2020年2月22日土曜日

「矛盾」からは何も「演繹」出来ない(其の?)。

(01)
① 風邪を引いたので会社を休む。
と言へるためには、
② 風邪を引いたならば会社を休む。
といふ「命題」が、「」でなければならない。
従って、
(01)により、
(02)
① PなのでQである(PなばQなり)。
と言へるためには、
② PならばQである(PなばQなり)。
といふ「命題」が、「」でなければならない。
従って、
(02)により、
(03)
① PなのでQである(PなばQなり)。
といふ風に、言へたのであれば、
② PならばQである(PなばQなり)
といふ風に、言っても良い
従って、
(03)により、
(04)
① PなのでPである(PなばPなり)。
といふ風に、言へたのであれば、
② PならばPである(PなばPなり)。
といふ風に、言っても良い
然るに、
(05)
29 P├ P
 1(1)P   A
これ以上短い式は証明できないし、またその証明は可能な最も短い証明であり。しかしそれはくわしく注意するに値する。(1)の行は(1)が与えられたならばPが導かれることを主張している。では(1)と何であろうか―命題Pそのものである。
No shorter sequent than this can be proved, and its proof is the shortest possible proof: yet it is worth close attention. Line(1)affirms that given(1), P follows; what is(1)―the proposition itself.
(E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、44頁と、原文)
従って、
(05)により、
(06)
① P├ P
といふ「連式(sequent)」は、
① PなのでPである(PなばPなり)。
といふ「意味」である。
然るに、
(07)
 38 ├ P→P(連式29を参照)
 1(1)P   A
  (2)P→P 11CP
従って、
(04)(06)(07)により、
(08)
① P├ P
① PなのでPである(PなばPなり)。
といふ風に、言へたので、
②├ P→P
② PならばPである(PなばPなり)。
といふ風に、言っても良い
然るに、
(09)
(ⅰ)
1  (1)    P→Q   A
 2 (2) ~(~P∨Q)  A
  3(3)   ~P     A
  3(4)   ~P∨Q   3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  24&I
 2 (6)  ~~P     35RAA
 2 (7)    P     6DN
12 (8)      Q   17MPP
12 (9)   ~P∨Q   8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  29&I
1  (イ)~~(~P∨Q)  2アRAA
1  (ウ)   ~P∨Q   イDN
(ⅱ)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P&P    34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   67&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(09)により、
(10)
①  P→Q(Pなば、Qである)。
② ~P∨Q(PでないかQである)。
に於いて、
①=② であって、この「等式」を「含意の定義」といふ。
然るに、
(10)により、
(11)
①  P→Q(Pならば、Qである)。
② ~P∨Q(PでないかQである)。
に於いて、
①=② であるため、
①  P→P(Pならば、Pである)。
② ~P∨P(PでないかPである)。
に於いても、
①=② である。
然るに、
(12)
② ~P∨P(PでないかPである)。
といふことは、
②(Pであるか、Pでないか)は、「定」である。
といふ、ことである。
従って、
(05)(06)(07)(12)により、
(13)
29 P├ P
 1(1)P   A
38  ├ P→P(連式29を参照)
 1(1)P   A
  (2)P→P 11CP
に於いて、
 1(1) P   の「P(Pである)は、定である」が、
  (2) P→P の「P(Pである)は、定である」。
  (〃)~P∨P の「P(Pである)は、定である」。
従って、
(13)により、
(14)
1(1)~P A
に於いて、
1(1)~P(Pでない)は、「定」である。
従って、
(13)(14)により、
(15)
1(1)~P   A
1(2)~P∨Q 1∨I
1(3) P→Q 2含意の定義
に於いて、
1(1)~P(Pでない)は「定」である。
1(2)~P(Pでない)は「定」である。
1(3)~P(Pでない)は「定」である。
従って、
(15)により、
(16)
1 (1)~P   A
1 (2)~P∨Q 1∨I
1 (3) P→Q 2含意の定義
に続けて、
 4(4) P   A
とするならば、すなはち、
1 (1)~P   A
1 (2)~P∨Q 1∨I
1 (3) P→Q 2含意の定義
 4(4) P   A
とするならば、
1 (3)~P(Pでない)は「定」であるにも拘らず、それと「同時」に、
 4(4) P(Pである)も「定」である」。
従って、
(16)により、
(17)
1 (1)~P   A
1 (2)~P∨Q ∨I
1 (3) P→Q 2含意の定義
 4(4) P   A
14(5)   Q 34MPP
とするならば、
14(5)   Q 34MPP
に於いて、
14(5)~P(Pでない)は「定」であって、「同時」に、
14(〃) P(Pである)も「定」である。
然るに、
(18)
「・・・・・という仮定が与えられるならば、・・・・・と正しく結論することができる」という煩雑な表現の略記法があれば好都合であろう。このためわたしは、論理学の文献のなかでしばしば、しかし誤解を招きやすい仕方で、断定記号(assertion-sign)、
 ├
を導入する。これは「故に」(therefore)と読むのが便利であろう。
(E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学入門、16頁)
従って、
(05)(06)(18)により、
(19)
(ⅲ)
1 (1)~P   A
1 (2)~P∨Q ∨I
1 (3) P→Q 2含意の定義
 4(4) P   A
14(5)   Q 34MPP
といふ「計算」により、
③ ~P,P├ Q
といふ「連式」、すなはち、
③ Pでなくて、Pなので、Qである。
といふ「連式」が「証明」されたことになる(?)。
従って、
(19)により、
(20)
③ ~P,P├ Q
に於いて、
P=バカボンのパパは天才である。
Q=太陽は西から昇る。
であるならば、
③ バカボンのパパは天才であって、天才でないので、太陽は西から昇る。
といふ「推論」は、「妥当」である(?)。
然るに、
(21)
(ⅳ)
1(1)~P&P A
1(2)~P   1&E
1(3)~P∨Q 2∨I
1(4) P→Q 2含意の定義
1(5) P   1&E
1(6)   Q 45MPP
といふ「計算」により、
④ ~P&P├ Q
に於いても、
P=バカボンのパパは天才である(?)。
Q=太陽は西から昇る。
であるならば、
④ バカボンのパパは天才であって、天才でないので、太陽は西から昇る。
といふ「推論」は、「妥当」である(?)。
然るに、
(22)
2 推論の規則
論理式「P」と「P→Q」が共に真ならば、論理式「Q」も真である。
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、173・4頁改)
従って、
(22)により、
(23)
2 推論の規則
論理式「~P&P」と「~P&P→Q」が共に真ならば、論理式「Q」も真である。
然るに、
(24)
~P&P矛盾)は、「恒に」である。
従って、
(23)(24)により、
(25)
論理式「~P&P」と「~P&P→Q」が共に真になることはない
従って、
(21)(22)(25)により、
(26)
③ ~P,P├ Q
③ バカボンのパパは天才であって、天才でないので、太陽は西から昇る。
といふ「推論」も、
④ ~P&P├ Q
④ バカボンのパパは天才であって、天才でないので、太陽は西から昇る。
といふ「推論」も、
2 推論の規則
論理式「P」と「P→Q」が共に真ならば、論理式「Q」も真である。
といふ「規則」に、「違反」してゐる。
従って、
(27)
矛盾からは、どのやうな命題でも、演繹できる。」といふ「言ひ方」は、「マチガイ」であって、
矛盾に気付かない場合は、どのやうな命題でも、演繹できたやうな気になってしまふ。」といふのが、「正しい」。
然るに、
(28)
④ ~P&P├ Q
④ バカボンのパパは天才であって、天才でないので、太陽は西から昇る。
といふ「結論」であれば、
④ バカボンのパパは天才であって、天才でない。
といふ「矛盾」に気付かないことは、有り得ない
然るに、
(29)
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sgx********さん 編集あり2006/6/1016:19:35
四色問題の最終証明は100ページの概要と100ページの詳説、
700ページの予備的成果らしいです。
ワイルズの証明したフェルマーの最終定理は109ページ
フィールズ賞を受賞した廣中平祐の「代数多様体の特異点解消」の
論文は、論文の中身としてはこれらより長くて217ページです。
従って、
(27)(29)により、
(30)
そのやうな「ページ数の証明」であれば、「矛盾に気付かないまま、証明できたやうな気になってしまふ。」といふことは、有り得る、ことになる。
令和02年02月22日、毛利太。

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