― 長い間、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html)
(β)「返り点」と「括弧」の条件。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html)
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html)
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html)
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html)
(ζ)「返り点・モドキ」について。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html)
(θ)「括弧」の「順番」。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html)
(ι)「返り点」と「括弧」の関係 :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html)
等々、「その他、諸々」を、お読み下さい。―
(01)
例(選言導入)
以下の推論について考えます。
今日は雨が降っている。ゆえに、今日は雨が降っているか、もしくは寒い。
命題変P,Qを、
P:今日は雨が降っている。
Q:今日は寒い。
とおくと、先の推論は、
P ∴ P∨Q
と定式化されます。選言導入より、これは妥当な推論です。
(Webサイト;WIIS)
従って、
(01)により、
(02)
例(選言導入)
以下の推論について考えます。
今日は雨が降っていない。ゆえに、今日は雨が降っていないか、バカボンのパパは天才である。
命題変P,Qを、
P:今日は雨が降っている。
Q:バカボンのパパは天才である。
とおくと、先の推論は、
~P ∴ ~P∨Q
と定式化されます。選言導入より、これは妥当な推論です。
然るに、
(03)
1(1) ~P A
1(2) ~P∨Q 1選言導入の規則
1(3) P→Q 2含意の定義
従って、
(02)(03)により、
(04)
命題変P,Qを、
P:今日は雨が降っている。
Q:バカボンのパパは天才である。
とおくと、
1(1)今日は雨が降っていない。 A
1(2)今日は雨が降っていないか、 バカボンのパパは天才である。 1選言導入の規則
1(3)今日、雨が降っているならば、バカボンのパパは天才である。 2含意の定義
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(05)
① P,P→Q ∴ Q
② ~P,P→Q ∴ Q
に於いて、すなはち、
① Pである。PならばQである。故に、Qである。
② Pでない。PならばQである。故に、Qである。
に於いて、
① は、「妥当」であるが、
② は、「妥当」ではない。
cf.
「前件否定の誤謬」。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 今日は雨が降っている。 今日、雨が降っているならば、バカボンのパパは天才である。故に、バカボンのパパは天才である。
② 今日は雨が降っていない。今日、雨が降っているならば、バカボンのパパは天才である。故に、バカボンのパパは天才である。
に於いて、
① は、「妥当」であるが、
② は、「妥当」ではない。
従って、
(04)(06)により、
(07)
1(1)今日は雨が降っていない。 A
1(2)今日は雨が降っていないか、 バカボンのパパは天才である。 1選言導入の規則
といふ「推論」は、「妥当」である。が、
この時点で、
1(4)バカボンのパパは天才である。
とは、言へない、ことになる。
従って、
(08)
1(1)今日は雨が降っていない。 A
1(2)今日は雨が降っていないか、もしくは寒い。 1選言導入の規則
といふ「推論」は、「妥当」である。が、
この時点で、
1(4)もしくは寒い。
とは、言へない、ことになる。
従って、
(07)(08)により、
(09)
1(1)今日は雨が降っていない。 A
1(2)今日は雨が降っていないか、・・・・・・。 1選言導入の規則
といふ「推論」は、「妥当」である。が、
この時点で、
1(4)・・・・・・。
とは、言へない、ことになる。
令和元年07月04日、毛利太。
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