2020年6月1日月曜日

「パースの法則(其の?2)」。

(01)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
然るに、
(02)
①(PであってQでない)か、または、Pである
といふのであれば、いづれにせよ
①  Pである
従って、
(02)により、
(03)
①((PであってQでない)か、または、Pである)ならばPである
といふことは、「当然」である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
①(PであってQでない)か、または、Pである
②(Pならば、Qである)ならばPである。
に於いて、
①=② であるならば、
①((PであってQでない)か、または、Pである)ならばPである
①((Pならば、Qである)ならばP)ならばPである。
に於いて、
① は「当然」であって、
② も「当然」である。
然るに、
(05)
①(PであってQでない)か、または、Pである
②(Pならば、Qである)ならばPである。
といふ「日本語」は、それぞれ、
①(P&~Q)∨P
②(P→ Q)→P
といふ「論理式」に、相当する。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1   (1) (P&~Q)∨P A
 2  (2) (P&~Q)   A
  3 (3)  P→ Q    A
 2  (4)  P       2&E
 23 (5)     Q    34MPP
 2  (6)    ~Q    2&E
 23 (7)  Q&~Q    56&I
 2  (8)~(P→ Q)   37RAA
 2  (9)~(P→ Q)∨P 2∨I
   ア(ア)        P A
   ア(イ)~(P→ Q)∨P ア∨I
1   (ウ)~(P→ Q)∨P 129アイ∨E
1   (エ) (P→ Q)→P ウ含意の定義
(ⅱ)
1     (1)  (P→ Q)→P A
1     (2) ~(P→ Q)∨P 1含意の定義
 3    (3) ~(P→ Q)   A
  4   (4) ~(P&~Q)   A
   5  (5)   P       A
    6 (6)     ~Q    A
   56 (7)   P&~Q    56&I
  456 (8) ~(P&~Q)&
           (P&~Q)   47&I
  45  (9)    ~~Q    6RAA
  45  (ア)      Q    9DN
  4   (イ)   P→ Q    5ア
 34   (ウ) ~(P→ Q)&
           (P→ Q)   3イ&I
 3    (エ)~~(P&~Q)   4ウRAA
 3    (オ)  (P&~Q)   エDN
 3    (カ)  (P&~Q)∨P オ∨I
     キ(キ)         P A
     キ(ク)  (P&~Q)∨P キ∨I
1     (ケ)  (P&~Q)∨P 23カキク∨E
従って、
(06)により、
(07)
①(P&~Q)∨P
②(P→ Q)→P
に於いて、すなはち、
①(PであってQでない)か、または、Pである
②(Pならば、Qである)ならばPである。
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
①((P&~Q)∨P)→Q
②((P→ Q)→P)→Q 
に於いて、すなはち、
①((PであってQでない)か、または、Pである)ならばPである
②((Pならば、Qである)ならばP)ならばPである。
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
①(P&~Q)∨P
②(P→ Q)→P
に於いて、
①=② であることに、「気付くこと」が出来るのであれば、
②((P→Q)→P)→Q 
②((Pならば、Qである)ならばP)ならばPである。
といふ「パースの法則」は、「不思議」ではない
然るに、
(10)
①((P&~Q)∨P)→Q
②((P→ Q)→P)→Q 
に於いては、
①((PであってQでない)か、
②((Pならば、Qである)ならば、
であるため、両者に於いて、
①(Qでない)か、
②(Qである)ならば、
の「部分」が「真逆」になり、それ故、
①((PであってQでない)か、またはPである)ならばPである
ではなく
②((Pならば、QであるならばP)ならばPである。
といふ「パースの法則」は、「不思議な印象」を、与へることになる。
令和02年06月01日、毛利太。

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