2020年2月21日金曜日

「象も動物である」の「述語論理」。

(01)
①{、机、車}であれば、
①{象動物であり}、
②{}であれば、
②{象動物である}。
従って、
(01)により、
(02)
① 象が動物である=象は動物であり、象以外(机、車)は動物でない
② 象動物である=象は動物であり、象以外(兎、馬)も動物である
に於いて、①と②は、
① 象以外は動物でない
② 象以外も動物である
の「部分」が、「矛盾」する。
然るに、
(03)
① 象動物である=象は動物であり、象以外は動物でない
といふ「命題」は、
① ∀x(象x→動物x&~象x→~動物x)
① すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物であり、xが動物でなければ、xは動物ではない)。
といふ風に、書くことが出来る。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① 象が動物である=象は動物であり、象以外は動物でない。
② 象も動物である=象は動物であり、象以外も動物である。
に於いて①と②は、
①   ~象x→~動物x
② ~(~象x→~動物x)
の「部分論理式」が、「矛盾」する。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 象が動物である=象は動物であり、象以外は動物でない。
② 象も動物である=象は動物であり、象以外も動物である。
といふ「日本語」は、それぞれ、
① ∀x{象x→動物x&    ~象x→~動物x}
② ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}
といふ「述語論理」に、相当する。
然るに、
(06)
109 ∀x(Fx&Gx)┤├ ∀xFx&∀xGx
(a) 1(1)∀x(Fx&Gx) A
1(2)   Fa&Ga  1UE
1(3)   Fa     2&E
1(4) ∀xFx     3UI
1(5)      Ga  2&E
1(6)    ∀xGx  5UI
1(7)∀xFx&∀xGx 46&I
(b)
1(1)∀xFx&∀xGx A
1(2)∀xFx      1&E
1(3)  Fa      2UE
1(4)     ∀xGx 1&E
1(5)       Ga 4UE
1(6)   Fa&Ga  35&I
1(7)∀x(Fx&Gx) 6UI
109の、相互導出可能性の結果は、普遍量記号連言の仲間であることからすれば、全く予想されることである。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、151・153頁改)。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① ∀x{象x→動物x&    ~象x→~動物x}
② ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}
といふ「式」は、
① ∀x(象x→動物x)& ∀x(~象x→~動物x)
② ∀x(象x→動物x)&∀x~(~象x→~動物x)
といふ「式」に「等しい」。
然るに、
(08)
(ⅱ)
1(1)∀x~(~象x→~動物x) A
1(2)  ~(~象a→~動物a) 1UE
1(3)   ~(象a∨~動物a) 2含意の定義
1(4)    ~象a& 動物a  3ド・モルガンの法則
1(5) ∀x(~象x& 動物x) 4UI
(ⅲ)
1(1) ∀x(~象x& 動物x) A
1(2)    ~象a& 動物a  1UE
1(3)   ~(象a∨~動物a) 2ド・モルガンの法則
1(4)   ~(象a→~動物a) 3含意の定義
1(5) ∀x~(象a→~動物a) 4UI
従って、
(08)により、
(09)
② ∀x~(~象x→~動物x)
③   ∀x(~象x& 動物x)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(06)~(09)により、
(10)
② ∀x{象x→動物x & ~(~象x→~動物x)}
③ ∀x(象x→動物x)&∀x(~象x& 動物x)
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(11)
③ ∀x(象x→動物x)&∀x(~象x& 動物x)
に於いて、
③ ∀x(~象x&動物x)
といふ「論理式」は、
③ すべてのxは、象以外の動物である。
といふ「意味」である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
② ∀x{象x→動物x & ~(~象x→~動物x)}
③ ∀x(象x→動物x)&∀x(~象x& 動物x)
といふ「論理式(命題)」は、
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、すべてのxは象以外の動物である。
といふ「意味」である。
然るに、
(13)
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、すべてのxは象以外の動物である
といふことは、
②{象、兎、馬}ではなく、例へば、
③{、兎、馬}でなければ、ならない。
然るに、
(14)
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、すべてのxは象以外の動物である。
ではなく、
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、あるyは象以外の動物である。
であるならば、
③{象、兎、馬}であるため、「問題」は無い
然るに、
(15)
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、あるyは象以外の動物である。
であるならば、
③ ∀x{象x→動物x&∃y(~象y&動物y)}
である。
従って、
(01)~(15)により、
(16)
③{象、兎、馬}であれば、
③{象動物である}であるため、
③「象動物である。」といふ「日本語」は、
② ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}
といふ「論理式」ではなく、
③ ∀x{象x→動物x&∃y(~象y&動物y)}
といふ「論理式」に、相当する。
然るに、
(17)
(ⅱ)
1   (1) ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)} A
1   (2)    象a→動物a&~(~象a→~動物a)  1UE
1   (3)    象a→動物a              2&E
1   (4)           ~(~象a→~動物a)  2&E
 5  (5)           ~(~象a& 動物a)  A
  6 (6)             ~象a        A
   7(7)                  動物a   A
  67(8)             ~象a& 動物a   67&I
 567(9)           ~(~象a& 動物a)&
                   (~象a& 動物a)  58&I
 56 (ア)                 ~動物a   79RAA
 5  (イ)             ~象a→~動物a   6アCP
15  (ウ)           ~(~象a→~動物a)
                   (~象a→~動物a)  4イ&I
1   (エ)          ~~(~象a& 動物a)  5ウRAA
1   (オ)             ~象a& 動物a   エDN
1   (カ)          ∃y(~象y& 動物y)  オEI
1   (キ)   象a→動物a&∃y(~象y& 動物y)  3カ&I
1   (ク)∀x{象x→動物x&∃y(~象y& 動物y)} キUI
(ⅲ)
1   (1)∀x{象x→動物x&∃y(~象y& 動物y)} A
1   (2)   象a→動物a&∃y(~象y& 動物y)  1UR
1   (3)   象a→動物a               2&E
1   (4)          ∃y(~象y& 動物y)  2&E
 5  (5)             ~象a& 動物a   A
  6 (6)             ~象a→~動物a   A
 5  (7)             ~象a        5&E
  6 (8)                  動物a   5&E
 56 (9)                 ~動物a   67MPP
 56 (ア)             動物a&~動物a   89&I
 5  (イ)           ~(~象a→~動物a)  6アRAA
1   (ウ)           ~(~象a→~動物a)  45イEE
1   (エ)    象a→動物a&~(~象a→~動物a)  3ウ&I
1   (オ) ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)} エUI
従って、
(17)により、
(18)
② ∀x{象x→動物x&  ~(~象x→~動物x)}
③ ∀x{象x→動物x&∃y(~象y& 動物y)}
に於いて、
②=③ である(?)。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
③「象も動物である。」といふ「日本語」は、
② ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}といふ「論理式」ではなく
③ ∀x{象x→動物x&∃y(~象y&動物y)}といふ「論理式」に、相当する。
と言ってゐるにも拘らず、実際には、
②=③ である。
といふことになってしまい、「お前の言ってゐることは、矛盾である」。
といふ、ことになる。
然るに、
(20)
 1 (1)∃xFx A
  2(2)  Fa A
 1 (3)  Fa 122EE
 1 (4)∀xFx 3UI
UIの適用は正しい。なぜならば、1は「a」を含まないからである。しかし、EEの適用は正しくない。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、147頁)
従って、
(17)(20)により、
(21)
(ⅲ)
1   (ウ)           ~(~象a→~動物a)  45イEE
1   (エ)    象a→動物a&~(~象a→~動物a)  3ウ&I
1   (オ) ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)} エUI
といふ「3行」も、「マチガイ」である。
従って、
(17)(18)(21)により、
(22)
② ∀x{象x→動物x&  ~(~象x→~動物x)}
③ ∀x{象x→動物x&∃y(~象y& 動物y)}
に於いて、
②=③ ではなく、実際には、
②⇒③ である。
従って、
(19)(22)により、
(23)
③「象動物である。」といふ「日本語」は、
② ∀x{象x→動物x&~(~象x→~動物x)}といふ「論理式」ではなく、
③ ∀x{象x→動物x&∃y(~象y&動物y)}といふ「論理式」に、相当する。
といふ「主張」は、「矛盾しない
従って、
(23)により、
(24)
③ 象動物である。⇔
③ ∀x{象x→動物x&∃y(~象y&動物y)}⇔
③ すべてのxについて、xが象であるならば、xは動物であり、あるyは象以外の動物である。
といふ「等式」が、成立する。
令和02年02月21日、毛利太。

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