2020年2月5日水曜日

「二重否定の除去」と「リカ―ジョン(反復・再帰)」。

(01)
7 実際上、われわれの規則DNはつぎの2つの規則が結合したものである。
(ⅰ)Aから~~Aを導出すること、そして、
(ⅱ)~~AからAを導出すること、
(ⅰ)は他の原始的規則から導出されることを示せ(規則MTT、すなわち連式55、対する、これに対応する証明を参照せよ)。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、81頁)
(02)
〔解答〕
1 (1)   P     A
 2(2) ~P     A
12(3)  P&~P  12&I
1 (4)~~P     23RAA
  (5)  P→~~P 14CP
cf.
ただし、「E.J.レモン、論理学初歩」には、「練習問題の解答」は、載ってゐません。
然るに、
(03)
系Ⅰ:任意の連式は、それがトートロジー的であるときまたそのときに限って導出可能である。
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、114頁)
従って、
(02)(03)により、
(04)
① P→~~P
といふ「式」は、「恒真式トートロジー)」である。
然るに、
(05)
1  (1)   P     A
 2 (2) ~P     A
12 (3)  P&~P  12&I
1  (4)~~P     23RAA
   (5)  P→~~P 14CP
  6(6)   ~~~P A
  6(7) ~P     56MTT
   (8)~~~P→~P 67CP
従って、
(03)(05)により、
(06)
② ~~~P→~P
といふ「式」は、「恒真式トートロジー)」である。
従って、
(06)により、
(07)
任意の命題Pは、
P=真 であるか、
P=偽 であるか、いづれかであり、尚且つ、
② ~真=偽 であって、
② ~偽=真 である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
② ~~~P→~P
といふ「式」が、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことは、
② ~~偽→偽
② ~~真→真
といふ「式」が、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことに、他ならない。
然るに、
(09)
任意の命題Pは、
P=真 であるか、
P=偽 であるか、いづれかであり、尚且つ、
② ~~偽→偽
② ~~真→真
といふことは、
② ~~P→P
といふ「式」が、「恒真式(トートロジー)」である。
といふ、ことである。
従って、
(04)(09)により、
(10)
① P→~~P
② ~~P→P
といふ「式」は、両方とも、「恒真式トートロジー)」である。
然るに、
(11)
② ~~P→P
といふ「式」を、「二重否定の除去」といふ。
従って、
(10)(11)により、
(12)
"「Pではない」ではないならば、Pである"
つまり、否定を~で表すと「~~PならばP」だと言ってます。
……何か問題が?
けどこれ「二重否定の除去といって、成り立つことが示せないんですよ(@gyu-don)。
といふことには、ならない
然るに、
(13)
①(((Aであると)Bが言ったと)Cが言ったと)Dが言った。
といふ「再帰表現(recursion)」が「本当」」であるならば、
② Dは(((Aであると)Bが言ったと)Cが言ったと)言ったことになり、
③ Cは ((Aであると)Bが言ったと)言ったことになり、
④ Bは  (Aであると)言ったことになる。
cf.
ピダハン 謎の言語を操るアマゾンの民|地球ドラマチック(NHK、2014.08.16)
従って、
(13)により、
(14)
①(((Aであると)Bが言ったのウソであると)Cが言ったのはウソであると)Dが言ったのはウソである。
といふ「再帰表現(recursion)」も、
②(((Aである。)はウソである。)はウソである。)はウソである。
といふ「構造」をしてゐる、ことになる。
従って、
(14)により、
(15)
② ~~~P≡Pでないではないではない
といふ「命題」も、
② ~(~(~(P)))≡(((P)でない。)ではない。)ではない
といふ「構造」をしてゐる、ことになる。
従って、
(05)(15)により、
(16)
1  (1)   P     A
 2 (2) ~P     A
12 (3)  P&~P  12&I
1  (4)~~P     23RAA
   (5)  P→~~P 14CP
  6(6)   ~~~P A
  6(7) ~P     56MTT
   (8)~~~P→~P 67CP
といふ「計算」は、
1  (1)    (P)          A
 2 (2)  ~(P)          A
12 (3)   (P)&~(P)     12&I
1  (4)~(~(P))         23RAA
   (5)   (P)→~(~(P))  14CP
  6(6)     ~(~(~(P))) A
  6(7)  ~(P)          56MTT
   (8)~(~(~(P)))→~(P) 67CP
と書くのが、「正しい」。
然るに、
(17)
一々
② ~(~(~(P)))→~(P)
と書くのは、「面倒で、カナハナイ」。
従って、
(18)
実際には
② ~~~P→~P
としか書かないものの、
② ~(~(~(P)))→~(P)
といふ「式」を、
② ~~~P→~P
と書くのであれば、
② ~~~P→~P
といふ「式」は、
② ~~(~P)→(~P)
といふ風に、書いても良い
といふ、ことになる。
然るに、
(19)
代入の規則
 一つの恒真式のなかの命題変項他の命題変項、または論理式でおきかえることによって得られた式は同じく恒真式である。
(沢田允、現代論理学入門、1962年、173頁)
従って、
(06)(18)(19)により、
(20)
② ~~(~P)→(~P)
に於いて、
(~P)=P
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
② ~~P→P
といふ「式(二重否定除去)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(04)(10)(20)により、
(21)
いづれにせよ、
① P→~~P
② ~~P→P
といふ「式(DN)」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
令和02年02月05日、毛利太。

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