2020年3月4日水曜日

∀x(Fx)∨∀(Gx)├ ∀x(Fx∨Gx)(Ⅱ)。

(01)
(ⅰ)
1  (1) ∀xFx∨∀xGx A
 2 (2) ∀xFx      A
 2 (3)   Fa      2UE
 2 (4)   Fa∨Ga   3∨I
 2 (5)∀x(Fx∨Gx)  4UI
  6(6)      ∀xGx A
  6(7)        Ga 6UE
  6(8)   Fa∨Ga   7∨I
  6(9)∀x(Fx∨Gx)  8UI
1  (ア)∀x(Fx∨Gx)  12569EE
従って、
(01)により、
(02)
① ∀xFx∨∀xGx├ ∀x(Fx∨Gx)
といふ「連式」は「妥当」である。
然るに、
(03)
∀xFx∨∀xGx├ ∀x(Fx∨Gx)に対して、逆の連式、
∀x(Fx∨Gx)├ ∀xFx∨∀xGxは妥当ではない。―中略、―
なぜなら、すべての正の整数は偶数であるか奇数であるが、すべての数が偶数であるわけではなく、またすべての数奇数でもあるわけでもない。
この場合、この連式を証明しようとする自然な試みをさしとめるのはUIに対する制限である。かくして、
1  (1)∀x(Fx∨Gx) A
1  (2)   Fa∨Ga  1UE
 3 (3)   F     A(選言項左)
Fa∨Ga を(1)から結論し、そして第1の選言項Faを(3)の行に仮定する。しかし(3)は「」を含む故、∀xFxを結論することをさしとめられる
(E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、156頁改)
従って、
(03)により、
(04)
(ⅱ)
1  (1)∀x(Fx∨Gx) A
1  (2)   Fa∨Ga  1UE
 3 (3)   Fa     A
 3 (4) ∀xFx     3UI
  3 (5)∀xFx∨∀xGx 4∨I
  6(6)      Ga  A
  6(7)    ∀xGx  6UI
  6(8)∀xFx∨∀xGx 8∨I
1  (9)∀xFx∨∀xGx 23568∨E
といふ「計算」に於いて、
 3 (3)   Fa     A
  6(6)      Ga  A
であって、
1  (3)   Fa     A
1  (6)      Ga  A
ではないが故に、
1  (9)∀xFx&∀xGx 11718∨E
といふ「結論」は、「マチガイ」である。
然るに、
(05)
そのことを、「1から、説明」することは、「大変」である。
然るに、
(06)
xの{変域(ドメイン)}が{a、b、c}であるとき、
① ∀x(Fx)∨∀(Gx)
といふ「式」は、
①(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
といふ「式」に「等しい」。
(07)
xの{変域(ドメイン)}が{a、b、c}であるとき、
② ∀x(Fx∨Gx)
といふ「式」は、
②(Fa∨Ga)&(Fb∨b)&(Fc∨Gc)
といふ「式」に「等しい」。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① ∀x(Fx)∨∀(Gx)├ ∀x(Fx∨Gx)
といふ「連式」は「妥当」であるが、
② ∀x(Fx∨Gx)├ ∀x(Fx)∨∀(Gx)
といふ「連式」は「妥当」ではない。
といふことは、
①(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① であるとは、限らない
といふ「意味」である。
然るに、
(09)
①(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
といふ「命題」は、
①(Fa&Fb&Fc)
といふ「命題」が「真(本当)」であれば、それだけで、「真(本当)」であり、
①(Ga&Gb&Gc)
といふ「命題」が「真(本当)」であれば、それだけで、「真(本当)」である。
然るに、
(10)
①(Fa&Fb&Fc)
といふ「命題」が「真(本当)」であれば、それだけで
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
といふ「命題」も「真(本当)」であり、
①(Ga&Gb&Gc)
といふ「命題」が「真(本当)」であれば、それだけで
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
といふ「命題」も「真(本当)」である。
然るに、
(11)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
といふ「命題」は、例へば、
②(Ga&Fc)
といふ「命題」が「真(本当)」であれば、それだけで、「真(本当)」であり、
②(Ga&
といふ「命題」が「真(本当)」であれば、それだけで、「真(本当)」である。
然るに、
(12)
①(Fa&Fb&Fc)
②(Ga&Fc)
に於いて、
①=② ではないし、
①(Ga&Gb&Gc)
②(Ga&
に於いても、
①=② ではない。
従って、
(03)(12)により、
(13)
1  (1)∀x(Fx∨Gx) A
1  (2)   Fa∨Ga  1UE
  ()   F     A(選言項左)
Fa∨Ga を(1)から結論し、そして第1の選言項Faを(3)の行に仮定する。しかし()は「」を含む故、∀xFxを結論することをさしとめられる
といふことは、例へば、
①(Fa&Fb&Fc)
②(Ga&Fc)
に於いて、
①=② ではないし、
①(Ga&Gb&Gc)
②(Ga&Fc
に於いても、
①=② ではない
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(13)により、
(14)
「どうして、さう言へるのか。」といふことを、「1から、説明」しようとすると、これもまた、「大変」である。
令和02年03月04日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿