2019年7月14日日曜日

「象は鼻が長い」の「否定」の「述語論理」。

― 長い間、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他、諸々」を、お読み下さい。―

(01)
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
従って、
(01)により、
(02)
① 象は鼻長い。
の「否定」は、
② 象は鼻が長い。といふわけではない。⇔
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。といふわけではない。⇔
② ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。といふわけではない。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1   (1)~∀x{ 象x→  ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}  A
1   (2)∃x~{ 象x→  ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}  1量化子の関係
 3  (3)  ~{ 象a→  ∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  A
 3  (4)  ~{~象a∨ [∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]} 3含意の定義
 3  (5)   ~~象a&~[∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]  4ド・モルガンの法則
 3  (6)     象a&~[∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]  5DN
 3  (7)     象a
 3  (8)        ~[∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]  6&E
 3  (9)         ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   8ド・モルガンの法則
 3  (ア)          ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   9含意の定義
  イ (イ)          ∃y(鼻ya&長y)                 A
 3イ (ウ)                     ~∀z(~鼻za→~長z)   アイMPP
 3イ (エ)                     ∃z~(~鼻za→~長z)   ウ量化子の関係
   オ(オ)                       ~(~鼻ca→~長c)   A
   オ(カ)                      ~(~~鼻ca∨~長c)   オ含意の定義
   オ(キ)                        ~(鼻ca∨~長c)   カDN
   オ(ク)                        ~鼻ca&~~長c    キ、ド・モルガンの法則
   オ(ケ)                         ~鼻ca& 長c    クDN
   オ(コ)                      ∃z(~鼻za& 長z)   ケEI
 3イ (サ)                      ∃z(~鼻za& 長z)   エオEE
 3  (シ)          ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)   イサCP
 3  (ス)      象a&[∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)]  7C&I
 3  (セ)   ∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]} スEI
1   (ソ)   ∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]} 23セEE
(ⅱ)
1   (1)   ∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→ ∃z(~鼻zx& 長z)]} A
 2  (2)      象a&[∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)]} A
 2  (3)      象a                             2&E
 2  (4)          ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)   2&E
  5 (5)          ∃y(鼻ya&長y)                 A
 25 (6)                      ∃z(~鼻za& 長z)   45MPP
   7(7)                         ~鼻ca& 長c    A
   7(8)                        ~(鼻ca∨~長c)   7ド・モルガンの法則
   7(9)                      ~(~~鼻ca∨~長c)   8DN
   7(ア)                       ~(~鼻ca→~長c)   9含意の定義
   7(イ)                     ∃z~(~鼻za→~長z)   アEI
 25 (ウ)                     ∃z~(~鼻za→~長z)   67イEE
 25 (エ)                     ~∀z(~鼻za→~長z)   ウ量化子の関係   
 2  (オ)          ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)   5エCP
 2  (カ)         ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)   オ含意の定義
 2  (キ)        ~[∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]  カ、ド・モルガンの法則
 2  (ク)   ~~象a                              3DN
 2  (ケ)   ~~象a&~[∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]  キク&I
 2  (コ)  ~{~象a∨ [∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)]} ケ、ド・モルガンの法則
 2  (サ)  ~{ 象a→  ∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  コ、含意の定義
 2  (シ)∃x~{ 象x→  ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}  サEI
1   (ス)∃x~{ 象x→  ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}  12シEE
1   (セ)~∀x{ 象x→  ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}  ス量化子の関係
従って、
(03)により、
(04)
② ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx& 長z)]}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(04)により、
(05)
② すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、yは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。といふわけではない。
③   あるxについて、xが象であって、  あるyがxの鼻であって、長いのであれば、     あるzはxの鼻ではないが、 zは長い。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(06)
② あるxについて、xが象であって、あるyがxの鼻であって、長いのであれば、あるzはxの鼻ではないが、zは長い
といふことは、
② ある象は、鼻と、鼻以外も長い
といふ、ことである。
然るに、
(07)
② ある象は、鼻と、鼻以外も長い
といふことは、
② ある象は、鼻長い。
といふ、ことである。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
① 象は鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
の「否定」は、
② ある象は鼻も長い。⇔
② ∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]}。
である。
然るに、
(09)
マンモス (英語: mammoth) は哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である。現在は全種が絶滅している。
現生のゾウの類縁だが、直接の祖先ではない。約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた。巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さが5.2メートルに達することもある。日本では、シベリアと北アメリカ大陸に生息し、太く長い体毛で全身を覆われた中型のケナガマンモス M. primigenius が有名である(ウィキペディア)。
従って、
(09)により、
(10)
② ある象(マンモス)は鼻長い。⇔
② ∃x{象x&[∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)]}。
といふ「命題」は、「真(本当)」である。
令和元年07月14日、毛利太。

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