(01)
述語論理の公理系は次のように与えられる。ここにP,Q,Rは任意の論理式とする。
― 述語論理の公理系 ―
A1: P→(Q→P)
A2:(P→(Q→R))→((P→Q)→(P→R))
A3:(~P→~Q)→((~P→Q)→P)
A4:∀xP[x]→P[y]
P[x]はPが論理変項xもつことを意味し、P[y]はP[x]のxをyにかえた論理式を意味する。
(長尾真・淵一博、論理と意味、1983年、59頁)
然るに、
(02)
A1:
1 (1) P A
1 (2) ~Q∨ P A
3 (3) Q&~P A
4 (4) ~Q A
3 (5) Q 3&E
34 (6) ~Q&Q 45&I
4 (7)~(Q&~P) 36RAA
8 (8) P A
3 (9) ~P 3&E
3 8 (ア) P&~P 89&I
8 (イ)~(Q&~P) 3アRAA
1 (ウ)~(Q&~P) 2478イ∨E
エ (エ) Q A
カ(カ) ~P A
エカ(キ) Q&~P エカ&I
1 エカ(ク)~(Q&~P)&
(Q&~P) イキ&I
1 エ (ケ) ~~P カクRAA
1 エ (コ) P ケDN
1 (サ) Q→P エコCP
(シ)P→(Q→P) 1サCP
A2:
1 (1) P→(Q→R) A
2 (2) P→ Q A
3(3) P A
1 3(4) Q→R 13MPP
23(5) Q 23MPP
123(6) R 45MPP
12 (7) P→R 36CP
1 (8)(P→Q)→(P→R) 27CP
(9)(P→(Q→R))→
((P→Q)→(P→R)) 18CP
A3:
1 (1) ~P→~Q A
2 (2) ~P→ Q A
3(3) ~P A
1 3(4) ~Q 13MPP
23(5) Q 23MPP
123(6) ~Q&Q 45&
12 (7)~~P 36RAA
12 (8) P 7DN
1 (9)(~P→Q)→P
(ア)(~P→~Q)→
((~P→Q)→P) 19CP
従って、
(02)により、
(03)
① ├ P→(Q→P)
② ├(P→(Q→R))→((P→Q)→(P→R))
③ ├(~P→~Q)→((~P→Q)→P)
といふ「連式」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
定理とは仮定の数がゼロの証明可能な連式の結論である。― 中略 ―
興味のある定理の大ていのものは、事実上 CPを適用することによって導かれる。たとえば、
38 ├ P→P
1(1)P A
(2)P→P 1,1CP
(E.j.レモン 著、竹尾治一郎・楢英 訳、1973年、64頁)
従って、
(04)により、
(05)
④ ├ P→P(同一律)
がさうであるやうに、
① ├ P→(Q→P)
② ├(P→(Q→R))→((P→Q)→(P→R))
③ ├(~P→~Q)→((~P→Q)→P)
といふ「仮定の数がゼロの証明可能な連式の結論」は、「3つとも、定理(恒真式)」である。
従って、
(01)(05)により、
(06)
― 述語論理の公理系 ―
A1: P→(Q→P)
A2:(P→(Q→R))→((P→Q)→(P→R))
A3:(~P→~Q)→((~P→Q)→P)
A4:∀xP[x]→P[y]
といふ「述語論理の、4つの公理」の内の「3つ」は、「命題論理の恒真式」である。
令和02年05月12日、毛利太。
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