2020年2月14日金曜日

「鼻が長いのは象である(象以外の鼻は長くない)」の「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
1   (1)∀x∀y(鼻xy&長x→ 象y) A
 2  (2)∃x∃y(鼻xy&兎y&~象y) A
1   (3)  ∀y(鼻ay&長a→ 象y) 1UE
1   (4)     鼻ab&長a→ 象b  3UE
  5 (5)  ∃y(鼻ay&兎y&~象y) A
   6(6)    (鼻ab&兎b&~象b) A
   6(7)     鼻ab         6&E
   6(8)         兎b      6&E
   6(9)            ~象b  6&E
1  6(ア)   ~(鼻ab&長a)     49MTT
1  6(イ)   ~鼻ab∨~長a      ア、ド・モルガンの法則
1  6(ウ)    鼻ab→~長a      イ含意の定義
1  6(エ)        ~長a      7ウMPP
1  6(オ)     兎b&鼻ab      78&I
1  6(カ)     兎b&鼻ab&~長a  エオ&I
1  6(キ)  ∃y(兎y&鼻ay&~長a) カEI
1 5 (ク)  ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 56キEE
1 5 (ケ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) クEI
12  (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 25ケEE
従って、
(01)により、
(02)
(1)∀x∀y(鼻xy&長x→ 象y)然るに、
(2)∃x∃y(鼻xy&兎y&~象y)従って、
(コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(1)すべてのxとyについて(xがyの鼻であって、xが長ければ、yは象である)。然るに、
(2)  あるxとyについて(xはyの鼻であって、yは兎であってyは象でない)。故に、
(コ)  あるxとyについて(yは兎であって、xはyの鼻であってxは長くない)。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(04)
① すべてのxとyについて(xがyの鼻であって、xが長ければ、yは象である)。
②     あるxとyについて(yは兎であって、xはyの鼻であってxは長くない)。
といふことは、
① yの鼻が長ければ、yは象である。
② yは兎であって、 yの鼻は長くない。
といふことである。
然るに、
(05)
① yの鼻が長ければ、yは象である。
② yは兎であって、 yの鼻は長くない。
といふことは、
① 鼻長いは象である。
② 兎の鼻は長くない
といふことである。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
{象、兎、馬}を{変域(domain)}として、
① 鼻長いは象である。= ∀x∀y(鼻xy&長x→象y)
② 耳長いは兎である。= ∀x∀y(耳xy&長x→兎y)
③ 顔長いは馬である。= ∀x∀y(顔xy&長x→馬y)
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1   (1) ∀x∀y(鼻xy&長x→ 象y) A
1   (2)   ∀y(鼻ay&長a→ 象y) 1UE
1   (3)      鼻ab&長a→ 象b  3UE
 4  (4) ∃x∃y(~象y&鼻xy&長x) A
  5 (5)   ∃y(~象y&鼻ay&長a) A
   6(6)      ~象b&鼻ab&長a  A
   6(7)          鼻ab&長a  6&E
1  6(8)              象b  37MPP
   6(9)      ~象b         6&E
1  6(ア)      ~象b&象b      89&I
1 5 (イ)      ~象b&象b      56アEE
14  (ウ)      ~象b&象b      45イEE
1   (エ)~∃x∃y(~象y&鼻xy&長x) 4ウRAA
(ⅱ)
1    (1)~∃x∃y(~象y&鼻xy& 長x)  A
 2   (2)~∀x∀y(鼻xy&長x→  象y)  A
 2   (3)∃x~∀y(鼻xy&長x→  象y)  2量化子の関係
 2   (4)∃x∃y~(鼻xy&長x→  象y)  3量化子の関係
  5  (5)  ∃y~(鼻ay&長a→  象y)  A
   6 (6)    ~(鼻ab&長a→  象b)  A
    7(7)    ~(鼻ab&長a)∨ 象b   A
    7(8)     (鼻ab&長a→  象b)  7含意の定義
   67(9)    ~(鼻ab&長a→  象b)&
             (鼻ab&長a→  象b)  68&I
   6 (ア)  ~{~(鼻ab&長a)∨ 象b}  79RAA
   6 (イ)     (鼻ab&長a)&~象b   ア、ド・モルガンの法則
   6 (ウ)      ~象b&(鼻ab&長a)  イ交換法則
   6 (エ)      ~象y&鼻xy& 長a   ウ結合法則
   6 (オ)   ∃y(~象y&鼻ay& 長a)  エEI
  5  (カ)   ∃y(~象y&鼻ay& 長a)  56オEE
  5  (キ) ∃x∃y(~象y&鼻xy& 長x)  カEI
 2   (ク) ∃x∃y(~象y&鼻xy& 長x)  25キEE
12   (ケ)~∃x∃y(~象y&鼻xy& 長x)&
         ∃x∃y(~象y&鼻xy& 長x)  1ク&I
1    (コ)~~∀x∀y(鼻xy&長x→ 象y)  2ケRAA
1    (サ)  ∀x∀y(鼻xy&長x→ 象y)  コDN
従って、
(07)により、
(08)
①   ∀x∀y(鼻xy&長x→ 象y)
② ~∃x∃y(~象y&鼻xy&長x)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
① すべてのxとyについて(xがyの鼻であって、xが長ければ、yは象である)。
②   あるxとyについて(yが象ではなくて、xがyの鼻であって、xが長い)といふことはない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(09)により、
(10)
① yの鼻が長いのであれば、yは象である。
② yが象でないならば、yの鼻が長い。といふことはない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(10)により、
(11)
① 鼻長いは象である。
② 象以外の鼻は長くない
従って、
(08)~(11)により、
(12)
{象、兎、馬}を{変域(domain)}として、
① 鼻が長いのは象である。=  ∀x∀y(鼻xy&長x→ 象y)
② 象以外の鼻は長くない。= ~∃x∃y(~象y&鼻xy&長x)
といふ「2つの等式」に於いて、
①=② である。
従って、
(12)により、
(13)
{象、兎、馬}を「対象」とするならば、
①「鼻長いは象である。」といふことは、
②「象以外の鼻は長くない。」といふことと、「同じ」である。
といふことは、「述語論理」としても、「正しい」。
然るに、
(14)
【1】[][
連体修飾語を作る。〈・・・・・
夏草や兵ども夢のあと(芭蕉)。
体言の代用をする。〈・・・・・のモノ
薬は、唐はめでたし。 [訳]薬は中国のものはすばらしい。
(中村菊一、重点整理 基礎からわかる古典文法、1978年、154頁改)
(14)により、
(15)
① 鼻長いは象である。
の 鼻
は、    (形式名詞)
に対する、「連体修飾語」である。
従って、
(15)により、
(16)
① 鼻長い(名詞)象である。
② 君行く(名詞)果てしなく遠い。
③ 君行く(名詞)果てしなく遠い。
に於いて、
① 鼻
② 君
③ 君
は、3つとも、「連体修飾語」である。
然るに、
(17)
① 鼻長いは象である=∀x∀y(鼻xy&長x→ 象y)。
② 象は鼻長い    =∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
①「鼻」は「連体修飾語」であるが、
②「鼻」の「連体修飾語」ではない
(18)
「歴史的」には、
① 鼻長い(名詞)は象である。
といふ「用法」が先にあって、後に、
① 鼻長い(終止形)。
といふ「用法」が生まれて、その「結果」として、
① 鼻長い。
② 鼻は長い。
といふ「対立」が、生じることになる。
然るに、
(19)
「結論」だけを書くならば、
① 鼻音)
② 鼻は(清音)
に於いて、
① の「心理的な音量」の方が
② の「心理的な音量」よりも「大きく」、それ故、
① は、② に対する「強調形」である。
然るに、
(20)
① AはBであり、A以外はBでない。
といふ「命題」を「排他的命題(Exclusive proposition)」といふ。
然るに、
(21)
強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
従って、
(19)(20)(21)により、
(22)
① 鼻長い=鼻は長く、鼻以外は長くない
② 鼻は長い=鼻は長い。
といふ、ことになる。
従って、
(22)により、
(23)
① 象は鼻長い=象は鼻は長く、鼻以外は長くない
② 象は鼻は長い=象は鼻は長い。
といふことになり、それ故、
① 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(23)により、
(24)
① 象は鼻長い。といふことはない
∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(25)
(ⅱ)
1      (1)~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}  A
1      (2)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}  1量化子の関係
 3     (3)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  A
  4    (4)   ~象a∨∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)   A
  4    (5)    象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)   4含意の定義
 34    (6)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}&
             {象a→∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  35&I
 3     (7) ~{~象a∨∃y(鼻ya&長y)& ∀z(~鼻za→~長z)}  46RAA
 3     (8)~{~象a∨∃y(鼻ya&長y)}∨~∀z(~鼻za→~長z)   7ド・モルガンの法則
 3     (9) {~象a∨∃y(鼻ya&長y)}→~∀z(~鼻za→~長z)   8含意の定義
   ア   (ア)   象a→∃y(鼻ya&長y)                  A
   ア   (イ) {~象a∨∃y(鼻ya&長y)}                 イ含意の定義
 3 ア   (ウ)                  ~∀z(~鼻za→~長z)   9イMPP
 3 ア   (エ)                  ∃z~(~鼻za→~長z)   ウ量化子の関係
    オ  (オ)                    ~(~鼻ca→~長c)   A
     カ (カ)                       鼻ca∨~長c    A

     カ (キ)                      ~鼻ca→~長c    カ含意の定義
    オカ (ク)                    ~(~鼻ca→~長c)&
                               (~鼻ca→~長c)   オキ&I
    オ  (ケ)                     ~(鼻ca∨~長c)   カクRAA
    オ  (コ)                      ~鼻ca& 長c    ケ、ド・モルガンの法則
    オ  (サ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   コEI
 3 ア   (シ)                   ∃z(~鼻za& 長z)   エオサEE

 3     (ス)   [象a→∃y(鼻ya&長y)]→∃z(~鼻za& 長z)   アシCP
 3     (セ)∃x{[象x→∃y(鼻yx&長y)]→∃z(~鼻zx& 長z)}  スEI
1      (ソ)∃x{[象x→∃y(鼻yx&長y)]→∃z(~鼻zx& 長z)}  23セEE
(ⅲ)
1    (1) ∃x{[象x→∃y(鼻yx&長y)]→∃z(~鼻zx& 長z)}  A
 2   (2)    [象a→∃y(鼻ya&長y)]→∃z(~鼻za& 長z)   A
  3  (3)    [象a→∃y(鼻ya&長y)]                A
 23  (4)                   ∃ z(~鼻za& 長z)   23MPP
   5 (5)                       ~鼻ca& 長c    A
    6(6)                       ~鼻ca→~長c    A
   5 (7)                       ~鼻ca        5&E
   56(8)                            ~長c    67MPP
   5 (9)                             長c    5&E
   56(ア)                         ~長c&長c    89&I
   5 (イ)                     ~(~鼻ca→~長c)   6アRAA
   5 (ウ)                   ∃z~(~鼻ca→~長c)   イEI
 23  (エ)                   ∃z~(~鼻ca→~長c)   45ウEE
 23  (カ)                   ~∀z(~鼻ca→~長c)   エ量化子の関係
 2   (キ)   [象a→∃y(鼻ya&長y)]→~∀z(~鼻ca→~長c)   3カCP
 2   (ク)  ~[象a→∃y(鼻ya&長y)]∨~∀z(~鼻ca→~長c)   キ含意の定義
 2   (ケ)  ~{象a→∃y(鼻ya&長y) & ∀z(~鼻ca→~長c)}  ク含意の定義
 2   (コ)∃x~{象a→∃y(鼻ya&長y) & ∀z(~鼻ca→~長c)}  ケEI
1    (サ)∃x~{象a→∃y(鼻ya&長y) & ∀z(~鼻ca→~長c)}  12コEE
1    (シ)~∀x{象a→∃y(鼻ya&長y) & ∀z(~鼻ca→~長c)}  サ量化子の関係
従って、
(25)により、
(26)
② ~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ∃x{[象x→∃y(鼻yx&長y)]→∃z(~鼻zx&長z)}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(24)(25)(26)により、
(27)
① 象は鼻長い。といふことはない。といふことはない
~~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ ~∃x{[象x→∃y(鼻yx&長y)]→∃z(~鼻zx&長z)}。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(27)により、
(28)
二重否定(DN)」により、
(29)
① 象は鼻長い。
②   ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ ~∃x{[象x→∃y(鼻yx&長y)]→∃z(~鼻zx&長z)}。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(29)により、
(30)
① 象は鼻長い。
③{xが象であるならば、あるyがxの鼻であって長いならば、あるzはxの鼻以外であって長い。}といふ、そのやうなxは存在しない
に於いて、
①=③ である。
従って、
(31)
① 象は鼻長い。
③ 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
に於いて、
①=③ である。
令和02年02月14日、毛利太。

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