2020年5月22日金曜日

「量化子の関係」と「ド・モルガンの法則」。

(01)
(ⅰ)
1  (1) ∃x( Fx) A
 2 (2) ∀x(~Fx) A
  3(3)     Fa  A
 2 (4)    ~Fa  2UE
 23(5) Fa&~Fa  34&I
1 3(6) Fa&~Fa  135EE
1  (7)~∀x(~Fx) 36RAA
(ⅱ)
1  (1) ~∀x(~Fx)  A
 2 (2) ~∃x( Fx)  A
  3(3)      Fa   A
  3(4)  ∃x( Fx)  3EI
 23(5) ~∃x( Fx)&
        ∃x( Fx)  24&I
 2 (6)     ~Fa   35RAA
 2 (7)  ∀x(~Fx)  6UI
12 (8) ~∀x(~Fx)&
        ∀x(~Fx)  17&I
1  (9)~~∃x( Fx)  28RAA
1  (ア)  ∃x( Fx)  9DN
(ⅲ)
1 (1)~∃x(~Fx)  A
 2(2)    ~Fa   A
 2(3) ∃x(~Fx)  2EI
12(4)~∃x(~Fx)&
      ∃x(~Fx)  13&I
1 (5)   ~~Fa   24RAA
1 (6)     Fa   5DN
1 (7) ∀x( Fx)  6UI
(ⅳ)
1  (1) ∀x( Fx) A
 2 (2) ∃x(~Fx) A
1  (3)     Fa  1UE
  4(4)    ~Fa  A
1 4(5) Fa&~Fa  34&I
12 (6) Fa&~Fa  245EE
1  (7)~∃x(~Fx) 26RAA
従って、
(01)により、
(02)
①  ∃x( Fx)
② ~∀x(~Fx)
③ ~∃x(~Fx)
④   ∀x( Fx)
に於いて、すなはち、
①   あるxはFである。
② すべてのxがFでない。といふわけではない。
③     あるxがFでない。といふことはない。
④ すべてのxはFである。
に於いて、
①=② であって、
③=④ であって、これらの「等式」を、「量化子の関係」といふ。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1     (1)   Fa∨ Fb∨ Fc  A
1     (2)   Fa∨(Fb∨ Fc) 1結合法則
 3    (3)  ~Fa&~Fb&~Fc  A
  4   (4)   Fa          A
 3    (5)  ~Fa          3&E
 34   (6)   Fa&~Fa      45&I
  4   (7)~(~Fa&~Fb&~Fc) 36RAA
   8  (8)       Fb∨ Fc  A
    9 (9)       Fb      A
 3    (ア)      ~Fb      3&E
 3  9 (イ)       Fb&~Fb  9ア&I
    9 (ウ)~(~Fa&~Fb&~Fc) 3イRAA
     エ(エ)           Fc  A
 3    (オ)          ~Fc  3&E
 3   エ(カ)       Fc&~Fc  エオ&I
     エ(キ)~(~Fa&~Fb&~Fc) 3カRAA
   8  (ク)~(~Fa&~Fb&~Fc) 89ウエキ∨E
1     (ケ)~(~Fa&~Fb&~Fc) 2478ク∨E
(ⅱ)
1    (1) ~(~Fa&~Fb&~Fc)  A
 2   (2) ~(  Fa∨ Fb∨ Fc)  A
  3  (3)    Fa           A
  3  (4)    Fa∨ Fb       3∨I
  3  (5)    Fa∨ Fb∨ Fc   4∨I
 23  (6) ~(  Fa∨ Fb∨ Fc)&
          ( Fa∨ Fb∨ Fc)  25&I
 2   (7)   ~Fa           36RAA
   8 (8)        Fb       A
   8 (9)    Fa∨ Fb       8∨I
   8 (ア)    Fa∨ Fb       9∨I
   8 (イ)    Fa∨ Fb∨ Fc   ア∨I
 2 8 (ウ) ~(  Fa∨ Fb∨ Fc)&
          ( Fa∨ Fb∨ Fc)  2イ&I
 2   (エ)       ~Fb       8ウRAA
    オ(オ)            Fc   A
    オ(カ)        Fb∨ Fc   オ∨I
    オ(キ)    Fa∨ Fb∨ Fc   カ∨I
 2  オ(ク) ~(  Fa∨ Fb∨ Fc)&
          ( Fa∨ Fb∨ Fc)  2キ&I
 2   (ケ)           ~Fc   オクRAA
 2   (コ)   ~Fa&~Fb       7エ&I
 2   (サ)   ~Fa&~Fb&~Fc   ケコ&I
12   (シ) ~(~Fa&~Fb&~Fc)&
          (~Fa&~Fb&~Fc)  1サ&I
1    (ス)~~( Fa∨ Fb∨ Fc)  2シRAA
1    (セ)  (  Fa∨ Fb∨ Fc)  スDN
(ⅲ)
1    (1) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)   A
 2   (2) ~( Fa& Fb& Fc)   A
  3  (3)   ~Fa            A
  3  (4)   ~Fa∨~Fb        3∨I
  3  (5)   ~Fa∨~Fb∨~Fc    4∨I
1 3  (6) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)&
          (~Fa∨~Fb∨~Fc)   15&I
1    (7)  ~~Fa            36RAA
1    (8)    Fa            7DN
   9 (9)       ~Fb        A
   9 (ア)   ~Fa∨~Fb        9∨I
   9 (イ)   ~Fa∨~Fb∨~Fc    ア∨I
1  9 (ウ) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)&
          (~Fa∨~Fb∨~Fc)   1イ&I
1    (エ)      ~~Fb        9うRAA
1    (オ)        Fb        エDN
    カ(カ)           ~Fc    A
    カ(キ)       ~Fb∨~Fc    カ∨I
    カ(ク)   ~Fa∨~Fb∨~Fc    キ∨I
1   カ(ケ) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)&
          (~Fa∨~Fb∨~Fc)   1ク&I
1    (コ)          ~~Fc    カケRAA
1    (サ)            Fc    コDN
1    (シ)    Fa& Fb        8オ&I
1    (ス)    Fa& Fb& Fc    サシ&I
12   (セ) ~( Fa& Fb& Fc)&
          ( Fa& Fb& Fc)   2ス&U
1    (ソ)~~( Fa& Fb& Fc)   2RAA
1    (タ)    Fa& Fb& Fc    ソDN
(ⅳ)
1     (1)   Fa&  Fb& Fc   A
 2    (2)  ~Fa∨ ~Fb∨~Fc   A
 2    (3)  ~Fa∨(~Fb∨~Fc)  2結合法則
  4   (4)  ~Fa            A
1     (5)   Fa            1&E
1 4   (6)  ~Fa&Fa         45&I
  4   (7) ~(Fa&  Fb& Fc)  16RAA
   8  (8)       ~Fb∨~Fc   A
    9 (9)       ~Fb       A
1     (ア)        Fb       1&E
1   9 (イ)       ~Fb&Fb    9ア&I
    9 (ウ) ~(Fa&  Fb& Fc)  1イRAA
     エ(エ)           ~Fc   A
1     (オ)            Fc   1&E
1    エ(カ)        ~Fc&Fc   エオ&I
     エ(キ) ~(Fa&  Fb& Fc)  1カRAA
   8  (ク) ~(Fa&  Fb& Fc)  89ウエキ∨E
 2    (ケ) ~(Fa&  Fb& Fc)  2478ク∨E
12    (コ)  (Fa&  Fb& Fc)&
          ~(Fa&  Fb& Fc)  1ケ&I
1     (サ)~(~Fa∨ ~Fb∨~Fc)  2コRAA
従って、
(03)により、
(04)
①      Fa∨ Fb∨ Fc
② ~(~Fa&~Fb&~Fc)
③ ~(~Fa∨~Fb∨~Fc) 
④       Fa&  Fb& Fc
に於いて、
①=② であって、
③=④ であって、これらの「等式」も、「ド・モルガンの法則」といふ。
然るに、
(05)
{a、b、c}が{xの変域}であるとすると、
①  ∃x( Fx)
② ~∀x(~Fx)
③ ~∃x(~Fx)
④   ∀x( Fx)
は、それぞれ、
①  (  Fa∨ Fb∨ Fc)
② ~(~Fa&~Fb&~Fc)
③ ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)
④  ( Fa& Fb& Fc)
といふ「式」に「等しい」。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
{xの変域}が{a、b、c}であるとして、
①   あるxはFである。
② すべてのxがFでない。といふわけではない。
に於いて、
①=② である。といふことは、
①  ∃x( Fx)≡  (  Fa∨ Fb∨ Fc)
② ~∀x(~Fx)≡ ~(~Fa&~Fb&~Fc)
に於いて、
①=② である。といふことであって、
③     あるxがFでない。といふことはない。
④ すべてのxはFである。
に於いて、
③=④ である。といふことは、
③ ~∃x(~Fx)≡ ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)
④   ∀x( Fx)≡   ( Fa& Fb& Fc)
に於いて、
③=④ である。といふことである。
従って、
(06)により、
(07)
①   あるxはFである。
② すべてのxがFでない。といふわけではない。
に於いて、
①=② である。といふことを「知ってゐる」のであれば、その人は、
①   (  Fa∨ Fb∨ Fc)
② ~(~Fa&~Fb&~Fc)
に於いて、
①=② である。といふ「ド・モルガンの法則」を、「知ってゐる」ことになる。
令和02年05月22日、毛利太。

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