2019年7月3日水曜日

「排中律・同一律・矛盾律(其の?)」。

― 長い間、「返り点」に関する「記事」を書いてゐません。「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他、諸々」を、お読み下さい。―
(01)
(ⅰ)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P& P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   エオ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
(ⅱ)
1  (1)  P→ Q  A
 2 (2)  P&~Q  A
 2 (3)  P     2&E
 2 (4)    ~Q  2&E
12 (5)     Q  13MPP
12 (6)  ~Q&Q  45&I
1  (7)~(P&~Q) 26RAA
1  (8) ~P∨ Q  7ド・モルガンの法則
従って、
(01)により、
(02)
① ~P∨Q
②  P→Q
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
 2(4)    ~Q  2&E
12(5)     Q  13MPP
12(6)  ~Q&Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(ⅲ)
1  (1)~(P&~Q)  A
 2 (2)  P      A
  3(3)    ~Q   A
 23(4)  P&~Q   23&I
123(5)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  14&I
12 (6)   ~~Q   35RAA
12 (7)     Q   6DN
1  (8)  P→ Q   27CP
従って、
(03)により、
(04)
②   P→ Q
③ ~(P&~Q)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
①  ~P∨ Q
②   P→ Q
③ ~(P&~Q)
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(06)
①  ~P∨ Q
②   P→ Q
③ ~(P&~Q)
に於いて、
① Q=P
② Q=P
③ Q=P
といふ「置換(replacement)」を行ふと、
①  ~P∨ P  は「排中律」。
②   P→ P  は「同一律」。
③ ~(P&~P) は「矛盾律」。
従って、
(05)(06)により、
(07)
①  ~P∨ P  は「排中律」。
②   P→ P  は「同一律」。
③ ~(P&~P) は「矛盾律」。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(07)により、
(08)
① PでないかPである(排中律)。
② Pであるならば、Pである(同一律)。
③ PであってPでない。といふことはない(矛盾律)。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(09)
「交換法則」により、
① PでないかPである(排中律)。
② PであるかPでない(排中律)。
に於いて、
①=② である。
(10)
③ Pであるならば、Pである(同一律)。
の「対偶(Contraposition)」は、
④ Pでないならば、Pでない(同一律)。
である。
(11)
「交換法則」により、
⑤ PであってPでない。といふことはない(矛盾律)。
⑥ PでなくてPである。といふことはない(矛盾律)。
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(08)~(11)により、
(12)
① PでないかPである(排中律)。
② PであるかPでない(排中律)。
③ Pであるならば、Pである(同一律)。
④ Pでないならば、Pでない(同一律)。
⑤ PであってPでない。といふことはない(矛盾律)。
⑥ PでなくてPである。といふことはない(矛盾律)。
に於いて、
①=②=③=④=⑤=⑥ である。
従って、
(12)により、
(13)
③ Pであるならば、Pである(同一律)。
④ Pでないならば、Pでない(同一律)。
⑤ PであってPでない。といふことはない(矛盾律)。
⑥ PでなくてPである。といふことはない(矛盾律)。
は「正しく」、その一方で、
① PでないかPである(排中律)。
② PであるかPでない(排中律)。
は「正しくはない」。
といふことは、有り得ない(はずである)。
然るに、
(14)
排中律(はいちゅうりつ、英: Law of excluded middle、仏: Principe du tiers exclu)とは、論理学において、任意の命題 P に対し"P ∨ ¬P"(P であるか、または P でない)が成り立つことを主張する法則である。これは、論理の古典的体系では基本的な属性であり、同一律、無矛盾律とともに、(古典的な)思考の三原則のひとつに数えられる。しかし、論理体系によっては若干異なる法則となっている場合もあり、場合によっては排中律全く成り立たないこともある(例えば直観論理)(ウィキペディア)。
従って、
(13)(14)により、
(15)
「場合によっては排中律全く成り立たないこともある(例えば直観論理)」といふことが、私には、「理解」出来ない。
(16)
数学の論証問題では「背理法」という証明手段がよく使われます。「Aでない」と仮定せよ。そこからもし矛盾が導かれるようなら、「Aでない」とした前提が間違っている。よって「Aでない」が否定されるので、「Aである」が証明された、というあの論法です。最後の「よって」以下の論証の根拠となっているのが、排中律にほかありません。なぜなら、「Aでない」の否定イコール「Aである」になるためには、「Aである」または「Aでない」が常に成り立つことが大前提となるからです(吉永良正、ゲーデル・不完全定理、1992年、162頁)。
然るに、
(17)
⑤ nが偶数であって、nが偶数でない。といふことはない。
⑤ nが偶数であって、nが奇数である。といふことはない。
に於いて、両者は、「同じこと」である。
然るに、
(18)
⑤ nが偶数であって、nが奇数である。といふことはない。
① nは偶数であるか、nは奇数であるか、のいづれかである。
に於いて、「両者」は、「同じこと」である。
然るに、
(19)
① nは偶数であるか、nは奇数であるか、のいづれかである。
① nは偶数であるか、nは偶数でないか、のいづれかである。
に於いて、「両者」は、「同じこと」である。
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
⑤ nが偶数であって、nが偶数でない。といふことはない。
① nは偶数であるか、nは偶数でないか、のいづれかである。
に於いて、「両者」は、「同じこと」である。
然るに、
(21)
⑤ nが偶数であって、nが偶数でない。といふことはない。
③ nが偶数であるならば、nは偶数である。
に於いて、「両者」は、「同じこと」である。
従って、
(20)(21)により、
(22)
① nは偶数であるか、nは偶数でないか、のいづれかである。
③ nが偶数であるならば、nは偶数である。
⑤ nが偶数であって、nが偶数でない。といふことはない。
に於いて、「三者」は、「同じこと」である。
然るに、
(23)
① nは偶数であるか、nは偶数でないか、のいづれかである。
③ nが偶数であるならば、nは偶数である。
⑤ nが偶数であって、nが偶数でない。といふことはない。
に於いて、
① は、「排中律」であって、
② は、「同一律」であって、
③ は、「矛盾律」である。
従って、
(17)~(23)により、
(24)
少なくとも、「日本語」で、考へる限り、
①  ~P∨ P  は「排中律」。
②   P→ P  は「同一律」。
③ ~(P&~P) は「矛盾律」。
に於いて、
②「同一律」ではなく、
③「矛盾律」ではなく、
①「排中律」だけが、「疑はしい」といふことは、有り得ない
令和元年07月03日、毛利太。

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