2022年5月21日土曜日

「実質含意(material implication)」について。

(01)
(ⅰ)
 ―「含意の定義」を用ひる場合。―
1 (1)~P       A
1 (2)~P∨Q     1∨I
1 (3) P→Q     2含意の定義
  (4)~P→(P→Q) 13CP
 5(5) P&~P    A
 5(6)   ~P    5&E
 5(7)    P→Q  46MPP
 5(8)    P    5&E
 5(9)       Q 78MPP
  (ア)(P&~P)→Q 59CP
(ⅱ)
 ―「含意の定義」を用ひない場合。―
1      (1) ~P      A
1      (2) ~P∨ Q   1∨I
 3     (3)  P&~Q   A
  4    (4) ~P      A
 3     (5)  P      3&E
 34    (6) ~P&P    45&I
  4    (7)~(P&~Q)  36RAA
   8   (8)     Q   A
 3     (9)    ~Q   3&E
 3 8   (ア)  Q&~Q   89&I
   8   (イ)~(P&~Q)  38RAA
1      (ウ)~(P&~Q)  2478イ∨E
    エ  (エ)  P      A
     オ (オ)    ~Q   A
    エオ (カ)  P&~Q   エオ&I
1   エオ (キ)~(P&~Q)&
          ( P&~Q)  ウカ&I
1   エ  (ク)   ~~Q   オキRAA
1   エ  (ケ)     Q   クDN
1      (コ)   P→Q   エケCP
       (サ)~P→(P→Q) 1コCP
      シ(シ) P&~P    A
      シ(ス)   ~P    A
      シ(セ)    P→Q  サスMPP
      シ(ソ) P       シ&E
      シ(タ)      Q  セソMPP
       (チ)(P&~P)→Q シタCP
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)(P&~P)→Q
(〃)(PであってPでない)ならばQである。
といふ「命題」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(02)により、
(03)
①(2が偶数であって、2が奇数である)ならば、3は偶数である。
といふ「命題」は、「常に真(トートロジー)」である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1 (1) (P&~P)→Q A
 2(2)       ~Q A
12(3)~(P&~P)   12MTT
12(4) ~P∨ P    3ド・モルガンの法則
1 (5)~Q→(~P∨P) 24CP
(ⅱ)
1 (1) ~Q→(~P∨P) A
 2(2)     P&~P  A
 2(3)   ~(~P∨P) 2ド・モルガンの法則
12(4)~~Q        13MTT
12(5)  Q        4DN
1 (6) (P&~P)→Q  25CP
従って、
(04)により、
(05)
① (P&~P)→Q
② ~Q→(~P∨P)
に於いて、
①=② は「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
①(2が偶数であって、2が奇数である)ならば、3は偶数である。
②  3が奇数であるならば、(2は奇数であるか、2は偶数である)。
に於いて、
①=② は「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
①(2が偶数であって、2が奇数である)ならば、3は偶数である。
② 3が奇数であるならば、(2は奇数であるか、2は偶数である)。
といふ「命題」は、両方とも、「常に真(トートロジー)」である。
然るに、
(08)
①(2が偶数であって、2が奇数である)ならば、3は偶数である。
②  3が奇数であるならば、(2は奇数であるか、2は偶数である)。
に於いて、
② はともかく、
① は「変」であると思ふ方が「普通」である。
然るに、
(01)により、
(09)
1 (2)~P∨Q 1∨I
1 (3) P→Q 2含意の定義
であるものの、このことは、
① ~P∨Q
②   P→Q
に於いて、
①=② である。
といふことに、他ならない。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
①(2が偶数であって、2が奇数である)ならば、3は偶数である。
②  3が奇数であるならば、(2は奇数であるか、2は偶数である)。
に於いて、
①=② は「対偶(Contraposition)」である。
といふことになるのも、結局は、
① ~P∨Q
②  P→Q
に於いて、
①=② である(実質含意の定義)。
といふ「等式」があるからである。

令和04年05月21日、毛利太。

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