2020年5月31日日曜日

「パースの法則(其の?)」。

―「ひさびさ」に、「パースの法則」です。―
(01)
命題計算では、パースの法則は((P→Q)→P)→P のことを言う。
(ウィキペディア)
従って、
(01)により、
(02)
命題計算では、パースの法則は、
((P→Q)→P)→P≡((PならばQ)ならばP)ならばPである。
 のことを言う。
然るに、
(03)
定理とは、仮定の数ゼロの証明可能な連式の結論である。―中略―
興味ある定理の大ていのものは、事実上 CP を適用することによって導かれる。たとえば、
38 ├ P→P
 1(1)P   A
  (2)P→P 11CP
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、64頁)
従って、
(03)により、
(04)
38 ├ P→P≡PならばPである(同一律)。
は、「定理」である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1  (1)  (P→ Q)→P    A
 2 (2)        ~P    A
12 (3) ~(P→ Q)      12MTT
  4(4)  ~P∨ Q       A
  4(5)   P→ Q       4含意の定義
124(6) ~(P→ Q)&
        (P→ Q)      35&I
12 (7)~(~P∨ Q)      46RAA
12 (8)   P&~Q       7ド・モルガンの法則
12 (9)   P          8&E
12 (ア)   P&~P       29&I
1  (イ)       ~~P    2RAA
1  (ウ)         P    イDN
   (エ) ((P→ Q)→P)→P 1ウCP
(ⅱ)
1  (1)  (P→~Q)→P    A
 2 (2)        ~P    A
12 (3) ~(P→~Q)      12MTT
  4(4)  ~P∨~Q       A
  4(5)   P→~Q       4含意の定義
124(6) ~(P→~Q)&
        (P→~Q)      35&I
12 (7)~(~P∨~Q)      46RAA
12 (8)   P& Q       7ド・モルガンの法則
12 (9)   P          8&E
12 (ア)   P&~P       29&I
1  (イ)       ~~P    2RAA
1  (ウ)         P    イDN
   (エ) ((P→~Q)→P)→P 1ウCP
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
①├ ((P→ Q)→P)→P
②├ ((P→~Q)→P)→P
は、2つとも、「定理(トートロジー)」である。
従って、
(02)(06)により、
(07)
①((P→ Q)→P)→P≡((PならばQである)ならばP)ならばPである。
②((P→~Q)→P)→P≡((PならばQでない)ならばP)ならばPである。
に於いて、
① が「パースの法則」であるならば、
② も「パースの法則」である。
然るに、
(08)
①((PならばQである)ならばP)ならばPである。
②((PならばQでない)ならばP)ならばPである。
といふことは、
③(Pであるならば、Qであっても、Qでなくとも、いづれにせよ、)Pである。
といふことである。
然るに、
(09)
③(Pであるならば、Qであっても、Qでなくとも、いづれにせよ、)Pである。
といふことは、「当然」である。
従って、
(06)~(09)により、
(10)
①((PならばQである)ならばP)ならばPである。
だけ見てゐると、「パースの法則」は、「不思議の印象」を与へるものの、
①((PならばQである)ならばP)ならばPである。
②((PならばQでない)ならばP)ならばPである。
といふ「一組」を「パースの法則」とする限りは、「少しも不思議」ではない
令和02年05月31日、毛利太。

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