2019年7月2日火曜日

「ボクはウナギだ。」の「対偶」の「述語論理」。

― 長い間、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他、諸々」を、お読み下さい。―

(01)
① 僕鰻だ=すべてのxについて、xが僕ならば、あるyは鰻であって、xはyを食べる。
② 僕鰻だ=すべてのxについて、xが僕ならば、あるyは鰻であって、xはyを食べ、すべてのzについて、zが僕ならば、xとyは、「同一人物」である(∴ 僕以外は鰻を食べない)。
③ 僕鰻だ=すべてのxについて、xが僕ならば、あるyは鰻であって、xはyを食べ、すべてのzについて、zが僕ならば、xとyは、「同一人物」である。といふわけではない(∴ 僕以外も鰻を食べる)。
従って、
(02)
① 僕鰻だ=∀x{僕x→∃y(鰻y&食xy)}
② 僕鰻だ=∀x{僕x→∃y(鰻y&食xy)& ∀z(僕z→x=y)}
③ 僕鰻だ=∀x{僕x→∃y(鰻y&食xy)&~∀z(僕z→x=y)}
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1   (1)∀x{ 僕x→∃y(鰻y& 食xy)} A
1   (2)    僕a→∃y(鰻y& 食ay)  1UE
 3  (3)      ~∃y(鰻y& 食ay)  A
13  (4)   ~僕a              23MTT
1   (5)  ~∃y(鰻y& 食ay)→~僕a  34CP
  6 (6)   ∃y(鰻y→~食ay)      A
   7(7)      鰻b→~食ab       A
   7(8)     ~鰻b∨~食ab       7含意の定義
   7(9)    ~(鰻b& 食ab)      8ド・モルガンの法則
   7(ア)  ∀y~(鰻y& 食ay)      9UI
   7(イ)  ~∃y(鰻y& 食ab)      ア量化子の関係
  6 (ウ)  ~∃y(鰻y& 食ab)      67イEE
1 6 (エ)               ~僕a  5ウMPP
1   (オ)   ∃y(鰻y→~食ay)→~僕a  6エCP
1   (カ)∀x{∃y(鰻y→~食xy)→~僕x} オUI
(ⅱ)
1   (1)∀x{∃y(鰻y→~食xy)→~僕x} A
1   (2)   ∃y(鰻y→~食ay)→~僕a  1UE
 3  (3)                僕a  A
 3  (4)              ~~僕a  3DN
13  (5)  ~∃y(鰻y→~食ay)      24MTT
13  (6)  ∀y~(鰻y→~食ay)      5量化子の関係
13  (7)    ~(鰻b→~食ab)      6UE
13  (8)   ~(~鰻b∨~食ab)      7含意の定義
13  (9)   ~~鰻b&~~食ab       8ド・モルガンの法則
13  (ア)     鰻b&  食ab       9DN
13  (イ)      ∃y(鰻y& 食ay)   ア EI
1   (ウ)   僕a→∃y(鰻y& 食ay)   3イCP
1   (エ)∀x{僕x→∃y(鰻y& 食xy)}  ウUI
従って、
(03)により、
(04)
① ∀x{  僕x→∃y(鰻y& 食xy)}
② ∀x{∃y(鰻y→~食xy)→~僕x}
に於いて、両者は「対偶」であって、それ故、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
① すべてのxについて、xが僕ならば、あるyは鰻であって、xはyを食べる。
② すべてのxについて、あるyが鰻であるとして、xがyを食べないのであれば、xは僕ではない。
に於いて、両者は「対偶」であって、それ故、
①=② である。
従って、
(05)により、
(06)
① 僕ならば、ウナギを食べる。
② ウナギを食べないのであれば、僕ではない。
に於いて、両者は「対偶」であって、それ故、
①=② である。
然るに、
(07)
① I will have ウナギ。 を、
① I am an eel.          と、訳すことは、出来ない。
然るに、
(08)
③ ウナギは魚だ     =∀x( 鰻x→ 魚x)=すべてのxについて、xが鰻であるならば、xは魚である。
④ 魚でないなら鰻ではない=∀x(~魚x→~鰻x)=すべてのxについて、xが魚でないならば、xは鰻でない。
であれば、そのまま、
③ Eel is a fish.
④ Such that is not a fish is not an eel.
といふ風に、訳すことが出来る。
(09)
① 僕は鰻だ  =∀x{僕x→∃y(鰻y&食xy)}=すべてのxについて、xが僕ならば、あるyは鰻であって、xはyを食べる。
③ ウナギは魚だ=∀x(鰻x→魚x)        =すべてのxについて、xが鰻であるならば、xは魚である。
の場合は、両方とも、
① AはBだ。
③ AはBだ。
といふ「文型」をしてゐるものの、
① は、「省略形」であって、
③ は、「省略形」ではなく、「完全形」である。
令和元年07月02日、毛利太。

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