬ n+1<n+4>n(nは1以上の正の整数)。
のやうな「順番」は、「一つも無い」。
然るに、
(46)
私の経験上、「漢文」であれば、
(ⅰ)( )
(ⅱ)〔 〕
(ⅲ)[ ]
(ⅳ){ }
(ⅴ)〈 〉
といふ「5種類の括弧」は、
(ⅰ)レ、一レ、上レ、甲レ、天レ
(ⅱ)一、二、三、四、五、六
(ⅲ)上、中、下
(ⅳ)甲、乙、丙、丁、戊、己
(ⅴ)天、地、人
といふ「23個の返り点」を、「カバー(Cover)」する。
然るに、
(47)
ネット上にある、例へば、
⑯ 大學之書、古之大學、所以教人之法也。蓋自天降生民、則既莫不與之以仁義禮智之性矣。然其氣質之稟、或不能齊。是以不能皆有以知其性之所有而全之也(大學章句序)。
に対して、
⑯ 大學之書、古之大學、所二以教一レ人之法也。蓋自三 天降二生民一、則既莫レ不三與レ之以二仁義禮智之性一矣。然其氣質之稟、或不レ能レ齊。是以不レ能下皆有中以知ニ其性之所一レ有而全上レ之也(大學章句序)。
といふ「返り点」を、「HTML」で書くのは、「大変」なのであって、その一方で、
⑯ 大學之書、古之大學、所以教人之法也。蓋自天降生民、則既莫不與之以仁義禮智之性矣。然其氣質之稟、或不能齊。是以不能皆有以知其性之所有而全之也(大學章句序)。
に対して、
⑯ 大學之書、古之大學、所‐以〔教(人)〕之法也。蓋自〔天降(生民)〕、則既莫[不〔與(之)以(仁義禮智之性)〕]矣。 然其氣質之稟、或不〔能(齊)〕。是以不〈能{皆有[以知〔其性之所(有)〕、而全(之)]}〉也。
といふ「括弧」を、「メモ帳(アプリ)」で付けることは、「極めて、簡単」である。
加へて、
(48)
⑯ 是以不〈能{皆有[以知〔其性之所(有)〕而全(之)]}〉也⇒
⑯ 是以〈{皆[以〔其性之(有)所〕知而(之)全]有}能〉不也=
⑯ 是を以て〈{皆[以て〔其の性の(有する)所を〕知って(之を)全くすること]有る}能は〉不也=
⑯ そうであるから、すべての人が、自分には(仁義禮智之性)といふ性をが有るといふことを知って、その(仁義禮智之性)といふ性を全ふすることが、出来ない。
といふ「補足構造」を、把握する上では、
⑯ 是以不レ能下皆有中以知ニ其性之所一レ有而全上レ之也。
といふ「返り点」より、
⑯ 是以不〈能{皆有[以知〔其性之所(有)〕而全(之)]}〉也。
といふ「括弧」の方が、「分り易い」。
従って、
(01)~(48)により、
(49)
例へば、「ネット上にある、返り点が付いてゐない、漢文」に対して、「返り点」を付けたいのであれば、「括弧」の方が、「返り点」よりも「はるかに簡単」で、尚且つ、「合理的」である。
令和02年03月07日、毛利太。
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