2020年5月10日日曜日

「E.J.レモンの方法(命題論理の自然演繹法)」について。

(01)
演習9.4 以下の命題論理式について、トートロジーならばその証明図を示し、トートロジーでないならば、反例を与えよ。
(1)P→P→Q
(2)(~P→Q)→P∨Q
(2019年度、数理論理学、講義資料9、青戸等人、知能情報システムプログラム)
(02)
(1)P→P→Q
であるならば、
(a)(P→P)→Q
(b) P→(P→Q)
のいづれかである。
然るに、
(03)
P=1
Q=0
であるならば、
(a)(1→1)→0
(b) 1→(1→0)
は、両方とも、「0(偽)」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(1)P→P→Q
は、トートロジーではない。
然るに、
(05)
(ⅱ)
1    (1)   ~P→ Q   A
 2   (2)   ~P&~Q   A
 2   (3)   ~P      2&E
12   (4)       Q   23MPP
 2   (5)      ~Q   2&E
12   (6)    Q&~Q   45&I
1    (7) ~(~P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~( P∨ Q)  A
   9 (9)    P      A
   9 (ア)    P∨ Q   9∨I
  89 (イ) ~( P∨ Q)& 
          ( P∨ Q)  8ア&I
  8  (ウ)   ~P      9イRAA
    エ(エ)       Q   A
    エ(オ)    P∨ Q   エ∨I
  8 エ(カ) ~( P∨ Q)&
          ( P∨ Q)  8オ&I
  8  (キ)     ~ Q   エカRAA
  8  (ク)   ~P&~Q   ウキ&I
1 8  (ケ) ~(~P&~Q)&
          (~P&~Q)  7ク&I
1    (コ)~~( P∨ Q)  8ケRAA
1    (サ)    P∨ Q   コDN
従って、
(01)(05)により、
(06)
(2)(~P→Q)→P∨Q
は、トートロジーである。
従って、
(01)(04)(06)により、
(07)
演習9.4 以下の命題論理式について、トートロジーならばその証明図を示し、トートロジーでないならば、反例を与えよ。
(1)P→P→Q
(2)(~P→Q)→P∨Q
答え9.4
(1)はトートロジー ではない。
(2)はトートロジー である。
然るに、
(08)

然るに、
(08)により、
(09)
(解答)(2)の「証明図」は、「私はまだ学んでゐない(未之学也)」ため、「私には読めない。」
然るに、
(10)
証明の各行の左側に、仮定の数字を挙げる方法は、伝統的な方法にくらべて遥かに明瞭であるとわたしには思われる。
The device of listing assumptions by number on the left of each line seems to me much clearer than more traditional approaches.
(E.j.レモン 著、竹尾治一郎・楢英 訳、1973年、序ⅲと、原文)
然るに、
(11)
1    (1)   ~P→ Q   A
 2   (2)   ~P&~Q   A
 2   (3)   ~P      2&E
12   (4)       Q   23MPP
 2   (5)      ~Q   2&E
12   (6)    Q&~Q   45&I
1    (7) ~(~P&~Q)  26RAA
が「意味する所」は、
1  で、 「PでないならばQである。」と仮定し、
 2 で  「Pでなくて、Qでもない。」と仮定したところ。
12 が  「矛盾(Q&~Q)」を「証明」したため、
 2 が、 「否定」されて、2が、「左側(仮定のプール)」から除かれて、残ってゐる、
1 により、「Pでなくて、Qでもない。」といふことはない。といふ「結論」を得た。
といふ「意味」であって、「かうした記述」は、「私にとっても極めて明瞭である。」
加へて、
(12)
1    (1)   ~P→ Q   A
 2   (2)   ~P&~Q   A
 2   (3)   ~P      2&E
12   (4)       Q   23MPP
 2   (5)      ~Q   2&E
12   (6)    Q&~Q   45&I
1    (7) ~(~P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~( P∨ Q)  A
   9 (9)    P      A
   9 (ア)    P∨ Q   9∨I
  89 (イ) ~( P∨ Q)& 
          ( P∨ Q)  8ア&I
  8  (ウ)   ~P      9イRAA
    エ(エ)       Q   A
    エ(オ)    P∨ Q   エ∨I
  8 エ(カ) ~( P∨ Q)&
          ( P∨ Q)  8オ&I
  8  (キ)     ~ Q   エカRAA
  8  (ク)   ~P&~Q   ウキ&I
1 8  (ケ) ~(~P&~Q)&
          (~P&~Q)  7ク&I
1    (コ)~~( P∨ Q)  8ケRAA
1    (サ)    P∨ Q   コDN
といふ「計算」は、現にさうしてゐるやうに、「メモ帳(Windowsに付属)」で書けるものの、

といふ「計算」は、「Word(マイクロソフト)」でも(、少なくとも私には)書けない。
従って、
(12)により、
(13)
「証明の各行の左側に、仮定の数字を挙げる方法(The device of listing assumptions by number on the left of each line)」は、
「Windows PC があれば、誰にでも、それを練習し、その結果を、PCのストレージに、保存することが出来る」。
従って、
(10)~(13)により、
(14)
「証明の各行の左側に、仮定の数字を挙げる方法は、伝統的な方法(ゲンツェンの方法)にくらべて遥かに明瞭であるとわたしにも思われる」し、その上、
「Windows PC があれば、誰にでも、好きなだけそれを練習し、その結果を、PCのストレージに、保存することが出来る」が故に、
「証明の各行の左側に、仮定の数字を挙げる方法」は、「大変優れてゐる」と、私自身は思ってゐる。
令和02年05月10日、毛利太。

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