2019年7月8日月曜日

「象は鼻が長い」の「対偶」の「述語論理」。

― 長い間、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他、諸々」を、お読み下さい。―

(01)
(ⅰ)
1     (1)象は鼻長い。                         A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  A
1     (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   1UE
 3    (3)    ~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}  A
13    (4)  ~象a                           23MTT
1     (5)~{∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)}→~象a  34CP
  6   (6)  ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)       A
   7  (7)  ∃y(鼻ya&長y)                    A
  67  (8)              ∃z(~鼻za& 長x)      67MPP
    9 (9)                 ~鼻ca& 長c       A
    9 (ア)              ~~(~鼻ca& 長c)      9DN
    9 (イ)              ~(~~鼻ca∨~長c)      ア、ド・モルガンの法則
    9 (ウ)               ~(~鼻ca→~長c)      イ含意の定義
    9 (エ)             ∃z~(~鼻za→~長z)      ウEI
  67  (オ)             ∃z~(~鼻za→~長z)      89エEE
  67  (カ)             ~∀z(~鼻za→~長z)      オ量化子の関係
  6   (キ)  ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)      7カCP
  6   (ク) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)      キ含意の定義
  6   (ケ)~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}     ク、ド・モルガンの法則
1 6   (コ)                           ~象a  5ケCP
1     (サ)   ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)→~象a  6コCP
     シ(シ)   ∃y(鼻ya&長y)&∃z(~鼻za& 長z)      A
     シ(ス)   ∃y(鼻ya&長y)                   シ&E
     シ(セ)              ∃z(~鼻za& 長z)      シ&E
1    シ(ソ)              ∃z(~鼻za& 長z)→~象a  サスMPP
1    シ(タ)                          →~象a  セソMPP
1     (チ)   ∃y(鼻ya&長y)&∃z(~鼻za& 長z)→~象a  シタCP
1     (ツ)∀x{∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)→~象x} チUI
cf.
1     (1)すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。 A
1     (ツ)すべてのxについて、あるyがxの鼻であって、長く、あるzが、xの鼻ではなくて、長い、ならば、xは象ではない。 チUI
(ⅱ)
1     (1)鼻は長く、鼻以外も、長いのであれば、象ではない。        A
1     (〃)∀x{∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx& 長z)→~象x} A
1     (2)   ∃y(鼻ya&長y)&∃z(~鼻za& 長z)→~象a  1UE
 3    (3)   ∃y(鼻ya&長y)                   A
  4   (4)              ∃z(~鼻za& 長z)      A
 34   (5)   ∃y(鼻ya&長y)&∃z(~鼻za& 長z)      34&I
134   (6)                           ~象a  25MPP
13    (7)              ∃z(~鼻za& 長z)→~象a  46CP
1     (8)   ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)→~象a  37CP
   9  (9)                            象a  A
   9  (ア)                          ~~象a  9DN
1  9  (イ) ~{∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za& 長z)}     8アMTT
1  9  (ウ)~{~∃y(鼻ya&長y)∨∃z(~鼻za& 長z)}     イ含意の定義
1  9  (エ)~~∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z)      ウ、ド・モルガンの法則
1  9  (オ)  ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za& 長z)      エDN
1  9  (カ)  ∃y(鼻ya&長y)                    オ&E
1  9  (キ)             ~∃z(~鼻za& 長z)      オ&E
1  9  (ク)             ∀z~(~鼻za& 長z)      キ量化子の関係
1  9  (ケ)               ~(~鼻ca& 長c)      クUE
1  9  (コ)                ~~鼻ca∨~長c       ケ、ド・モルガンの法則
1  9  (サ)                 ~鼻ca→~長c       コ含意の定義
1  9  (シ)              ∀z(~鼻za→~長z)      サUI
1  9  (ス)   ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)      カシ&I
1     (セ)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   9スCP
1     (ソ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  セUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}=象は鼻長い。 
② ∀x{∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)→~象x}=鼻は長く、鼻以外も、長いのであれば、象ではない。 
に於いて、両者は、「対偶(contraposition)」であり、それ故、
①=② である。
然るに、
(03)
マンモス (英語: mammoth) は哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である。現在は全種が絶滅している。
現生のゾウの類縁だが、直接の祖先ではない。約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた。巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さが5.2メートルに達することもある。日本では、シベリアと北アメリカ大陸に生息し、太く長い体毛で全身を覆われた中型のケナガマンモス M. primigenius が有名である(ウィキペディア)。
従って、
(02)(03)により、
(04)
マンモスは、鼻は長く、鼻以外(牙、体毛)も、長いので、象ではない
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}=象は鼻が長い。 
② ∀x{∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)→~象x}=鼻は長く、鼻以外も、長いのであれば、象ではない。
といふ「命題」が、「真(本当)であるならば、
③ マンモスは、象ではない
といふ、ことになる。
従って、
(06)
1     (1)象は鼻長い。                            A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}     A
1     (2)鼻は長く、鼻以外も、長いのであれば、象ではない。           1対偶
1     (〃)∀x{∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)→~象x}     1対偶
 3    (3)マンモスは鼻は長く、牙も長く、マンモスの牙は鼻ではない。       A
 3    (〃)∀x{マンモスx→∃y(鼻yx&長y)&∃z(牙zx&~鼻zx&長z)} A
  4   (4)あるマンモスは象である。                       A
  4   (〃)∃x(マンモスx&象x)                         A
1     (5)   ∃y(鼻ya&長y)&∃z(~鼻za&長z)→~象a      2UE
 3    (6)   マンモスa→∃y(鼻ya&長y)&∃z(牙za&~鼻za&長z)  3UE
   7  (7)   マンモスa&象a                          A
   7  (8)   マンモスa                             7&E
   7  (9)       象a                          7&E      
 3 7  (ア)       ∃y(鼻ya&長y)&∃z(牙za&~鼻za&長z)  68MPP
 3 7  (イ)       ∃y(鼻ya&長y)                  ア&E
 3 7  (ウ)                  ∃z(牙za&~鼻za&長z)  ア&E
    エ (エ)                     牙ba&~鼻ba&長b   A
    エ (オ)                         ~鼻ba&長b   エ&E
    エ (カ)                      ∃z(~鼻za&長b)  オEI
 3 7  (キ)                      ∃z(~鼻za&長b)  ウエカEE
 3 7  (ク)       ∃y(鼻ya&長y)&∃z(~鼻za&長z)      9オ&I
13 7  (ケ)                          ~象a      5カMPP
13 7  (コ)       象a&~象a                      9ケ&I
134   (サ)       象a&~象a                      47コEE
13    (シ)~∃x(マンモスx&象x)                        43RAA
13    (ス)∀x~(マンモスx&象x)                        シ量化子の関係
13    (セ)  ~(マンモスa&象a)                        スUE
13    (ソ)  ~マンモスa∨~象a                         セ、ド・モルガンの法則
13    (タ)   マンモスa→~象a                         ソ含意の定義
13    (チ)∀x(マンモスx→~象x)                        タUI
13    (〃)すべてのxについて、xがマンモスであるならば、xは象ではない。      タUI
13    (〃)マンモスは象ではない。                          タUI
cf.
1     (1)すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。 A
1     (2)すべてのxについて、あるyがxの鼻であって、長く、あるzがxの鼻でなくて、zが長いならば、xは象ではない。 1対偶
 3    (3)すべてのxについて、xがマンモスであるならば、あるyはxの鼻であって、長く、あるzはxの牙であって、鼻ではないが、長い。 A
従って、
(05)(06)により、
(07)
(1)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。 然るに、
(2)マンモスの牙は長く、マンモスの牙は鼻でない。 従って、
(3)あるマンモスが象であるならば、その象は、鼻以外は長くない、にも拘らず、牙も長い。といふことにある。 従って、
(4)あるマンモスが象である。といふことはない。
といふ「推論」は、「日本語」としても、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(08)
1     (1)象は鼻が長い。                         A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}  A
 2    (2)マンモスの牙は長く、マンモスの牙は鼻ではない。             A
 2    (〃)∀x{マンモスx→∃y(牙yx&長y)&∀z(牙zx→~鼻zx)} A
  3   (3)有るマンモスは象である。                      A
  3   (〃)∃x(マンモスx&象x)                      A
  3   (〃)あるxはマンモスであって象である。                 A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   1UE
 2    (5)   マンモスa→∃y(牙ya&長y)&∀z(牙za→~鼻za)  1UE
   6  (6)   マンモスa&象a                       A
   6  (7)   マンモスa                          6&E
   6  (8)      象a                        6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(牙ya&長y)&∀z(牙za→~鼻za)   57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)                9&E
 2 6  (ウ)      ∃y(牙ya&長y)                ア&E
    エ (エ)         鼻ba&長b                 A
     オ(オ)         牙ba&長b                 A
1  6  (カ)                 ∀z(~鼻za→~長z)   9&E
1  6  (キ)                    ~鼻ba→~長b    カUE
 2 6  (ク)                 ∀z(牙za→~鼻za)   ア&E
 2 6  (ケ)                    牙ba→~鼻ba    クUE
    オ (コ)                    牙ba         オ&E
 2 6オ (サ)                        ~鼻ba    ケコMPP
12 6オ (シ)                         ~長b    キサコMPP
    オ (ス)             長b                 オ&E
12 6オ (セ)             長b&~長b             シス&I
12 6  (ソ)             長b&~長b             ウオセEE
123   (タ)             長b&~長b             36ソEE
12    (チ)~∃x(マンモスx&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(マンモスx&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(マンモスa&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~マンモスa∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   マンモスa→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(マンモスx→~象x)                     ナUI
12    (〃)すべてのxについて、xがマンモスであるならば、xは象ではない。   ナUI
12    (〃)マンモスは象ではない。                       ナUI
cf.
1     (1)すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。 A
 2    (2)すべてのxについて、xがマンモスであるならば、あるyはxの牙であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの牙であるならば、zはxの鼻ではない。 A
12    (チ)あるxが、マンモスであって、象である。といふことはない。      3タRAA
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
(1)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。 然るに、
(2)マンモスの牙は長く、マンモスの牙は鼻でない。 従って、
(3)あるマンモスが象であるならば、その象は、鼻以外は長くない、にも拘らず、牙も長い。といふことにある。 従って、
(4)あるマンモスが象である。といふことはない。
といふ「推論」は、当然ではあるものの、「対偶」を用ひていも、「対偶」を用ひなくとも、「妥当」である。
令和元年07月08日、毛利太。

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