2020年5月5日火曜日

「ド・モルガンの法則」の「(命題計算による)証明」の「説明」。

(01)
① ~(P& Q)
といふ「式」は、
①(Pであって、尚且つ、Qである。)といふことはない。
といふ「意味」である。
然るに、
(02)
②  ~P∨~Q
といふ「式」は、
② Pでないか、または、Qでないか、または、その両方である。
といふ「意味」である。
然るに、
(03)
①(Pであって、尚且つ、Qである。)といふことはない。
②  Pでないか、または、Qでないか、または、その両方である。
に於いて、
① ならば、② であり、
② ならば、① である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ~(P& Q)
②  ~P∨~Q
に於いて、
①=② である。
(05)
③ ~(P∨ Q)
といふ「式」は、
③(Pであるか、または、Qであるか、または、その両方である。)といふことはない。
といふ「意味」である。
然るに、
(06)
④   ~P&~Q
といふ「式」は、
④ Pではないし、Qでもない。
といふ「意味」である。
然るに、
(07)
③(Pであるか、または、Qであるか、または、その両方である。)といふことはない。
④  Pではないし、Qでもない。
に於いて、
③ ならば、④ であり、
④ ならば、③ である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
③ ~(P∨ Q)
④   ~P&~Q
に於いて、
③=④ である。
従って、
(04)(08)により、
(09)
① ~(P& Q)
②  ~P∨~Q
③ ~(P∨ Q)
④   ~P&~Q
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。ものの、
これらの「等式」を、「ド・モルガンの法則」といふ。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
①(Pであって、尚且つ、Qである。)といふことはない。
②  Pでないか、または、Qでないか、または、その両方である。
③(Pであるか、または、Qであるか、または、その両方である。)といふことはない。
④  Pではないし、Qでもない。
に於いて、すなはち、
①(Qであって、尚且つ、Pである。)といふことはない。
②  Qでないか、または、Pでないか、または、その両方である。
③(Qであるか、または、Pであるか、または、その両方である。)といふことはない。
④  Qではないし、Pでもない。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
といふことが、「理解」出来るのであれば、その人は既に、「ド・モルガンの法則」を知ってゐる。
といふ、ことになる。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① ~(P& Q)
②  ~P∨~Q
③ ~(P∨ Q)
④   ~P&~Q
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
といふ「ド・モルガンの法則」は、「当り前」のことを、述べてゐるに、過ぎない。
のであって、そのため、わざわざ、


のやうな「ベン図」を用ひて、「説明」する「必要」は無い。
然るに、
(12)
(ⅰ)
1   (1)  ~(P& Q)  A
 2  (2) ~(~P∨~Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨~Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  24&I
 2  (6)  ~~P      3RAA
 2  (7)    P      6DN
   8(8)      ~Q   A
   8(9)   ~P∨~Q   8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  29&I
 2  (イ)     ~~Q   8アRAA
 2  (ウ)       Q   イDN
 2  (エ)    P& Q   7ウ&I
12  (オ)  ~(P& Q)&
          (P& Q)  1エ&I
1   (カ)~~(~P∨~Q)  2オRAA
1   (キ)   ~P∨~Q   カDN
(ⅱ)
1   (1)   ~P∨~Q   A
 2  (2)    P& Q   A
  3 (3)   ~P      A
 2  (4)    P      2&E
 23 (5)   ~P& P   34&I
  3 (6)  ~(P& Q)  25RAA
   7(7)      ~Q   A
 2  (8)       Q   2&E
 2 7(9)    ~Q&Q   78&I
   7(ア)  ~(P& Q)  29RAA
1   (イ)  ~(P& Q)  1367ア∨E
(ⅲ)
1  (1)~(P∨ Q)  A
 2 (2)  P      A
 2 (3)  P∨ Q   2∨I
12 (4)~(P∨ Q)&
       (P∨ Q)  13&I
1  (5) ~P      24RAA
  6(6)     Q   A
  6(7)  P∨ Q   6∨I
1 6(8)~(P∨ Q)&
       (P∨ Q)  17&I
1  (9)    ~Q   6&RAA
1  (ア) ~P&~Q   59&I
(ⅳ)
1   (1)  ~P&~Q   A
 2  (2)   P∨ Q   A
1   (3)  ~P      1&E
  4 (4)   P      A
1 4 (5)  ~P&P    34&I
  4 (6)~(~P&~Q)  15RAA
1   (7)     ~Q   1&E
   8(8)      Q   A
1  8(9)   ~Q&Q   78&I
   8(ア)~(~P&~Q)  19RAA
 2  (イ)~(~P&~Q)  2468ア∨E
12  (ウ) (~P&~Q)&
       ~(~P&~Q)  1イ&I
1   (エ)~( P∨ Q)  2ウRAA
従って、
(12)により、
(13)
① ~(P& Q)
②  ~P∨~Q
③ ~(P∨ Q)
④   ~P&~Q
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
といふ「等式(ド・モルガンの法則)」は、「命題計算」としても、「正しい」。
然るに、
(14)
(12)で示した、例へば、
(ⅰ)
1   (1)  ~(P& Q)  A
 2  (2) ~(~P∨~Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨~Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  24&I
 2  (6)  ~~P      3RAA
 2  (7)    P      6DN
   8(8)      ~Q   A
   8(9)   ~P∨~Q   8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  29&I
 2  (イ)     ~~Q   8アRAA
 2  (ウ)       Q   イDN
 2  (エ)    P& Q   7ウ&I
12  (オ)  ~(P& Q)&
          (P& Q)  1エ&I
1   (カ)~~(~P∨~Q)  2オRAA
1   (キ)   ~P∨~Q   カDN
といふ「計算」を「説明」すると、
(a)
1   (1)  ~(P& Q)  A
 2  (2) ~(~P∨~Q)  A
といふ「2つの仮定」は、「矛盾」してゐるため、その「矛盾」を示すことが出来れば、「背理法(RAA)」により、
    (1)  ~(P& Q)
    (2) ~(~P∨~Q)
といふ「2つの仮定」の、「どちらか一方」を、「否定」することが出来る。
(b)
 2  (2) ~(~P∨~Q)  A
  3 (3)   ~P      A
といふ「2つの仮定」は、「矛盾」してゐるため、その「矛盾」を示すことが出来れば、「背理法(RAA)」により、
    (2) ~(~P∨~Q)
    (3)   ~P
といふ「2つの仮定」の、例へば、
    (3)   ~P
を「否定」することが出来る。
(c)
実際に、
 23 (5) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  24&I
といふ「矛盾」が示せたため、「背理法(RAA)」により、
 2  (6)  ~~P      3RAA
となって、次に、「二重否定(DN)」により、
 2  (7)    P      6DN
となる。
(d)
同様にして、
 2  (ウ)       Q   イDN
を得る。
(e)
 2  (7)    P      6DN
 2  (ウ)       Q   イDN
から、
 2  (エ)    P& Q   7ウ&I
を得る。
(e)
1   (1)  ~(P& Q)  A
 2  (エ)    P& Q   7ウ&I
から、
12  (オ)  ~(P& Q)&
          (P& Q)  1エ&I
といふ「矛盾」を得ることが出来た。
従って、
(a)(e)により、
(f)
 2  (2) ~(~P∨~Q)  A
を「否定」して、
1   (カ)~~(~P∨~Q)  2オRAA
となって、「二重否定(DN)」により、
1   (キ)   ~P∨~Q   カDN
となる。
従って、
(a)(f)により、
(g)
1   (1)  ~(P& Q)  A
から、
1   (キ)   ~P∨~Q   カDN
を得ることになる。
従って、
(14)(a)により、
(15)
12  (オ)  ~(P& Q)&
          (P& Q)  1エ&I
1   (カ)~~(~P∨~Q)  2オRAA
1   (キ)   ~P∨~Q   カDN
といふ「計算」の他に、
12  (オ)  ~(P& Q)&
          (P& Q)  1エ&I
 2  (カ) ~~(P& Q)  1オRAA
 2  (キ)    P& Q   カDN
といふ「計算」も、「可能」である。
然るに、
(16)
(ⅰ)
1   (1)  ~(P& Q)  A
 2  (2) ~(~P∨~Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨~Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  24&I
 2  (6)  ~~P      3RAA
 2  (7)    P      6DN
   8(8)      ~Q   A
   8(9)   ~P∨~Q   8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨~Q)&
         (~P∨~Q)  29&I
 2  (イ)     ~~Q   8アRAA
 2  (ウ)       Q   イDN
 2  (エ)    P& Q   7ウ&I
12  (オ)  ~(P& Q)&
          (P& Q)  1エ&I
 2  (カ) ~~(P& Q)  1オRAA
 2  (キ)    P& Q   カDN
(ⅱ)
1   (1)   P& Q   A
 2  (2)  ~P∨~Q   A
1   (3)   P      1&E
  4 (4)  ~P      A
1 4 (5)   P&~P   34&E
  4 (6) ~(P& Q)  15RAA
1   (7)      Q   1&E
   8(8)     ~Q   A
1  8(9)   Q&~Q   78&I
   8(ア) ~(P& Q)  19RAA
 2  (イ) ~(P& Q)  2468ア∨E
12  (ウ)  (P& Q)&
        ~(P& Q)  1イ&I
1   (エ)~(~P∨~Q)  2ウRAA
従って、
(16)により、
(17)
①     P& Q
② ~(~P∨~Q)
に於いて、すなはち、
①  Pであって、尚且つ、Qである。
②(Pでないか、または、Qでないか、または、その両方である。)といふことはない。
に於いて、
①=② である。
令和02年05月05日、毛利太。

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