2022年5月31日火曜日

「AがBである」=「AはBであり、BはAである」。

(01)
F=象
G=動物
として、
① ∀x(Fx→Gx)
② 象動物である。
③ 象について言えば、象動物である。
④ 象であるならば、それは動物である。
⑤ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物である。
に於いて、
①=②=③=④=⑤ である。
然るに、
(02)
「象ハ鼻ガ長イ」の「象」は主語ではない。「象について言えば」と話題を提示しているのである。
(三上章『象鼻が長い』 大澤真幸が読む - 朝日新聞 ...)
従って、
(01)(02)により、
(03)
② 象動物である。
③ 象について言えば、象動物である。
に於いて、
②=③ であるが故に、
② 象 は、「主語」ではない。
然るに、
(04)
F=Elephants
G=animals
であるとして、
① ∀x(Fx→Gx)
② Elephants are animals.
③ Speaking of elephants, they are animals.
④ If they are elepahnts, then they are animals.
⑤ For any x, if x is an elephant, then x is an animal.
に於いて、
①=②=③=④=⑤ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
② Elephants are animals.
Speaking of elephants, they are animals.
に於いて、
②=③ であるが故に、
② Elephants は、「主語」ではない。
然るに、
(06)
『少年少女のための論理学』は、主語と述語について、「日本人東洋人だ」「太郎正直者だ」などを例として、
ふつうの言い方では、主語がさすもののはんいのほうがせまく、述語のさすもののほうが広く主語は述語にふくまれ、述語は主語をふくむ、というようなぐあいに、主語と述語をきめるのです。このような文法上の言い方の規則は、世界のひじょうに多くのことばに、共通な特ちょうで、日本語をはじめ、英語でもフランス語でもロシア語でも中国語でも同じことです。
(三上章、日本語の論理、1963年、179頁)
従って、
(06)により、
(07)
F=日本人
G=東洋人
であるとして、
① ∀x(Fx→Gx)
② 日本人は東洋人である(日本人者東洋人也)。
③ すべてのxについて、xが日本人であるならば、xは東洋人である。
に於いて、
② 日本人 は、「主語」である。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① 象動物である。  ⇔
① ∀x(象x→動物x)⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物である。
に於ける、
① 象 は、「三上文法」からすれば、「主語」ではないが、
① 象 は、「論理学的」には、「主語」である。
然るに、
(09)
「逆は必ずしも真ではない」といことは、
「逆には、真である場合と、真ではない場合がある」といふことに、他ならない。
従って、
(06)(09)により、
(10)
「ふつうの言い方では、主語がさすものの範囲の方が狭く、述語のさすもの方が広く、主語は述語に含まれ、述語は主語を含む、というようなぐあいに、主語と述語を決めるのです。」
とするならば、
① 東京日本の首都である(日本の首都東京である)。
のやうな、
① ABである(BAである)。
に於ける、
① A は、「主語」ではない
といふことになる。
然るに、
(11)
(ⅰ)
1(1)∀x{(Ax→Bx)&(Bx→Ax)}    A
1(2)   (Aa→Ba)&(Ba→Aa)     1UE
1(3)   (Aa→Ba)             2&E
  1(4)           (Ba→Aa)     2&E
1(5)           ~Ba∨Aa      4含意の定義
1(6)           Aa∨~Ba      5交換法則
1(7)         ~(~Aa&Ba)     6ド・モルガンの法則
1(8)       ∀x~(~Ax&Bx)     7UI
1(9)       ~∃x(~Ax&Bx)     8量化子の関係
1(ア)∀x(Ax→Bx)              3UI
1(イ)∀x(Ax→Bx)&~∃x(~Ax&Bx)  89&I
(ⅱ)
1(1)∀x(Ax→Bx)&~∃x(~Ax&Bx)  A
1(2)∀x(Ax→Bx)              1&E
1(3)   Aa→Ba               2EI
1(4)           ~∃x(~Ax&Bx) 1&E
1(5)           ∀x~(~Ax&Bx) 4量化子の関係
1(6)             ~(~Aa&Ba) 5UE
1(7)               Aa∨~Ba  6ド・モルガンの法則
1(8)               ~Ba∨Aa  7交換法則
1(9)                Ba→Aa  8含意の定義
1(ア)   (Aa→Ba)&(Ba→Aa)     39&I
1(イ)∀x{(Ax→Bx)&(Bx→Ax)}    アUI
従って、
(11)により、
(12)
① ∀x{(Ax→Bx)&(Bx→Ax)}
② ∀x(Ax→Bx)&~∃x(~Ax&Bx)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xがAであるならば、xはBであり、xがBであるならば、xはAである。
② すべてのxについて、xがAであるならば、xはBであり、A以外のxで、Bであるxは存在しない
に於いて、
①=② である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
① AはBであり(、BはAである)。
② AはBであり(、A以外はBでない)。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(14)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。 と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(14)により、
(15)
① 私は理事長であり(、理事長は私である)。
② 私は理事長であり(、私以外は理事長でない)。
③ 私理事長である。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
① AはBであり(、BはAである)。
② AはBであり(、A以外はBでない)。
② ABである。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(17)
① AはBであり(、BはAである)。
② AはBであり(、A以外はBでない)。
といふ場合をも含めて、「主語」といふものを考へるのであれば、
③ ABである。
に於ける、
③ A もまた、「主語」である。
といふ風に、しなければならない。
従って、
(10)(17)により、
(18)
① 東京は日本の首都である(日本の首都は東京である)。
② 東京は日本の首都である(東京以外は日本の首都ではない)。
③ 東京日本の首都である。
に於ける、
③ 東京が を、「主語」ではないと、するならば、
① 東京は も、「主語」ではないと、せざるを得ない。
然るに、
(19)
① 東京は都市である。
③ 東京が日本の首都である。
に対しては、
① 東京 is 都市.
③ 東京 is the 首都 of 日本.
である。
従って、
(02)(18)(19)により、
(20)
「~」は「主語」ではないとした上で、
① 東京都市である。
③ 東京日本の首都である。
といふ「日本語」と「比較」する限り、
① Tokyo is city.
③ Tokyo is the capital of Japan.
に於ける、
① Tokyo
③ Tokyo
は、両方とも、「主語」ではない
然るに、
(21)
① Tokyo is city.
③ Tokyo is the capital of Japan.
に於ける、
① Tokyo
③ Tokyo
は、両方とも、「普通」は、「主語」といふ。
令和04年05月31日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿