2019年7月10日水曜日

「タゴール記念会は私が理事長です。」の「述語論理」。

― 長い間、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他、諸々」を、お読み下さい。―

(01)
(ⅰ)
1  (1)∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z(~Wzx→~Rz)} A
1  (2)   Ta→∃y(Wya&Ry)&∀z(~Wza→~Rz)  1UE
 3 (3)   Ta                          3
13 (4)      ∃y(Wya&Ry)&∀z(~Wza→~Rz)  23MPP
13 (5)      ∃y(Wya&Ry)               4&E
13 (6)                 ∀z(~Wza→~Rz)  4&E
13 (7)                    ~Wca→~Rc   6UE
  8(8)                          Rc   A
  8(9)                        ~~Rc   8DN
138(ア)                   ~~Wca       78MTT
138(イ)                     Wca       アDN
13 (ウ)                     Rc→ Wca   8イCP
13 (エ)                 ∀z( Rz→ Wza)  ウUI
13 (オ)      ∃y(Wya&Ry)&∀z( Rz→ Wza)  5エ&I
1  (カ)   Ta→∃y(Wya&Ry)&∀z( Rz→ Wza)  3オCP
1  (キ)∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z( Rz→ Wzx)} カUI
(ⅱ)
1  (1)∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z( Rz→ Wzx)} A
1  (2)   Ta→∃y(Wya&Ry)&∀z( Rz→ Wza)  1UE
 3 (3)   Ta                          A
13 (4)      ∃y(Wya&Ry)&∀z( Rz→ Wza)  23MPP
13 (5)      ∃y(Wya&Ry)               4&E
13 (6)                 ∀z( Rz→ Wza)  4&E
13 (7)                     Rc→ Wca   6UE
  8(8)                        ~Wca   A
138(9)                    ~Rc        78MTT
13 (ア)                    ~Wca→~Rc   89CP
13 (イ)                 ∀z(~Wzx→~Rz)  アUI
13 (ウ)      ∃y(Wya&Ry)&∀z(~Wza→~Rz)  5イ&I
1  (エ)   Ta→∃y(Wya&Ry)&∀z(~Wza→~Rz)  3ウCP
1  (オ)∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z(~Wzx→~Rz)  エUI
cf.
① すべてのxについて、xがTであるならば、あるyはxのWであって、Rであり、すべてのzについて、zがxのWでないならば、zはRではない。
② すべてのxについて、xがTであるならば、あるyはxのWであって、Rであり、すべてのzについて、zがxのWであるならば、zはRである。
然るに、
(02)
① ∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z(~Wzx→~Rz)}
② ∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z( Rz→ Wzx)}
に於ける、
① ∀z(~Wzx→~Rz)=すべてのzについて、zがxのWでないならば、zはRではない。
② ∀z( Rz→ Wzx)=すべてのzについて、zがxのWであるならば、zはRである。
といふ「「部分」に於いて、
① と ② は、「対偶(contraposition)」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z(~Wzx→~Rz)}
② ∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z( Rz→ Wzx)}
といふ「全体」に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1     (1)∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z(~Wzx→~Rz)}  A
1     (2)   Ta→∃y(Wya&Ry)&∀z(~Wza→~Rz)   1UE
 3    (3)    ~{∃y(Wya&Ry)&∀z(~Wza→~Rz)}  A
13    (4)  ~Ta                           23MTT
1     (5)~{∃y(Wya&Ry)&∀z(~Wza→~Rz)}→~Ta  34CP
  6   (6)  ∃y(Wya&Ry)→∃z(~Wza& Rz)       A
   7  (7)  ∃y(Wya&Ry)                    A
  67  (8)              ∃z(~Wza& Rx)      67MPP
    9 (9)                 ~Wca& Rc       A
    9 (ア)              ~~(~Wca& Rc)      9DN
    9 (イ)              ~(~~Wca∨~Rc)      ア、ド・モルガンの法則
    9 (ウ)               ~(~Wca→~Rc)      イ含意の定義
    9 (エ)             ∃z~(~Wza→~Rz)      ウEI
  67  (オ)             ∃z~(~Wza→~Rz)      89エEE
  67  (カ)             ~∀z(~Wza→~Rz)      オ量化子の関係
  6   (キ)  ∃y(Wya&Ry)→~∀z(~Wza→~Rz)      7カCP
  6   (ク) ~∃y(Wya&Ry)∨~∀z(~Wza→~Rz)      キ含意の定義
  6   (ケ)~{∃y(Wya&Ry)& ∀z(~Wza→~Rz)}     ク、ド・モルガンの法則
1 6   (コ)                           ~Ta  5ケCP
1     (サ)   ∃y(Wya&Ry)→∃z(~Wza& Rz)→~Ta  6コCP
     シ(シ)   ∃y(Wya&Ry)&∃z(~Wza& Rz)      A
     シ(ス)   ∃y(Wya&Ry)                   シ&E
     シ(セ)              ∃z(~Wza& Rz)      シ&E
1    シ(ソ)              ∃z(~Wza& Rz)→~Ta  サスMPP
1    シ(タ)                          →~Ta  セソMPP
1     (チ)   ∃y(Wya&Ry)&∃z(~Wza& Rz)→~Ta  シタCP
1     (ツ)∀x{∃y(Wyx&Ry)&∃z(~Wzx& Rz)→~Tx} チUI
(ⅲ)
1     (1)∀x{∃y(Wyx&Ry)&∃z(~Wzx& Rz)→~Tx} A
1     (2)   ∃y(Wya&Ry)&∃z(~Wza& Rz)→~Ta  1UE
 3    (3)   ∃y(Wya&Ry)                   A
  4   (4)              ∃z(~Wza& Rz)      A
 34   (5)   ∃y(Wya&Ry)&∃z(~Wza& Rz)      34&I
134   (6)                           ~Ta  25MPP
13    (7)              ∃z(~Wza& Rz)→~Ta  46CP
1     (8)   ∃y(Wya&Ry)→∃z(~Wza& Rz)→~Ta  37CP
   9  (9)                            Ta  A
   9  (ア)                          ~~Ta  9DN
1  9  (イ) ~{∃y(Wya&Ry)→∃z(~Wza& Rz)}     8アMTT
1  9  (ウ)~{~∃y(Wya&Ry)∨∃z(~Wza& Rz)}     イ含意の定義
1  9  (エ)~~∃y(Wya&Ry)&~∃z(~Wza& Rz)      ウ、ド・モルガンの法則
1  9  (オ)  ∃y(Wya&Ry)&~∃z(~Wza& Rz)      エDN
1  9  (カ)  ∃y(Wya&Ry)                    オ&E
1  9  (キ)             ~∃z(~Wza& Rz)      オ&E
1  9  (ク)             ∀z~(~Wza& Rz)      キ量化子の関係
1  9  (ケ)               ~(~Wca& Rc)      クUE
1  9  (コ)                ~~Wca∨~Rc       ケ、ド・モルガンの法則
1  9  (サ)                 ~Wca→~Rc       コ含意の定義
1  9  (シ)              ∀z(~Wza→~Rz)      サUI
1  9  (ス)   ∃y(Wya&Ry)&∀z(~Wza→~Rz)      カシ&I
1     (セ)   Ta→∃y(Wya&Ry)&∀z(~Wza→~Rz)   9スCP
1     (ソ)∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z(~Wzx→~Rz)}  セUI
cf.
① すべてのxについて、xがTであるならば、あるyはxのWであって、Rであり、すべてのzについて、zがxのWでないならば、zはRではない。
③ すべてのxについて、あるyがxのWであって、Rであり、あるzが、xのWではなくて、Rであるならば、xはTではない。
従って、
(04)により
(05)
① ∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z(~Wzx→~Rz)}
③ ∀x{∃y(Wyx&Ry)&∃z(~Wzx&Rz)→~Tx}
に於いて、両者は、「全体」として、「対偶(contraposition)」であり、それ故、
①=③ である。
従って、
(03)(05)により、
(06)
① ∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z(~Wzx→~Rz)}
② ∀x{Tx→∃y(Wyx&Ry)&∀z( Rz→ Wzx)}
③ ∀x{∃y(Wyx&Ry)&∃z(~Wzx&Rz)→~Tx}
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
 T=タゴール記念会
 W=私
 R=理事長
といふ「代入(replacement)」を行ふと、
① ∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}=タゴール記念会は、私_理事長です。
② ∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(  理事長z→ 私zx)}=タゴール記念会は、私は理事長であり、理事長は私である。
③ ∀x{∃y(私yx&理事長y)&∃z(~私zx&理事長z)→~タゴール記念会x}=私が理事長であって、私以外も、理事長であるならば、タゴール記念会ではない。 
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(07)(08)により、
(09)
① タゴール記念会は、私が理事長です。
② タゴール記念会は、私は理事長であり、理事長は私である。
③ 私が理事長であって、私以外も、理事長であるならば、タゴール記念会ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(10)
① 私は1人しかゐない。
従って、
(10)により、
(11)
② 理事長は我々です。
と言はずに、
② 理事長はです。
と言ふのであれば、それだけで、
② 理事長は私(1人)である。
然るに、
(12)
② 理事長は私(1人)である。
と言ふのであれば、
② 私以外は理事長ではない
従って、
(12)により、
(13)
② タゴール記念会は、理事長は私である。
とする一方で、
③ タゴール記念会に、私以外の理事長がゐる。
といふのであれば、「矛盾」する。
従って、
(13)により、
(14)
③ 私が理事長であって、私以外も、理事長であるならば、タゴール記念会ではない。⇔
③ ∀x{∃y(私yx&理事長y)&∃z(~私zx&理事長z)→~タゴール記念会x}⇔
③ すべてのxについて、あるyがxの私であって、理事長であり、あるzがxの私ではなく、理事長であるならば、xはタゴール記念会ではない
令和元年07月10日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿