2019年5月7日火曜日

~(P&~Q)=P→Q=~P∨Q。

―「返り点と括弧」に関しては、『「返り点」と「括弧」の関係(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html)』他をお読み下さい。―
(01)
(PまたはQ。)といふ「日本語」は、「排他的論理」  と「排他的論理和」の、「2通り」がある。
(PならばQ。)といふ「日本語」も、「逆もである。」と「逆はである。」の、「2通り」がある。
然るに、
(02)
(Pかつ、Qでない。)といふ「日本語」は、「1通り」しかない。
従って、
(03)
(Pかつ、Qでない。ではない。)といふ「日本語」も、「1通り」しかない。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1   (1) ~P∨ Q  A
 2  (2)  P&~Q  A
  3 (3) ~P     A
 2  (4)  P     2&E
 23 (5) ~P& P  34&I
  3 (6)~(P&~Q) 25RAA
   7(7)     Q  A
 2  (8)    ~Q  2&E
 2 7(9)  Q&~Q  78&I
   7(ア)~(P&~Q) 29RAA
1   (イ)~(P&~Q) 1367ア∨E
(ⅲ)
1   (1) ~( P&~Q)         A
 2  (2) ~(~P∨ Q)         A
  3 (3)   ~P             A
  3 (4)   ~P∨ Q          3∨I
 23 (5) ~(~P∨ Q)&(~P∨ Q) 24&I
 2  (6)  ~~P             35RAA
 2  (7)    P             6DN
   8(8)       Q          A
   8(9)   ~P∨ Q          8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨ Q)&(~P∨ Q) 28&I
 2  (イ)      ~Q          8アRAA
 2  (ウ)    P&~Q          7イ&I
12  (エ) ~( P&~Q)&( P&~Q) 1ウ&I
1   (オ)~~(~P∨ Q)         2エDN
1   (カ)   ~P∨ Q          オDN
(05)
(ⅱ)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
 2(4)    ~Q  2&E
12(5)     Q  13MPP
12(6)  ~Q&Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(ⅲ)
1  (1)~(P&~Q)        A
 2 (2)  P            A
  3(3)    ~Q         A
 23(4)  P&~Q         23&I
123(5)~(P&~Q)&(P&~Q) 14&I
12 (6)   ~~Q         3RAA
12 (7)     Q         6DN
1  (8)  P→ Q         27CP
従って、
(04)(05)により、
(06)
(ⅰ) ~P∨ Q :Pでないか、または、Qである。
(ⅱ)  P→ Q :Pであるならば、  Qである。
(ⅲ)~(P&~Q):Pであって、Qでない。といふことはない。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ)=(ⅲ) である。
然るに、
(07)
「交換法則」により、
(ⅰ)  Q∨~P :Qであるか、または、Pでない。
(ⅲ)~(~Q&P):Qでなくて、Pである。といふことはない。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅲ) である。
然るに、
(08)
(ⅲ)Qでなくて、Pである。といふことはない。:~(~Q&P)
といふことは、
(ⅱ)Qでないならば、Pでない。:~Q→~P
といふことに、他ならない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
(ⅰ) ~P∨ Q :Pでないか、または、Qである。
(ⅱ)  P→ Q :Pであるならば、  Qである。
(ⅲ)~(P&~Q):Pであって、Qでない。といふことはない。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ)=(ⅲ) である。といふことは、
(ⅰ)  Q∨~P :Qであるか、または、Pでない。
(ⅱ) ~Q→~P :Qでないならば、  Pでない。
(ⅲ)~(~Q&P):Qでなくて、Pである。といふことはない。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ)=(ⅲ) である。といふことに、他ならない。
従って、
(09)により、
(10)
(ⅰ) ~P∨ Q :Pでないか、または、Qである。
(〃)  Q∨~P :Qであるか、または、Pでない。
(ⅱ)  P→ Q :Pであるならば、  Qである。
(〃) ~Q→~P :Qでないならば、  Pでない。
(ⅲ)~(P&~Q):Pであって、Qでない。といふことはない。
(〃)~(~Q&P):Qでなくて、Pである。といふことはない。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ)=(ⅲ) であるものの、特に、
(ⅱ)  P→ Q :Pであるならば、  Qである。
(〃) ~Q→~P :Qでないならば、  Pでない。
を、「対偶(Contraposition)」と言ふ。
然るに、
(03)により、
(11)
(ⅲ)の「右辺の日本語」には、「1通りの意味」しかない。
従って、
(10)(11)により、
(12)
(ⅰ)の「右辺の日本語」にも、「1通りの意味」しかなく、
(ⅱ)の「右辺の日本語」にも、「1通りの意味」しかない。
然るに、
(13)
① ~(真&~真) は「真」。
② ~(真&~偽) は「」。
③ ~(偽&~真) は「真」。
④ ~(偽&~偽) は「真」。
である。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① ~真∨真 は「真」。
② ~真∨偽 は「」。
③ ~偽∨真 は「真」。
④ ~偽∨偽 は「真」。
であって、
① 真→真 は「真」。
② 真→偽 は「」。
③ 偽→真 は「真」。
④ 偽→偽 は「真」。
である。
然るに、
(15)
精選版 日本国語大辞典の解説
はいたてき‐ろんりわ【排他的論理和】
〘名〙 論理和(「または」)の解釈の一つ。二つの命題から成る複合命題「AまたはB」が真となるのはAとBのどちらか一方だけであるときとする。日常の「または」もこの解釈をとる場合が多い。
従って、
(14)(15)により、
(16)
「~P∨Q」が、「排他的論理和」であるならば、
① ~真∨真 は「真」。
② ~真∨偽 は「」。
③ ~偽∨真 は「真」。
④ ~偽∨偽 は「真」。
ではなく、
①{(~真=偽)∨真 }は「真」。
②{(~真=偽)∨偽 }は「」。
③{(~偽=真)∨真 }は「」。
④{(~偽=真)∨偽 }は「真」。
でなければ、ならない。
従って、
(10)(12)(16)により、
(17)
(ⅰ)~P∨Q:Pでないか、または、Qである。
の場合は、「排他的論理和」ではない。
然るに、
(18)
① 真→真 は「真」。
② 真→偽 は「」。
③ 偽→真 は「真」。
④ 偽→偽 は「真」。
に於いて、「→」を、
     「」に換へると、
① 真←真 は「真」。
② 真←偽 は「真」。
③ 偽←真 は「」。
④ 偽←偽 は「真」。
然るに、
(18)により、
(19)
② 真→偽 は「」。
③ 偽→真 は「真」
に対して、
② 真←偽 は「真」。
③ 偽←真 は「」。
であるため、「真・偽」が、「一致しない」。
従って、
(10)(18)(19)により、
(20)
(ⅱ)P→Q:Pであるならば、Qである。
であるからと言って、
(ⅱ)Q→P:Qであるならば、Pである。
といふ「である。」といふ、ワケではない。
然るに、
(21)
(ⅲ) (P&~Q):Pであって、Qでない。
(〃) (~P&Q):Pでなくて、Qである。
(〃) (Q&~P):Qであって、Pでない。
に於いて、
(ⅲ)=(〃) ではない。
といふことは、「当然」である。
従って、
(21)により、
(22)
(ⅲ)~(P&~Q):Pであって、Qでない。といふことはない。
であるからと言って、
(ⅲ)~(Q&~P):Qであって、Pでない。といふことはない。
といふワケではない。
といふことは、「当然」である。
従って、
(01)(03)、(10)~(22)により、
(23)
(ⅰ) ~P∨ Q :Pでないか、または、Qである。
(ⅱ)  P→ Q :Pであるならば、  Qである。
(ⅲ)~(P&~Q):Pであって、Qでない。といふことはない。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ)=(ⅲ) であるものの、「一番、分かり易い」のは、
(ⅲ)~(P&~Q):Pであって、Qでない。といふことはない。
である。
然るに、
(24)
「交換法則」により、
(ⅲ)~(P&~Q):Pであって、Qでない。といふことはない。
(〃)~(~Q&P):Qでなくて、Pである。といふことはない。
に於いて、
(ⅲ)=(〃) である。
然るに、
(25)
(ⅲ)~(~Q&P):Qでなくて、Pである。といふことはない。
といふことは、
(ⅲ)Pであるためには、Qであることが、「必要」である。
といふ、ことである。
従って、
(24)(25)により、
(26)
(ⅲ)~(P&~Q):Pであって、Qでない。といふことはない。
(〃)~(~Q&P):Qでなくて、Pである。といふことはない。
に於いて、
(ⅲ)Qであることは、Pであるための「必要条件」である。
然るに、
(27)
(ⅲ)~(P&~Q):Pであって、Qでない。といふことはない。
であるならば、
(ⅲ)Pであれば、それだけで、Qである。
従って、
(28)
(ⅲ)~(P&~Q):Pであって、Qでない。といふことはない。
(〃)~(~Q&P):Qでなくて、Pである。といふことはない。
に於いて、
(ⅲ)Pであることは、Qであるための「十分条件」である。
従って、
(06)(26)(28)により、
(29)
(ⅱ)  P→ Q :Pであるならば、Qである。
に於いても、
(ⅲ)Qであることは、Pであるための「必要条件」であって、
(ⅲ)Pであることは、Qであるための「十分条件」である。
然るに、
(30)
(ⅱ)  P→ Q :Pであるならば、Qであり、
(ⅳ) ~P→~Q :Pでなければ、 Qでない。
であるならば、
(ⅱ)  Pは、Qの「十分条件」であって、尚且つ、
(〃)  Pは、Qの「必要条件」である。
従って、
(30)により、
(31)
(ⅱ)  P→ Q :Pであるならば、Qであり、
(〃) ~P→~Q :Pでなければ、 Qでない。
であるならば、
(ⅱ)  Pは、Qの「必要十分条件」である。
然るに、
(32)
(ⅱ)  P→ Q :Pであるならば、Qであり、
(〃) ~P→~Q :Pでなければ、 Qでない。
であるならば、
(〃)  P=Q である。
従って、
(31)(32)により、
(33)
(ⅱ)  P→ Q :Pであるならば、Qであり、
(〃) ~P→~Q :Pでなければ、 Qでない。
であるならば、
(ⅱ)  Pは、Qの「必要十分条件」であって、
(〃)  Qも、Pの「必要十分条件」である。
令和元年05月07日、毛利太。

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