2019年7月19日金曜日

「ド・モルガンの法則」を「日本語」で説明すると(Ⅲ)。

―「一昨日(令和元年07月17日)」の記事を「補足」します。―
― 長い間、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他、諸々」を、お読み下さい。―

(01)
〈ヤフー!知恵袋、質問〉
twi********さん2008/9/1413:49:40
ド・モルガンの法則について
ド・モルガンの法則をほとんど日本語だけで説明できますか?
(02)
日本語」だけで言ふと、
① PとQの、少なくとも、一方はウソである。
② PとQが、両方とも本当である。といふことはない。
に於いて、
①=② であるならば、「ド・モルガンの法則(Ⅰ)」は「正しい」。
(03)
③ PとQは、両方とも、ウソである。
④ PとQの、どちらか一方が、本当である。といふことはない。
に於いて、
③=④ であるならば、「ド・モルガンの法則(Ⅱ)」は「正しい」。
(04)
① PとQの、少なくとも、一方はウソである。
② PとQが、両方とも本当である。といふことはない。
③ PとQは、両方とも、ウソである。
④ PとQの、どちらか一方が、本当である。といふことはない。
を、「論理語(Logical term)」で書くと、
①   ~P∨~Q
② ~(P& Q)
③   ~P&~Q
④ ~(P∨  Q)
といふ「式」になる。
従って、
(05)
①   ~P∨~Q =PとQの、少なくとも一方ウソである。
② ~(P& Q)=PとQが、両方とも本当である。といふことはない
③   ~P&~Q =PとQは、両方とも、ウソである。
④ ~(P∨  Q)=PとQの、どちらか一方が、本当である。といふことはない
に於いて、
①=② であって、
③=④ であって、
このことを、「ド・モルガンの法則」と言ふ。
然るに、
(06)
①   ~P∨~Q
② ~(P& Q)
③   ~P&~Q
④ ~(P∨  Q)
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
といふことを、「命題計算(Propositional calculation)」で示すと、次(06)の通りである。
(07)
(ⅰ)
1   (1) ~P∨~Q  A
 2  (2)  P& Q  A
  3 (3) ~P     A
 2  (4)  P     2&E
 23 (5) ~P&P   34&I
  3 (6)~(P& Q) 25RAA
   7(7)    ~Q  A
 2  (8)     Q  2&E
 2 7(9)  ~Q&Q  78&E
   7(ア)~(P& Q) 29RAA
1   (イ)~(P& Q) 1367ア
(ⅱ)
1   (1) ~( P& Q)  A
 2  (2) ~(~P∨~Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨~Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨~Q)& 
         (~P∨~Q)  24&I
 2  (6)  ~~P      35RAA
 2  (7)    P      6DN
   8(8)      ~Q   A
   8(9)   ~P∨~Q   8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨~Q)& 
         (~P∨~Q)  29&I
 2  (イ)     ~~Q   8DN
 2  (ウ)       Q   イDN
 2  (エ)    P& Q   2ウ&I
12  (オ) ~( P& Q)&
         ( P& Q)  1エ&I
1   (カ)~~(~P∨~Q)  2オRAA
1   (キ)   ~P∨~Q   カDN
(ⅲ)
1   (1)  ~P&~Q   A
 2  (2)   P∨ Q   A
1   (3)  ~P      1&E
  4 (4)   P      A
1 4 (5)  ~P&P    34&I
  4 (6)~(~P&~Q)  15RAA
1   (7)     ~Q   1&E
   8(8)      Q   A
1  8(9)   ~Q&Q   78&I
   8(ア)~(~P&~Q)  19RAA
 2  (イ)~(~P&~Q)  2468ア∨E
12  (ウ)~(~P&~Q)&
        (~P&~Q)  1イ&I
1   (エ) ~(P∨ Q)  2ウRAA
(ⅳ)
1   (1) ~(P∨ Q)  A
 2  (2)   P      A
 2  (3)   P∨ Q   2∨I
12  (4) ~(P∨ Q)&
         (P∨ Q)  13&I
1   (5)  ~P      24RAA
  6 (6)      Q   A
  6 (7)   P∨ Q   6∨I
1 6 (8) ~(P∨ Q)&
         (P∨ Q)  17&I
1   (9)     ~Q   68RAA
1   (ア)  ~P&~Q   59&I
(08)
①   ~P∨~Q∨~R
② ~(P& Q∨ R)
③   ~P&~Q&~R
④ ~(P∨  Q∨ R)
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
といふことを、「命題計算」で示すと、次(08)の通りである。
(09)
(ⅰ)
1    (1) ~P∨~Q∨~R   A
 2   (2)  P& Q& R   A
  3  (3) ~P         A
 2   (4)  P         2&E
 23  (5) ~P&P       34&I
  3  (6)~(P& Q& R)  25RAA
   7 (7)    ~Q      A
 2   (8)     Q      2&E
 2 7 (9)    ~Q&Q    78&E
   7 (ア)~(P& Q& R)  29RAA
    イ(イ)       ~R   A
 2   (ウ)        R   2&E
 2  イ(エ)       ~R&R イウ&I
    イ(オ)~(P& Q& R)  2エRAA
1    (カ)~(P& Q& R)  1367アイオ∨E
(ⅱ)
1    (1) ~( P& Q &R)  A
 2   (2) ~(~P∨~Q∨~R)  A
  3  (3)   ~P         A
  3  (4)   ~P∨~Q      3∨I
  3  (5)   ~P∨~Q∨~R   4∨I
 23  (6) ~(~P∨~Q∨~R)&
          (~P∨~Q∨~R)  25&I
 2   (7)  ~~P         36RAA
 2   (8)    P         7DN
   9 (9)      ~Q      A
   9 (ア)   ~P∨~Q      9∨I
   9 (イ)   ~P∨~Q∨~R   ア∨I
 2 9 (ウ) ~(~P∨~Q∨~R)&
          (~P∨~Q∨~R)  2イ&I
 2   (エ)     ~~Q      9ウRAA
 2   (オ)       Q      エDN
    カ(カ)         ~R   A
    カ(キ)      ~Q∨~R   カ∨I
    カ(ク)   ~P∨~Q∨~R   キ∨I
 2  カ(ケ) ~(~P∨~Q∨~R)&
          (~P∨~Q∨~R)  2ク&I
 2   (コ)        ~~R   カケRAA
 2   (サ)          R   コDN
 2   (シ)    P& Q      8オ&I
 2   (ス)    P& Q& R   サシ&I
12   (セ) ~( P& Q& R)&
          ( P& Q  R)  1ス&I
1    (ソ)~~(~P∨~Q∨~R)  2セRAA
1    (タ)   ~P∨~Q∨~R   ソDN
(ⅲ)
1    (1)  ~P&~Q&~R   A
 2   (2)   P∨ Q∨ R   A
1    (3)  ~P         1&E
  4  (4)   P         A
1 4  (5)  ~P&P       34&I
  4  (6)~(~P&~Q&~R)  15RAA
1    (7)     ~Q      1&E
   8 (8)      Q      A
1  8 (9)     ~Q&Q    78&I
   8 (ア)~(~P&~Q&~R)  19RAA
1    (イ)        ~R   1&E
    ウ(ウ)         R   A
1   ウ(エ)      ~R&R   イウ&I
    ウ(オ)~(~P&~Q&~R)  1エRAA
 2   (カ)~(~P&~Q&~R)  2468アウオ∨E
12   (キ)~(~P&~Q&~R)&
         (~P&~Q&~R)  1カ&I
1    (ク) ~(P∨ Q∨ R)  1キRAA
(ⅳ)
1    (1) ~(P∨ Q∨ R)  A
 2   (2)   P         A
 2   (3)   P∨ Q      2∨I
 2   (4)   P∨ Q∨ R   3∨I
12   (5) ~(P∨ Q∨ R)&
          (P∨ Q∨ R)  14&I
1    (6)  ~P         25RAA 
  7  (7)      Q      A
  7  (8)   P∨ Q      7∨I
  7  (9)   P∨ Q∨ R   8∨I
1 7  (ア) ~(P∨ Q∨ R)&
          (P∨ Q∨ R)  19&I
1    (イ)     ~Q      7アRAA
   ウ (エ)         R   A
   ウ (オ)      Q∨ R   エ∨I
   ウ (カ)   P∨ Q∨ R   オ∨I
1  ウ (キ) ~(P∨ Q∨ R)&
          (P∨ Q∨ R)  1カ&I
1    (ク)        ~R   エキRAA
1    (ケ)  ~P&~Q      6イ&I
1    (コ)  ~P&~Q&~R   クケ&I
然るに、
(07)~(09)により、
(10)
同じこと(計算)」を、繰り返し、行へば良いため、
①   ~P∨~Q∨~R∨~S
② ~(P& Q∨ R∨ S)
③   ~P&~Q&~R&~S
④ ~(P∨  Q∨ R∨ S)
に於いても、
①=② であって、
③=④ である。
然るに、
(11)
① PとQとRのうちの、少なくとも1つウソである。
② PとQとRが、3つとも本当である。といふことはない
③ PとQとRは、3つとも、ウソである。
④ PとQとRの、どれらか1つが、本当である。といふことはない
に於いて、明らかに、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(05)(08)(09)(11)により、
(12)
①   ~P∨~Q =PとQの、少なくとも、一方はウソである。
② ~(P& Q)=PとQが、両方とも本当である。といふことはない。
③   ~P&~Q =PとQは、両方とも、ウソである。
④ ~(P∨  Q)=PとQの、どちらか一方が、本当である。といふことはない。
並びに、
①   ~P∨~Q∨~R =PとQとRのうちの、少なくとも、1つはウソである。
② ~(P& Q& R)=PとQとRが、3つとも本当である。といふことはない。
③   ~P&~Q&~R =PとQとRは、3つとも、ウソである。
④ ~(P∨  Q∨ R)=PとQとRの、どれらか1つが、本当である。といふことはない。
に於いて、
①=② であって、
③=④ であって、
このことを、「ド・モルガンの法則」と言ふ。
然るに、
(13)
①「被告の主張」と「原告の主張」のうち、少なくとも一方は「ウソ」である。
②「原告の主張」と「被告の主張」が、両方とも「本当」である。といふことはない
といふ「命題(日本語)」に於いて、
①=② である。
といふことを、「理解」できない日本人は、ほとんど、ゐないはずである。
従って、
(14)
① ~P∨~Q=~(P&Q)
③ ~P&~Q=~(P∨Q)
といふ「ド・モルガンの法則」は、「命題」として、「言葉(日本語)」で言ふと、「メチャクチャ、簡単」である。
然るに、
(15)
高校生にとっての「ド・モルガンの法則」は、

のやうな「ベン図」を用ひての、「集合同士関係」であるため、
①「被告の主張」と「原告の主張」のうち、少なくとも、一方は「ウソ」である。
②「原告の主張」と「被告の主張」が、両方とも「本当」である。といふことはない。
といふ「命題」に於いて、
①=② である。
といふことを、「理解」できたとしても、「ベン図」で説明される「ド・モルガンの法則」を、理解できるとは、限らない
(16)
①    ~P∨~Q =PとQの、少なくとも、一方はウソである。⇔
②  ~(P& Q)=PとQが、両方とも本当である。といふことはない。
だけでなく、当然
①      P∨ Q =PとQの、少なくとも一方本当である。⇔
② ~(~P&~Q)=PとQが、両方ともウソである。といふことはない
の場合も、「ド・モルガンの法則」である。
令和元年07月19日、毛利太。

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