2020年2月11日火曜日

「象は鼻が長い」の「述語論理」の「対偶」。

(01)
(ⅰ)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}          A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(象x&兎x)                               A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)           1UE
 2    (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   象a&兎a                                A
   6  (7)   兎a                                   6&E
   6  (8)      兎a                                6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)           47MPP
 2 6  (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za)  58MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)                        9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                         A
1  6  (エ)                 ∀z(~鼻za→~長z)           9&E
1  6  (オ)                    ~鼻ba→~長b            エUE
 2 6  (カ)      ∃y(耳ya&長y)                        ア&E
     キ(キ)         耳ba&長b                         A
 2 6  (ク)                 ∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ケ)                    ~耳ba→~長b&耳ba→~鼻ba   クUE
 2 6  (コ)                             耳ba→~鼻ba   ケ&E
     キ(サ)         耳ba                            キ&E
 2 6 キ(シ)                                 ~鼻ba   コサMPP
12 6 キ(ス)                         ~長b            オシMPP
    ウ (セ)             長b                         ウ&E
12 6ウキ(ソ)             長b&~長b                     シス&I 
12 6ウ (タ)             長b&~長b                     カキソEE 
12 6  (チ)             長b&~長b                     イウタEE
123   (ツ)             長b&~長b                     36チEE
12    (テ)~∃x(象x&兎x)                              3ツRAA
12    (ト)∀x~(象x&兎x)                              テ量化子の関係
12    (ナ)  ~(象a&兎a)                              トUE
12    (ニ)  ~象a∨~兎a                               ナ、ド・モルガンの法則
12    (ヌ)  ~兎a∨~象a                               ニ交換法則
12    (ネ)   兎a→~象a                               ヌ含意の定義
12    (ノ)∀x(兎x→~象x)                              ネUI
12    (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。            ネUI
12    (〃)兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。                ネUI
従って、
(01)により、
(02)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}          A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)} A
12    (ノ)∀x(兎x→~象x)                              ネUI
といふ「推論」、すなはち、
      (1)象は鼻が長い。然るに、
      (2)兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
      (3)兎は象ではない(Rabbits can not be elephants)。 
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyは、xの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1  (1)   ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1  (2)      象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 3 (3)        ∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y)  A
  4(4)        ∀z(~鼻za→~長z)              A
 34(5)                     ∀y(鼻ya→~長y)  34MPP
 34(6)                        鼻ba→~長b   5UE 
 34(7)                       ~鼻ba∨~長b   6含意の定義
 34(8)                      ~(鼻ba& 長b)  7ド・モルガンの法則
 34(9)                    ∀y~(鼻ya& 長y)  8UI
 34(ア)                    ~∃y(鼻ya& 長y)  9量化子の関係
 3 (イ)       ∀z(~鼻za→~長z)→~∃y(鼻ya& 長y)  4アCP
 3 (ウ)      ~∀z(~鼻za→~長z)∨~∃y(鼻ya& 長y)  イ含意の定義
 3 (エ)       ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)  ウ交換法則
 3 (オ)      ~{∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)} エ、ド・モルガンの法則
13 (カ)     ~象a                          2オMTT
1  (キ)   ∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y)→~象a   3カCP
1  (ク)∀x{∀z(~鼻zx→~長z)→∀y(鼻yx→~長y)→~象x}  キUI
(ⅱ)
1    (1)  ∀x{∀z(~鼻zx→~長z)→∀y(鼻yx→~長y)→~象x} A
1    (2)     ∀z(~鼻za→~長z)→∀y(鼻ya→~長y)→~象a  1UE
 3   (3)                               象a  A
 3   (4)                             ~~象a  3DN
13   (5)   ~{∀z(~鼻za→~長z)→ ∀y(鼻ya→~長y)}    23MTT
  6  (6)    ~∀z(~鼻za→~長z)∨ ∀y(鼻ya→~長y)     A
  6  (7)     ∀z(~鼻za→~長z)→ ∀y(鼻ya→~長y)     6含意の定義
136  (8)   ~{∀z(~鼻za→~長z)→ ∀y(鼻ya→~長y)}&
            {∀z(~鼻za→~長z)→ ∀y(鼻ya→~長y)}    57&
13   (9)  ~{~∀z(~鼻za→~長z)∨ ∀y(鼻ya→~長y)}    68RAA
13   (ア)     ∀z(~鼻za→~長z)&~∀y(鼻ya→~長y)     9ド・モルガンの法則
13   (イ)     ~∀y(鼻ya→~長y)&∀z(~鼻za→~長z)     ア交換法則
13   (ウ)     ~∀y(鼻ya→~長y)                  イ&E
13   (エ)     ∃y~(鼻ya→~長y)                  ウ量化子の関係
   オ (オ)       ~(鼻ba→~長b)                  A
    カ(カ)        ~鼻ba∨~長b                   A
    カ(キ)         鼻ba→~長b                   カ含意の定義
   オカ(ク)       ~(鼻ba→~長b)&
                (鼻ba→~長b)                  オキ&I
   オ (ケ)      ~(~鼻ba∨~長b)                  カクRAA
   オ (コ)         鼻ba& 長b                   ケ、ド・モルガンの法則
   オ (サ)      ∃y(鼻ya& 長y)                  コEI
13   (シ)      ∃y(鼻ya& 長y)                  エオサEE
13   (ス)                  ∀z(~鼻za→~長z)     イ&E
13   (セ)      ∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z)     シス&I
1    (ソ)   象a→∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻za→~長z)     3セCP
1    (タ)∀x{象x→∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}    ソUI
従って、
(04)により、
(05)
① ∀x{象x→∃y(鼻ya& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{∀z(~鼻zx→~長z)→∀y(鼻yx→~長y)→~象x}
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1  (1) ∀x(Fx→ Gx) A
 2 (2) ∃x(Fx&~Gx) A
  3(3)    Fa&~Ga  A
  3(4)    Fa      3&E
  3(5)       ~Ga  3&E
1  (6)    Fa→ Ga  1UE
1 3(7)        Ga  46MPP
1 3(8)    ~Ga&Ga  57&
12 (9)    ~Ga&Ga  238EE
1  (ア)~∃x(Fx&~Gx) 29RAA
(ⅳ)
1   (1) ~∃x(Fx&~Gx)  A
 2  (2) ~∀x(Fx→ Gx)  A
 2  (3) ∃x~(Fx→ Gx)  2量化子の関係
  4 (4)   ~(Fa→ Ga)  A
   5(5)    ~Fa∨ Ga   A
   5(6)     Fa→ Ga   6含意の定義
  45(7)   ~(Fa→ Ga)&
           (Fa→ Ga)  46&I
  4 (8)  ~(~Fa∨ Ga)  57RAA
  4 (9)     Fa&~Ga   8ド・モルガンの法則
  4 (ア)  ∃x(Fx&~Gx)  9EI
 2  (イ)  ∃x(Fx&~Gx)  34アEE
12  (ウ) ~∃x(Fx&~Gx)&
         ∃x(Fx&~Gx)  1イ&I
1   (エ)~~∀x(Fx→ Gx)  2ウRAA
1   (オ)  ∀x(Fx→ Gx)  エDN
従って、
(06)により、
(07)
③  ∀x(Fx→ Gx)
④ ~∃x(Fx&~Gx)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(07)により、
(08)
③  ∀x(Fx→ Gx)
④ ~∃x(Fx&~Gx)
に於いて、
 x=z
Fx=~鼻zx
Gx=~長z
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
③  ∀z(~鼻zx→~長z)
④ ~∃z(~鼻zx& 長z)
従って、
(09)
③  ∀x(Fx→ Gx)
④ ~∃x(Fx&~Gx)
に於いて、
 x=y
Fx=鼻yx
Gx=~長y
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
③  ∀y(鼻yx→~長y)
④ ~∃y(鼻yx& 長y)
従って、
(05)(08)(09)により、
(10)
① ∀x{象x→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ∀x{~∃z(~鼻zx&長z)→~∃y(鼻yx&長y)→~象x}
に於いて、
①=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(11)
(ⅳ)
1  (1) ∀x{~∃z(~鼻zx&長z)→~∃y(鼻yx&長y)→~象x} A
1  (2)    ~∃z(~鼻za&長z)→~∃y(鼻ya&長y)→~象a  1UE
 3 (3)                              象a  A
 3 (4)                            ~~象a  3DN
13 (5)  ~{~∃z(~鼻za&長z)→~∃y(鼻ya&長y)}     24MPP
  6(6)     ∃z(~鼻za&長z)∨~∃y(鼻ya&長y)      A
  6(7)    ~∃z(~鼻za&長z)→~∃y(鼻ya&長y)      6含意の定義
136(8)  ~{~∃z(~鼻za&長z)→~∃y(鼻ya&長y)}&
         {~∃z(~鼻za&長z)→~∃y(鼻ya&長y)}     57&I
13 (9)   ~{∃z(~鼻za&長z)∨~∃y(鼻ya&長y)}     68RAA
13 (ア)     ~∃z(~鼻za&長z)&∃y(鼻ya&長y)      9ド・モルガンの法則
13 (イ)      ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z)     ア交換法則
1  (ウ)   象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z)     3イCP
1  (エ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}    ウUI
従って、
(10)(11)により、
(12)
「番号」を付け直すと、
① ∀x{象x→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{~∃z(~鼻zx&長z)→~∃y(鼻yx&長y)→~象x}
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
に於いて、
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(12)により、
(13)
「番号」を付け直すと、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
② ∀x{~∃z(~鼻zx&長z)→~∃y(鼻yx&長y)→~象x}
①=② は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(03)(13)により、
(14)
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyは、xの鼻であって、長く、xの鼻以外で、長いzは存在しない。⇔
② 鼻以外が長くなくて、鼻も長くないならば、象ではない。⇔
② ∀x{~∃z(~鼻zx&長z)→~∃y(鼻yx&長y)→~象x}⇔
② すべてのxについて、xの鼻以外で長いzが存在せず、xの鼻であって長いyが存在しないならば、xは象ではない。
といふ「等式」が、成立する。
令和02年02月11日、毛利太。

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