(01)
練習問題
1 証明を発見する練習の追加として、またつぎの節でその結果が必要となるので、つぎの連式を証明せよ。
1 As a further exercise in proof-discovery, and because we need the results in the next section, so prove the following sequence.
(a) P& Q├ P→Q
(b)
(c)~P&~Q├ P→Q
(d)
・・・・・・・・・・・・・・
(l)
(E.j.レモン 著、竹尾治一郎・楢英 訳、1973年、105頁改と、原文)
然るに、
(02)
(a) P& Q├ P→Q
(c)~P&~Q├ P→Q
といふ「連式」は、
(a)「Pであって、Qである。」故に、「PならばQである。」
(c)「Pでなくて、Qでない。」故に、「PならばQである。」
といふ「意味」である。
然るに、
(03)
(a)「Pであって、Qである。」
(c)「Pでなくて、Qでない。」
といふことは、
(a)「Qであって、Pである。」
(c)「Qでなくて、Pでない。」
といふことである。
従って、
(02)(03)により、
(04)
(a) P& Q├ P→Q
(c)~P&~Q├ P→Q
といふ「連式」、すなはち、
(a)「Pであって、Qである。」故に、「PならばQである。」
(c)「Pでなくて、Qでない。」故に、「PならばQである。」
が「証明」出来るのであれば、
(a) Q& P├ Q→P
(c)~Q&~P├ Q→P
といふ「連式」、すなはち、
(a)「Qであって、Pである。」故に、「QならばPである。」
(c)「Qでなくて、Pでない。」故に、「QならばPである。」
が「証明」出来る。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
練習問題
1 証明を発見する練習の追加として、またつぎの節でその結果が必要となるので、つぎの連式を証明せよ。
1 As a further exercise in proof-discovery, and because we need the results in the next section, so prove the following sequence.
(a) P& Q├ P→Q
(c)~P&~Q├ P→Q
といふ「問題」は、
(a) P& Q├(P→Q)&(Q→P)
(c)~P&~Q├(P→Q)&(Q→P)
といふ「連式」、すなはち、
(a)「Qであって、Pである。」故に、「PならばQであり、QならばPである。」
(c)「Qでなくて、Pでない。」故に、「PならばQであり、QならばPである。」
といふ「連式」を「証明」せよ。
といふ「問題」に、他ならない。
然るに、
(06)
(a)P&Q├(P→Q)&(Q→P)
1 (1) P& Q A
1 (2) Q 1&E
1 (3) ~P∨ Q 2∨I
2 (4) P&~Q A
5 (5) ~P A
2 (6) P 4&E
25 (7) ~P&P 56&I
5 (8)~(P&~Q) 27RAA
9 (9) Q A
2 (ア) ~Q 4&E
2 9 (イ) Q&~Q 9ア&I
9 (ウ)~(P&~Q) 2イRAA
1 (エ)~(P&~Q) 3589ウ∨E
オ (オ) P A
カ (カ) ~Q A
オカ (キ) P&~Q オカ&I
1 オカ (ク)~(P&~Q)&
(P&~Q) 8キ
1 オ (ケ) ~~Q カクCP
1 オ (コ) Q ケDN
1 (サ) P→ Q オコCP
1 (シ) P 1&E
1 (ス) ~Q∨ P シ∨I
セ (セ) Q&~P A
ソ (ソ) ~Q A
セ (タ) Q セ&E
セソ (チ) ~Q&Q ソタ&I
ソ (ツ)~(Q&~P) セチRAA
テ (テ) P A
セ (ト) ~P セ&E
セ テ (ナ) P&~P テト&I
テ (ニ)~(Q&~P) セナRAA
1 (ヌ)~(Q&~P) スソツテニ∨E
ネ (ネ) Q A
ノ(ノ) ~P A
ネノ(ハ) Q&~P ネノ&I
1 ネノ(ヒ)~(Q&~P)&
(Q&~P) ヌハ&I
1 ネ (フ) ~~P ノヒRAA
1 ネ (ヘ) P フDN
1 (ホ) Q→ P ネヘCP
1 (マ) (P→ Q)&
(Q→ P) サホ&I
(07)
(c)~P&~Q├(P→Q)&(Q→P)
1 (1) ~P&~Q A
1 (2) ~P 1&E
1 (3) ~P∨ Q 2∨I
4 (4) P&~Q A
5 (5) ~P A
4 (6) P 4&E
45 (7) ~P&P 56&I
5 (8)~(P&~Q) 47RAA
9 (9) Q A
4 (ア) ~Q 4&E
4 9 (イ) Q&~Q 9ア&I
9 (ウ)~(P&~Q) 4イRAA
1 (エ)~(P&~Q) 3589ウ∨E
オ (オ) P A
カ (カ) ~Q A
オカ (キ) P&~Q オカ&I
1 オカ (ク)~(P&~Q)&
(P&~Q) エキ&I
1 オ (ケ) ~~Q カクRAA
1 オ (コ) Q ケDN
1 (サ) P→ Q オコCP
1 (シ) ~Q 1&E
1 (ス) ~Q∨ P シ∨I
セ (セ) Q&~P A
ソ (ソ) ~Q A
セ (タ) Q セ&E
セソ (チ) ~Q&Q ソタ&I
ソ (ツ)~(Q&~P) セチRAA
テ (テ) P A
セ (ト) ~P セ&E
セ テ (ナ) P&~P テト&I
テ (ニ)~(Q&~P) セナRAA
1 (ヌ)~(Q&~P) スソツテニ∨E
ネ (ネ) Q A
ノ(ノ) ~P A
ネノ(ハ) Q&~P ネノ&I
1 ネノ(ヒ)~(Q&~P)&
(Q&~P) ヌハ&I
1 ネ (フ) ~~P ノヒRAA
1 ネ (ヘ) P フDN
1 (ホ) Q→ P ネヘCP
1 (マ) (P→ Q)&
(Q→ P) サホ&I
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
(a) P& Q├(P→Q)&(Q→P)
(c)~P&~Q├(P→Q)&(Q→P)
といふ「連式」、すなはち、「日本語」でいふならば、
(a)「Pであって、Qである。」故に、「PならばQであり、QならばPである。」
(c)「Pでなくて、Qでない。」故に、「PならばQであり、QならばPである。」
といふ「連式」は、確かに、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(09)
(a)「PならばQであり、QならばPである。」
(c)「PならばQであり、QならばPである。」
といふことは、
(a)「PはQに等しい。」
(c)「PとQは同じである。」
といふことに、他ならない。
従って、
(08)(09)により、
(10)
(a) P& Q├(P→Q)&(Q→P)
(c)~P&~Q├(P→Q)&(Q→P)
といふ「連式」は、
(a)「Pであって、Qである。」故に、「PはQに等しい。」
(c)「Pでなくて、Qでない。」故に、「PとQは同じである。」
といふ「意味」である。
然るに、
(11)
例へば、
(a)「日本人であって、学生である。」故に、「日本人は学生に、等しい。」
(b)「日本人であって、学生である。」故に、「日本人である。」
(c)「日本人でなくて、学生でない。」故に、「日本人と学生は、同じである。」
といふ「推論」に於いて、
(a)は、ヲカシイ。
(b)は当然である。
(c)は、ヲカシイ。
としか、言ひやうがない。
然るに、
(12)
(a) P& Q├(P→Q)&(Q→P)
(c)~P&~Q├(P→Q)&(Q→P)
といふ「連式」は、「含意の定義」といふ「定理(公式)」を用ひれば、それぞれ、次にやうに、「証明」出来る。
(a)
1(1) P& Q A
1(2) Q 1&E
1(3)~P∨ Q 2∨I
1(4) P→ Q 3含意の定義
1(5) P 1&E
1(6)~Q∨ P 5∨I
1(7) Q→ P 6含意の定義
1(8)(P→ Q)&
(Q→ P) 47&I
(c)
1(1)~P&~Q A
1(2)~P 1&E
1(3)~P∨ Q 2∨I
1(4) P→ Q 3含意の定義
1(5) ~Q 1&E
1(6)~Q∨ P 5∨I
1(7) Q→ P 6含意の定義
1(8)(P→ Q)&
(Q→ P) 47&I
従って、
(06)(07)(12)により、
(13)
(a) P& Q├(P→Q)&(Q→P)
(c)~P&~Q├(P→Q)&(Q→P)
といふ「連式」、すなはち、
(a)「Pであって、Qである。」故に、「PはQに等しい。」
(c)「Pでなくて、Qでない。」故に、「PとQは同じである。」
といふ「連式」が、「妥当」であることは、「疑ふ余地」が無い。
(14)
練習問題
1 証明を発見する練習の追加として、またつぎの節でその結果が必要となるので、つぎの連式を証明せよ。
1 As a further exercise in proof-discovery, and because we need the results in the next section, so prove the following sequence.
(E.j.レモン 著、竹尾治一郎・楢英 訳、1973年、105頁と原文)
でいふ、「次の節(the next section)」といふのは、「命題計算の完全性(The completeness of propositional calculus)」のことをいふ。
従って、
(15)
(a)「Pであって、Qである。」故に、「PはQに等しい。」
(c)「Pでなくて、Qでない。」故に、「PとQは同じである。」
といふ「連式」が、「妥当」でることを、疑ふのであれば、結局は、「命題計算の完全性(The completeness of propositional calculus)」を疑ふことになる。
然るに、
(16)
とはいふものの、「普通」に考へれば、
(a)「Pであって、Qである。」故に、「PはQに等しい。」
(b)「Pであって、Qである。」故に、「Pである。」
(c)「Pでなくて、Qでない。」故に、「PとQは同じである。」
に於いて、「正しい」のは、
(b)「Pであって、Qである。」故に、「Pである。」
だけであって、
(a)「Pであって、Qである。」故に、「PはQに等しい。」
(c)「Pでなくて、Qでない。」故に、「PとQは同じである。」
といふのは、どう考へても「ヲカシイ」。
然るに、
(17)
(a)
1(1) P& Q A
1(2) Q 1&E
1(3)~P∨ Q 2∨I
1(4) P→ Q 3含意の定義
1(5) P 1&E
1(6)~Q∨ P 5∨I
1(7) Q→ P 6含意の定義
1(8)(P→ Q)&
(Q→ P) 47&I
(b)
1(1) P& Q A
1(2) Q 1&E
(c)
1(1)~P&~Q A
1(2)~P 1&E
1(3)~P∨ Q 2∨I
1(4) P→ Q 3含意の定義
1(5) ~Q 1&E
1(6)~Q∨ P 5∨I
1(7) Q→ P 6含意の定義
1(8)(P→ Q)&
(Q→ P) 47&I
従って、
(15)(16)(17)により、
(18)
「普通」に考へれば、
(a)「Pであって、Qである。」故に、「PはQに等しい。」
(b)「Pであって、Qである。」故に、「Pである。」
(c)「Pでなくて、Qでない。」故に、「PとQは同じである。」
に於いて、「正しい」のは、
(b)「Pであって、Qである。」故に、「Pである。」
だけであるが、「命題計算」としては、「3つとも正しい」のであって、そのことが、私には、「とても、不思議である。」
(19)
分かりました。不思議でない(5月7日、19時07分)。
令和02年05月07日、毛利太。
0 件のコメント:
コメントを投稿