(01)
1 (1)∃x∃y{項羽x&英雄x&劉邦y&英雄y&~(x=y)&∀z(英雄z→z=x∨英雄z→z=y)} A
2 (2) ∃y{項羽a&英雄a&劉邦y&英雄y&~(a=y)&∀z(英雄z→z=a∨英雄z→z=y)} A
3 (3) {項羽a&英雄a&劉邦b&英雄b&~(a=b)&∀z(英雄z→z=a∨英雄z→z=b)} A
3 (4) 項羽a 3&E
3 (5) 劉邦b 3&E
3 (6) ∀z(英雄z→z=a∨英雄z→z=b) 3&E
3 (7) 英雄c→c=a∨英雄c→c=b 7UE
8 (8) ∃z(韓信z&~項羽z&~劉邦z) A
9 (9) 韓信c&~項羽c&~劉邦c A
9 (ア) 韓信c 9&E
9 (イ) ~項羽c 9&E
9 (ウ) ~劉邦c 9&E
エ (エ) c=a A
3 エ (オ) 項羽c 4エ=E
3 9エ (カ) ~項羽c&項羽c イオ&I
3 9 (キ) ~(c=a) エカRAA
ク (ク) 英雄c→c=a A
3 9 ク (ケ)~英雄c キクMTT
コ (コ) c=b A
3 コ (サ) 劉邦c 5コ=E
3 9 コ (シ) ~劉邦c&劉邦c ウサ&I
3 9 (ス) ~(c=b) コシRAA
セ(セ) 英雄c→c=b A
3 9 セ(ソ)~英雄c スセMTT
3 9 (タ)~英雄c 7クケセソ∨E
3 9 (チ) 韓信c&~英雄c アタ&I
3 9 (ツ) ∃z(韓信z&~英雄z) チEI
38 (テ) ∃z(韓信z&~英雄z) 89ツEE
2 8 (ト) ∃z(韓信z&~英雄z) 23テEE
1 (ナ) ∃z(韓信z&~英雄z) 12トEE
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∃x∃y{項羽x&英雄x&劉邦y&英雄y&~(x=y)&∀z(英雄z→z=x∨英雄z→z=y)}。然るに、
(ⅱ) ∃z(韓信z&~項羽z&~劉邦z)。従って、
(ⅲ) ∃z(韓信z&~英雄z)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)あるxとあるyについて{xは項羽であって、英雄であり、yは劉邦であって、英雄であり、xとyは「同一」ではなく、すべてのzについて、zが英雄であるならば、zとxは「同一」であるか、または、zはyと「同一」である}。然るに、
(ⅱ)あるzは(韓信であって、項羽ではなく、劉邦でもない)。従って、
(ⅲ)あるzは(韓信であって、英雄ではい)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(valid)」である。
然るに、
(03)
(ⅰ)あるxとあるyについて{xは項羽であって、英雄であり、yは劉邦であって、英雄であり、xとyは「同一」ではなく、すべてのzについて、zが英雄であるならば、zとxは「同一」であるか、または、zはyと「同一」である}。然るに、
(ⅱ)あるzは(韓信であって、項羽ではなく、劉邦でもない)。従って、
(ⅲ)あるzは(韓信であって、英雄ではい)。
といふことは、
(ⅰ)「項羽と劉邦は英雄であって、この二人以外に、英雄はゐない。」然るに、
(ⅱ)「韓信は、項羽ではないし、劉邦でもない。」従って、
(ⅲ)「韓信は、英雄ではない。」
といふことである。
従って、
(01)~(03)により、
(04)
(ⅰ)「天下英雄唯項羽與劉邦耳(天下の英雄は、ただ、項羽と劉邦のみ)。」然るに、
(ⅱ)「韓信非項羽。韓信非劉邦(韓信は項羽に非ず。韓信は劉邦に非ず)。」故に、
(ⅲ)「韓信非英雄(韓信は英雄に非ず)。」
といふ「推論」は、「述語論理」としても、「正しい」。
従って、
(03)(04)により、
(05)
(ⅰ)∃x∃y{項羽x&英雄x&劉邦y&英雄y&~(x=y)&∀z(英雄z→z=x∨英雄z→z=y)}。然るに、
(ⅱ) ∃z(韓信z&~項羽z&~劉邦z)。従って、
(ⅲ) ∃z(韓信z&~英雄z)。
といふ「推論」は、「日本語」としても、「漢文」としても、「正しい」。
令和02年06月30日、毛利太。
2020年6月30日火曜日
2020年6月29日月曜日
「正確に、1個のモノがFである(ラッセルの確定記述)」の「述語論理」。
(01)
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx) A
2(2) Fa A
2(3) Fa&Fa 22&I
2(4) ∃y(Fa&Fy) 3EI
2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
(ⅱ)
1 (1)∃x∃y{Fx&Fy&x=y} A
2 (2) ∃y{Fa&Fy&a=y} A
3(3) Fa&Fb&a=b A
3(4) Fa 3&E
3(5) Fb 3&E
3(6) a=b 3&E
3(7) Fa 56=E
3(8) Fa&Fa 47&I
3(9) Fa 8&E
3(ア) ∃x(Fx) 9EI
2 (イ) ∃x(Fx) 23アEE
1 (ウ) ∃x(Fx) 12イEE
従って、
(01)により、
(02)
① ∃x(Fx)
② ∃x∃y{Fx&Fy&(x=y)}
に於いて、すなはち、
① あるxはFである(少なくとも、1個以上のモノがFである)。
② あるxはFであり、あるyもFであるが、xとyは、同一である(少なくとも、1個の以上モノがFである)。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
② ∃x∃y{Fx&Fy&(x=y)}
ではなく、
③ ∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)}
であるならば、
(ⅱ)
1 (1)∃x∃y{Fx&Fy&x=y} A
2 (2) ∃y{Fa&Fy&a=y} A
3(3) Fa&Fb&a=b A
3(4) Fa 3&E
3(5) Fb 3&E
3(6) a=b 3&E
3(7) Fa 56=E
3(8) Fa&Fa 47&I
といふ「計算」は、成り立たない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∃x(Fx)
② ∃x∃y{Fx&Fy&x=y}
③ ∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)}
に於いて、すなはち、
① あるxはFである(少なくとも、1個以上のモノがFである)。
② あるxはFでり、あるyもFであるが、xとyは、同一である (少なくとも、1個以上のモノがFである)。
③ あるxはFでり、あるyもFであるが、xとyは、同一ではない(少なくとも、2個以上のモノがFである)。
に於いて、
①=② であるが、
②=③ ではない。
cf.
② ∃x∃y{Fx&Fy}
であることは、
② 少なくとも、2個以上のモノがFである。
といふことが、成り立つための、「必要条件」であって、「十分条件」ではない。
然るに、
(05)
③ 2個以上モノがFである。
といふことは、
③ 0個ではなく、
③ 1個でもなく、
③ 2個のモノがFであり、
③ 3個のモノがFであり、
③ 4個のモノがFであり、
③ 5個のモノがFであり、
・・・・・・・・・・・。
といふことである。
従って、
(05)により、
(06)
③「2個の以上モノがFである。」の「否定」は、
④「1個以下のモノがFである。」といふ、ことである。
従って、
(03)~(06)により、
(07)
③ ∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)}≡2個以上のモノがFである。
④ ~∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)}≡1個以下のモノがFである。
然るに、
(08)
(ⅳ)
1(1)~∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)} A
1(2)∀x~∃y{Fx&Fy&~(x=y)} 1量化子の関係
1(3)∀x∀y~{Fx&Fy&~(x=y)} 2量化子の関係
1(4) ∀y~{Fa&Fy&~(a=y)} 1UE
1(5) ~{Fa&Fb&~(a=b)} 1UE
1(6) ~(Fa&Fb)∨(a=b) 5ド・モルガンの法則
1(7) Fa&Fb →(a=b) 6含意の定義
1(8) ∀y{Fa&Fy →(a=y)} 7UI
1(9) ∀x∀y{Fx&Fy →(x=y)} 8UI
(ⅴ)
1(1) ∀x∀y{Fx&Fy →(x=y)} A
1(2) ∀y{Fa&Fy →(a=y)} 1UE
1(3) Fa&Fb →(a=b) 1UE
1(4) ~(Fa&Fb)∨(a=b) 3含意の定義
1(5) ~{Fa&Fb&~(a=b)} 4ド・モルガンの法則
1(6) ∀y~{Fa&Fy&~(a=y)} 5UI
1(7) ~∃y{Fa&Fy&~(a=y)} 6量化子の関係
1(8)∀x~∃y{Fx&Fy&~(x=y)} 7UI
1(9)~∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)} 8UI
従って、
(07)(08)により、
(09)
④ ~∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)}≡1個以下のモノがFである。
⑤ ∀x∀y{Fx&Fy→(x=y)} ≡1個以下のモノがFである。
に於いて、すなはち、
④ あるxとあるyについて{xがFであり、yもFであって、 xとyが「同一」ではない}といふことはない。
⑤ すべてのxとすべてのyについて{xがFであり、yもFであるならば、xとyは「同一」である}。
に於いて、
④=⑤ である。
然るに、
(10)
⑤1個以下のモノがFである。
といふことは、
⑤1個のモノがFであるか、または、0個のモノがFである。
といふことである。
然るに、
(11)
⑤ 0個のモノがFである。
といふことは、
⑤ Fであるモノは、存在しない。
といふことである。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
⑤ ∀x∀y{Fx&Fy→(x=y)}
といふ「述語論理式」、すなはち、
⑤ すべてのxとすべてのyについて{xがFであり、yもFであるならば、xとyは「同一」である}。
といふ「述語論理式」は、
⑤ Fであるモノは、存在しないか、または、存在するとしても、1個だけである。
といふことを、「示してゐる」。
従って、
(12)により、
(13)
⑤ ∀x∀y{Fx&Fy→(x=y)}
に対して、
⑥ ∃x(Fx)≡あるxはFである(少なくとも、1個以上のモノがFである)。
を加へた場合は、
⑥ ∃x(Fx)&∀x∀y{Fx&Fy→(x=y)}≡Fであるモノが、1個だけ存在する。
といふことになる。
然るに、
(14)
(ⅵ)
1 (1)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
2 (2) Fa&∀y(Fy→a=y) A
2 (3) ∀y(Fy→a=y) 2&E
2 (4) Fb→a=b 3UE
5(5) Fa&Fb A
5(6) Fb 5&E
25(7) a=b 46MPP
2 (8) Fa&Fb→a=b 57CP
2 (9) ∀y(Fa&Fy→a=y) 8UI
2 (ア) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 9UI
2 (イ) Fa 2&E
2 (ウ)∃xFx イEI
2 (エ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) アウ&I
1 (オ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 12エEE
(ⅶ)
1 (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1 (2)∃xFx 1&E
3 (3) Fa A
1 (4) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1 (5) ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1 (6) Fa&Fb→a=b 5UE
7(7) Fb A
37(8) Fa&Fb 37&I
137(9) a=b 68MPP
13 (ア) Fb→a=b 79CP
13 (イ) ∀y(Fy→a=y) アUI
13 (ウ) Fa&∀y(Fy→a=y) 3イ&I
13 (エ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ウEI
1 (オ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 23エEE
従って、
(14)により、
(15)
⑥ ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)≡あるxはFであり、Fであるモノが、1個だけ存在する。
⑦ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ≡あるxはFであり、Fであるモノが、1個だけ存在する。
に於いて、すなはち、
⑥ あるxはFであり、すべてのxとすべてのyについて{xがFであり、yもFであるならば、xとyは「同一」である}。
⑦ あるxについて{xはFであり、すべてのyについて、yがFであるならば、xとyは「同一」である}。
に於いて、
⑥=⑦ である。
然るに、
(16)
The premiss becomes
(22)∃x{Ix&Ox&∀y(Ix→x=y)}
― someone wrote the Iliad, and wrote the Odyssey, and futher that person is unique in having written the Iliad.
前提は次のようになる、
(22)∃x{Ix&Ox&∀y(Ix→x=y)}
― ある人はイリアスを書いた、そしてオデュッセイアを書いた、そしてさらにその人はイリアスを書いただ1人の人である。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、213頁と、原文)。
然るに、
(17)
1 (1)∃x{Ix&Ox&∀y(Iy→x=y)} A
2 (2) Ia&Oa&∀y(Iy→a=y) A
2 (3) Ia 2&E
2 (4) Oa 2&E
2 (5) ∀y(Iy→a=y) 2&E
2 (6) Ib→a=b 1UE
7 (7)∃y(ホメロスy&Iy) A
8(8) ホメロスb&Ib A
8(9) ホメロスb 8&E
8(ア) Ib 8&E
2 8(イ) a=b 6アMPP
2 8(ウ) ホメロスa 9イ=E
2 8(エ) ホメロスa&Ia 3ウ&I
2 8(オ) ホメロスa&Ia&Oa 4E&I
2 8(カ)∃x(ホメロスx&Ix&Ox) オEI
27 (キ)∃x(ホメロスx&Ix&Ox) 78カEE
1 7 (ク)∃x(ホメロスx&Ix&Ox) 12キEE
従って、
(17)により、
(18)
(ⅰ)∃x{Ix&Ox&∀y(Iy→x=y)}
(ⅱ)∃y(ホメロスy&Iy)
(ⅲ)∃x(ホメロスx&Ix&Ox)
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)あるxは{イリアスの著者であり、オデュッセイアの著者であり、すべてのyについて、yがイリアスの著者であるならばxとyは「同一」である}。然るに、
(ⅱ)あるxは(ホメロスと言ひ、イリアスの著者である)。故に、
(ⅲ)あるxは(ホメロスと言ひ、イリアスと、オデュッセイアの著者である)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(18)により、
(19)
(ⅰ)The author of the Iliad is the author of Odyssey, and futher that person is unique in having written the Iliad.
(ⅱ)Homer is the author of the Iliad.
(ⅲ)Homer is the author of the Iliad and the Odyssey.
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)イリアスの著者は、オデュッセイアの著者であり、イリアスの著者は、1人しかゐない。然るに、
(ⅱ)ホメロスは、イリアスの著者である。故に、
(ⅲ)ホメロスは、イリアスと、オデュッセイアの著者である。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(16)により、
(20)
(22)∃x{Ix&Ox&∀y(Ix→x=y)}
における確定記述の取り扱いは、論理分析において無視できぬ重要さをもつ。それはラッセルに由来するものなので、ラッセルの確定記述の理論(theory of descriptions)として知られるに至っている。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、213頁改)。
然るに、
(21)
指示句には様々な種類があるが、基本的なものは(1)all で始まる名詞句、(2)a で始まる名詞句、(3)the で始まる単数形の名詞句の三つである。のちにラッセルは(2)を「不確定記述」、(3)を「確定記述」と呼ぶようになった(記述の理論 - 筑波大学)。
然るに、
(22)
さて定冠詞(the)は、それが厳密に用いられるときには、一意性を内含している。確かに、しかじかのひと(So-and-so)がいく人かの息子もっている場合でさえ、「the so of So-and-so」という表現を使用するが、本当はその場合には、「a so of So-and-so」という方がより正しいといえよう。
(勁草書房、現代哲学基本論文集Ⅰ、バートランド・ラッセル、1986年、53頁)。
然るに、
(23)
しかしながら、ここではこのことの展開を追うことをせず、そのかわりに最後に、論証の中において確定記述('the'によってはじまる単数の語句)をどのように取り扱うかの議論に戻るであろう。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、213頁改)
従って、
(18)~(23)により、
(24)
(22)∃x{Ix&Ox&∀y(Ix→x=y)}
(〃)The author of the Iliad is also the author of Odyssey, and futher that person is unique in having written the Iliad.
に於いて、
(22)The author of the Iliad といふ「ラッセルの確定記述」を、
(〃) a author of the Iliad と書いたり、
(〃) author of the Iliad と書いたりすると、ラッセル先生に、叱られる。
然るに、
(25)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
然るに、
(26)
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(25)(26)により、
(27)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私です。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(28)
1 (1)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]} A
1 (2) T会の会員a→∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)] 1UE
3 (3) T会の会員a A
13 (4) ∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)] 34MPP
5 (5) 私b&理事長ba&∀z(理事長za→b=z) A
5 (6) 私b&理事長ba 5&E
5 (7) ∀z(理事長za→b=z) 5&E
5 (8) 理事長ca→b=c 7UE
9 (9) ∃z(小倉z&~私z) A
ア (ア) 小倉c&~私c A
ア (イ) 小倉c ア&E
ア (ウ) ~私c ア&E
エ(エ) b=c A
アエ(オ) ~私b ウエ=E
5 (カ) 私b 6&E
5 アエ(キ) ~私b&私b オカ&I
5 ア (ク) b≠c エキRAA
5 ア (ケ) ~理事長ca 8クMTT
5 ア (コ) 小倉c&~理事長ca イケ&I
5 ア (サ) ∃z(小倉z&~理事長za) コEI
59 (シ) ∃z(小倉z&~理事長za) 9アサEE
13 9 (ス) ∃z(小倉z&~理事長za) 45シEE
1 9 (セ) T会の会員a→∃z(小倉z&~理事長za) 3スCP
1 9 (シ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)} セUI
1 9 (〃)タゴール記念会は、小倉氏は、理事長ではない。 セUI
従って、
(28)により、
(29)
(ⅰ)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}。然るに、
(ⅱ)∃z(小倉z&~私z)。従って、
(ⅲ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)}。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて、xがT会の会員であるならば、あるyは、私であって、その上、xの理事長であって、すべてのzについて、zがxの理事長であるならば、yとzは「同一」である。然るに、
(ⅱ)あるzは小倉氏であって、zは私ではない。従って、
(ⅲ)すべてのxについて、xがT会の会員であるならば、あるzは小倉氏であって、zはxの理事長ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、すなはち、
(ⅰ)タゴール記念会は、私が理事長です。 然るに、
(ⅱ)小倉氏は私ではない。 従って、
(ⅲ)タゴール記念会の理事長は、小倉氏ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(25)~(29)により、
(30)
「ラッセルの確定記述」といふことからすると、
① 私が、理事長です。
といふ「日本語」は、
① 私が、the 理事長 です。
といふ、「意味」になる。
従って、
(30)により、
(31)
この場合の、
① 私が、the 理事長 です。
といふのは、
② 私は理事長であり、理事長は私です。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
といふ「意味」 での、
① the 理事長 であって、
④ その理事長 といふ「意味」ではない。
令和02年06月29日、毛利太。
(ⅰ)
1 (1) ∃x(Fx) A
2(2) Fa A
2(3) Fa&Fa 22&I
2(4) ∃y(Fa&Fy) 3EI
2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
(ⅱ)
1 (1)∃x∃y{Fx&Fy&x=y} A
2 (2) ∃y{Fa&Fy&a=y} A
3(3) Fa&Fb&a=b A
3(4) Fa 3&E
3(5) Fb 3&E
3(6) a=b 3&E
3(7) Fa 56=E
3(8) Fa&Fa 47&I
3(9) Fa 8&E
3(ア) ∃x(Fx) 9EI
2 (イ) ∃x(Fx) 23アEE
1 (ウ) ∃x(Fx) 12イEE
従って、
(01)により、
(02)
① ∃x(Fx)
② ∃x∃y{Fx&Fy&(x=y)}
に於いて、すなはち、
① あるxはFである(少なくとも、1個以上のモノがFである)。
② あるxはFであり、あるyもFであるが、xとyは、同一である(少なくとも、1個の以上モノがFである)。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
② ∃x∃y{Fx&Fy&(x=y)}
ではなく、
③ ∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)}
であるならば、
(ⅱ)
1 (1)∃x∃y{Fx&Fy&x=y} A
2 (2) ∃y{Fa&Fy&a=y} A
3(3) Fa&Fb&a=b A
3(4) Fa 3&E
3(5) Fb 3&E
3(6) a=b 3&E
3(7) Fa 56=E
3(8) Fa&Fa 47&I
といふ「計算」は、成り立たない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ∃x(Fx)
② ∃x∃y{Fx&Fy&x=y}
③ ∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)}
に於いて、すなはち、
① あるxはFである(少なくとも、1個以上のモノがFである)。
② あるxはFでり、あるyもFであるが、xとyは、同一である (少なくとも、1個以上のモノがFである)。
③ あるxはFでり、あるyもFであるが、xとyは、同一ではない(少なくとも、2個以上のモノがFである)。
に於いて、
①=② であるが、
②=③ ではない。
cf.
② ∃x∃y{Fx&Fy}
であることは、
② 少なくとも、2個以上のモノがFである。
といふことが、成り立つための、「必要条件」であって、「十分条件」ではない。
然るに、
(05)
③ 2個以上モノがFである。
といふことは、
③ 0個ではなく、
③ 1個でもなく、
③ 2個のモノがFであり、
③ 3個のモノがFであり、
③ 4個のモノがFであり、
③ 5個のモノがFであり、
・・・・・・・・・・・。
といふことである。
従って、
(05)により、
(06)
③「2個の以上モノがFである。」の「否定」は、
④「1個以下のモノがFである。」といふ、ことである。
従って、
(03)~(06)により、
(07)
③ ∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)}≡2個以上のモノがFである。
④ ~∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)}≡1個以下のモノがFである。
然るに、
(08)
(ⅳ)
1(1)~∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)} A
1(2)∀x~∃y{Fx&Fy&~(x=y)} 1量化子の関係
1(3)∀x∀y~{Fx&Fy&~(x=y)} 2量化子の関係
1(4) ∀y~{Fa&Fy&~(a=y)} 1UE
1(5) ~{Fa&Fb&~(a=b)} 1UE
1(6) ~(Fa&Fb)∨(a=b) 5ド・モルガンの法則
1(7) Fa&Fb →(a=b) 6含意の定義
1(8) ∀y{Fa&Fy →(a=y)} 7UI
1(9) ∀x∀y{Fx&Fy →(x=y)} 8UI
(ⅴ)
1(1) ∀x∀y{Fx&Fy →(x=y)} A
1(2) ∀y{Fa&Fy →(a=y)} 1UE
1(3) Fa&Fb →(a=b) 1UE
1(4) ~(Fa&Fb)∨(a=b) 3含意の定義
1(5) ~{Fa&Fb&~(a=b)} 4ド・モルガンの法則
1(6) ∀y~{Fa&Fy&~(a=y)} 5UI
1(7) ~∃y{Fa&Fy&~(a=y)} 6量化子の関係
1(8)∀x~∃y{Fx&Fy&~(x=y)} 7UI
1(9)~∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)} 8UI
従って、
(07)(08)により、
(09)
④ ~∃x∃y{Fx&Fy&~(x=y)}≡1個以下のモノがFである。
⑤ ∀x∀y{Fx&Fy→(x=y)} ≡1個以下のモノがFである。
に於いて、すなはち、
④ あるxとあるyについて{xがFであり、yもFであって、 xとyが「同一」ではない}といふことはない。
⑤ すべてのxとすべてのyについて{xがFであり、yもFであるならば、xとyは「同一」である}。
に於いて、
④=⑤ である。
然るに、
(10)
⑤1個以下のモノがFである。
といふことは、
⑤1個のモノがFであるか、または、0個のモノがFである。
といふことである。
然るに、
(11)
⑤ 0個のモノがFである。
といふことは、
⑤ Fであるモノは、存在しない。
といふことである。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
⑤ ∀x∀y{Fx&Fy→(x=y)}
といふ「述語論理式」、すなはち、
⑤ すべてのxとすべてのyについて{xがFであり、yもFであるならば、xとyは「同一」である}。
といふ「述語論理式」は、
⑤ Fであるモノは、存在しないか、または、存在するとしても、1個だけである。
といふことを、「示してゐる」。
従って、
(12)により、
(13)
⑤ ∀x∀y{Fx&Fy→(x=y)}
に対して、
⑥ ∃x(Fx)≡あるxはFである(少なくとも、1個以上のモノがFである)。
を加へた場合は、
⑥ ∃x(Fx)&∀x∀y{Fx&Fy→(x=y)}≡Fであるモノが、1個だけ存在する。
といふことになる。
然るに、
(14)
(ⅵ)
1 (1)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
2 (2) Fa&∀y(Fy→a=y) A
2 (3) ∀y(Fy→a=y) 2&E
2 (4) Fb→a=b 3UE
5(5) Fa&Fb A
5(6) Fb 5&E
25(7) a=b 46MPP
2 (8) Fa&Fb→a=b 57CP
2 (9) ∀y(Fa&Fy→a=y) 8UI
2 (ア) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 9UI
2 (イ) Fa 2&E
2 (ウ)∃xFx イEI
2 (エ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) アウ&I
1 (オ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 12エEE
(ⅶ)
1 (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1 (2)∃xFx 1&E
3 (3) Fa A
1 (4) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1 (5) ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1 (6) Fa&Fb→a=b 5UE
7(7) Fb A
37(8) Fa&Fb 37&I
137(9) a=b 68MPP
13 (ア) Fb→a=b 79CP
13 (イ) ∀y(Fy→a=y) アUI
13 (ウ) Fa&∀y(Fy→a=y) 3イ&I
13 (エ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ウEI
1 (オ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 23エEE
従って、
(14)により、
(15)
⑥ ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)≡あるxはFであり、Fであるモノが、1個だけ存在する。
⑦ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} ≡あるxはFであり、Fであるモノが、1個だけ存在する。
に於いて、すなはち、
⑥ あるxはFであり、すべてのxとすべてのyについて{xがFであり、yもFであるならば、xとyは「同一」である}。
⑦ あるxについて{xはFであり、すべてのyについて、yがFであるならば、xとyは「同一」である}。
に於いて、
⑥=⑦ である。
然るに、
(16)
The premiss becomes
(22)∃x{Ix&Ox&∀y(Ix→x=y)}
― someone wrote the Iliad, and wrote the Odyssey, and futher that person is unique in having written the Iliad.
前提は次のようになる、
(22)∃x{Ix&Ox&∀y(Ix→x=y)}
― ある人はイリアスを書いた、そしてオデュッセイアを書いた、そしてさらにその人はイリアスを書いただ1人の人である。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、213頁と、原文)。
然るに、
(17)
1 (1)∃x{Ix&Ox&∀y(Iy→x=y)} A
2 (2) Ia&Oa&∀y(Iy→a=y) A
2 (3) Ia 2&E
2 (4) Oa 2&E
2 (5) ∀y(Iy→a=y) 2&E
2 (6) Ib→a=b 1UE
7 (7)∃y(ホメロスy&Iy) A
8(8) ホメロスb&Ib A
8(9) ホメロスb 8&E
8(ア) Ib 8&E
2 8(イ) a=b 6アMPP
2 8(ウ) ホメロスa 9イ=E
2 8(エ) ホメロスa&Ia 3ウ&I
2 8(オ) ホメロスa&Ia&Oa 4E&I
2 8(カ)∃x(ホメロスx&Ix&Ox) オEI
27 (キ)∃x(ホメロスx&Ix&Ox) 78カEE
1 7 (ク)∃x(ホメロスx&Ix&Ox) 12キEE
従って、
(17)により、
(18)
(ⅰ)∃x{Ix&Ox&∀y(Iy→x=y)}
(ⅱ)∃y(ホメロスy&Iy)
(ⅲ)∃x(ホメロスx&Ix&Ox)
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)あるxは{イリアスの著者であり、オデュッセイアの著者であり、すべてのyについて、yがイリアスの著者であるならばxとyは「同一」である}。然るに、
(ⅱ)あるxは(ホメロスと言ひ、イリアスの著者である)。故に、
(ⅲ)あるxは(ホメロスと言ひ、イリアスと、オデュッセイアの著者である)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(18)により、
(19)
(ⅰ)The author of the Iliad is the author of Odyssey, and futher that person is unique in having written the Iliad.
(ⅱ)Homer is the author of the Iliad.
(ⅲ)Homer is the author of the Iliad and the Odyssey.
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)イリアスの著者は、オデュッセイアの著者であり、イリアスの著者は、1人しかゐない。然るに、
(ⅱ)ホメロスは、イリアスの著者である。故に、
(ⅲ)ホメロスは、イリアスと、オデュッセイアの著者である。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(16)により、
(20)
(22)∃x{Ix&Ox&∀y(Ix→x=y)}
における確定記述の取り扱いは、論理分析において無視できぬ重要さをもつ。それはラッセルに由来するものなので、ラッセルの確定記述の理論(theory of descriptions)として知られるに至っている。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、213頁改)。
然るに、
(21)
指示句には様々な種類があるが、基本的なものは(1)all で始まる名詞句、(2)a で始まる名詞句、(3)the で始まる単数形の名詞句の三つである。のちにラッセルは(2)を「不確定記述」、(3)を「確定記述」と呼ぶようになった(記述の理論 - 筑波大学)。
然るに、
(22)
さて定冠詞(the)は、それが厳密に用いられるときには、一意性を内含している。確かに、しかじかのひと(So-and-so)がいく人かの息子もっている場合でさえ、「the so of So-and-so」という表現を使用するが、本当はその場合には、「a so of So-and-so」という方がより正しいといえよう。
(勁草書房、現代哲学基本論文集Ⅰ、バートランド・ラッセル、1986年、53頁)。
然るに、
(23)
しかしながら、ここではこのことの展開を追うことをせず、そのかわりに最後に、論証の中において確定記述('the'によってはじまる単数の語句)をどのように取り扱うかの議論に戻るであろう。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、213頁改)
従って、
(18)~(23)により、
(24)
(22)∃x{Ix&Ox&∀y(Ix→x=y)}
(〃)The author of the Iliad is also the author of Odyssey, and futher that person is unique in having written the Iliad.
に於いて、
(22)The author of the Iliad といふ「ラッセルの確定記述」を、
(〃) a author of the Iliad と書いたり、
(〃) author of the Iliad と書いたりすると、ラッセル先生に、叱られる。
然るに、
(25)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
然るに、
(26)
② 理事長は私です。
③ 私以外は理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(25)(26)により、
(27)
① 私が理事長です。
② 私は理事長であり、理事長は私です。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(28)
1 (1)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]} A
1 (2) T会の会員a→∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)] 1UE
3 (3) T会の会員a A
13 (4) ∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)] 34MPP
5 (5) 私b&理事長ba&∀z(理事長za→b=z) A
5 (6) 私b&理事長ba 5&E
5 (7) ∀z(理事長za→b=z) 5&E
5 (8) 理事長ca→b=c 7UE
9 (9) ∃z(小倉z&~私z) A
ア (ア) 小倉c&~私c A
ア (イ) 小倉c ア&E
ア (ウ) ~私c ア&E
エ(エ) b=c A
アエ(オ) ~私b ウエ=E
5 (カ) 私b 6&E
5 アエ(キ) ~私b&私b オカ&I
5 ア (ク) b≠c エキRAA
5 ア (ケ) ~理事長ca 8クMTT
5 ア (コ) 小倉c&~理事長ca イケ&I
5 ア (サ) ∃z(小倉z&~理事長za) コEI
59 (シ) ∃z(小倉z&~理事長za) 9アサEE
13 9 (ス) ∃z(小倉z&~理事長za) 45シEE
1 9 (セ) T会の会員a→∃z(小倉z&~理事長za) 3スCP
1 9 (シ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)} セUI
1 9 (〃)タゴール記念会は、小倉氏は、理事長ではない。 セUI
従って、
(28)により、
(29)
(ⅰ)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}。然るに、
(ⅱ)∃z(小倉z&~私z)。従って、
(ⅲ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)}。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて、xがT会の会員であるならば、あるyは、私であって、その上、xの理事長であって、すべてのzについて、zがxの理事長であるならば、yとzは「同一」である。然るに、
(ⅱ)あるzは小倉氏であって、zは私ではない。従って、
(ⅲ)すべてのxについて、xがT会の会員であるならば、あるzは小倉氏であって、zはxの理事長ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、すなはち、
(ⅰ)タゴール記念会は、私が理事長です。 然るに、
(ⅱ)小倉氏は私ではない。 従って、
(ⅲ)タゴール記念会の理事長は、小倉氏ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(25)~(29)により、
(30)
「ラッセルの確定記述」といふことからすると、
① 私が、理事長です。
といふ「日本語」は、
① 私が、the 理事長 です。
といふ、「意味」になる。
従って、
(30)により、
(31)
この場合の、
① 私が、the 理事長 です。
といふのは、
② 私は理事長であり、理事長は私です。
③ 私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
といふ「意味」 での、
① the 理事長 であって、
④ その理事長 といふ「意味」ではない。
令和02年06月29日、毛利太。
「偶数と奇数は、同じ数ではない」の「述語論理」。
(01)
(高校数学の美しい物語)
然るに、
(02)
『左辺(aa)は、2で偶数回、右辺(2bb)は、2で奇数回割り切れることになる。つまりそのような整数 a,b は存在しない。』といふのであれば、
『xが偶数であり、yが偶数でないならば、xとyは「同じ数」ではない。』といふ「命題」が、「偽」ではない。
といふことを、「証明」しなければ、ならない。
然るに、
(03)
『xが偶数であり、yが偶数でないならば、xとyは「同じ数」ではない。』といふ「命題」を、「証明」しようとする高校教師は、おそらくは、多くはゐないはずである。
然るに、
(04)
公理(こうり、英: axiom)は、その他の命題を導きだすための前提として導入される最も基本的な仮定のことである。
(ウィキペディア)
従って、
(01)~(04)により、
(05)
「(01)の証明」は、事実上、
『xが偶数であり、yが偶数でないならば、xとyは「同じ数」ではない。』といふ「命題」を、「公理」として、用ひてゐる。
然るに、
(06)
1 (1) 偶a&(a=b) A
1 (2) 偶a 1&E
1 (3) a=b 1&E
1 (4) 偶b 23=E
(5) 偶a&(a=b)→偶b 14CP
6 (6) ~偶b A
6 (7) ~[偶a&(a=b)] 56MTT
6 (8) ~偶a∨(a≠b) 7ド・モルガンの法則
6 (9) 偶a→(a≠b) 8含意の定義
(ア)~偶b→[偶a→(a≠b)] 69CP
イ(イ) 偶a&~偶b A
イ(ウ)~偶b イ&E
イ(エ) [偶a→(a≠b)] アウMPP
イ(オ) 偶a イ&E
イ(カ) (a≠b) エオMPP
(キ) 偶a&~偶b→(a≠b) イカCP
(ク) ∀y{偶a&~偶y→(a≠y)} キUI
(ケ)∀x∀y{偶x&~偶y→(x≠y)} クUI
従って、
(06)により、
(07)
∀x∀y{偶x&~偶y→(x≠y)}⇔
すべてのxとすべてのyについて{xが偶数であり、yが偶数でないならば、xとyは、「同じ数」ではない}。
といふ「述語論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(07)により、
(08)
『xが偶数であり、yが偶数でない(奇数である)ならば、xとyは「同じ数」ではない。』
といふ「命題」は、「恒に真」である。
然るに、
(09)
誤謬の最も直接的な形は、次の「証明」に見られる。
1(1) Fa A
1(2)∀xFx 1UI
たとえば、F を奇数であると解釈し、数の世界において、任意に奇数、たとえば3を選ぶとしよう。その結果は Fa は真となる。しかしここから、すべての数は奇数であるということ―これは偽であるが―明らかに帰結しない。(1)から(2)への進みは、制限によってはばまれる。なぜなら、(1)はそれ自身に依存し、そしてそのなかには「a」が現われるからである。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、140頁)
然るに、
(10)
1(1) Fa A
(2) Fa→Fa 11CP
(3)∀x(Fx→Fx) 2UI
(4)すべてのxについて(xが奇数であるならば、xは奇数である)。
に於いて、(2)は、「いかなる仮定にも、依存してゐない」ので、(2)が依存する「仮定」の中に、「a」は現れない。
従って、
(09)(10)により、
(11)
1(2)∀xFx 1UI
に於ける「UI」は、「ルール違反」であるが、
(3)∀x(Fx→Fx) 2UI
に於ける「UI」は、「ルール違反」ではない。
従って、
(06)(11)により、
(12)
(ク) ∀y{偶a&~偶y→(a≠y)} キUI
(ケ)∀x∀y{偶x&~偶y→(x≠y)} クUI
に於ける「UI」も、「ルール違反」ではない。
従って、
(06)(12)により、
(13)
∀x∀y{偶x&~偶y→(x≠y)}≡すべてのxとすべてのyについて{xが偶数であり、yが偶数でないならば、xとyは、「同じ数」ではない}。
∀x(奇x→奇x)≡すべてのxについて(xが奇数であるならば、xは奇数である)。
といふ「述語論理式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
令和02年06月28日、毛利太。
(高校数学の美しい物語)
然るに、
(02)
『左辺(aa)は、2で偶数回、右辺(2bb)は、2で奇数回割り切れることになる。つまりそのような整数 a,b は存在しない。』といふのであれば、
『xが偶数であり、yが偶数でないならば、xとyは「同じ数」ではない。』といふ「命題」が、「偽」ではない。
といふことを、「証明」しなければ、ならない。
然るに、
(03)
『xが偶数であり、yが偶数でないならば、xとyは「同じ数」ではない。』といふ「命題」を、「証明」しようとする高校教師は、おそらくは、多くはゐないはずである。
然るに、
(04)
公理(こうり、英: axiom)は、その他の命題を導きだすための前提として導入される最も基本的な仮定のことである。
(ウィキペディア)
従って、
(01)~(04)により、
(05)
「(01)の証明」は、事実上、
『xが偶数であり、yが偶数でないならば、xとyは「同じ数」ではない。』といふ「命題」を、「公理」として、用ひてゐる。
然るに、
(06)
1 (1) 偶a&(a=b) A
1 (2) 偶a 1&E
1 (3) a=b 1&E
1 (4) 偶b 23=E
(5) 偶a&(a=b)→偶b 14CP
6 (6) ~偶b A
6 (7) ~[偶a&(a=b)] 56MTT
6 (8) ~偶a∨(a≠b) 7ド・モルガンの法則
6 (9) 偶a→(a≠b) 8含意の定義
(ア)~偶b→[偶a→(a≠b)] 69CP
イ(イ) 偶a&~偶b A
イ(ウ)~偶b イ&E
イ(エ) [偶a→(a≠b)] アウMPP
イ(オ) 偶a イ&E
イ(カ) (a≠b) エオMPP
(キ) 偶a&~偶b→(a≠b) イカCP
(ク) ∀y{偶a&~偶y→(a≠y)} キUI
(ケ)∀x∀y{偶x&~偶y→(x≠y)} クUI
従って、
(06)により、
(07)
∀x∀y{偶x&~偶y→(x≠y)}⇔
すべてのxとすべてのyについて{xが偶数であり、yが偶数でないならば、xとyは、「同じ数」ではない}。
といふ「述語論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(07)により、
(08)
『xが偶数であり、yが偶数でない(奇数である)ならば、xとyは「同じ数」ではない。』
といふ「命題」は、「恒に真」である。
然るに、
(09)
誤謬の最も直接的な形は、次の「証明」に見られる。
1(1) Fa A
1(2)∀xFx 1UI
たとえば、F を奇数であると解釈し、数の世界において、任意に奇数、たとえば3を選ぶとしよう。その結果は Fa は真となる。しかしここから、すべての数は奇数であるということ―これは偽であるが―明らかに帰結しない。(1)から(2)への進みは、制限によってはばまれる。なぜなら、(1)はそれ自身に依存し、そしてそのなかには「a」が現われるからである。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、140頁)
然るに、
(10)
1(1) Fa A
(2) Fa→Fa 11CP
(3)∀x(Fx→Fx) 2UI
(4)すべてのxについて(xが奇数であるならば、xは奇数である)。
に於いて、(2)は、「いかなる仮定にも、依存してゐない」ので、(2)が依存する「仮定」の中に、「a」は現れない。
従って、
(09)(10)により、
(11)
1(2)∀xFx 1UI
に於ける「UI」は、「ルール違反」であるが、
(3)∀x(Fx→Fx) 2UI
に於ける「UI」は、「ルール違反」ではない。
従って、
(06)(11)により、
(12)
(ク) ∀y{偶a&~偶y→(a≠y)} キUI
(ケ)∀x∀y{偶x&~偶y→(x≠y)} クUI
に於ける「UI」も、「ルール違反」ではない。
従って、
(06)(12)により、
(13)
∀x∀y{偶x&~偶y→(x≠y)}≡すべてのxとすべてのyについて{xが偶数であり、yが偶数でないならば、xとyは、「同じ数」ではない}。
∀x(奇x→奇x)≡すべてのxについて(xが奇数であるならば、xは奇数である)。
といふ「述語論理式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
令和02年06月28日、毛利太。
2020年6月27日土曜日
「象は鼻が長い」の「ルーツ」と「強調形」と「排他的命題」。
(01)
我が家=私の家=My house
従って、
(01)により、
(02)
「が・の」は、歴史的には、「連体助詞」である。
従って、
(01)(02)より、
(03)
① 鼻は長し(終止形)。
といふ「日本語」は、有っても、
② 鼻が長し(終止形)。
といふ「日本語」は、昔は無かった。
従って、
(03)により、
(04)
① 象は鼻が長き(連体形)動物なり。
といふ「日本語」は有っても、
② 象は鼻が長し(終止形)。
といふ「日本語」は、昔は無かった。
従って、
(04)により、
(05)
① 象は鼻が長き(連体形)動物なり。
といふ「日本語」は有っても、
② 象は鼻が長い(連体形)動物である。
といふ「日本語」は、昔は無かった。
然るに、
(06)
古文では、「長し(終止形)、長き(連体形)」であるが、
口語では、「長い(終止形)、長い(連体形)」であるため、口語では、「終止形」と「連体形」が、「同じ形」をしてゐる。
cf.
動詞の場合も、現代語は、「終止形」と「連体形」が、「同じ形」をしてゐる。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① 象は鼻が長き(連体形)動物なり。
② 象は鼻が長い(連体形)動物である。
といふ「古文と現代語」から、
① 動物なり、
② 動物である。
を「除く」と、
① 象は鼻が長き(連体形)。
② 象は鼻が長い(終止形)。
となって、
① は「非文」であるが、
② は「非文」ではない。
従って、
(06)(07)により、
(08)
「長し(終止形)、長き(連体形)」といふ「古文」が、
「長い(終止形)、長い(連体形)」といふ「口語」に変った時点で、
① 象は鼻が長き(連体形)動物なり。
② 象は鼻が長い(終止形)。
に於いて、
① は、消滅し、
② が、誕生した。
といふ、ことになる。
然るに、
(09)
① 鼻は長い。
② 鼻が長い。
に於いて、
①「は」は「清音」であり、
②「が」は「濁音」である。
然るに、
(10)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ゴロゴロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 鼻は長い。
② 鼻が長い。
に於いて、
①「鼻は(清音)」よりも、
②「鼻が(濁音)」の方が、「心理的な音量」が大きい。
従って、
(11)により、
(12)
① 鼻は長い。
② 鼻が長い。
に於いて、
①「鼻は(清音)」に対する、
②「鼻が(濁音)」は、「心理的な音量差」による、「強調形」である。
然るに、
(13)
「AはBであり、A以外はBでない。」といふ「命題」を、
「排他的命題(Exclusive proposition)」といふ。
従って、
(13)により、
(14)
「私は(他の誰でもなく)あなたにこれを受け取ってほしい。」
「私はあなたに(他のものではなく)これを受け取ってほしい。」
は、2つとも、「排他的命題(Exclusive proposition)」である。
然るに、
(15)
その強調の仕方によって、文の伝えたい意味ですら変わってきます。
例えば、
“I’d like you to have this.” とyouを強調すれば、
「私は(他の誰でもなく)あなたにこれを受け取ってほしい。」
という意味になりますし、
“I’d like you to have this.” とthisを強調すれば、
「私はあなたに(他のものではなく)これを受け取ってほしい。」
という意味になります。
(逆転英語ガイド:英語でプロソディ(リズム・アクセント・抑揚)が重要な理由と学び方)
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
「強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
従って、
(12)(16)により、
(17)
① 鼻は長い。
② 鼻が長い。
に於いて、
①「鼻は(清音)」に対する、
②「鼻が(濁音)」は、「心理的な音量差」による、「強調形」であって、「強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
従って、
(13)(17)により、
(18)
① 鼻は長い=鼻は長い。
② 鼻が長い=鼻は長く、鼻以外は長くない(排他的命題)。
といふ「等式」が、「成立」する。
然るに、
(19)
私が理事長です。(理事長は私です)
のように、ガの文がいわばハを内蔵していることがあるから、その説明が必要である。このような「私が」を強声的になっていると言うことにする。そこに発音上のストレスを与えたのと似た効果を持っているからである(三上章、日本語の論理、1963年、106頁)。
従って、
(19)により、
(20)
「私が」には、「発音上のストレス」があると、三上章 先生は、言ってゐる。
従って、
(17)~(20)により、
(21)
① 私は理事長です=私は理事長です。
② 私が理事長です=私は理事長であり、私以外は理事長ではない(排他的命題)。
といふ「等式」が、「成立」する。
といふ風に、三上章 先生は、言ってゐるに、「等しい」。
然るに、
(22)
② 私以外は理事長ではない。
③ 理事長は私です。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(21)(22)により、
(23)
① 私は理事長です=私は理事長です。
② 私が理事長です=私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
③ 私が理事長です=私は理事長であり、理事長は私です。
に於いて、
②=③ である。
といふ風に、三上章 先生は、言ってゐるに、「等しい」。
然るに、
(24)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(19)(23)(24)により、
(25)
三上章 先生は、
② 私が理事長です=私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
③ 私が理事長です=私は理事長であり、理事長は私です。
に於ける、
② には、気付いてゐないが。
③ には、気付いてゐたし、
① 私は(清音)
② 私が(濁音)
に於いて、
① よりも、
② の方が、「心理的な音量」が「大きい」といふことにも、気付いてゐた。
然るに、
(26)
1 (1)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]} A
1 (2) T会の会員a→∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)] 1UE
3 (3) T会の会員a A
13 (4) ∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)] 34MPP
5 (5) 私b&理事長ba&∀z(理事長za→b=z) A
5 (6) 私b&理事長ba 5&E
5 (7) ∀z(理事長za→b=z) 5&E
5 (8) 理事長ca→b=c 7UE
9 (9) ∃z(小倉z&~私z) A
ア (ア) 小倉c&~私c A
ア (イ) 小倉c ア&E
ア (ウ) ~私c ア&E
エ(エ) b=c A
アエ(オ) ~私b ウエ=E
5 (カ) 私b 6&E
5 アエ(キ) ~私b&私b オカ&I
5 ア (ク) b≠c エキRAA
5 ア (ケ) ~理事長ca 8クMTT
5 ア (コ) 小倉c&~理事長ca イケ&I
5 ア (サ) ∃z(小倉z&~理事長za) コEI
59 (シ) ∃z(小倉z&~理事長za) 9アサEE
13 9 (ス) ∃z(小倉z&~理事長za) 45シEE
1 9 (セ) T会の会員a→∃z(小倉z&~理事長za) 3スCP
1 9 (シ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)} セUI
1 9 (〃)タゴール記念会は、小倉氏は、理事長ではない。 セUI
従って、
(26)により、
(27)
(1)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}。然るに、
(9)∃z(小倉z&~私z)。従って、
(シ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)}。
といふ「推論」、すなはち、
(1)すべてのxについて、xがT会の会員であるならば、あるyは、私であって、その上、xの理事長であって、すべてのzについて、zがxの理事長であるならば、yとzは「同一」である。然るに、
(9)あるzは小倉氏であって、zは私ではない。従って、
(シ)すべてのxについて、xがT会の会員であるならば、あるzは小倉氏であって、zはxの理事長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(28)
(1)タゴール記念会は、私が理事長です。 然るに、
(9)小倉氏は私ではない。 従って、
(シ)タゴール記念会の理事長は、小倉氏ではない。
といふ「推論」は、「日本語」としても、「妥当」である。
従って、
(27)(28)により、
(29)
① タゴール記念会は、私が理事長です。⇔
① タゴール記念会は、私は理事長であり、私以外理事長ではない。⇔
① ∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}⇔
① すべてのxについて、xがT会の会員であるならば、あるyは、私であって、その上、xの理事長であって、すべてのzについて、zがxの理事長であるならば、yとzは「同一」である。
といふ「等式」を、「否定」する一方で、
(1)タゴール記念会は、私が理事長です。 然るに、
(9)小倉氏は私ではない。 従って、
(シ)タゴール記念会の理事長は、小倉氏ではない。
といふ「推論」を、「妥当」である。
と、することは出来ない。
然るに、
(30)
(1)タゴール記念会は、私が理事長です。 然るに、
(9)小倉氏は私ではない。 従って、
(シ)タゴール記念会の理事長は、小倉氏ではない。
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(29)(30)により、
(31)
① タゴール記念会は、私が理事長です。⇔
① タゴール記念会は、私は理事長であり、私以外理事長ではない。⇔
① ∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}⇔
① すべてのxについて、xがT会の会員であるならば、あるyは、私であって、その上、xの理事長であって、すべてのzについて、zがxの理事長であるならば、yとzは「同一」である。
といふ「等式」は、「正しい」。
令和02年06月27日、毛利太。
我が家=私の家=My house
従って、
(01)により、
(02)
「が・の」は、歴史的には、「連体助詞」である。
従って、
(01)(02)より、
(03)
① 鼻は長し(終止形)。
といふ「日本語」は、有っても、
② 鼻が長し(終止形)。
といふ「日本語」は、昔は無かった。
従って、
(03)により、
(04)
① 象は鼻が長き(連体形)動物なり。
といふ「日本語」は有っても、
② 象は鼻が長し(終止形)。
といふ「日本語」は、昔は無かった。
従って、
(04)により、
(05)
① 象は鼻が長き(連体形)動物なり。
といふ「日本語」は有っても、
② 象は鼻が長い(連体形)動物である。
といふ「日本語」は、昔は無かった。
然るに、
(06)
古文では、「長し(終止形)、長き(連体形)」であるが、
口語では、「長い(終止形)、長い(連体形)」であるため、口語では、「終止形」と「連体形」が、「同じ形」をしてゐる。
cf.
動詞の場合も、現代語は、「終止形」と「連体形」が、「同じ形」をしてゐる。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① 象は鼻が長き(連体形)動物なり。
② 象は鼻が長い(連体形)動物である。
といふ「古文と現代語」から、
① 動物なり、
② 動物である。
を「除く」と、
① 象は鼻が長き(連体形)。
② 象は鼻が長い(終止形)。
となって、
① は「非文」であるが、
② は「非文」ではない。
従って、
(06)(07)により、
(08)
「長し(終止形)、長き(連体形)」といふ「古文」が、
「長い(終止形)、長い(連体形)」といふ「口語」に変った時点で、
① 象は鼻が長き(連体形)動物なり。
② 象は鼻が長い(終止形)。
に於いて、
① は、消滅し、
② が、誕生した。
といふ、ことになる。
然るに、
(09)
① 鼻は長い。
② 鼻が長い。
に於いて、
①「は」は「清音」であり、
②「が」は「濁音」である。
然るに、
(10)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ゴロゴロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 鼻は長い。
② 鼻が長い。
に於いて、
①「鼻は(清音)」よりも、
②「鼻が(濁音)」の方が、「心理的な音量」が大きい。
従って、
(11)により、
(12)
① 鼻は長い。
② 鼻が長い。
に於いて、
①「鼻は(清音)」に対する、
②「鼻が(濁音)」は、「心理的な音量差」による、「強調形」である。
然るに、
(13)
「AはBであり、A以外はBでない。」といふ「命題」を、
「排他的命題(Exclusive proposition)」といふ。
従って、
(13)により、
(14)
「私は(他の誰でもなく)あなたにこれを受け取ってほしい。」
「私はあなたに(他のものではなく)これを受け取ってほしい。」
は、2つとも、「排他的命題(Exclusive proposition)」である。
然るに、
(15)
その強調の仕方によって、文の伝えたい意味ですら変わってきます。
例えば、
“I’d like you to have this.” とyouを強調すれば、
「私は(他の誰でもなく)あなたにこれを受け取ってほしい。」
という意味になりますし、
“I’d like you to have this.” とthisを強調すれば、
「私はあなたに(他のものではなく)これを受け取ってほしい。」
という意味になります。
(逆転英語ガイド:英語でプロソディ(リズム・アクセント・抑揚)が重要な理由と学び方)
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
「強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
従って、
(12)(16)により、
(17)
① 鼻は長い。
② 鼻が長い。
に於いて、
①「鼻は(清音)」に対する、
②「鼻が(濁音)」は、「心理的な音量差」による、「強調形」であって、「強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
従って、
(13)(17)により、
(18)
① 鼻は長い=鼻は長い。
② 鼻が長い=鼻は長く、鼻以外は長くない(排他的命題)。
といふ「等式」が、「成立」する。
然るに、
(19)
私が理事長です。(理事長は私です)
のように、ガの文がいわばハを内蔵していることがあるから、その説明が必要である。このような「私が」を強声的になっていると言うことにする。そこに発音上のストレスを与えたのと似た効果を持っているからである(三上章、日本語の論理、1963年、106頁)。
従って、
(19)により、
(20)
「私が」には、「発音上のストレス」があると、三上章 先生は、言ってゐる。
従って、
(17)~(20)により、
(21)
① 私は理事長です=私は理事長です。
② 私が理事長です=私は理事長であり、私以外は理事長ではない(排他的命題)。
といふ「等式」が、「成立」する。
といふ風に、三上章 先生は、言ってゐるに、「等しい」。
然るに、
(22)
② 私以外は理事長ではない。
③ 理事長は私です。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(21)(22)により、
(23)
① 私は理事長です=私は理事長です。
② 私が理事長です=私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
③ 私が理事長です=私は理事長であり、理事長は私です。
に於いて、
②=③ である。
といふ風に、三上章 先生は、言ってゐるに、「等しい」。
然るに、
(24)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(19)(23)(24)により、
(25)
三上章 先生は、
② 私が理事長です=私は理事長であり、私以外は理事長ではない。
③ 私が理事長です=私は理事長であり、理事長は私です。
に於ける、
② には、気付いてゐないが。
③ には、気付いてゐたし、
① 私は(清音)
② 私が(濁音)
に於いて、
① よりも、
② の方が、「心理的な音量」が「大きい」といふことにも、気付いてゐた。
然るに、
(26)
1 (1)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]} A
1 (2) T会の会員a→∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)] 1UE
3 (3) T会の会員a A
13 (4) ∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)] 34MPP
5 (5) 私b&理事長ba&∀z(理事長za→b=z) A
5 (6) 私b&理事長ba 5&E
5 (7) ∀z(理事長za→b=z) 5&E
5 (8) 理事長ca→b=c 7UE
9 (9) ∃z(小倉z&~私z) A
ア (ア) 小倉c&~私c A
ア (イ) 小倉c ア&E
ア (ウ) ~私c ア&E
エ(エ) b=c A
アエ(オ) ~私b ウエ=E
5 (カ) 私b 6&E
5 アエ(キ) ~私b&私b オカ&I
5 ア (ク) b≠c エキRAA
5 ア (ケ) ~理事長ca 8クMTT
5 ア (コ) 小倉c&~理事長ca イケ&I
5 ア (サ) ∃z(小倉z&~理事長za) コEI
59 (シ) ∃z(小倉z&~理事長za) 9アサEE
13 9 (ス) ∃z(小倉z&~理事長za) 45シEE
1 9 (セ) T会の会員a→∃z(小倉z&~理事長za) 3スCP
1 9 (シ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)} セUI
1 9 (〃)タゴール記念会は、小倉氏は、理事長ではない。 セUI
従って、
(26)により、
(27)
(1)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}。然るに、
(9)∃z(小倉z&~私z)。従って、
(シ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)}。
といふ「推論」、すなはち、
(1)すべてのxについて、xがT会の会員であるならば、あるyは、私であって、その上、xの理事長であって、すべてのzについて、zがxの理事長であるならば、yとzは「同一」である。然るに、
(9)あるzは小倉氏であって、zは私ではない。従って、
(シ)すべてのxについて、xがT会の会員であるならば、あるzは小倉氏であって、zはxの理事長ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(28)
(1)タゴール記念会は、私が理事長です。 然るに、
(9)小倉氏は私ではない。 従って、
(シ)タゴール記念会の理事長は、小倉氏ではない。
といふ「推論」は、「日本語」としても、「妥当」である。
従って、
(27)(28)により、
(29)
① タゴール記念会は、私が理事長です。⇔
① タゴール記念会は、私は理事長であり、私以外理事長ではない。⇔
① ∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}⇔
① すべてのxについて、xがT会の会員であるならば、あるyは、私であって、その上、xの理事長であって、すべてのzについて、zがxの理事長であるならば、yとzは「同一」である。
といふ「等式」を、「否定」する一方で、
(1)タゴール記念会は、私が理事長です。 然るに、
(9)小倉氏は私ではない。 従って、
(シ)タゴール記念会の理事長は、小倉氏ではない。
といふ「推論」を、「妥当」である。
と、することは出来ない。
然るに、
(30)
(1)タゴール記念会は、私が理事長です。 然るに、
(9)小倉氏は私ではない。 従って、
(シ)タゴール記念会の理事長は、小倉氏ではない。
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(29)(30)により、
(31)
① タゴール記念会は、私が理事長です。⇔
① タゴール記念会は、私は理事長であり、私以外理事長ではない。⇔
① ∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}⇔
① すべてのxについて、xがT会の会員であるならば、あるyは、私であって、その上、xの理事長であって、すべてのzについて、zがxの理事長であるならば、yとzは「同一」である。
といふ「等式」は、「正しい」。
令和02年06月27日、毛利太。
2020年6月26日金曜日
「普遍言語」としての「述語論理」と「鼻は象が長い(代入例)」。
(01)
練習問題.2
つぎの論証を等号を含む述語計算の記号に翻訳し、そしてそれに対応する連式を示すことによって、論証の健全性を証明せよ。
(a)すべての殺人者は精神異常である。ジーキルは殺人者である。ジーキルはハイドである。故にハイドは精神異常である。
(b)いかなる殺人者も精神が異常ではない。ジーキルは殺人者である。ハイドは精神が異常である。故にジーキルはハイドではない。
(c)トムとジェーンのみがダンスをしている。トムとジェーンはどちらもツイストをしている。故にすべてのダンスをしているものはツイストをしている。
(d)多くとも1人の無法な国家主席がいる。毛沢東は無法な国家主席である。ジョンソンは毛沢東ではない。故にジョンソンは無法な国家主席ではない。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、215頁)。
(02)
Exercises 2
Prove the soundness of the following arguments by translating them into the symbolism of the predicate calculus with identity and showing the validity of the corresponding sequents:
(a) All murderers are insane; Jekyll is a murderer; Jekyll is a hyde; therefore Hyde is insane.
(b) No murderer is sane; Jekyll is a murderer; Hyde is sane; thereforebJekyll is not hyde.
(c) Only Tom and Jane are dancing; Tom and Jane are doing the twist; therefore everyone dancing the twist.
(d) There is at most one lawless living head of state; Johnson is not Mao Tse-tung; Mao Tse-tung is a lawless living head of state; Johnson is not Mao Tse-tung; Johnson is not a lawless living head of state.
(E.J.Lemmon, Beginning Logic, First published in Great Britain 1965)
然るに、
(03)
(a)
1 (1)∀x(殺人者x→精神異常x) A
2 (2) 殺人者ジ A
3(3) ジ=ハ A
1 (4) 殺人者ジ→精神異常ジ 1UE
12 (5) 精神異常ジ 24PP
123(6) 精神異常ハ 35=E
(b)
1 (1)∀x(殺人者x→~精神異常x) A
2 (2) 殺人者ジ A
3 (3) 精神異常ハ A
4(4) ジ=ハ A
1 (5) 殺人者ジ→~精神異常ジ 1UE
12 (6) ~精神異常ジ 25MPP
12 4(7) ~精神異常ハ 46=E
1234(8) 精神異常ハ&~精神異常ハ 37&I
123 (9) ~(ジ=ハ) 48RAA
(c)
1 (1)∀x{ダンスx→(x=T)∨(x=J)} A
2 (2) ツイストT&ツイストJ A
1 (3) ダンスa→(a=T)∨(a=J) 2UE
4 (4) ダンスa A
1 4 (5) (a=T)∨(a=J) 34TPP
6 (6) a=T A
2 (7) ツイストT 2&E
2 6 (8) ツイストa 67=E
9(9) a=J A
2 (ア) ツイストJ 2&E
2 9(イ) ツイストa 9ア=E
124 (ウ) ツイストa 5689イ∨E
12 (エ) ダンスa→ツイストa 4ウCP
12 (オ)∀x(ダンスx→ツイストx) エUI
(d)
1 (1)~∃x∃y{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)} A
1 (2)∀x~∃y{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)} 1量化子の関係
1 (3)∀x∀y~{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)} 2量化子の関係
1 (4) ∀y~{(無法主席モ&無法主席y)&~(モ=y)} 3UE
1 (5) ~{(無法主席モ&無法主席J)&~(モ=J)} 4UE
1 (6) ~(無法主席モ&無法主席J)∨ (モ=J) 5ド・モルガンの法則
1 (7) (無法主席モ&無法主席J)→ (モ=J) 6含意の定義
8 (8) 無法主席モ A
9 (9) ~(モ=J) A
ア(ア) 無法主席J A
9ア(イ) 無法主席モ&無法主席J 89&I
189ア(ウ) (モ=J) 7イMPP
189ア(エ) ~(モ=J)&(モ=J) 9ウ&I
189 (オ) ~(無法主席J) アERAA
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年」といふ「翻訳」を「理解」すれば、「論理(logic)」を「理解」することが出来、その「結果」として、
「E.J.Lemmon, Beginning Logic, First published in Great Britain 1965」といふ「原著」に出てゐる「練習問題」が「解ける」ようになる。
然るに、
(04)により、
(05)
「E.J.Lemmon, Beginning Logic, First published in Great Britain 1965」は、例へば、
『アイスランド語・アイルランド語・アゼルバイジャン語・アフリカーンス語・アムハラ語・アラビア語・アルバニア語・アルメニア語・イタリア語・イディッシュ語・イボ語・インドネシア語・ウイグル語・ウェールズ語・ウクライナ語・ウズベク語・ウルドゥ語・エストニア語・エスペラント語・オランダ語・オリヤ語・カザフ語・カタルーニャ語・ガリシア語・カンナダ語・キニヤルワンダ語・ギリシャ語・キルギス語・グジャラト語・クメール語・クルド語・クロアチア語・コーサ語・コルシカ語・サモア語・ジャワ語・ジョージア(グルジア)語・ショナ語・シンド語・シンハラ語・スウェーデン語・ズールー語・スコットランド ゲール語・スペイン語・スロバキア語・スロベニア語・スワヒリ語・スンダ語・セブアノ語・セルビア語・ソト語・ソマリ語・タイ語・タガログ語・タジク語・タタール語・タミル語・チェコ語・チェワ語・テルグ語・デンマーク語・ドイツ語・トルクメン語・トルコ語・ネパール語・ノルウェー語・ハイチ語・ハウサ語・パシュト語・バスク語・ハワイ語・ハンガリー語・パンジャブ語・ヒンディー語・フィンランド語・フランス語・フリジア語・ブルガリア語・ベトナム語・ヘブライ語・ベラルーシ語・ペルシャ語・ベンガル語・ポーランド語・ボスニア語・ポルトガル語・マオリ語・マケドニア語・マラーティー語・マラガシ語・マラヤーラム語・マルタ語・マレー語・ミャンマー語・モンゴル語・モン語・ヨルバ語・ラオ語・ラテン語・ラトビア語・リトアニア語・ルーマニア語・ルクセンブルク語・ロシア語・英語・韓国語・中国語(簡体)・中国語(繁体)・日本語』といふ「言語」に、「翻訳」することが、出来る。
然るに、
(06)
日常言語の文から述語計算の文の翻訳のためには、一般にあたまが柔軟であることが必要である。なんら確定的な規則があるわけでなく、量記号に十分に馴れるまでには、練習を積むことが必要である。そこに含まれている仕事は翻訳の仕事に違いないけれども、しかしそこへ翻訳が行われる形式言語は、自然言語のシンタックスとは幾らか違ったシンタックスをもっており、また限られた術語―論理的結合記号、変数、固有名、述語文字、および2つの量記号―しかももたない。その言語のおもな長所は、記法上の制限にもかかわらず、非常に広範な表現能力をもっていることである(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、130頁)。
Flexibility of mind is generally required for translating from ordinary speech into sentences of the predicate calculus. No firm rules can be given, and practice is needed before full familiarity with quantifiers is reached. The activity involved is one of translation; but the formal language into which translation is being made has a rather different from that of a natural language,and has only a narrow terminology―logical connectives, variables, proper names, predicate-letters, and two quantifiers. The chief merit of the language is that, despite its notational limitations, it ha a very wide expressive power(E.J.Lemmon, Beginning Logic, First published in Great Britain 1965).
従って、
(01)~(06)により、
(07)
(d)There is at most one lawless living head of state。
(d)無法な国家主席は、多くとも、一人しかゐない。
といふ「個々の、自然言語」が、
(d)~∃x∃y{(Fx&Fy)&~(x=y)}
といふ風に、「翻訳」されのではなく、
(d)~∃x∃y{(Fx&Fy)&~(x=y)}
といふ「述語倫理式」に対して、
F=lawless living head of state
F=無法な国家主席
といふ「代入(Substitution)」を行った「結果」が、
(d)There is at most one lawless living head of state。
(d)無法な国家主席は、多くとも、一人しかゐない。
といふ「自然言語」であると、すべきである。
従って、
(07)により、
(08)
(d)無法な国家主席は、多くとも、一人しかゐない。
といふ「日本語」を、
(d)~∃x∃y{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)}
といふ「述語論理式」に、「翻訳」するといふ「行為」は、その実、
(d)無法な国家主席は、多くとも、一人しかゐない。
といふ「日本語」の、「本来の(論理的な)意味」を、「確定」することである。
といふ風に、「見做す」ことが、出来る。
従って、
(02)(03)(08)により、
(09)
1 (1)~∃x∃y{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)} A
1 (2)∀x~∃y{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)} 1量化子の関係
1 (3)∀x∀y~{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)} 2量化子の関係
1 (4) ∀y~{(無法主席モ&無法主席y)&~(モ=y)} 3UE
1 (5) ~{(無法主席モ&無法主席J)&~(モ=J)} 4UE
1 (6) ~(無法主席モ&無法主席J)∨ (モ=J) 5含意の定義
1 (7) (無法主席モ&無法主席J)→ (モ=J) 6含意の定義
8 (8) 無法主席モ A
9 (9) ~(モ=J) A
ア(ア) 無法主席J A
8 ア(イ) 無法主席モ&無法主席J 89&I
18 ア(ウ) (モ=J) 7イMPP
189ア(エ) ~(モ=J)&(モ=J) 9ウ&I
189 (オ) ~(無法主席J) アERAA
といふ「計算(Predicate calculus)」によって、
(d)多くとも1人しか、無法な国家主席はゐない。毛沢東は無法な国家主席である。ジョンソンは毛沢東ではない。故に、ジョンソンは無法な国家主席ではない。
といふ「論証(argument)」の「妥当性(validity)」が、「確認」出来る。といふことは、
(d)無法な国家主席は、多くとも、一人しかゐない。
といふ「日本語」の、「本来の(論理的な)意味」が、確かに、
(d)~∃x∃y{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)}
といふ「意味」であった。といふことに対する、「確認」になってゐる。
従って、
(10)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
7(イ) ~~鼻ab アDN
3 7(ウ) ~(~象b& 長a) 4イMPP
3 7(エ) ~~象b∨~長a ウ、ド・モルガンの法則
3 7(オ) ~象b→~長a エ含意の定義
3 7(カ) ~長a 9オMPP
7(キ) 兎b&鼻ab 8ア&I
3 7(ク) 兎b&鼻ab&~長a カキ&I
3 7(ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) クEI
3 6 (コ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67ケEE
3 6 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) コEI
35 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56サEE
1 5 (ス)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23シEE
といふ「計算(Predicate calculus)」によって、
(e)鼻は象が長い。然るに、ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論」の「妥当性」が、「確認」出来る。といふことは、
(e)鼻は象が長い。
といふ「日本語」の、「本来の(論理的な)意味」が、
(e)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
といふ「意味」であった。といふことに対する、「確認」になってゐる。
然るに、
(11)
「三上章、日本語の論理、1963年」の中には、
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
③ 象の鼻が長い≡∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。
④ 鼻は象が長い≡∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}。
といふ「等式」等の、「述語論理式」は、一切、出て来ない。
従って、
(08)~(11)により、
(12)
「日本語(自然言語)」が、「述語論理」に、「翻訳」されるのではなく、
① ∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)}。
② ∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)&~∃z(~Gzx&Hz)}。
③ ∀x∃y{(Fx&Gyx→Hy)&(~Fx&Gyx→~Hy)}。
④ ∀x∃y{(Gxy&Fy→Hx)&(~Fy&Hx→~Gxy)}。
といふ「述語論理式」に対して、
F=象
G=鼻
H=長
といふ、「代入(Substitution)」を行った「結果」が、
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
③ 象の鼻が長い。
④ 鼻は象が長い。
といふ「日本語(自然言語)」である。とするのであれば、
三上章 先生は、
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
③ 象の鼻が長い≡∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。
④ 鼻は象が長い≡∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}。
といふ「意味」を、「確認」しないまま、日本語の、「ハとガ」を、論じてゐる。
といふことになる。
(13)
沢田『現代論理学入門』ニ九ぺから―
さらに、日常の言語は人間同士のコミュニケーションということを最大の目的としている以上、できるだけ短い時間の中で多くの情報を伝えることが一つの大切な目標とされる。そこでたとえば「象は鼻が長い」というような表現は、象が主語なのか、鼻が主語なのかはっきりしないから、このままではその論理的構造が明示されていない。いわば非論理的な文章である、というひともある。しかしこの文の論理的な構造をはっきりと文章にあらわして「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」といえばいいかもしれない。しかし日常言語によるコミュニケーションでは、たとえば動物園で象をはじめて見た小学生が、父親にむかってこのような文章で話しかけたとすれば、その子供は論理的であるといって感心されるまえに社会人としての常識をうたがわれるにきまっている。常識(すなはち共通にもっている情報)でわかっているものはいちいち言明の中にいれないで、いわば暗黙の了解事項として、省略し、できるだけ短い記号の組み合せで、できるだけ多くの情報を伝えることが日常言語の合理性の一つである(三上章、日本語の論理、1963年、25・26頁)。
(14)
つまり沢田氏によれば、「象は鼻が長い」というのは合理的な省略を行った言語表現であり、そこには明確な論理構造がある、ということです。三上はこれを文型として登録すべきであると主張しています。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214頁)
・・・・・・たまたま「象は鼻が長い」という日本語が英語に訳しにくいからといって、それだけの理由で非論理的であるとするなど、もってのほかです、この文は合理的な省略を行った言語表現であり、そこには明確な論理構造があるのです。三上はこれを文型として登録すべきであると主張しています(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、表紙)
然るに、
(13)により、
(15)
「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」
といふのであれば、
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
であって、決して、
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
ではない。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
三上章 先生は、
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「日本語」と、
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「日本語」の、「区別」が付かないまま、
② 象は鼻が長い。
を、「文型として登録すべきであると主張していた」といふ、ことになる。
令和02年02月26日、毛利太。
練習問題.2
つぎの論証を等号を含む述語計算の記号に翻訳し、そしてそれに対応する連式を示すことによって、論証の健全性を証明せよ。
(a)すべての殺人者は精神異常である。ジーキルは殺人者である。ジーキルはハイドである。故にハイドは精神異常である。
(b)いかなる殺人者も精神が異常ではない。ジーキルは殺人者である。ハイドは精神が異常である。故にジーキルはハイドではない。
(c)トムとジェーンのみがダンスをしている。トムとジェーンはどちらもツイストをしている。故にすべてのダンスをしているものはツイストをしている。
(d)多くとも1人の無法な国家主席がいる。毛沢東は無法な国家主席である。ジョンソンは毛沢東ではない。故にジョンソンは無法な国家主席ではない。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、215頁)。
(02)
Exercises 2
Prove the soundness of the following arguments by translating them into the symbolism of the predicate calculus with identity and showing the validity of the corresponding sequents:
(a) All murderers are insane; Jekyll is a murderer; Jekyll is a hyde; therefore Hyde is insane.
(b) No murderer is sane; Jekyll is a murderer; Hyde is sane; thereforebJekyll is not hyde.
(c) Only Tom and Jane are dancing; Tom and Jane are doing the twist; therefore everyone dancing the twist.
(d) There is at most one lawless living head of state; Johnson is not Mao Tse-tung; Mao Tse-tung is a lawless living head of state; Johnson is not Mao Tse-tung; Johnson is not a lawless living head of state.
(E.J.Lemmon, Beginning Logic, First published in Great Britain 1965)
然るに、
(03)
(a)
1 (1)∀x(殺人者x→精神異常x) A
2 (2) 殺人者ジ A
3(3) ジ=ハ A
1 (4) 殺人者ジ→精神異常ジ 1UE
12 (5) 精神異常ジ 24PP
123(6) 精神異常ハ 35=E
(b)
1 (1)∀x(殺人者x→~精神異常x) A
2 (2) 殺人者ジ A
3 (3) 精神異常ハ A
4(4) ジ=ハ A
1 (5) 殺人者ジ→~精神異常ジ 1UE
12 (6) ~精神異常ジ 25MPP
12 4(7) ~精神異常ハ 46=E
1234(8) 精神異常ハ&~精神異常ハ 37&I
123 (9) ~(ジ=ハ) 48RAA
(c)
1 (1)∀x{ダンスx→(x=T)∨(x=J)} A
2 (2) ツイストT&ツイストJ A
1 (3) ダンスa→(a=T)∨(a=J) 2UE
4 (4) ダンスa A
1 4 (5) (a=T)∨(a=J) 34TPP
6 (6) a=T A
2 (7) ツイストT 2&E
2 6 (8) ツイストa 67=E
9(9) a=J A
2 (ア) ツイストJ 2&E
2 9(イ) ツイストa 9ア=E
124 (ウ) ツイストa 5689イ∨E
12 (エ) ダンスa→ツイストa 4ウCP
12 (オ)∀x(ダンスx→ツイストx) エUI
(d)
1 (1)~∃x∃y{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)} A
1 (2)∀x~∃y{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)} 1量化子の関係
1 (3)∀x∀y~{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)} 2量化子の関係
1 (4) ∀y~{(無法主席モ&無法主席y)&~(モ=y)} 3UE
1 (5) ~{(無法主席モ&無法主席J)&~(モ=J)} 4UE
1 (6) ~(無法主席モ&無法主席J)∨ (モ=J) 5ド・モルガンの法則
1 (7) (無法主席モ&無法主席J)→ (モ=J) 6含意の定義
8 (8) 無法主席モ A
9 (9) ~(モ=J) A
ア(ア) 無法主席J A
9ア(イ) 無法主席モ&無法主席J 89&I
189ア(ウ) (モ=J) 7イMPP
189ア(エ) ~(モ=J)&(モ=J) 9ウ&I
189 (オ) ~(無法主席J) アERAA
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
「E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年」といふ「翻訳」を「理解」すれば、「論理(logic)」を「理解」することが出来、その「結果」として、
「E.J.Lemmon, Beginning Logic, First published in Great Britain 1965」といふ「原著」に出てゐる「練習問題」が「解ける」ようになる。
然るに、
(04)により、
(05)
「E.J.Lemmon, Beginning Logic, First published in Great Britain 1965」は、例へば、
『アイスランド語・アイルランド語・アゼルバイジャン語・アフリカーンス語・アムハラ語・アラビア語・アルバニア語・アルメニア語・イタリア語・イディッシュ語・イボ語・インドネシア語・ウイグル語・ウェールズ語・ウクライナ語・ウズベク語・ウルドゥ語・エストニア語・エスペラント語・オランダ語・オリヤ語・カザフ語・カタルーニャ語・ガリシア語・カンナダ語・キニヤルワンダ語・ギリシャ語・キルギス語・グジャラト語・クメール語・クルド語・クロアチア語・コーサ語・コルシカ語・サモア語・ジャワ語・ジョージア(グルジア)語・ショナ語・シンド語・シンハラ語・スウェーデン語・ズールー語・スコットランド ゲール語・スペイン語・スロバキア語・スロベニア語・スワヒリ語・スンダ語・セブアノ語・セルビア語・ソト語・ソマリ語・タイ語・タガログ語・タジク語・タタール語・タミル語・チェコ語・チェワ語・テルグ語・デンマーク語・ドイツ語・トルクメン語・トルコ語・ネパール語・ノルウェー語・ハイチ語・ハウサ語・パシュト語・バスク語・ハワイ語・ハンガリー語・パンジャブ語・ヒンディー語・フィンランド語・フランス語・フリジア語・ブルガリア語・ベトナム語・ヘブライ語・ベラルーシ語・ペルシャ語・ベンガル語・ポーランド語・ボスニア語・ポルトガル語・マオリ語・マケドニア語・マラーティー語・マラガシ語・マラヤーラム語・マルタ語・マレー語・ミャンマー語・モンゴル語・モン語・ヨルバ語・ラオ語・ラテン語・ラトビア語・リトアニア語・ルーマニア語・ルクセンブルク語・ロシア語・英語・韓国語・中国語(簡体)・中国語(繁体)・日本語』といふ「言語」に、「翻訳」することが、出来る。
然るに、
(06)
日常言語の文から述語計算の文の翻訳のためには、一般にあたまが柔軟であることが必要である。なんら確定的な規則があるわけでなく、量記号に十分に馴れるまでには、練習を積むことが必要である。そこに含まれている仕事は翻訳の仕事に違いないけれども、しかしそこへ翻訳が行われる形式言語は、自然言語のシンタックスとは幾らか違ったシンタックスをもっており、また限られた術語―論理的結合記号、変数、固有名、述語文字、および2つの量記号―しかももたない。その言語のおもな長所は、記法上の制限にもかかわらず、非常に広範な表現能力をもっていることである(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、130頁)。
Flexibility of mind is generally required for translating from ordinary speech into sentences of the predicate calculus. No firm rules can be given, and practice is needed before full familiarity with quantifiers is reached. The activity involved is one of translation; but the formal language into which translation is being made has a rather different from that of a natural language,and has only a narrow terminology―logical connectives, variables, proper names, predicate-letters, and two quantifiers. The chief merit of the language is that, despite its notational limitations, it ha a very wide expressive power(E.J.Lemmon, Beginning Logic, First published in Great Britain 1965).
従って、
(01)~(06)により、
(07)
(d)There is at most one lawless living head of state。
(d)無法な国家主席は、多くとも、一人しかゐない。
といふ「個々の、自然言語」が、
(d)~∃x∃y{(Fx&Fy)&~(x=y)}
といふ風に、「翻訳」されのではなく、
(d)~∃x∃y{(Fx&Fy)&~(x=y)}
といふ「述語倫理式」に対して、
F=lawless living head of state
F=無法な国家主席
といふ「代入(Substitution)」を行った「結果」が、
(d)There is at most one lawless living head of state。
(d)無法な国家主席は、多くとも、一人しかゐない。
といふ「自然言語」であると、すべきである。
従って、
(07)により、
(08)
(d)無法な国家主席は、多くとも、一人しかゐない。
といふ「日本語」を、
(d)~∃x∃y{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)}
といふ「述語論理式」に、「翻訳」するといふ「行為」は、その実、
(d)無法な国家主席は、多くとも、一人しかゐない。
といふ「日本語」の、「本来の(論理的な)意味」を、「確定」することである。
といふ風に、「見做す」ことが、出来る。
従って、
(02)(03)(08)により、
(09)
1 (1)~∃x∃y{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)} A
1 (2)∀x~∃y{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)} 1量化子の関係
1 (3)∀x∀y~{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)} 2量化子の関係
1 (4) ∀y~{(無法主席モ&無法主席y)&~(モ=y)} 3UE
1 (5) ~{(無法主席モ&無法主席J)&~(モ=J)} 4UE
1 (6) ~(無法主席モ&無法主席J)∨ (モ=J) 5含意の定義
1 (7) (無法主席モ&無法主席J)→ (モ=J) 6含意の定義
8 (8) 無法主席モ A
9 (9) ~(モ=J) A
ア(ア) 無法主席J A
8 ア(イ) 無法主席モ&無法主席J 89&I
18 ア(ウ) (モ=J) 7イMPP
189ア(エ) ~(モ=J)&(モ=J) 9ウ&I
189 (オ) ~(無法主席J) アERAA
といふ「計算(Predicate calculus)」によって、
(d)多くとも1人しか、無法な国家主席はゐない。毛沢東は無法な国家主席である。ジョンソンは毛沢東ではない。故に、ジョンソンは無法な国家主席ではない。
といふ「論証(argument)」の「妥当性(validity)」が、「確認」出来る。といふことは、
(d)無法な国家主席は、多くとも、一人しかゐない。
といふ「日本語」の、「本来の(論理的な)意味」が、確かに、
(d)~∃x∃y{(無法主席x&無法主席y)&~(x=y)}
といふ「意味」であった。といふことに対する、「確認」になってゐる。
従って、
(10)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
7(イ) ~~鼻ab アDN
3 7(ウ) ~(~象b& 長a) 4イMPP
3 7(エ) ~~象b∨~長a ウ、ド・モルガンの法則
3 7(オ) ~象b→~長a エ含意の定義
3 7(カ) ~長a 9オMPP
7(キ) 兎b&鼻ab 8ア&I
3 7(ク) 兎b&鼻ab&~長a カキ&I
3 7(ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) クEI
3 6 (コ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67ケEE
3 6 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) コEI
35 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56サEE
1 5 (ス)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23シEE
といふ「計算(Predicate calculus)」によって、
(e)鼻は象が長い。然るに、ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論」の「妥当性」が、「確認」出来る。といふことは、
(e)鼻は象が長い。
といふ「日本語」の、「本来の(論理的な)意味」が、
(e)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
といふ「意味」であった。といふことに対する、「確認」になってゐる。
然るに、
(11)
「三上章、日本語の論理、1963年」の中には、
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
③ 象の鼻が長い≡∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。
④ 鼻は象が長い≡∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}。
といふ「等式」等の、「述語論理式」は、一切、出て来ない。
従って、
(08)~(11)により、
(12)
「日本語(自然言語)」が、「述語論理」に、「翻訳」されるのではなく、
① ∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)}。
② ∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)&~∃z(~Gzx&Hz)}。
③ ∀x∃y{(Fx&Gyx→Hy)&(~Fx&Gyx→~Hy)}。
④ ∀x∃y{(Gxy&Fy→Hx)&(~Fy&Hx→~Gxy)}。
といふ「述語論理式」に対して、
F=象
G=鼻
H=長
といふ、「代入(Substitution)」を行った「結果」が、
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
③ 象の鼻が長い。
④ 鼻は象が長い。
といふ「日本語(自然言語)」である。とするのであれば、
三上章 先生は、
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
③ 象の鼻が長い≡∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。
④ 鼻は象が長い≡∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}。
といふ「意味」を、「確認」しないまま、日本語の、「ハとガ」を、論じてゐる。
といふことになる。
(13)
沢田『現代論理学入門』ニ九ぺから―
さらに、日常の言語は人間同士のコミュニケーションということを最大の目的としている以上、できるだけ短い時間の中で多くの情報を伝えることが一つの大切な目標とされる。そこでたとえば「象は鼻が長い」というような表現は、象が主語なのか、鼻が主語なのかはっきりしないから、このままではその論理的構造が明示されていない。いわば非論理的な文章である、というひともある。しかしこの文の論理的な構造をはっきりと文章にあらわして「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」といえばいいかもしれない。しかし日常言語によるコミュニケーションでは、たとえば動物園で象をはじめて見た小学生が、父親にむかってこのような文章で話しかけたとすれば、その子供は論理的であるといって感心されるまえに社会人としての常識をうたがわれるにきまっている。常識(すなはち共通にもっている情報)でわかっているものはいちいち言明の中にいれないで、いわば暗黙の了解事項として、省略し、できるだけ短い記号の組み合せで、できるだけ多くの情報を伝えることが日常言語の合理性の一つである(三上章、日本語の論理、1963年、25・26頁)。
(14)
つまり沢田氏によれば、「象は鼻が長い」というのは合理的な省略を行った言語表現であり、そこには明確な論理構造がある、ということです。三上はこれを文型として登録すべきであると主張しています。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214頁)
・・・・・・たまたま「象は鼻が長い」という日本語が英語に訳しにくいからといって、それだけの理由で非論理的であるとするなど、もってのほかです、この文は合理的な省略を行った言語表現であり、そこには明確な論理構造があるのです。三上はこれを文型として登録すべきであると主張しています(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、表紙)
然るに、
(13)により、
(15)
「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」
といふのであれば、
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
であって、決して、
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
ではない。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
三上章 先生は、
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「日本語」と、
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「日本語」の、「区別」が付かないまま、
② 象は鼻が長い。
を、「文型として登録すべきであると主張していた」といふ、ことになる。
令和02年02月26日、毛利太。
「鼻は象が長い」の「述語論理」の説明(Ⅱ)。
(01)
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象が長い。
② 耳は兎が長い。
③ 顔は馬が長い。
従って、
(02)
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象は長く、象以外(兎と馬)の鼻は長くない。
② 耳は兎は長く、兎以外(象と馬)の耳は長くない。
③ 顔は馬は長く、馬以外(象と兎)の顔は長くない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。
② 耳は兎は長く、兎以外で、ある部分が長いのであれば、耳ではない。
③ 顔は馬は長く、馬以外で、ある部分が長いのであれば、顔ではない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、yはxの鼻ではない}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) 鼻ab&象b→長a 3&E
3 (5) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
6 (6) 鼻ab A
6 (7) ~~鼻ab 6DN
36 (8) ~(~象b&長a) 57MTT
36 (9) 象b∨~長a 8ド・モルガンの法則
36 (ア) ~長a∨象b 9交換法則
36 (イ) 長a→象b ア含意の定義
3 (ウ) 鼻ab→(長a→象b) 6イCP
エ(エ) 鼻ab& 長a A
エ(オ) 鼻ab エ&E
3 エ(カ) 長a→象b ウオMPP
エ(キ) 長a エ&E
3 エ(ク) 象b カキMPP
3 (ケ) 鼻ab&長a→象b エクCP
3 (コ) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) 4ケ&I
3 (サ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} コEI
1 (シ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 23サEE
1 (ス)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} シUI
(ⅱ)
1 (1) ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) A
3 (4) 鼻ab&象b→長a 3&E
3 (5) 鼻ab&長a→象b 3&E
6 (6) ~象b A
36 (7) ~(鼻ab&長a) 56MTT
36 (8) ~鼻ab∨~長a 7ド・モルガンの法則
36 (9) ~長a∨~鼻ab 8交換法則
36 (ア) 長a→~鼻ab 9含意の定義
3 (イ) ~象b→(長a→~鼻ab) 6アCP
ウ(ウ) ~象b& 長a A
ウ(エ) ~象b ウ&E
3 ウ(オ) 長a→~鼻ab イエMPP
ウ(カ) 長a ウ&E
3 ウ(キ) ~鼻ab オカMPP
3 (ク) ~象b&長a→~鼻ab ウキCP
3 (ケ) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) 4ク&I
3 (コ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} ケEI
1 (サ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 23コEE
1 (シ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} サUI
(06)
(ⅱ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) A
3 (4) 鼻ab&象b→長a 3&E
3 (5) 鼻ab&長a→象b 3&E
6 (6) ~象b A
36 (7) ~(鼻ab&長a) 56MTT
36 (8) ~鼻ab∨~長a 7ド・モルガンの法則
36 (9) 鼻ab→~長a 8含意の定義
3 (ア) ~象b→(鼻ab→~長a) 69CP
イ(イ) ~象b& 鼻ab A
イ(ウ) ~象b イ&E
3 イ(エ) 鼻ab→~長a アウMPP
イ(オ) 鼻ab イ&E
3 イ(カ) ~長a エオMPP
3 (キ) ~象b&鼻ab→~長a イカCP
3 (ク) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a) 4キ&I
3 (ケ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} クEI
1 (コ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 23ケEE
1 (サ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} コUI
(ⅲ)
1 (1) ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a) A
3 (4) 鼻ab&象b→長a 3&E
3 (5) ~象b&鼻ab→~長a 3&E
6 (6) 長a A
6 (7) ~~長a 6DN
36 (8) ~(~象b&鼻ab) 57MTT
36 (9) 象b∨~鼻ab 8ド・モルガンの法則
ア (ア) 象b A
ア (イ) ~~象b アDN
ア (ウ) ~~象b∨~鼻ab イ∨I
エ (エ) ~鼻ab A
エ (オ) ~~象b∨~鼻ab エ∨I
36 (カ) ~~象b∨~鼻ab 9アウエオ∨EE
36 (キ) ~象b→~鼻ab カ含意の定義
ケ (ケ) 鼻ab A
ケ (コ) ~~鼻ab ケDN
36 ケ (サ) ~~象b キコMTT
36 ケ (シ) 象b サDN
36 (ス) 鼻ab→象b ケシCP
3 (セ) 長a→(鼻ab→象b) 6スCP
ソ(ソ) 鼻ab&長b A
ソ(タ) 長b ソ&E
3 ソ(チ) 鼻ab→象b セタMPP
ソ(ツ) 鼻ab ソ&E
3 ソ(テ) 象b チツMPP
3 (ト) 鼻ab&長b→ 象b ソテCP
3 (ナ) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) 4ト&I
3 (ニ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} ナEI
1 (ヌ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 23ヌEE
1 (ネ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} ヌUI
従って、
(05)(06)により、
(07)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&( 鼻xy&長x→ 象y)}
③ ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、yはxの鼻ではない}。
② すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、長いならば、yは象である}。
③ すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xがyの鼻であるならば、xは長くない}。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(07)により、
(08)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&( 鼻xy&長x→ 象y)}
③ ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
に於いて、すなはち、
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。
② 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
③ 鼻は象は長く、象以外の鼻は、長くない。
に於いて、
①=②=③ である。
cf.
「対偶(Contraposition)」。
従って、
(08)により、
(09)
(ⅰ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
7(イ) ~~鼻ab アDN
3 7(ウ) ~(~象b& 長a) 4イMPP
3 7(エ) ~~象b∨~長a ウ、ド・モルガンの法則
3 7(オ) ~象b→~長a エ含意の定義
3 7(カ) ~長a 9オMPP
7(キ) 兎b&鼻ab 8ア&I
3 7(ク) 兎b&鼻ab&~長a カキ&I
3 7(ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) クEI
3 6 (コ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67ケEE
3 6 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) コEI
35 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56サEE
1 5 (ス)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23シEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」と、
(ⅱ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) A
3 (4) 鼻ab&長a→象b 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
3 7(イ) ~(鼻ab&長a) 49MTT
3 7(ウ) ~鼻ab∨~長a イ、ド・モルガンの法則
3 7(エ) 鼻ab→~長a ウ、含意の定義
3 7(オ) ~長a アエMPP
3 7(カ) 兎b&鼻ab 8イ&I
3 7(キ) 兎b&鼻ab&~長a オカ&I
3 7(ク) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) キEI
3 6 (ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67クEE
3 6 (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) ケEI
35 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56コEE
1 5 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23サEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」と、
(ⅲ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} A
1 (2) ∃y{(鼻xb&象b→長x)&(~象b&鼻xb→~長x) 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a) A
3 (4) ~象b&鼻ab→~長a 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
7(イ) ~象b&鼻ab 9ア&I
3 7(ウ) ~長a 4イMPP
3 7(エ) 兎b&鼻ab 8ア&I
3 7(オ) 兎b&鼻ab&~長a ウエ&I
3 7(カ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) オEI
3 6 (キ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67カEE
3 6 (ク)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) キEI
35 (ケ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56クEE
1 5 (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23ケEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」が、成立する。
然るに、
(10)
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。⇔
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)⇔
② あるxとあるyについて(yは兎であって、象ではなく、xはyの鼻である)。
然るに、
(11)
③ ある兎の鼻は長くない。⇔
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)⇔
② あるxとあるyについて(yは兎であって、xはyの鼻であって、xは長くない)。
従って、
(08)~(11)により、
(12)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}。然るに、
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)。 従って、
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない。然るに、
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。 従って、
③ ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(01)(02)(03)(12)により、
(13)
① 鼻は象が長い。 然るに、
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
③ ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}。然るに、
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)。 従って、
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(09)~(13)により、
(14)
① 象は鼻が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xがyの鼻であるならば、xは長くない}。
といふ「等式」が、「妥当(Valid)」であるならば、そのときに限って、
① 鼻は象が長い。 然るに、
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
③ ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(15)
① 鼻は象が長い。 然るに、
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
③ ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(14)(15)により、
(16)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xがyの鼻であるならば、xは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
令和02年06月26日、毛利太。
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象が長い。
② 耳は兎が長い。
③ 顔は馬が長い。
従って、
(02)
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象は長く、象以外(兎と馬)の鼻は長くない。
② 耳は兎は長く、兎以外(象と馬)の耳は長くない。
③ 顔は馬は長く、馬以外(象と兎)の顔は長くない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。
② 耳は兎は長く、兎以外で、ある部分が長いのであれば、耳ではない。
③ 顔は馬は長く、馬以外で、ある部分が長いのであれば、顔ではない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、yはxの鼻ではない}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) 鼻ab&象b→長a 3&E
3 (5) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
6 (6) 鼻ab A
6 (7) ~~鼻ab 6DN
36 (8) ~(~象b&長a) 57MTT
36 (9) 象b∨~長a 8ド・モルガンの法則
36 (ア) ~長a∨象b 9交換法則
36 (イ) 長a→象b ア含意の定義
3 (ウ) 鼻ab→(長a→象b) 6イCP
エ(エ) 鼻ab& 長a A
エ(オ) 鼻ab エ&E
3 エ(カ) 長a→象b ウオMPP
エ(キ) 長a エ&E
3 エ(ク) 象b カキMPP
3 (ケ) 鼻ab&長a→象b エクCP
3 (コ) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) 4ケ&I
3 (サ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} コEI
1 (シ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 23サEE
1 (ス)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} シUI
(ⅱ)
1 (1) ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) A
3 (4) 鼻ab&象b→長a 3&E
3 (5) 鼻ab&長a→象b 3&E
6 (6) ~象b A
36 (7) ~(鼻ab&長a) 56MTT
36 (8) ~鼻ab∨~長a 7ド・モルガンの法則
36 (9) ~長a∨~鼻ab 8交換法則
36 (ア) 長a→~鼻ab 9含意の定義
3 (イ) ~象b→(長a→~鼻ab) 6アCP
ウ(ウ) ~象b& 長a A
ウ(エ) ~象b ウ&E
3 ウ(オ) 長a→~鼻ab イエMPP
ウ(カ) 長a ウ&E
3 ウ(キ) ~鼻ab オカMPP
3 (ク) ~象b&長a→~鼻ab ウキCP
3 (ケ) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) 4ク&I
3 (コ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} ケEI
1 (サ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 23コEE
1 (シ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} サUI
(06)
(ⅱ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) A
3 (4) 鼻ab&象b→長a 3&E
3 (5) 鼻ab&長a→象b 3&E
6 (6) ~象b A
36 (7) ~(鼻ab&長a) 56MTT
36 (8) ~鼻ab∨~長a 7ド・モルガンの法則
36 (9) 鼻ab→~長a 8含意の定義
3 (ア) ~象b→(鼻ab→~長a) 69CP
イ(イ) ~象b& 鼻ab A
イ(ウ) ~象b イ&E
3 イ(エ) 鼻ab→~長a アウMPP
イ(オ) 鼻ab イ&E
3 イ(カ) ~長a エオMPP
3 (キ) ~象b&鼻ab→~長a イカCP
3 (ク) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a) 4キ&I
3 (ケ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} クEI
1 (コ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 23ケEE
1 (サ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} コUI
(ⅲ)
1 (1) ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&鼻ay→~長a)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a) A
3 (4) 鼻ab&象b→長a 3&E
3 (5) ~象b&鼻ab→~長a 3&E
6 (6) 長a A
6 (7) ~~長a 6DN
36 (8) ~(~象b&鼻ab) 57MTT
36 (9) 象b∨~鼻ab 8ド・モルガンの法則
ア (ア) 象b A
ア (イ) ~~象b アDN
ア (ウ) ~~象b∨~鼻ab イ∨I
エ (エ) ~鼻ab A
エ (オ) ~~象b∨~鼻ab エ∨I
36 (カ) ~~象b∨~鼻ab 9アウエオ∨EE
36 (キ) ~象b→~鼻ab カ含意の定義
ケ (ケ) 鼻ab A
ケ (コ) ~~鼻ab ケDN
36 ケ (サ) ~~象b キコMTT
36 ケ (シ) 象b サDN
36 (ス) 鼻ab→象b ケシCP
3 (セ) 長a→(鼻ab→象b) 6スCP
ソ(ソ) 鼻ab&長b A
ソ(タ) 長b ソ&E
3 ソ(チ) 鼻ab→象b セタMPP
ソ(ツ) 鼻ab ソ&E
3 ソ(テ) 象b チツMPP
3 (ト) 鼻ab&長b→ 象b ソテCP
3 (ナ) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) 4ト&I
3 (ニ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} ナEI
1 (ヌ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 23ヌEE
1 (ネ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} ヌUI
従って、
(05)(06)により、
(07)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&( 鼻xy&長x→ 象y)}
③ ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、yはxの鼻ではない}。
② すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、長いならば、yは象である}。
③ すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xがyの鼻であるならば、xは長くない}。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(07)により、
(08)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&( 鼻xy&長x→ 象y)}
③ ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}
に於いて、すなはち、
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。
② 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
③ 鼻は象は長く、象以外の鼻は、長くない。
に於いて、
①=②=③ である。
cf.
「対偶(Contraposition)」。
従って、
(08)により、
(09)
(ⅰ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
7(イ) ~~鼻ab アDN
3 7(ウ) ~(~象b& 長a) 4イMPP
3 7(エ) ~~象b∨~長a ウ、ド・モルガンの法則
3 7(オ) ~象b→~長a エ含意の定義
3 7(カ) ~長a 9オMPP
7(キ) 兎b&鼻ab 8ア&I
3 7(ク) 兎b&鼻ab&~長a カキ&I
3 7(ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) クEI
3 6 (コ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67ケEE
3 6 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) コEI
35 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56サEE
1 5 (ス)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23シEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」と、
(ⅱ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) A
3 (4) 鼻ab&長a→象b 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
3 7(イ) ~(鼻ab&長a) 49MTT
3 7(ウ) ~鼻ab∨~長a イ、ド・モルガンの法則
3 7(エ) 鼻ab→~長a ウ、含意の定義
3 7(オ) ~長a アエMPP
3 7(カ) 兎b&鼻ab 8イ&I
3 7(キ) 兎b&鼻ab&~長a オカ&I
3 7(ク) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) キEI
3 6 (ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67クEE
3 6 (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) ケEI
35 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56コEE
1 5 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23サEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」と、
(ⅲ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)} A
1 (2) ∃y{(鼻xb&象b→長x)&(~象b&鼻xb→~長x) 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&鼻ab→~長a) A
3 (4) ~象b&鼻ab→~長a 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
7(イ) ~象b&鼻ab 9ア&I
3 7(ウ) ~長a 4イMPP
3 7(エ) 兎b&鼻ab 8ア&I
3 7(オ) 兎b&鼻ab&~長a ウエ&I
3 7(カ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) オEI
3 6 (キ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67カEE
3 6 (ク)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) キEI
35 (ケ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56クEE
1 5 (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23ケEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」が、成立する。
然るに、
(10)
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。⇔
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)⇔
② あるxとあるyについて(yは兎であって、象ではなく、xはyの鼻である)。
然るに、
(11)
③ ある兎の鼻は長くない。⇔
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)⇔
② あるxとあるyについて(yは兎であって、xはyの鼻であって、xは長くない)。
従って、
(08)~(11)により、
(12)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}。然るに、
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)。 従って、
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない。然るに、
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。 従って、
③ ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(01)(02)(03)(12)により、
(13)
① 鼻は象が長い。 然るに、
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
③ ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}。然るに、
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)。 従って、
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(09)~(13)により、
(14)
① 象は鼻が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xがyの鼻であるならば、xは長くない}。
といふ「等式」が、「妥当(Valid)」であるならば、そのときに限って、
① 鼻は象が長い。 然るに、
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
③ ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(15)
① 鼻は象が長い。 然るに、
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
③ ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(14)(15)により、
(16)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&鼻xy→~長x)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xがyの鼻であるならば、xは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
令和02年06月26日、毛利太。
2020年6月25日木曜日
「強調形」と「排他的命題」と「ハ・ガ」。
(01)
「日本語」で、
「それは、私がします。」と言へば、
「それは、私がする(ので、あなたや、他の人はしなくとも良い)。」といふ「意味」になる。
然るに、
(02)
AはBであり、A以外はBでない。
といふ「命題」を、「排他的命題(Exclusive proposition)」といふ。
従って、
(01)(02)により、
(03)
「それは、私がします。」
といふ「日本語」は、「排他的命題」である。
然るに、
(04)
(1)私は、それをします。
(2)それは、私がします。
(1)では、「私は」は題で、残りが解説です。(2)では、「それは」が題で、残りが解説になります。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、18頁)。
(05)
なお、先ほどの例文、(1)と(2)の違いは、英語ではストレスによって、表されます。
(5) I will do it.
(6)I will do it.
(5)のように、ストレスのない「I」は、topic(題)になれますが、(6)のように、ストレスがある「I」は、topicになれません。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、21頁)。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
(2)それは、私がします。
に対応する所の、
(6)I will do it.
のように、ストレスがある「I」は、「排他的命題」を「主張」する。
然るに、
(07)
その強調の仕方によって、文の伝えたい意味ですら変わってきます。
例えば、
“I’d like you to have this.” とyouを強調すれば、
「私は(他の誰でもなく)あなたにこれを受け取ってほしい。」
という意味になりますし、
“I’d like you to have this.” とthisを強調すれば、
「私はあなたに(他のものではなく)これを受け取ってほしい。」
という意味になります。
(逆転英語ガイド:英語でプロソディ(リズム・アクセント・抑揚)が重要な理由と学び方)
従って、
(02)(06)(07)により、
(08)
「英語」の場合は、「主語や、目的語や、補語」に対して、「ストレスを加へる(強調する)」と、「排他命題」になる。
然るに、
(09)
① 私はします。
② 私がします。
に於いて、
①「私は」の「は」は「清音」であって、
②「私が」の「が」は「濁音」である。
然るに、
(10)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ゴロゴロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 私はします。
② 私がします。
に於いて、
①「私は(清音)」よりも、
②「私が(濁音)」の方が、「心理的な音量」が、「大きい」。
従って、
(06)(08)(11)により、
(12)
(2)私がします。
に対応する所の、
(6)I will do it.
のように、ストレスがある「I」は、「排他的命題」を「主張」し、その一方で、
① 私はします。
② 私がします。
に於いて、
①「私は(清音)」よりも、
②「私が(濁音)」の方が、「心理的な音量」が、「大きい」。
従って、
(13)
「英語」に於いても、「日本語」に於いても、「強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
といふ風に、見做すことが、「可能」である。
然るに、
(14)
私が理事長です。(理事長は私です)
のように、ガの文がいわばハを内蔵していることがあるから、その説明が必要である。このような「私が」を強声的になっていると言うことにする。そこに発音上のストレスを与えたのと似た効果を持っているからである(三上章、日本語の論理、1963年、106頁)。
従って、
(14)により、
(15)
① 私は理事長です。
② 私が理事長です。
に於いて、
①「私は(清音)」よりも、
②「私が(濁音)」の方が、「心理的な音量」が、「大きい」。
といふことは、三上章 先生自身が、「認めてゐる」。
然るに、
(16)
私は幹事です。
私が幹事です。
のように、「は」を消しても、センテンスの意味は、
幹事は、私です。
というのに近く、題が文中の別の箇所に移り隠れたにすぎません。つまり、本当には無題化はしていないわけです。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、65・66頁)。
然るに、
(17)
③ 幹事は、私です。
④ 私以外は、幹事ではない(排他的命題)。
に於いて、
③=④ といふ「等式」は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(17)により、
(18)
② 私が理事長です。
③ 理事長は、私です。
④ 私以外は、理事長ではない(排他的命題)。
に於いて、
③=④ といふ「等式」は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(19)
① 私は理事長です。
の「対偶」は、
① 理事長以外は私ではない。
従って、
(20)
① 私は理事長です。
② 私が理事長です。
③ 理事長は、私です。
④ 私以外は、理事長ではない(排他的命題)。
に於いて、
③=④ といふ「等式」は、「対偶(Contraposition)」であるが、
その一方で、
①=③=④ といふ「等式」は、有り得ない。
然るに、
(21)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
(18)~(21)により、
(22)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。
といふのであれば、その時点で、三上章 先生は、
② 私が理事長です。
③ 理事長は、私です。
④ 私以外は、理事長ではない(排他的命題)。
に於いて、
②=③=④ であるが故に、
② 私が理事長です。
④ 私以外は、理事長ではない(排他的命題)。
に於いて、
②=④ である。
といふことに、気付くことが、出来た。
といふことになる。
然るに、
(23)
平成どころか、昭和の時代から、
「AがBである。」といふ「日本語」に於ける、
「Aが」は、「Aは」に対する、「心理的な音量差」による「強調形」であって、「強調形」は、
「AはBであり、A以外はBでない(排他的命題)。」を「主張」する。といふ風に、考へて来た。
cf.
「國語と國文學」に、投稿したことがあったし、母校の「日本文学科」に、手紙を書いたこともある。
従って、
(14)(15)(22)(23)により、
(24)
三上章 先生も、私のやうの「結論」に至ったとしても、良かったはずであるが、実際には、さうではなかった。
といふ、ことになる。
令和02年06月25日、毛利太。
「日本語」で、
「それは、私がします。」と言へば、
「それは、私がする(ので、あなたや、他の人はしなくとも良い)。」といふ「意味」になる。
然るに、
(02)
AはBであり、A以外はBでない。
といふ「命題」を、「排他的命題(Exclusive proposition)」といふ。
従って、
(01)(02)により、
(03)
「それは、私がします。」
といふ「日本語」は、「排他的命題」である。
然るに、
(04)
(1)私は、それをします。
(2)それは、私がします。
(1)では、「私は」は題で、残りが解説です。(2)では、「それは」が題で、残りが解説になります。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、18頁)。
(05)
なお、先ほどの例文、(1)と(2)の違いは、英語ではストレスによって、表されます。
(5) I will do it.
(6)I will do it.
(5)のように、ストレスのない「I」は、topic(題)になれますが、(6)のように、ストレスがある「I」は、topicになれません。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、21頁)。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
(2)それは、私がします。
に対応する所の、
(6)I will do it.
のように、ストレスがある「I」は、「排他的命題」を「主張」する。
然るに、
(07)
その強調の仕方によって、文の伝えたい意味ですら変わってきます。
例えば、
“I’d like you to have this.” とyouを強調すれば、
「私は(他の誰でもなく)あなたにこれを受け取ってほしい。」
という意味になりますし、
“I’d like you to have this.” とthisを強調すれば、
「私はあなたに(他のものではなく)これを受け取ってほしい。」
という意味になります。
(逆転英語ガイド:英語でプロソディ(リズム・アクセント・抑揚)が重要な理由と学び方)
従って、
(02)(06)(07)により、
(08)
「英語」の場合は、「主語や、目的語や、補語」に対して、「ストレスを加へる(強調する)」と、「排他命題」になる。
然るに、
(09)
① 私はします。
② 私がします。
に於いて、
①「私は」の「は」は「清音」であって、
②「私が」の「が」は「濁音」である。
然るに、
(10)
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ゴロゴロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 私はします。
② 私がします。
に於いて、
①「私は(清音)」よりも、
②「私が(濁音)」の方が、「心理的な音量」が、「大きい」。
従って、
(06)(08)(11)により、
(12)
(2)私がします。
に対応する所の、
(6)I will do it.
のように、ストレスがある「I」は、「排他的命題」を「主張」し、その一方で、
① 私はします。
② 私がします。
に於いて、
①「私は(清音)」よりも、
②「私が(濁音)」の方が、「心理的な音量」が、「大きい」。
従って、
(13)
「英語」に於いても、「日本語」に於いても、「強調形」は、「排他的命題」を「主張」する。
といふ風に、見做すことが、「可能」である。
然るに、
(14)
私が理事長です。(理事長は私です)
のように、ガの文がいわばハを内蔵していることがあるから、その説明が必要である。このような「私が」を強声的になっていると言うことにする。そこに発音上のストレスを与えたのと似た効果を持っているからである(三上章、日本語の論理、1963年、106頁)。
従って、
(14)により、
(15)
① 私は理事長です。
② 私が理事長です。
に於いて、
①「私は(清音)」よりも、
②「私が(濁音)」の方が、「心理的な音量」が、「大きい」。
といふことは、三上章 先生自身が、「認めてゐる」。
然るに、
(16)
私は幹事です。
私が幹事です。
のように、「は」を消しても、センテンスの意味は、
幹事は、私です。
というのに近く、題が文中の別の箇所に移り隠れたにすぎません。つまり、本当には無題化はしていないわけです。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、65・66頁)。
然るに、
(17)
③ 幹事は、私です。
④ 私以外は、幹事ではない(排他的命題)。
に於いて、
③=④ といふ「等式」は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(17)により、
(18)
② 私が理事長です。
③ 理事長は、私です。
④ 私以外は、理事長ではない(排他的命題)。
に於いて、
③=④ といふ「等式」は、「対偶(Contraposition)」である。
然るに、
(19)
① 私は理事長です。
の「対偶」は、
① 理事長以外は私ではない。
従って、
(20)
① 私は理事長です。
② 私が理事長です。
③ 理事長は、私です。
④ 私以外は、理事長ではない(排他的命題)。
に於いて、
③=④ といふ「等式」は、「対偶(Contraposition)」であるが、
その一方で、
①=③=④ といふ「等式」は、有り得ない。
然るに、
(21)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念会は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
(18)~(21)により、
(22)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。
といふのであれば、その時点で、三上章 先生は、
② 私が理事長です。
③ 理事長は、私です。
④ 私以外は、理事長ではない(排他的命題)。
に於いて、
②=③=④ であるが故に、
② 私が理事長です。
④ 私以外は、理事長ではない(排他的命題)。
に於いて、
②=④ である。
といふことに、気付くことが、出来た。
といふことになる。
然るに、
(23)
平成どころか、昭和の時代から、
「AがBである。」といふ「日本語」に於ける、
「Aが」は、「Aは」に対する、「心理的な音量差」による「強調形」であって、「強調形」は、
「AはBであり、A以外はBでない(排他的命題)。」を「主張」する。といふ風に、考へて来た。
cf.
「國語と國文學」に、投稿したことがあったし、母校の「日本文学科」に、手紙を書いたこともある。
従って、
(14)(15)(22)(23)により、
(24)
三上章 先生も、私のやうの「結論」に至ったとしても、良かったはずであるが、実際には、さうではなかった。
といふ、ことになる。
令和02年06月25日、毛利太。
「鼻は象が長い」の「述語論理」の説明。
(01)
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象が長い。
② 耳は兎が長い。
③ 顔は馬が長い。
従って、
(02)
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない。
② 耳は兎は長く、兎以外の耳は長くない。
③ 顔は馬は長く、馬以外の顔は長くない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。
② 耳は兎は長く、兎以外で、ある部分が長いのであれば、耳ではない。
③ 顔は馬は長く、馬以外で、ある部分が長いのであれば、顔ではない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(05)
(ⅰ)鼻は象が長い。 然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、明らかに、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(06)
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。⇔
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)⇔
② あるxとあるyについて(yは兎であって、象ではなく、xはyの鼻である)。
然るに、
(07)
③ ある兎の鼻は長くない。⇔
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)⇔
② あるxとあるyについて(yは兎であって、xはyの鼻であって、xは長くない)。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
(ⅰ)鼻は象が長い。 然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」、すなはち、「記号」で書くと、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}然るに、
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)従って、
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(09)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
7(イ) ~~鼻ab アDN
3 7(ウ) ~(~象b& 長a) 4イMTT
3 7(エ) ~~象b∨~長a ウ、ド・モルガンの法則
3 7(オ) ~象b→~長a エ含意の定義
3 7(カ) ~長a 9オMPP
7(キ) 兎b&鼻ab 8ア&I
3 7(ク) 兎b&鼻ab&~長a カキ&I
3 7(ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) クEI
3 6 (コ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67ケEE
3 6 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) コEI
35 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56サEE
1 5 (ス)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 13シEE
従って、
(08)(09)により、
(10)
(ⅰ)鼻は象が長い。 然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」、すなはち、「記号」で書くと、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}然るに、
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)従って、
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)
といふ「論証(三段論法)」は、果たして、「妥当(Valid)」である。
従って、
(04)~(10)により、
(11)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
といふ「等式」が、「妥当(Valid)」であるならば、その時に限って、
(ⅰ)鼻は象が長い。 然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(12)
(ⅰ)鼻は象が長い。 然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(14)
(ⅰ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) 鼻ab&象b→長a 3&E
3 (5) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
6 (6) 鼻ab A
6 (7) ~~鼻ab 6DN
36 (8) ~(~象b&長a) 57MTT
36 (9) 象b∨~長a 8ド・モルガンの法則
36 (ア) ~長a∨象b 9交換法則
36 (イ) 長a→象b ア含意の定義
3 (ウ) 鼻ab→(長a→象b) 6イCP
エ(エ) 鼻ab& 長a A
エ(オ) 鼻ab エ&E
3 エ(カ) 長a→象b ウオMPP
エ(キ) 長a エ&E
3 エ(ク) 象b カキMPP
3 (ケ) 鼻ab&長a→象b エクCP
3 (コ) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) 4ケ&I
3 (サ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} コEI
1 (シ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 23サEE
1 (ス)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} シUI
(ⅱ)
1 (1) ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) A
3 (4) 鼻ab&象b→長a 3&E
3 (5) 鼻ab&長a→象b 3&E
6 (6) ~象b A
36 (7) ~(鼻ab&長a) 56MTT
36 (8) ~鼻ab∨~長a 7ド・モルガンの法則
36 (9) ~長a∨~鼻ab 8交換法則
36 (ア) 長a→~鼻ab 9含意の定義
3 (イ) ~象b→(長a→~鼻ab) 6アCP
ウ(ウ) ~象b& 長a A
ウ(エ) ~象b ウ&E
3 ウ(オ) 長a→~鼻ab イエMPP
ウ(カ) 長a ウ&E
3 ウ(キ) ~鼻ab オカMPP
3 (ク) ~象b&長a→~鼻ab ウキCP
3 (ケ) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) 4ク&I
3 (コ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} ケEI
1 (サ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 23コEE
1 (シ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} サUI
従って、
(14)により、
(15)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
② すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、長いならば、yは象である}。
に於いて、
①=② である。
従って、
(16)
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。
② 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(17)
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
② 耳は兎は長く、耳が長いならば、兎である。
③ 顔は馬は長く、顔が長いならば、馬である。
従って、
(01)(15)(16)(17)により、
(18)
① 鼻は象が長い≡鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である≡∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)}。
② 耳は兎が長い≡耳は兎は長く、耳が長いならば、兎である≡∀x∃y{(耳xy&兎y→長x)&(耳xy&長x→兎y)}。
③ 顔は馬が長い≡顔は馬は長く、顔が長いならば、馬である≡∀x∃y{(顔xy&馬y→長x)&(顔xy&長x→馬y)}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(18)により、
(19)
① 鼻は象が長い。
と言へば、それだけで、
① 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
といふ風に、言ったことになり、
① 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
といふ「日本語」を、「記号」で書くならば、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)}
といふ、「述語論理式」になる。
従って、
(08)(09)(15)(19)により、
(20)
(a)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
7(イ) ~~鼻ab アDN
3 7(ウ) ~(~象b& 長a) 4イMPP
3 7(エ) ~~象b∨~長a ウ、ド・モルガンの法則
3 7(オ) ~象b→~長a エ含意の定義
3 7(カ) ~長a 9オMPP
7(キ) 兎b&鼻ab 8ア&I
3 7(ク) 兎b&鼻ab&~長a カキ&I
3 7(ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) クEI
3 6 (コ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67ケEE
3 6 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) コEI
35 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56サEE
1 5 (ス)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23シEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」と、並びに、
(b)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) A
3 (4) 鼻ab&長a→象b 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
3 7(イ) ~(鼻ab&長a) 49MTT
3 7(ウ) ~鼻ab∨~長a イ、ド・モルガンの法則
3 7(エ) 鼻ab→~長a ウ、含意の定義
3 7(オ) ~長a アエMPP
3 7(カ) 兎b&鼻ab 8イ&I
3 7(キ) 兎b&鼻ab&~長a オカ&I
3 7(ク) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) キEI
3 6 (ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67クEE
3 6 (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) ケEI
35 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56コEE
1 5 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23サEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」が「可能」となって、それ故、
(ⅰ)鼻は象が長い。 然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
といふ、ことになる。
従って、
(20)により、
(21)
① 鼻は象が長い。
といふ「日本語」に於いて、「肝心」なのは、
① 鼻は象が長い≡鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
といふ「等式」である。
従って、
(21)により、
(22)
三上章 先生は、
① 鼻は象が長い。
といふ「日本語」に於いて、
①「鼻は」は「主題」であるか、
①「象が」は「主格」でないか、といふ「問題」を論じるよりも、以前に、
① 鼻は象が長い≡鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
といふ「等式」が、成り立つといふことを、「確認」すべきである。
然るに、
(23)
そのためには、
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) A
3 (4) 鼻ab&長a→象b 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
3 7(イ) ~(鼻ab&長a) 49MTT
3 7(ウ) ~鼻ab∨~長a イ、ド・モルガンの法則
3 7(エ) 鼻ab→~長a ウ、含意の定義
3 7(オ) ~長a アエMPP
3 7(カ) 兎b&鼻ab 8イ&I
3 7(キ) 兎b&鼻ab&~長a オカ&I
3 7(ク) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) キEI
3 6 (ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67クEE
3 6 (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) ケEI
35 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56コEE
1 5 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23サEE
といふ「計算」が、どうして、「妥当」なのかといふことを、「理解」出来なければならないし、そのためには、それなりに、努力を、必要とするし、あるいは、センスも、必要なのかも知れない。
令和02年06月25日、毛利太。
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象が長い。
② 耳は兎が長い。
③ 顔は馬が長い。
従って、
(02)
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象は長く、象以外の鼻は長くない。
② 耳は兎は長く、兎以外の耳は長くない。
③ 顔は馬は長く、馬以外の顔は長くない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。
② 耳は兎は長く、兎以外で、ある部分が長いのであれば、耳ではない。
③ 顔は馬は長く、馬以外で、ある部分が長いのであれば、顔ではない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(05)
(ⅰ)鼻は象が長い。 然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、明らかに、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(06)
② ある兎は、象ではないが鼻が有る。⇔
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)⇔
② あるxとあるyについて(yは兎であって、象ではなく、xはyの鼻である)。
然るに、
(07)
③ ある兎の鼻は長くない。⇔
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)⇔
② あるxとあるyについて(yは兎であって、xはyの鼻であって、xは長くない)。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
(ⅰ)鼻は象が長い。 然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」、すなはち、「記号」で書くと、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}然るに、
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)従って、
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(09)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
7(イ) ~~鼻ab アDN
3 7(ウ) ~(~象b& 長a) 4イMTT
3 7(エ) ~~象b∨~長a ウ、ド・モルガンの法則
3 7(オ) ~象b→~長a エ含意の定義
3 7(カ) ~長a 9オMPP
7(キ) 兎b&鼻ab 8ア&I
3 7(ク) 兎b&鼻ab&~長a カキ&I
3 7(ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) クEI
3 6 (コ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67ケEE
3 6 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) コEI
35 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56サEE
1 5 (ス)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 13シEE
従って、
(08)(09)により、
(10)
(ⅰ)鼻は象が長い。 然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」、すなはち、「記号」で書くと、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}然るに、
② ∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy)従って、
③ ∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x)
といふ「論証(三段論法)」は、果たして、「妥当(Valid)」である。
従って、
(04)~(10)により、
(11)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
といふ「等式」が、「妥当(Valid)」であるならば、その時に限って、
(ⅰ)鼻は象が長い。 然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(12)
(ⅰ)鼻は象が長い。 然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。⇔
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}⇔
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(14)
(ⅰ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) 鼻ab&象b→長a 3&E
3 (5) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
6 (6) 鼻ab A
6 (7) ~~鼻ab 6DN
36 (8) ~(~象b&長a) 57MTT
36 (9) 象b∨~長a 8ド・モルガンの法則
36 (ア) ~長a∨象b 9交換法則
36 (イ) 長a→象b ア含意の定義
3 (ウ) 鼻ab→(長a→象b) 6イCP
エ(エ) 鼻ab& 長a A
エ(オ) 鼻ab エ&E
3 エ(カ) 長a→象b ウオMPP
エ(キ) 長a エ&E
3 エ(ク) 象b カキMPP
3 (ケ) 鼻ab&長a→象b エクCP
3 (コ) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) 4ケ&I
3 (サ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} コEI
1 (シ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 23サEE
1 (ス)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} シUI
(ⅱ)
1 (1) ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) A
3 (4) 鼻ab&象b→長a 3&E
3 (5) 鼻ab&長a→象b 3&E
6 (6) ~象b A
36 (7) ~(鼻ab&長a) 56MTT
36 (8) ~鼻ab∨~長a 7ド・モルガンの法則
36 (9) ~長a∨~鼻ab 8交換法則
36 (ア) 長a→~鼻ab 9含意の定義
3 (イ) ~象b→(長a→~鼻ab) 6アCP
ウ(ウ) ~象b& 長a A
ウ(エ) ~象b ウ&E
3 ウ(オ) 長a→~鼻ab イエMPP
ウ(カ) 長a ウ&E
3 ウ(キ) ~鼻ab オカMPP
3 (ク) ~象b&長a→~鼻ab ウキCP
3 (ケ) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) 4ク&I
3 (コ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} ケEI
1 (サ) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 23コEE
1 (シ)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} サUI
従って、
(14)により、
(15)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)}
② ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、yが象でなくて、xが長いならば、xはyの鼻ではない}。
② すべてのxとあるyについて{xがyの鼻であって、yが象であるならば、xは長く、xがyの鼻であって、長いならば、yは象である}。
に於いて、
①=② である。
従って、
(16)
① 鼻は象は長く、象以外で、ある部分が長いのであれば、鼻ではない。
② 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(17)
{象、兎、馬}であるならば、
① 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
② 耳は兎は長く、耳が長いならば、兎である。
③ 顔は馬は長く、顔が長いならば、馬である。
従って、
(01)(15)(16)(17)により、
(18)
① 鼻は象が長い≡鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である≡∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)}。
② 耳は兎が長い≡耳は兎は長く、耳が長いならば、兎である≡∀x∃y{(耳xy&兎y→長x)&(耳xy&長x→兎y)}。
③ 顔は馬が長い≡顔は馬は長く、顔が長いならば、馬である≡∀x∃y{(顔xy&馬y→長x)&(顔xy&長x→馬y)}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(18)により、
(19)
① 鼻は象が長い。
と言へば、それだけで、
① 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
といふ風に、言ったことになり、
① 鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
といふ「日本語」を、「記号」で書くならば、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)}
といふ、「述語論理式」になる。
従って、
(08)(09)(15)(19)により、
(20)
(a)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(~象y&長x→~鼻xy)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(~象y&長a→~鼻ay)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(~象b&長a→~鼻ab) A
3 (4) ~象b&長a→~鼻ab 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
7(イ) ~~鼻ab アDN
3 7(ウ) ~(~象b& 長a) 4イMPP
3 7(エ) ~~象b∨~長a ウ、ド・モルガンの法則
3 7(オ) ~象b→~長a エ含意の定義
3 7(カ) ~長a 9オMPP
7(キ) 兎b&鼻ab 8ア&I
3 7(ク) 兎b&鼻ab&~長a カキ&I
3 7(ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) クEI
3 6 (コ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67ケEE
3 6 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) コEI
35 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56サEE
1 5 (ス)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23シEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」と、並びに、
(b)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) A
3 (4) 鼻ab&長a→象b 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
3 7(イ) ~(鼻ab&長a) 49MTT
3 7(ウ) ~鼻ab∨~長a イ、ド・モルガンの法則
3 7(エ) 鼻ab→~長a ウ、含意の定義
3 7(オ) ~長a アエMPP
3 7(カ) 兎b&鼻ab 8イ&I
3 7(キ) 兎b&鼻ab&~長a オカ&I
3 7(ク) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) キEI
3 6 (ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67クEE
3 6 (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) ケEI
35 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56コEE
1 5 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23サEE
といふ「述語計算(Predicate calculus)」が「可能」となって、それ故、
(ⅰ)鼻は象が長い。 然るに、
(ⅱ)ある兎は、象ではないが鼻が有る。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「論証(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
といふ、ことになる。
従って、
(20)により、
(21)
① 鼻は象が長い。
といふ「日本語」に於いて、「肝心」なのは、
① 鼻は象が長い≡鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
といふ「等式」である。
従って、
(21)により、
(22)
三上章 先生は、
① 鼻は象が長い。
といふ「日本語」に於いて、
①「鼻は」は「主題」であるか、
①「象が」は「主格」でないか、といふ「問題」を論じるよりも、以前に、
① 鼻は象が長い≡鼻は象は長く、鼻が長いならば、象である。
といふ「等式」が、成り立つといふことを、「確認」すべきである。
然るに、
(23)
そのためには、
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y→長x)&(鼻xy&長x→象y)} A
1 (2) ∃y{(鼻ay&象y→長a)&(鼻ay&長a→象y)} 1UE
3 (3) (鼻ab&象b→長a)&(鼻ab&長a→象b) A
3 (4) 鼻ab&長a→象b 3&E
5 (5)∃x∃y(兎y&~象y&鼻xy) A
6 (6) ∃y(兎y&~象y&鼻ay) A
7(7) 兎b&~象b&鼻ab A
7(8) 兎b& 7&E
7(9) ~象b 7&E
7(ア) 鼻ab 7&E
3 7(イ) ~(鼻ab&長a) 49MTT
3 7(ウ) ~鼻ab∨~長a イ、ド・モルガンの法則
3 7(エ) 鼻ab→~長a ウ、含意の定義
3 7(オ) ~長a アエMPP
3 7(カ) 兎b&鼻ab 8イ&I
3 7(キ) 兎b&鼻ab&~長a オカ&I
3 7(ク) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) キEI
3 6 (ケ) ∃y(兎y&鼻ay&~長a) 67クEE
3 6 (コ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) ケEI
35 (サ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 56コEE
1 5 (シ)∃x∃y(兎y&鼻xy&~長x) 23サEE
といふ「計算」が、どうして、「妥当」なのかといふことを、「理解」出来なければならないし、そのためには、それなりに、努力を、必要とするし、あるいは、センスも、必要なのかも知れない。
令和02年06月25日、毛利太。
2020年6月24日水曜日
「普遍言語」としての「述語論理」と「象は鼻が長い」。
(01)
2 次の論証の妥当性を示せ。
(e)鯨は哺乳類である。ある魚は鯨である。すべての魚は尻尾をもっている。故にある魚の尻尾は哺乳類の尻尾である。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、174頁)。
(02)
2 Show the validity of the following arguments:
(e)A whale is a mammal; some fish are whales; All fish have tails; therefore The some fishes' tails are mammals' tails.
(E.J.Lemmon, Beginning Logic, First published in Great Britain 1965)
然るに、
(03)
1 (1)∀x(鯨x→哺乳類x) A
2 (2)∃x(魚x&鯨x) A
3 (3)∀x{魚x→∃y(尻尾yx)} A
1 (4) 鯨a→哺乳類a 1UE
5(5) 魚a&鯨a A
3 (6) 魚a→∃y(尻尾ya) 3UE
5(7) 魚a 5&E
35(8) ∃y(尻尾ya) 67MPP
5(9) 鯨a 5&E
1 5(ア) 哺乳類a 49MPP
1 5(イ) 魚a&哺乳類a 7ア&I
1 35(ウ) 魚a&哺乳類a&∃y(尻尾ya) 8イ&I
1 35(エ)∃x{魚x&哺乳類x&∃y(尻尾yx)} ウEI
123 (オ)∃x{魚x&哺乳類x&∃y(尻尾yx)} 25エEE
123 (〃)あるxは魚であり、哺乳類であって、あるyはxの尻尾である。25エEE
123 (〃)ある魚の尻尾は、 哺乳類の尻尾である。 25エEE
123 (〃)Some fishes' tails are mammals' tails. 25エEE
然るに、
(04)
「E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年」といふ「翻訳」を読んで、
「E.J.Lemmon, Beginning Logic, First published in Great Britain 1965」といふ「原著」に出てゐる「練習問題」が解けるようになる。
といふことは、「論理(Logic)」そのものは、「すべての自然言語」に於いて、「共通」であるといふことの「証左」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① すべての魚は尻尾をもっている。
② All fish have tails.
といふ「日本語と英語」に「相当」する、「すべての自然言語」は、
③ ∀x{魚x→∃y(尻尾yx)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
然るに、
(06)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象でない。
といふ「推論(三段論法)」は、明らかに「妥当」である。
従って、
(07)
2 次の論証の妥当性を示せ。
(g)象は鼻が長い。然るに、兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、兎は象でない。
といふ「問題」を、出題することが、出来る。
然るに、
(08)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(象x&兎x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za) 2UE
6 (6) 象a&兎a A
6 (7) 象a 6&E
1 6 (8) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 47MPP
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y) 8&E
ア (ア) 鼻ba&長b A
ア (イ) 長b ア&E
1 6 (ウ) ~∃z(~鼻za&長z) 8&E
1 6 (エ) ∀z~(~鼻za&長z) ウ量化子の関係
1 6 (オ) ~(~鼻ba&長b) エUE
1 6 (カ) ~~鼻ba∨~長b オ、ド・モルガンの法則
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カ含意の定義
6 (ク) 兎a 6&E
2 6 (ケ) ∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za) 5クMPP
2 6 (コ) ∃y(耳ya&長y) ケ&E
サ(サ) 耳ba&長b A
サ(シ) 耳ba サ&E
2 6 (ス) ∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za) ケ&E
2 6 (セ) ~耳ba→~長b&耳ba→~鼻ba スUE
2 6 (ソ) 耳ba→~鼻ba ス&E
2 6 サ(タ) ~鼻ba シソMPP
12 6 サ(チ) ~長b キタMPP
12 6アサ(ツ) 長b&~長b イチ&I
12 6ア (テ) 長b&~長b コサツEE
12 6 (ト) 長b&~長b 9アテEE
123 (ナ) 長b&~長b 36トEE
12 (ニ)~∃x(象x&兎x) 3ナRAA
12 (ヌ)∀x~(象x&兎x) ニ量化子の関係
12 (ネ) ~(象a&兎a) ヌUE
12 (ノ) ~象a∨~兎a ネ、ド・モルガンの法則
12 (ハ) 象a→~兎a ノ含意の定義
12 (ヒ)∀x(象x→~兎x) ハUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ハUI
12 (〃)兎は象ではない(Rabbits cannot be elephants)。 ハUI
従って、
(05)~(08)により、
(09)
① 象は鼻が長い。
といふ「日本語」に「相当」する、「すべての自然言語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
然るに、
(10)
② All elephants have long noses. And the other parts of the elephant are not long.
といふ「英語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 象は鼻が長い。
② All elephants have long noses. And the other parts of the elephant are not long.
といふ「日本語と英語」に「相当」する、「すべての自然言語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
従って、
(05)(11)により、
(12)
① すべての魚は尻尾をもっている。
② All fish have tails.
といふ「日本語と英語」に「相当」する、「すべての自然言語」は、
③ ∀x{魚x→∃y(尻尾yx)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
と「同時」に、
① 象は鼻が長い。
② All elephants have long noses. And the other parts of the elephant are not long.
といふ「日本語と英語」に「相当」する、「すべての自然言語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
従って、
(01)(03)(04)(07)(08)(12)により、
(13)
(e)鯨は哺乳類である。ある魚は鯨である。すべての魚は尻尾をもっている。故にある魚の尻尾は哺乳類の尻尾である。
(g)象は鼻が長い。然るに、兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、兎は象でない。
といふ「論証(arguments)」を、「妥当(valid)」であるとする一方で、
(e)すべての魚は尻尾をもっている≡∀x{魚x→∃y(尻尾yx)}。
(g) 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「等式」を「否定」することは、『「論理(Logic)」そのものは、「すべての自然言語」に於いて、「共通」である。』といふことの、「否定」に、他ならない。
従って、
(14)
『「論理(Logic)」そのものは、「すべての自然言語」に於いて、「共通」である。』といふことを「否定」しないのであれば、
(e)すべての魚は尻尾をもっている≡∀x{魚x→∃y(尻尾yx)}。
(g) 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
といふ「等式」を「否定」することは、出来ない。
然るに、
(15)
伝統的論理学を速水滉『論理学』(16)で代表させよう。わたしのもっているのが四十三年の第十九刷一万部中の一冊で、なお引続き刊行だろうから、前後かなり多く読者を持つ論理学書と考えられる。新興の記号論理学の方は、沢田充茂の『現代論理学入門』(62)を参照することにする(三上章、日本語の論理、1963年、4頁)。
従って、
(14)(15)により、
(16)
「三上章、日本語の論理、1963年」を書いた、三上章 先生が、
『「論理(Logic)」そのものは、「すべての自然言語」に於いて、「共通」である。』とするのであれば、三上章 先生は、
(e)魚は尻尾をもっている≡∀x{魚x→∃y(尻尾yx)}。
(g) 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「等式」を「否定」することは、出来ない。
然るに、
(17)
日本語には、「象は鼻が長い」や「日本は温泉が多い」など、「○○は××が……」のように二重に主語があるように見える文が多くあります。また、主語だけでなく、「この本は、父が買ってくれました」の「この本は」のように「買う」という動詞の目的語が「は」で示されているように見える文もあります。三上章のこの本は、そのような複雑な性質を持つ「…は…が…」の文(後にこの本の題名にちなんで「象鼻文」とよく呼ばれるようになりました)の性質を、助詞「は」の「代行」の性質を使って明確に説明することでわかりやすく解説していくものです(読書ガイド - 青山学院大学 文学部日本文学科 高校生のみなさんへ)。
従って、
(16)(17)により、
(18)
そのような複雑な性質を持つ「…は…が…」の文(後にこの本の題名にちなんで「象鼻文」とよく呼ばれるようになりました)の性質を、助詞「は」の「代行」の性質を使って明確に説明することでわかりやすく解説していくものです。
といふのであれば、その場合の 三上章 先生は、
(g)象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「等式」を、無視することは、あってはならない。
然るに、
(19)
「三上章、日本語の論理、1963年」等に、目を通す限り、三上章 先生は、
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
③ 象の鼻が長い≡∀x∃y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
④ 鼻は象が長い≡∀y∃x{(鼻yx&象x→長y)&(~象x&長y→~鼻yx)}。
といふ「等式」等に、気付いては、ゐない。
(20)
日常言語の文から述語計算の文の翻訳のためには、一般にあたまが柔軟であることが必要である。なんら確定的な規則があるわけでなく、量記号に十分に馴れるまでには、練習を積むことが必要である。そこに含まれている仕事は翻訳の仕事に違いないけれども、しかしそこへ翻訳が行われる形式言語は、自然言語のシンタックスとは幾らか違ったシンタックスをもっており、また限られた述語―論理的結合記号、変数、固有名、述語文字、および2つの量記号―しかももたない。その言語のおもな長所は、記法上の制限にもかかわらず、非常に広範な表現能力をもっていることである(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、130頁)。
従って、
(19)(20)により、
(21)
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
③ 象の鼻が長い≡∀x∃y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
④ 鼻は象が長い≡∀y∃x{(鼻yx&象x)→長y&(~象x&長y)→~鼻yx}。
といふ「述語論理式」には、「なんら確定的な規則があるわけでなく、それが書けるようになるには、量記号に十分に馴れるまで、練習を積むことが必要である。」
令和02年06月24日、毛利太。
2 次の論証の妥当性を示せ。
(e)鯨は哺乳類である。ある魚は鯨である。すべての魚は尻尾をもっている。故にある魚の尻尾は哺乳類の尻尾である。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、174頁)。
(02)
2 Show the validity of the following arguments:
(e)A whale is a mammal; some fish are whales; All fish have tails; therefore The some fishes' tails are mammals' tails.
(E.J.Lemmon, Beginning Logic, First published in Great Britain 1965)
然るに、
(03)
1 (1)∀x(鯨x→哺乳類x) A
2 (2)∃x(魚x&鯨x) A
3 (3)∀x{魚x→∃y(尻尾yx)} A
1 (4) 鯨a→哺乳類a 1UE
5(5) 魚a&鯨a A
3 (6) 魚a→∃y(尻尾ya) 3UE
5(7) 魚a 5&E
35(8) ∃y(尻尾ya) 67MPP
5(9) 鯨a 5&E
1 5(ア) 哺乳類a 49MPP
1 5(イ) 魚a&哺乳類a 7ア&I
1 35(ウ) 魚a&哺乳類a&∃y(尻尾ya) 8イ&I
1 35(エ)∃x{魚x&哺乳類x&∃y(尻尾yx)} ウEI
123 (オ)∃x{魚x&哺乳類x&∃y(尻尾yx)} 25エEE
123 (〃)あるxは魚であり、哺乳類であって、あるyはxの尻尾である。25エEE
123 (〃)ある魚の尻尾は、 哺乳類の尻尾である。 25エEE
123 (〃)Some fishes' tails are mammals' tails. 25エEE
然るに、
(04)
「E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年」といふ「翻訳」を読んで、
「E.J.Lemmon, Beginning Logic, First published in Great Britain 1965」といふ「原著」に出てゐる「練習問題」が解けるようになる。
といふことは、「論理(Logic)」そのものは、「すべての自然言語」に於いて、「共通」であるといふことの「証左」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① すべての魚は尻尾をもっている。
② All fish have tails.
といふ「日本語と英語」に「相当」する、「すべての自然言語」は、
③ ∀x{魚x→∃y(尻尾yx)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
然るに、
(06)
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象でない。
といふ「推論(三段論法)」は、明らかに「妥当」である。
従って、
(07)
2 次の論証の妥当性を示せ。
(g)象は鼻が長い。然るに、兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、兎は象でない。
といふ「問題」を、出題することが、出来る。
然るに、
(08)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
2 (2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(~耳zx→~長z&耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)∃x(象x&兎x) A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za) 2UE
6 (6) 象a&兎a A
6 (7) 象a 6&E
1 6 (8) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 47MPP
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y) 8&E
ア (ア) 鼻ba&長b A
ア (イ) 長b ア&E
1 6 (ウ) ~∃z(~鼻za&長z) 8&E
1 6 (エ) ∀z~(~鼻za&長z) ウ量化子の関係
1 6 (オ) ~(~鼻ba&長b) エUE
1 6 (カ) ~~鼻ba∨~長b オ、ド・モルガンの法則
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カ含意の定義
6 (ク) 兎a 6&E
2 6 (ケ) ∃y(耳ya&長y)&∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za) 5クMPP
2 6 (コ) ∃y(耳ya&長y) ケ&E
サ(サ) 耳ba&長b A
サ(シ) 耳ba サ&E
2 6 (ス) ∀z(~耳za→~長z&耳za→~鼻za) ケ&E
2 6 (セ) ~耳ba→~長b&耳ba→~鼻ba スUE
2 6 (ソ) 耳ba→~鼻ba ス&E
2 6 サ(タ) ~鼻ba シソMPP
12 6 サ(チ) ~長b キタMPP
12 6アサ(ツ) 長b&~長b イチ&I
12 6ア (テ) 長b&~長b コサツEE
12 6 (ト) 長b&~長b 9アテEE
123 (ナ) 長b&~長b 36トEE
12 (ニ)~∃x(象x&兎x) 3ナRAA
12 (ヌ)∀x~(象x&兎x) ニ量化子の関係
12 (ネ) ~(象a&兎a) ヌUE
12 (ノ) ~象a∨~兎a ネ、ド・モルガンの法則
12 (ハ) 象a→~兎a ノ含意の定義
12 (ヒ)∀x(象x→~兎x) ハUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ハUI
12 (〃)兎は象ではない(Rabbits cannot be elephants)。 ハUI
従って、
(05)~(08)により、
(09)
① 象は鼻が長い。
といふ「日本語」に「相当」する、「すべての自然言語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
然るに、
(10)
② All elephants have long noses. And the other parts of the elephant are not long.
といふ「英語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 象は鼻が長い。
② All elephants have long noses. And the other parts of the elephant are not long.
といふ「日本語と英語」に「相当」する、「すべての自然言語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
従って、
(05)(11)により、
(12)
① すべての魚は尻尾をもっている。
② All fish have tails.
といふ「日本語と英語」に「相当」する、「すべての自然言語」は、
③ ∀x{魚x→∃y(尻尾yx)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
と「同時」に、
① 象は鼻が長い。
② All elephants have long noses. And the other parts of the elephant are not long.
といふ「日本語と英語」に「相当」する、「すべての自然言語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
といふ「述語論理式」に、「対応」する。
従って、
(01)(03)(04)(07)(08)(12)により、
(13)
(e)鯨は哺乳類である。ある魚は鯨である。すべての魚は尻尾をもっている。故にある魚の尻尾は哺乳類の尻尾である。
(g)象は鼻が長い。然るに、兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、兎は象でない。
といふ「論証(arguments)」を、「妥当(valid)」であるとする一方で、
(e)すべての魚は尻尾をもっている≡∀x{魚x→∃y(尻尾yx)}。
(g) 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「等式」を「否定」することは、『「論理(Logic)」そのものは、「すべての自然言語」に於いて、「共通」である。』といふことの、「否定」に、他ならない。
従って、
(14)
『「論理(Logic)」そのものは、「すべての自然言語」に於いて、「共通」である。』といふことを「否定」しないのであれば、
(e)すべての魚は尻尾をもっている≡∀x{魚x→∃y(尻尾yx)}。
(g) 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}
といふ「等式」を「否定」することは、出来ない。
然るに、
(15)
伝統的論理学を速水滉『論理学』(16)で代表させよう。わたしのもっているのが四十三年の第十九刷一万部中の一冊で、なお引続き刊行だろうから、前後かなり多く読者を持つ論理学書と考えられる。新興の記号論理学の方は、沢田充茂の『現代論理学入門』(62)を参照することにする(三上章、日本語の論理、1963年、4頁)。
従って、
(14)(15)により、
(16)
「三上章、日本語の論理、1963年」を書いた、三上章 先生が、
『「論理(Logic)」そのものは、「すべての自然言語」に於いて、「共通」である。』とするのであれば、三上章 先生は、
(e)魚は尻尾をもっている≡∀x{魚x→∃y(尻尾yx)}。
(g) 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「等式」を「否定」することは、出来ない。
然るに、
(17)
日本語には、「象は鼻が長い」や「日本は温泉が多い」など、「○○は××が……」のように二重に主語があるように見える文が多くあります。また、主語だけでなく、「この本は、父が買ってくれました」の「この本は」のように「買う」という動詞の目的語が「は」で示されているように見える文もあります。三上章のこの本は、そのような複雑な性質を持つ「…は…が…」の文(後にこの本の題名にちなんで「象鼻文」とよく呼ばれるようになりました)の性質を、助詞「は」の「代行」の性質を使って明確に説明することでわかりやすく解説していくものです(読書ガイド - 青山学院大学 文学部日本文学科 高校生のみなさんへ)。
従って、
(16)(17)により、
(18)
そのような複雑な性質を持つ「…は…が…」の文(後にこの本の題名にちなんで「象鼻文」とよく呼ばれるようになりました)の性質を、助詞「は」の「代行」の性質を使って明確に説明することでわかりやすく解説していくものです。
といふのであれば、その場合の 三上章 先生は、
(g)象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
といふ「等式」を、無視することは、あってはならない。
然るに、
(19)
「三上章、日本語の論理、1963年」等に、目を通す限り、三上章 先生は、
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
③ 象の鼻が長い≡∀x∃y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
④ 鼻は象が長い≡∀y∃x{(鼻yx&象x→長y)&(~象x&長y→~鼻yx)}。
といふ「等式」等に、気付いては、ゐない。
(20)
日常言語の文から述語計算の文の翻訳のためには、一般にあたまが柔軟であることが必要である。なんら確定的な規則があるわけでなく、量記号に十分に馴れるまでには、練習を積むことが必要である。そこに含まれている仕事は翻訳の仕事に違いないけれども、しかしそこへ翻訳が行われる形式言語は、自然言語のシンタックスとは幾らか違ったシンタックスをもっており、また限られた述語―論理的結合記号、変数、固有名、述語文字、および2つの量記号―しかももたない。その言語のおもな長所は、記法上の制限にもかかわらず、非常に広範な表現能力をもっていることである(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、130頁)。
従って、
(19)(20)により、
(21)
① 象は鼻は長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
③ 象の鼻が長い≡∀x∃y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}。
④ 鼻は象が長い≡∀y∃x{(鼻yx&象x)→長y&(~象x&長y)→~鼻yx}。
といふ「述語論理式」には、「なんら確定的な規則があるわけでなく、それが書けるようになるには、量記号に十分に馴れるまで、練習を積むことが必要である。」
令和02年06月24日、毛利太。
「象は鼻が長い」と「象の鼻が長い」の「述語論理」と「は」の「兼務」。
(01)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
3 (3) 象a A
13 (4) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 23MPP
13 (5) ∃y(鼻ya&長y) 4&E
6(6) 鼻ba&長b A
6(7) ~(~鼻ba∨~長b) 6ド・モルガンの法則
6(8) ~(鼻ba→~長b) 7含意の定義
6(9) ∃y~(鼻ya→~長y) 8EI
13 (ア) ∃y~(鼻ya→~長b) 569EE
13 (イ) ~∀y(鼻ya→~長b) ア量化子の関係
13 (ウ) ∀z(~鼻za→~長z) 4&E
13 (エ) ~鼻ca→~長c ウUE
13 (オ) 鼻ca∨~長c エ含意の定義
13 (カ) ~(~鼻ca& 長c) オ、ド・モルガンの法則
13 (キ) ∀z~(~鼻za& 長z) カUI
13 (ク) ~∃z(~鼻za& 長z) キ量化子の関係
13 (ケ) ~∀y(鼻ya→~長b)&~∃z(~鼻za& 長z) イク&I
13 (コ) ~{∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} ケ、ド・モルガンの法則
1 (サ) 象a→~{∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} 3コCP
1 (シ) ~象a∨~{∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} サ含意の定義
1 (ス) ~{象a&∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} シ、ド・モルガンの法則
1 (セ)∀x~{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} 1UI
1 (ソ)~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} セ量化子の関係
(ⅱ)
1 (1)~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} A
1 (2)∀x~{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} 1量化子の関係
1 (3) ~{象a&∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} 2UE
1 (4) ~象a∨~{∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} 3ド・モルガンの法則
1 (5) 象a→~{∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} 4含意の定義
6 (6) 象a A
16 (7) ~{∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} 56MPP
16 (8) ~∀y(鼻ya→~長y)&~∃z(~鼻za& 長z)} 7ド・モルガンの法則
16 (9) ~∀y(鼻ya→~長y) 8&E
16 (ア) ∃y~(鼻ya→~長y) 量化子の関係
イ(イ) ~(鼻ba→~長b) A
イ(ウ) ~(~鼻ba∨~長b) イ含意の定義
イ(エ) 鼻ba& 長b ウ、ド・モルガンの法則
イ(オ) ∃y(鼻ya& 長y) エEI
16 (カ) ∃y(鼻ya& 長y) アイオEE
16 (キ) ~∃z(~鼻za& 長z) 8&E
16 (ク) ∀z~(~鼻za& 長z) キ量化子の関係
16 (ケ) ~(~鼻ca& 長c) クUE
16 (コ) 鼻ca∨~長c ケ、ド・モルガンの法則
16 (サ) ~鼻ca→~長c コ、含意の定義
16 (シ) ∀z(~鼻za→~長z) サUI
16 (ス) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) カシ&I
1 (セ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 6スCP
1 (ソ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} セUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
② あるxについて{xは象であって、すべてのyについて、yがxの鼻であるならば、yは長くないか、または、あるzは、xの鼻以外であって、長いか、または、その両方である}といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
② あるxについて{xは象であって、すべてのyについて、yがxの鼻であるならば、yは長くないか、または、あるzは、xの鼻以外であって、長いか、または、その両方である}といふことはない。
といふことは、要するに、
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふことである。
然るに、
(04)
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象は、鼻は長い。
③ 象は、鼻も長い。
に於いて、
①=② ではないし、
①=③ でもない。
然るに、
(05)
① 象は、鼻が長い。
② 象は、鼻は長い。
③ 象は、鼻も長い。
に於いて、
② ではないし、
③ でもない。
といふことは、
① である。
といふことに、他ならない。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(07)
(ⅲ)
1 (1) ∀x∃y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y} A
1 (2) ∃y{(象a&鼻ya)→長y&(~象a&鼻ya)→~長y} 1UE
3 (3) (象a&鼻ba)→長b&(~象a&鼻ba)→~長b A
3 (4) ~(象a&鼻ba)∨長b 3&E
5 (5) ~(象a&鼻ba) A
5 (6) ~象a∨~鼻ba 5ド・モルガンの法則
5 (7) ~象a∨~鼻ba∨ 長b 6∨I
8 (8) 長b A
8 (9) ~象a∨~鼻ba∨ 長b 8∨I
3 (ア) ~象a∨~鼻ba∨ 長b 35789∨E
3 (イ) ~(象a&鼻ba&~長b) ア、ド・モルガンの法則
3 (ウ) (~象a&鼻ba)→~長b 3&E
3 (エ) ~(~象a&鼻ba)∨~長b ウ含意の定義
オ (オ) ~(~象a&鼻ba) A
オ (カ) 象a∨~鼻ba オ、ド・モルガンの法則
オ (キ) 象a∨~鼻ba∨ ~長b カ∨I
ク(ク) ~長b A
ク(ケ) 象a∨~鼻ba∨ ~長b ク∨I
3 (コ) 象a∨~鼻ba∨ ~長b エオキクケ∨E
3 (サ) ~(~象a&鼻ba&長b) コ、ド・モルガンの法則
3 (シ) ~(象a&鼻ba&~長b)&~(~象a&鼻ba&長b) イサ&I
3 (ス) ~{(象a&鼻ba&~長b)∨(~象a&鼻ba&長b)} シ、ド・モルガンの法則
3 (セ) ∃y~{(象a&鼻ya&~長y)∨(~象a&鼻ya&長y)} スEI
1 (ソ) ∃y~{(象a&鼻ya&~長y)∨(~象a&鼻ya&長y)} 23セEE
1 (タ) ~∀y{(象a&鼻ya&~長y)∨(~象a&鼻ya&長y)} ソ量化子の関係
1 (チ)∀x~∀y{(象x&鼻yx&~長y)∨(~象x&鼻yx&長y)} タUI
1 (ツ)~∃x∀y{(象x&鼻yx&~長y)∨(~象x&鼻yx&長y)} チ量化子の関係
(ⅳ)
1 (1)~∃x∀y{(象x&鼻yx&~長y)∨(~象x&鼻yx&長y)} A
1 (2)∀x~∀y{(象x&鼻yx&~長y)∨(~象x&鼻yx&長y)} 1量化子の関係
1 (3) ~∀y{(象a&鼻ya&~長y)∨(~象a&鼻ya&長y)} 2UE
1 (4) ∃y~{(象a&鼻ya&~長y)∨(~象a&鼻ya&長y)} 3量化子の関係
5 (5) ~{(象a&鼻ba&~長b)∨(~象a&鼻ba&長b)} A
5 (6) ~(象a&鼻ba&~長b)&~(~象a&鼻ba&長b) 5ド・モルガンの法則
5 (7) ~(象a&鼻ba&~長b) 6&E
5 (8) ~象a∨~象ba∨ 長b 7ド・モルガンの法則
5 (9) (~象a∨~象ba)∨長b 8結合法則
ア (ア) (~象a∨~象ba) A
ア (イ) ~(象a& 象ba) ア、ド・モルガンの法則
ア (ウ) ~(象a& 象ba)∨長b イ∨I
エ (エ) 長b A
エ (オ) ~(象a& 象ba)∨長b エ∨I
5 (カ) ~(象a& 象ba)∨長b 9アウエオ∨E
5 (キ) (象a& 鼻ba)→長b カ含意の定義
5 (ク) ~(~象a&鼻ba&長b) 6&E
5 (ケ) 象a∨~鼻ba∨~長b ク、ド・モルガンの法則
5 (コ) (象a∨~鼻ba)∨~長b ケ結合法則
サ (サ) (象a∨~鼻ba) A
サ (シ) ~(~象a& 鼻ba) サ、ド・モルガンの法則
サ (ス) ~(~象a& 鼻ba)∨~長b シ∨I
セ(セ) ~長b A
セ(ソ) ~(~象a& 鼻ba)∨~長b セ∨I
5 (タ) ~(~象a& 鼻ba)∨~長b コサスセソ∨E
5 (チ) (~象a& 鼻ba)→~長b タ含意の定義
5 (ツ) (象a&鼻ba)→長b&(~象a&鼻ba)→~長b キチ&I
5 (テ) ∃y{(象a&鼻ya)→長b&(~象a&鼻ya)→~長y} ツEI
1 (ナ) ∃y{(象a&鼻ya)→長b&(~象a&鼻ya)→~長y} 45テEE
1 (ニ) ∀x∃y{(象x&鼻yx)→長b&(~象x&鼻yx)→~長y} ナUI
従って、
(08)
③ ∀x∃y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}
④ ~∃x∀y{(象x&鼻yx&~長y)∨(~象x&鼻yx&長y)}
に於いて、すなはち、
③ すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であるならば、y(象の鼻)は長く、xが象ではなく、yがx(象以外)の鼻であるならば、y(象以外の鼻)は長くない}。
④ あるxとすべてのyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であって、y(象の鼻)は長くないか、または、xが象ではなく、yがx(象以外)の鼻であるならば、y(象以外の鼻)は長いか、または、その両方である}といふことはない。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(09)
③ すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であるならば、y(象の鼻)は長く、xが象ではなく、yがx(象以外)の鼻であるならば、y(象以外の鼻)は長くない}。
④ あるxとすべてのyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であって、y(象の鼻)は長くないか、または、xが象ではなく、yがx(象以外)の鼻であるならば、y(象以外の鼻)は長いか、または、その両方である}といふことはない。
といふことは、要するに、
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
② 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
といふことである。
然るに、
(10)
{象、兎、馬}であるならば、
{鼻は象が長い。}
{耳は兎が長い。}
{顔は馬が長い。}
然るに、
(11)
{鼻は象が長い。}
{耳は兎が長い。}
{顔は馬が長い。}
といふのであれば、
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
① 兎の耳は長く、兎の耳以外は長くない。
① 馬の顔は長く、馬の顔以外は長くない。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
といることは、例へば、
{象、兎、馬}を「対象」とする限り、
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
といふ「意味」である。
然るに、
(13)
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
② 象の鼻は長い。
③ 象の鼻も長い。
に於いて、
①=② ではないし、
①=③ でもない。
然るに、
(14)
① 象の鼻が長い。
② 象の鼻は長い。
③ 象の鼻も長い。
に於いて、
② ではないし、
③ でもない。
といふことは、
① である。
といふことに、他ならない。
従って、
(09)(13)(14)により、
(15)
① 象の鼻が長い。⇔
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。⇔
① ∀x∃y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}⇔
① すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であるならば、y(象の鼻)は長く、xが象ではなく、yがx(象以外)の鼻であるならば、y(象以外の鼻)は長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(06)(15)により、
(16)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「等式」が、成立し、
② 象の鼻が長い。⇔
② 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。⇔
② ∀x∃y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}⇔
② すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であるならば、y(象の鼻)は長く、xが象ではなく、yがx(象以外)の鼻であるならば、y(象以外の鼻)は長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(16)により、
(17)
① 象は鼻が長い≡象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象の鼻が長い≡象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(18)
new********さん2007/8/919:18:35
「象は鼻が長い」の主語は結局何なんでしょうか?
ベストアンサーに選ばれた回答
sid********さん 編集あり2007/8/1002:37:00
主語はありません。
「象は鼻が長い。」という文は、日本語という言語には主語は存在しないことを主張するために、三上章氏が使った例文のひとつです。
その趣旨を考えるなら、主語は存在しないのです。
「象の鼻が長いこと」を文にするとき、「象の鼻は長い。」という表現もできますが、「象」を主題にすれば「象は鼻が長い。」という文になります。
「象は」の助詞「は」は、文の題目を示すとともに、助詞「の」を兼務しています。
この「象は鼻が長い。」の文で、文の柱となるものは述語「長い」てあり、「象は」「鼻が」の両文節は、述語に対して同格の修飾語(連用修飾語)であると考えます。
(ヤフー!知恵袋)
然るに、
(18)により、
(19)
「象は鼻が長い。」という文は、「象は」の助詞「は」は、文の題目を示すとともに、助詞「の」を兼務しています。
といふのであれば、
① 象は鼻が長い≡象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象の鼻が長い≡象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② でなければ、ならない、はずである。
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
① 象は鼻が長い≡象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象の鼻が長い≡象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② ではない。
といふことからすれば、
「象は鼻が長い。」という文は、「象は」の助詞「は」は、文の題目を示すとともに、助詞「の」を兼務しています。
といふことには、ならない。
(21)
「象の鼻が長いこと」に於ける、
「象の鼻が」の「が」は、
「君が行く道」等の「が」と同じく、
「連体修飾語」に於ける「が」である。
従って、
(18)(21)により、
(22)
「象の鼻が長い。」 に於ける「が」と、
「象の鼻が長いこと。」に於ける「が」は、「同じ」ではない。
令和02年06月24日、毛利太。
(ⅰ)
1 (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
3 (3) 象a A
13 (4) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 23MPP
13 (5) ∃y(鼻ya&長y) 4&E
6(6) 鼻ba&長b A
6(7) ~(~鼻ba∨~長b) 6ド・モルガンの法則
6(8) ~(鼻ba→~長b) 7含意の定義
6(9) ∃y~(鼻ya→~長y) 8EI
13 (ア) ∃y~(鼻ya→~長b) 569EE
13 (イ) ~∀y(鼻ya→~長b) ア量化子の関係
13 (ウ) ∀z(~鼻za→~長z) 4&E
13 (エ) ~鼻ca→~長c ウUE
13 (オ) 鼻ca∨~長c エ含意の定義
13 (カ) ~(~鼻ca& 長c) オ、ド・モルガンの法則
13 (キ) ∀z~(~鼻za& 長z) カUI
13 (ク) ~∃z(~鼻za& 長z) キ量化子の関係
13 (ケ) ~∀y(鼻ya→~長b)&~∃z(~鼻za& 長z) イク&I
13 (コ) ~{∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} ケ、ド・モルガンの法則
1 (サ) 象a→~{∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} 3コCP
1 (シ) ~象a∨~{∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} サ含意の定義
1 (ス) ~{象a&∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} シ、ド・モルガンの法則
1 (セ)∀x~{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} 1UI
1 (ソ)~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} セ量化子の関係
(ⅱ)
1 (1)~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} A
1 (2)∀x~{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} 1量化子の関係
1 (3) ~{象a&∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} 2UE
1 (4) ~象a∨~{∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} 3ド・モルガンの法則
1 (5) 象a→~{∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} 4含意の定義
6 (6) 象a A
16 (7) ~{∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z)} 56MPP
16 (8) ~∀y(鼻ya→~長y)&~∃z(~鼻za& 長z)} 7ド・モルガンの法則
16 (9) ~∀y(鼻ya→~長y) 8&E
16 (ア) ∃y~(鼻ya→~長y) 量化子の関係
イ(イ) ~(鼻ba→~長b) A
イ(ウ) ~(~鼻ba∨~長b) イ含意の定義
イ(エ) 鼻ba& 長b ウ、ド・モルガンの法則
イ(オ) ∃y(鼻ya& 長y) エEI
16 (カ) ∃y(鼻ya& 長y) アイオEE
16 (キ) ~∃z(~鼻za& 長z) 8&E
16 (ク) ∀z~(~鼻za& 長z) キ量化子の関係
16 (ケ) ~(~鼻ca& 長c) クUE
16 (コ) 鼻ca∨~長c ケ、ド・モルガンの法則
16 (サ) ~鼻ca→~長c コ、含意の定義
16 (シ) ∀z(~鼻za→~長z) サUI
16 (ス) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) カシ&I
1 (セ) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 6スCP
1 (ソ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} セUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
② あるxについて{xは象であって、すべてのyについて、yがxの鼻であるならば、yは長くないか、または、あるzは、xの鼻以外であって、長いか、または、その両方である}といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
② あるxについて{xは象であって、すべてのyについて、yがxの鼻であるならば、yは長くないか、または、あるzは、xの鼻以外であって、長いか、または、その両方である}といふことはない。
といふことは、要するに、
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
といふことである。
然るに、
(04)
① 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象は、鼻は長い。
③ 象は、鼻も長い。
に於いて、
①=② ではないし、
①=③ でもない。
然るに、
(05)
① 象は、鼻が長い。
② 象は、鼻は長い。
③ 象は、鼻も長い。
に於いて、
② ではないし、
③ でもない。
といふことは、
① である。
といふことに、他ならない。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(07)
(ⅲ)
1 (1) ∀x∃y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y} A
1 (2) ∃y{(象a&鼻ya)→長y&(~象a&鼻ya)→~長y} 1UE
3 (3) (象a&鼻ba)→長b&(~象a&鼻ba)→~長b A
3 (4) ~(象a&鼻ba)∨長b 3&E
5 (5) ~(象a&鼻ba) A
5 (6) ~象a∨~鼻ba 5ド・モルガンの法則
5 (7) ~象a∨~鼻ba∨ 長b 6∨I
8 (8) 長b A
8 (9) ~象a∨~鼻ba∨ 長b 8∨I
3 (ア) ~象a∨~鼻ba∨ 長b 35789∨E
3 (イ) ~(象a&鼻ba&~長b) ア、ド・モルガンの法則
3 (ウ) (~象a&鼻ba)→~長b 3&E
3 (エ) ~(~象a&鼻ba)∨~長b ウ含意の定義
オ (オ) ~(~象a&鼻ba) A
オ (カ) 象a∨~鼻ba オ、ド・モルガンの法則
オ (キ) 象a∨~鼻ba∨ ~長b カ∨I
ク(ク) ~長b A
ク(ケ) 象a∨~鼻ba∨ ~長b ク∨I
3 (コ) 象a∨~鼻ba∨ ~長b エオキクケ∨E
3 (サ) ~(~象a&鼻ba&長b) コ、ド・モルガンの法則
3 (シ) ~(象a&鼻ba&~長b)&~(~象a&鼻ba&長b) イサ&I
3 (ス) ~{(象a&鼻ba&~長b)∨(~象a&鼻ba&長b)} シ、ド・モルガンの法則
3 (セ) ∃y~{(象a&鼻ya&~長y)∨(~象a&鼻ya&長y)} スEI
1 (ソ) ∃y~{(象a&鼻ya&~長y)∨(~象a&鼻ya&長y)} 23セEE
1 (タ) ~∀y{(象a&鼻ya&~長y)∨(~象a&鼻ya&長y)} ソ量化子の関係
1 (チ)∀x~∀y{(象x&鼻yx&~長y)∨(~象x&鼻yx&長y)} タUI
1 (ツ)~∃x∀y{(象x&鼻yx&~長y)∨(~象x&鼻yx&長y)} チ量化子の関係
(ⅳ)
1 (1)~∃x∀y{(象x&鼻yx&~長y)∨(~象x&鼻yx&長y)} A
1 (2)∀x~∀y{(象x&鼻yx&~長y)∨(~象x&鼻yx&長y)} 1量化子の関係
1 (3) ~∀y{(象a&鼻ya&~長y)∨(~象a&鼻ya&長y)} 2UE
1 (4) ∃y~{(象a&鼻ya&~長y)∨(~象a&鼻ya&長y)} 3量化子の関係
5 (5) ~{(象a&鼻ba&~長b)∨(~象a&鼻ba&長b)} A
5 (6) ~(象a&鼻ba&~長b)&~(~象a&鼻ba&長b) 5ド・モルガンの法則
5 (7) ~(象a&鼻ba&~長b) 6&E
5 (8) ~象a∨~象ba∨ 長b 7ド・モルガンの法則
5 (9) (~象a∨~象ba)∨長b 8結合法則
ア (ア) (~象a∨~象ba) A
ア (イ) ~(象a& 象ba) ア、ド・モルガンの法則
ア (ウ) ~(象a& 象ba)∨長b イ∨I
エ (エ) 長b A
エ (オ) ~(象a& 象ba)∨長b エ∨I
5 (カ) ~(象a& 象ba)∨長b 9アウエオ∨E
5 (キ) (象a& 鼻ba)→長b カ含意の定義
5 (ク) ~(~象a&鼻ba&長b) 6&E
5 (ケ) 象a∨~鼻ba∨~長b ク、ド・モルガンの法則
5 (コ) (象a∨~鼻ba)∨~長b ケ結合法則
サ (サ) (象a∨~鼻ba) A
サ (シ) ~(~象a& 鼻ba) サ、ド・モルガンの法則
サ (ス) ~(~象a& 鼻ba)∨~長b シ∨I
セ(セ) ~長b A
セ(ソ) ~(~象a& 鼻ba)∨~長b セ∨I
5 (タ) ~(~象a& 鼻ba)∨~長b コサスセソ∨E
5 (チ) (~象a& 鼻ba)→~長b タ含意の定義
5 (ツ) (象a&鼻ba)→長b&(~象a&鼻ba)→~長b キチ&I
5 (テ) ∃y{(象a&鼻ya)→長b&(~象a&鼻ya)→~長y} ツEI
1 (ナ) ∃y{(象a&鼻ya)→長b&(~象a&鼻ya)→~長y} 45テEE
1 (ニ) ∀x∃y{(象x&鼻yx)→長b&(~象x&鼻yx)→~長y} ナUI
従って、
(08)
③ ∀x∃y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}
④ ~∃x∀y{(象x&鼻yx&~長y)∨(~象x&鼻yx&長y)}
に於いて、すなはち、
③ すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であるならば、y(象の鼻)は長く、xが象ではなく、yがx(象以外)の鼻であるならば、y(象以外の鼻)は長くない}。
④ あるxとすべてのyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であって、y(象の鼻)は長くないか、または、xが象ではなく、yがx(象以外)の鼻であるならば、y(象以外の鼻)は長いか、または、その両方である}といふことはない。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(09)
③ すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であるならば、y(象の鼻)は長く、xが象ではなく、yがx(象以外)の鼻であるならば、y(象以外の鼻)は長くない}。
④ あるxとすべてのyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であって、y(象の鼻)は長くないか、または、xが象ではなく、yがx(象以外)の鼻であるならば、y(象以外の鼻)は長いか、または、その両方である}といふことはない。
といふことは、要するに、
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
② 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
といふことである。
然るに、
(10)
{象、兎、馬}であるならば、
{鼻は象が長い。}
{耳は兎が長い。}
{顔は馬が長い。}
然るに、
(11)
{鼻は象が長い。}
{耳は兎が長い。}
{顔は馬が長い。}
といふのであれば、
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
① 兎の耳は長く、兎の耳以外は長くない。
① 馬の顔は長く、馬の顔以外は長くない。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
といることは、例へば、
{象、兎、馬}を「対象」とする限り、
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
といふ「意味」である。
然るに、
(13)
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
② 象の鼻は長い。
③ 象の鼻も長い。
に於いて、
①=② ではないし、
①=③ でもない。
然るに、
(14)
① 象の鼻が長い。
② 象の鼻は長い。
③ 象の鼻も長い。
に於いて、
② ではないし、
③ でもない。
といふことは、
① である。
といふことに、他ならない。
従って、
(09)(13)(14)により、
(15)
① 象の鼻が長い。⇔
① 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。⇔
① ∀x∃y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}⇔
① すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であるならば、y(象の鼻)は長く、xが象ではなく、yがx(象以外)の鼻であるならば、y(象以外の鼻)は長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(06)(15)により、
(16)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
といふ「等式」が、成立し、
② 象の鼻が長い。⇔
② 象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。⇔
② ∀x∃y{(象x&鼻yx)→長y&(~象x&鼻yx)→~長y}⇔
② すべてのxとあるyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であるならば、y(象の鼻)は長く、xが象ではなく、yがx(象以外)の鼻であるならば、y(象以外の鼻)は長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(16)により、
(17)
① 象は鼻が長い≡象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象の鼻が長い≡象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(18)
new********さん2007/8/919:18:35
「象は鼻が長い」の主語は結局何なんでしょうか?
ベストアンサーに選ばれた回答
sid********さん 編集あり2007/8/1002:37:00
主語はありません。
「象は鼻が長い。」という文は、日本語という言語には主語は存在しないことを主張するために、三上章氏が使った例文のひとつです。
その趣旨を考えるなら、主語は存在しないのです。
「象の鼻が長いこと」を文にするとき、「象の鼻は長い。」という表現もできますが、「象」を主題にすれば「象は鼻が長い。」という文になります。
「象は」の助詞「は」は、文の題目を示すとともに、助詞「の」を兼務しています。
この「象は鼻が長い。」の文で、文の柱となるものは述語「長い」てあり、「象は」「鼻が」の両文節は、述語に対して同格の修飾語(連用修飾語)であると考えます。
(ヤフー!知恵袋)
然るに、
(18)により、
(19)
「象は鼻が長い。」という文は、「象は」の助詞「は」は、文の題目を示すとともに、助詞「の」を兼務しています。
といふのであれば、
① 象は鼻が長い≡象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象の鼻が長い≡象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② でなければ、ならない、はずである。
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
① 象は鼻が長い≡象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象の鼻が長い≡象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② ではない。
といふことからすれば、
「象は鼻が長い。」という文は、「象は」の助詞「は」は、文の題目を示すとともに、助詞「の」を兼務しています。
といふことには、ならない。
(21)
「象の鼻が長いこと」に於ける、
「象の鼻が」の「が」は、
「君が行く道」等の「が」と同じく、
「連体修飾語」に於ける「が」である。
従って、
(18)(21)により、
(22)
「象の鼻が長い。」 に於ける「が」と、
「象の鼻が長いこと。」に於ける「が」は、「同じ」ではない。
令和02年06月24日、毛利太。
2020年6月23日火曜日
「象は鼻が長い、といふわけではない。」と「鼻は象が長い、といふわけではない。」の「述語論理」。
(01)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
に於いて、
LET 鼻=耳
LET 象=鼻
LET 耳=鼻
といふ「置換(Replacement)」を行ふと、
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外は長くない。⇔
① ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが鼻であるならば、あるyはxの象であって、長く、すべてのzについて、zがxの象でないならば、zは長くない}。
然るに、
(02)
① すべてのxについて、xが鼻であるならば、あるyはxの象である。
といふのであれば、
① あるyは鼻の象である。
といふことになるが、「鼻の象」は、「意味不明」である。
然るに、
(03)
① ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)}
ではなく、
① ∀x{鼻x→∃y(象xy&長y)}
とした場合も、
① すべてのxについて、xが鼻であるならば、あるx(鼻)はyの象である。
となって、これも「ダメ」である。
然るに、
(04)
③ 鼻は象が長い。⇔
③ 鼻は象は長く、象以外は長くない。⇔
③ ∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}⇔
③ すべてのxと、あるyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であるならば、yは長く、xが象ではなくて、yがx(象以外)の鼻であるならば、yは長くない}。
となるため、「OK」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 鼻は象が長い≡∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。
であるため、「論理形式(logical forms)」としては、「同じ」ではないが、
① 象は鼻が長い≡象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
③ 鼻は象が長い≡鼻は象は長く、象以外は長くない。
であるため、「日本語の形式」としては、両方とも、
① AはBがCである≡AはBはCであり、B以外はCではない。
③ AはBがCである≡AはBはCであり、B以外はCではない。
であるため、「変り」が無い。
然るに、
(06)
① 象は鼻が長い、といふわけではない≡~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 鼻は象が長い、といふわけではない≡~∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。
を「計算」すると、
(ⅰ)
1 (1)~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 1量化子の関係
3 (3) ~{象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} A
3 (4) ~{~象a∨∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} 3含意の定義
3 (5) 象a&~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] 4ド・モルガンの法則
3 (6) 象a 5&E
3 (7) ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] 5&E
3 (8) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) 7ド・モルガンの法則
9 (9) ~∃y(鼻ya&長y) A
9 (ア) ∀y~(鼻ya&長y) 9量化子の関係
9 (イ) ~(鼻ba&長b) アUE
9 (ウ) ~鼻ba∨~長b イ、ド・モルガンの法則
9 (エ) 鼻ba→~長b ウ含意の定義
9 (オ) ∀y(鼻ya→~長y) エUI
9 (カ) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) オ∨I
キ (キ) ~∀z(~鼻za→~長z) A
キ (ク) ∃z~(~鼻za→~長z) キ量化子の関係
ケ(ケ) ~(~鼻ca→~長c) A
ケ(コ) ~(鼻ca∨~長c) ケ含意の定義
ケ(サ) ~鼻ca& 長c コ、ド・モルガンの法則
ケ(シ) ∃z(~鼻za& 長z) サEI
キ (ス) ∃z(~鼻za& 長z) キケシEE
キ (セ) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) キEI
3 (ソ) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) 39カキセ∨E
3 (タ) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) 3ソ&I
3 (チ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} タEI
1 (ツ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} 23チEE
(ⅱ)
1 (1) ∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} A
2 (2) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) A
2 (3) 象a 2&E
2 (4) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) 2&E
5 (5) ∀y(鼻ya→~長y) A
5 (6) 鼻ba→~長b 5UE
5 (7) ~鼻ba∨~長b 6含意の定義
5 (8) ~(鼻ba& 長b) 7含意の定義
5 (9) ∀y~(鼻ya& 長y) 8UI
5 (ア) ~∃y(鼻ya& 長y) 9量化子の関係
5 (イ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) ア∨I
ウ (ウ) ∃z(~鼻za& 長z) A
エ(エ) ~鼻ca& 長c A
エ(オ) ~(鼻ca∨~長c) エ、ド・モルガンの法則
エ(カ) ~(~鼻ca→~長c) オ含意の定義
エ(キ) ∃z~(~鼻za→~長z) カEI
ウ (ク) ∃z~(~鼻za→~長z) ウエキEE
ウ (ケ) ~∀z(~鼻za→~長z) ク量化子の関係
ウ (コ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) ケ∨I
2 (サ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) 45イウコ∨I
2 (シ) ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] サ、ド・モルガンの法則
2 (ス) 象a&~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] 3シ&I
2 (セ) ~{~象a∨∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} ス、ド・モルガンの法則
2 (ソ) ~{象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} セ含意の定義
2 (タ)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} ソEI
1 (チ)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 12タEE
1 (ツ)~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} チUI
(ⅲ)
1 (1) ~∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)} A
1 (2) ∃x~∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)} 1量化子の関係
1 (3) ∃x∀y~{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)} 2量化子の関係
4 (4) ∀y~{(象a&鼻ya→長y)&(~象a&鼻ya→~長y)} A
4 (5) ~{(象a&鼻ba→長b)&(~象a&鼻ba→~長b)} 4UE
4 (6) ~(象a&鼻ba→長b)∨~(~象a&鼻ba→~長b) 5ド・モルガンの法則
7 (7) ~(象a&鼻ba→長b) A
7 (8) ~[~(象a&鼻ba)∨長b)] 7含意の定義
7 (9) (象a&鼻ba)&~長b 8ド・モルガンの法則
7 (ア) [(象a&鼻ba)&~長b]∨[(~象a&鼻ba)&~長b] 9∨I
イ(イ) ~(~象a&鼻ba→~長b) A
イ(ウ) ~[~(~象a&鼻ba)∨~長b] ア含意の定義
イ(エ) (~象a&鼻ba)&長b ウ、ド・モルガンの法則
イ(オ) [(象a&鼻ba)&~長b]∨[(~象a&鼻ba)&長b] エ∨I
4 (カ) [(象a&鼻ba)&~長b]∨[(~象a&鼻ba)&長b] 67アイオ∨E
4 (キ) ∀y{[(象a&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]} カUI
4 (ク)∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]} キEI
1 (ケ)∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]} 34クEE
(ⅳ)
1 (1)∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]} A
2 (2) ∀y{[(象a&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]} A
2 (3) [(象a&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y] 2UE
4 (4) [(象a&鼻yx)&~長y] A
4 (5) ~[~(象a&鼻yx)∨ 長y] 4ド・モルガンの法則
4 (6) ~(象a&鼻ba→長b) 5含意の定義
4 (7) ~(象a&鼻ba→長b)∨~(~象a&鼻ba→~長b) 6∨I
8(8) [(~象x&鼻yx)&長y] A
8(9) ~[~(~象x&鼻yx)∨~長y] 8ド・モルガンの法則
8(ア) ~(~象a&鼻ba→~長b) 9含意の定義
8(イ) ~(象a&鼻ba→長b)∨~(~象a&鼻ba→~長b) ア∨I
2 (ウ) ~(象a&鼻ba→長b)∨~(~象a&鼻ba→~長b) 2478イ∨E
2 (エ) ~{(象a&鼻ba→長b)&(~象a&鼻ba→~長b)} ウ、ド・モルガンの法則
2 (オ) ∀y~{(象a&鼻ba→長b)&(~象a&鼻ba→~長b)} エUI
2 (カ)∃x∀y~{(象a&鼻ba→長b)&(~象a&鼻ba→~長b)} オEI
1 (キ)∃x∀y~{(象a&鼻ba→長b)&(~象a&鼻ba→~長b)} 12カEE
従って、
(06)により、
(07)
① ~∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ~∀x∃y{ (象x&鼻yx→ 長y)& (~象x&鼻yx→~長y)}
④ ∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]}
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(07)により、
(08)
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}といふわけではない。
② あるxについて{xは象であって、すべてのyについて、yがxの鼻ならば、yは長くないか、または、あるzはxの鼻ではないが、長いか、または、その両方である}。
③ すべてのxと、あるyについて{xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長く、xが象ではなくて、yがxの鼻であるならば、yは長くない}といふわけではない。
④ あるxと、すべてのyについて{xは象であって、yはxの鼻であって、yは長くないか、または、xは象でなくて、yはxの鼻であって、yは長いか、または、その両方である}。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
然るに、
(09)
② あるxについて{xは象であって、すべてのyについて、yがxの鼻ならば、yは長くないか、または、あるzはxの鼻ではないが、長いか、または、その両方である}。
④ あるxと、すべてのyについて{xは象であって、yはxの鼻であって、yは長くないか、または、xは象でなくて、yはxの鼻であって、yは長いか、または、その両方である}。
といふことは、それぞれ、
② 鼻が長くない象か、または、鼻以外が長い象か、または、鼻が長くなくて鼻以外も長い象が、存在する。
④ 鼻が長くない象か、または、象ではないが鼻が長い動物か、または、その両方が、存在する。
といふ「意味」である。
然るに、
(07)により、
(10)
① ~~∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ~~∀x∃y{ (象x&鼻yx→ 長y)& (~象x&鼻yx→~長y)}
④ ~∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]}
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(10)により、
(11)
「二重否定律(DN)」により、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x∃y{ (象x&鼻yx→ 長y)& (~象x&鼻yx→~長y)}
④ ~∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]}
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(09)(11)により、
(12)
② ~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}
④ ~∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]}
といふ「述語論理式」は、
② 鼻が長くない象か、または、鼻以外が長い象か、または、鼻が長くなくて鼻以外も長い象は、存在しない。
④ 鼻が長くない象か、または、象ではないが鼻が長い動物か、または、その両方とも、存在しない。
といふ「意味」である。
然るに、
(13)
② 鼻が長くない象か、または、鼻以外が長い象か、または、鼻が長くなくて鼻以外も長い象は、存在しない。
④ 鼻が長くない象か、または、象ではないが鼻が長い動物か、または、その両方とも、存在しない。
といふことは、要するに、
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
④ 鼻は、象は長く、象以外は長くない。
といふことである。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
① 象は鼻が長い≡象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
③ 鼻は象が長い≡鼻は、象は長く、象以外は長くない。
といふ「等式」が、成立する。
令和02年06月23日、毛利太。
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。
に於いて、
LET 鼻=耳
LET 象=鼻
LET 耳=鼻
といふ「置換(Replacement)」を行ふと、
① 鼻は象が長い。⇔
① 鼻は象は長く、象以外は長くない。⇔
① ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて{xが鼻であるならば、あるyはxの象であって、長く、すべてのzについて、zがxの象でないならば、zは長くない}。
然るに、
(02)
① すべてのxについて、xが鼻であるならば、あるyはxの象である。
といふのであれば、
① あるyは鼻の象である。
といふことになるが、「鼻の象」は、「意味不明」である。
然るに、
(03)
① ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)}
ではなく、
① ∀x{鼻x→∃y(象xy&長y)}
とした場合も、
① すべてのxについて、xが鼻であるならば、あるx(鼻)はyの象である。
となって、これも「ダメ」である。
然るに、
(04)
③ 鼻は象が長い。⇔
③ 鼻は象は長く、象以外は長くない。⇔
③ ∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}⇔
③ すべてのxと、あるyについて{xが象であって、yがx(象)の鼻であるならば、yは長く、xが象ではなくて、yがx(象以外)の鼻であるならば、yは長くない}。
となるため、「OK」である。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 象は鼻が長い≡∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 鼻は象が長い≡∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。
であるため、「論理形式(logical forms)」としては、「同じ」ではないが、
① 象は鼻が長い≡象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
③ 鼻は象が長い≡鼻は象は長く、象以外は長くない。
であるため、「日本語の形式」としては、両方とも、
① AはBがCである≡AはBはCであり、B以外はCではない。
③ AはBがCである≡AはBはCであり、B以外はCではない。
であるため、「変り」が無い。
然るに、
(06)
① 象は鼻が長い、といふわけではない≡~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ 鼻は象が長い、といふわけではない≡~∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}。
を「計算」すると、
(ⅰ)
1 (1)~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 1量化子の関係
3 (3) ~{象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} A
3 (4) ~{~象a∨∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} 3含意の定義
3 (5) 象a&~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] 4ド・モルガンの法則
3 (6) 象a 5&E
3 (7) ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] 5&E
3 (8) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) 7ド・モルガンの法則
9 (9) ~∃y(鼻ya&長y) A
9 (ア) ∀y~(鼻ya&長y) 9量化子の関係
9 (イ) ~(鼻ba&長b) アUE
9 (ウ) ~鼻ba∨~長b イ、ド・モルガンの法則
9 (エ) 鼻ba→~長b ウ含意の定義
9 (オ) ∀y(鼻ya→~長y) エUI
9 (カ) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) オ∨I
キ (キ) ~∀z(~鼻za→~長z) A
キ (ク) ∃z~(~鼻za→~長z) キ量化子の関係
ケ(ケ) ~(~鼻ca→~長c) A
ケ(コ) ~(鼻ca∨~長c) ケ含意の定義
ケ(サ) ~鼻ca& 長c コ、ド・モルガンの法則
ケ(シ) ∃z(~鼻za& 長z) サEI
キ (ス) ∃z(~鼻za& 長z) キケシEE
キ (セ) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) キEI
3 (ソ) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) 39カキセ∨E
3 (タ) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) 3ソ&I
3 (チ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} タEI
1 (ツ)∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} 23チEE
(ⅱ)
1 (1) ∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)} A
2 (2) 象a&∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) A
2 (3) 象a 2&E
2 (4) ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長z) 2&E
5 (5) ∀y(鼻ya→~長y) A
5 (6) 鼻ba→~長b 5UE
5 (7) ~鼻ba∨~長b 6含意の定義
5 (8) ~(鼻ba& 長b) 7含意の定義
5 (9) ∀y~(鼻ya& 長y) 8UI
5 (ア) ~∃y(鼻ya& 長y) 9量化子の関係
5 (イ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) ア∨I
ウ (ウ) ∃z(~鼻za& 長z) A
エ(エ) ~鼻ca& 長c A
エ(オ) ~(鼻ca∨~長c) エ、ド・モルガンの法則
エ(カ) ~(~鼻ca→~長c) オ含意の定義
エ(キ) ∃z~(~鼻za→~長z) カEI
ウ (ク) ∃z~(~鼻za→~長z) ウエキEE
ウ (ケ) ~∀z(~鼻za→~長z) ク量化子の関係
ウ (コ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) ケ∨I
2 (サ) ~∃y(鼻ya&長y)∨~∀z(~鼻za→~長z) 45イウコ∨I
2 (シ) ~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] サ、ド・モルガンの法則
2 (ス) 象a&~[∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)] 3シ&I
2 (セ) ~{~象a∨∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} ス、ド・モルガンの法則
2 (ソ) ~{象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)} セ含意の定義
2 (タ)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} ソEI
1 (チ)∃x~{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} 12タEE
1 (ツ)~∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} チUI
(ⅲ)
1 (1) ~∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)} A
1 (2) ∃x~∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)} 1量化子の関係
1 (3) ∃x∀y~{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)} 2量化子の関係
4 (4) ∀y~{(象a&鼻ya→長y)&(~象a&鼻ya→~長y)} A
4 (5) ~{(象a&鼻ba→長b)&(~象a&鼻ba→~長b)} 4UE
4 (6) ~(象a&鼻ba→長b)∨~(~象a&鼻ba→~長b) 5ド・モルガンの法則
7 (7) ~(象a&鼻ba→長b) A
7 (8) ~[~(象a&鼻ba)∨長b)] 7含意の定義
7 (9) (象a&鼻ba)&~長b 8ド・モルガンの法則
7 (ア) [(象a&鼻ba)&~長b]∨[(~象a&鼻ba)&~長b] 9∨I
イ(イ) ~(~象a&鼻ba→~長b) A
イ(ウ) ~[~(~象a&鼻ba)∨~長b] ア含意の定義
イ(エ) (~象a&鼻ba)&長b ウ、ド・モルガンの法則
イ(オ) [(象a&鼻ba)&~長b]∨[(~象a&鼻ba)&長b] エ∨I
4 (カ) [(象a&鼻ba)&~長b]∨[(~象a&鼻ba)&長b] 67アイオ∨E
4 (キ) ∀y{[(象a&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]} カUI
4 (ク)∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]} キEI
1 (ケ)∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]} 34クEE
(ⅳ)
1 (1)∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]} A
2 (2) ∀y{[(象a&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]} A
2 (3) [(象a&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y] 2UE
4 (4) [(象a&鼻yx)&~長y] A
4 (5) ~[~(象a&鼻yx)∨ 長y] 4ド・モルガンの法則
4 (6) ~(象a&鼻ba→長b) 5含意の定義
4 (7) ~(象a&鼻ba→長b)∨~(~象a&鼻ba→~長b) 6∨I
8(8) [(~象x&鼻yx)&長y] A
8(9) ~[~(~象x&鼻yx)∨~長y] 8ド・モルガンの法則
8(ア) ~(~象a&鼻ba→~長b) 9含意の定義
8(イ) ~(象a&鼻ba→長b)∨~(~象a&鼻ba→~長b) ア∨I
2 (ウ) ~(象a&鼻ba→長b)∨~(~象a&鼻ba→~長b) 2478イ∨E
2 (エ) ~{(象a&鼻ba→長b)&(~象a&鼻ba→~長b)} ウ、ド・モルガンの法則
2 (オ) ∀y~{(象a&鼻ba→長b)&(~象a&鼻ba→~長b)} エUI
2 (カ)∃x∀y~{(象a&鼻ba→長b)&(~象a&鼻ba→~長b)} オEI
1 (キ)∃x∀y~{(象a&鼻ba→長b)&(~象a&鼻ba→~長b)} 12カEE
従って、
(06)により、
(07)
① ~∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ~∀x∃y{ (象x&鼻yx→ 長y)& (~象x&鼻yx→~長y)}
④ ∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]}
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(07)により、
(08)
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}といふわけではない。
② あるxについて{xは象であって、すべてのyについて、yがxの鼻ならば、yは長くないか、または、あるzはxの鼻ではないが、長いか、または、その両方である}。
③ すべてのxと、あるyについて{xが象であって、yがxの鼻であるならば、yは長く、xが象ではなくて、yがxの鼻であるならば、yは長くない}といふわけではない。
④ あるxと、すべてのyについて{xは象であって、yはxの鼻であって、yは長くないか、または、xは象でなくて、yはxの鼻であって、yは長いか、または、その両方である}。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
然るに、
(09)
② あるxについて{xは象であって、すべてのyについて、yがxの鼻ならば、yは長くないか、または、あるzはxの鼻ではないが、長いか、または、その両方である}。
④ あるxと、すべてのyについて{xは象であって、yはxの鼻であって、yは長くないか、または、xは象でなくて、yはxの鼻であって、yは長いか、または、その両方である}。
といふことは、それぞれ、
② 鼻が長くない象か、または、鼻以外が長い象か、または、鼻が長くなくて鼻以外も長い象が、存在する。
④ 鼻が長くない象か、または、象ではないが鼻が長い動物か、または、その両方が、存在する。
といふ「意味」である。
然るに、
(07)により、
(10)
① ~~∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ~~∀x∃y{ (象x&鼻yx→ 長y)& (~象x&鼻yx→~長y)}
④ ~∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]}
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(10)により、
(11)
「二重否定律(DN)」により、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}
③ ∀x∃y{ (象x&鼻yx→ 長y)& (~象x&鼻yx→~長y)}
④ ~∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]}
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(09)(11)により、
(12)
② ~∃x{象x&∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)}
④ ~∃x∀y{[(象x&鼻yx)&~長y]∨[(~象x&鼻yx)&長y]}
といふ「述語論理式」は、
② 鼻が長くない象か、または、鼻以外が長い象か、または、鼻が長くなくて鼻以外も長い象は、存在しない。
④ 鼻が長くない象か、または、象ではないが鼻が長い動物か、または、その両方とも、存在しない。
といふ「意味」である。
然るに、
(13)
② 鼻が長くない象か、または、鼻以外が長い象か、または、鼻が長くなくて鼻以外も長い象は、存在しない。
④ 鼻が長くない象か、または、象ではないが鼻が長い動物か、または、その両方とも、存在しない。
といふことは、要するに、
② 象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
④ 鼻は、象は長く、象以外は長くない。
といふことである。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
① 象は鼻が長い≡象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
③ 鼻は象が長い≡鼻は、象は長く、象以外は長くない。
といふ「等式」が、成立する。
令和02年06月23日、毛利太。
「量化子(quantifiers)の関係(Ⅱ)」。
(01)
{すべての人}≡{a、b、c、d}
であるとして、
① aは{b、c、d}の中の誰かを愛さない。
② bは{a、c、d}の中の誰かを愛さない。
③ cは{a、b、d}の中の誰かを愛さない。
④ dは{a、b、c}の中の誰かを愛さない。
とするならば、
(ⅰ)すべての人は、ある人を愛さない。
然るに、
(02)
{すべての人}≡{a、b、c、d、e}
であるとして、
① aは{b、c、d、e}の中の誰かを愛さない。
② bは{a、c、d、e}の中の誰かを愛さない。
③ cは{a、b、d、e}の中の誰かを愛さない。
④ dは{a、b、c、e}の中の誰かを愛さない。
⑤ eは{a、b、c、e}の中の、すべての人を愛す。
といふのであれば、
(ⅱ)ある人(e)は、すべての人を愛す。
然るに、
(03)
(ⅰ)すべての人は、ある人を愛さない。
(ⅱ)ある人は、すべての人を愛す。
に於いて、
(ⅰ)と(ⅱ)は「矛盾」する。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)すべての人は、ある人を愛さない。
(ⅱ)ある人は、すべての人を愛す。
に於いて、
(ⅰ)の「否定」は、
(ⅱ)の「肯定」に「等しい」。
従って、
(04)により、
(05)
(ⅰ)すべての人が、ある人を愛さない。といふことはない。
(ⅱ)ある人は、すべての人を愛す。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ)であって、
(ⅲ)すべての人は、ある人を愛さない。
(ⅳ)ある人が、すべての人を愛す。といふことはない。
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ)である。
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ)すべての人が、ある人を愛さない。といふことはない。
(ⅱ)ある人は、すべての人を愛す。
(ⅲ)すべての人は、ある人を愛さない。
(ⅳ)ある人が、すべての人を愛す。といふことはない。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ)であって、
(ⅲ)=(ⅳ)であるため、
(ⅰ)すべての人が、ある人を愛す。といふことはない。
(ⅱ)ある人は、すべての人を愛さない。
(ⅲ)すべての人は、ある人を愛す。
(ⅳ)ある人が、すべての人を愛さない。といふことはない。
に於いても、
(ⅰ)=(ⅱ)であって、
(ⅲ)=(ⅳ)である。
従って、
(07)
{xとyの変域}は、
{人間}であるとして、例へば、
① ~∀x{∃y(~愛xy)}≡ ∃x{∀y( 愛xy)}
② ∀x{∃y(~愛xy)}≡~∃x{∀y( 愛xy)}
③ ~∀x{∃y( 愛xy)}≡ ∃x{∀y(~愛xy)}
④ ∀x{∃y( 愛xy)}≡~∃x{∀y(~愛xy)}
といふ「等式(量化子の関係)」が成立する。
(08)
① ~∀x{∃y(~愛xy)}≡ ∃x{∀y( 愛xy)}
④ ∀x{∃y( 愛xy)}≡~∃x{∀y(~愛xy)}
であるならば、
① すべての人が、ある人を愛さない。といふわけはない。≡イエスは、すべての人を愛す。
④ すべての人は、ある人を愛す。≡(自分の親を愛さない人はゐないはずなので)すべての人を愛さない人はゐない。
といふ場合が、さうである。
令和02年06月23日、毛利太。
{すべての人}≡{a、b、c、d}
であるとして、
① aは{b、c、d}の中の誰かを愛さない。
② bは{a、c、d}の中の誰かを愛さない。
③ cは{a、b、d}の中の誰かを愛さない。
④ dは{a、b、c}の中の誰かを愛さない。
とするならば、
(ⅰ)すべての人は、ある人を愛さない。
然るに、
(02)
{すべての人}≡{a、b、c、d、e}
であるとして、
① aは{b、c、d、e}の中の誰かを愛さない。
② bは{a、c、d、e}の中の誰かを愛さない。
③ cは{a、b、d、e}の中の誰かを愛さない。
④ dは{a、b、c、e}の中の誰かを愛さない。
⑤ eは{a、b、c、e}の中の、すべての人を愛す。
といふのであれば、
(ⅱ)ある人(e)は、すべての人を愛す。
然るに、
(03)
(ⅰ)すべての人は、ある人を愛さない。
(ⅱ)ある人は、すべての人を愛す。
に於いて、
(ⅰ)と(ⅱ)は「矛盾」する。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)すべての人は、ある人を愛さない。
(ⅱ)ある人は、すべての人を愛す。
に於いて、
(ⅰ)の「否定」は、
(ⅱ)の「肯定」に「等しい」。
従って、
(04)により、
(05)
(ⅰ)すべての人が、ある人を愛さない。といふことはない。
(ⅱ)ある人は、すべての人を愛す。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ)であって、
(ⅲ)すべての人は、ある人を愛さない。
(ⅳ)ある人が、すべての人を愛す。といふことはない。
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ)である。
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ)すべての人が、ある人を愛さない。といふことはない。
(ⅱ)ある人は、すべての人を愛す。
(ⅲ)すべての人は、ある人を愛さない。
(ⅳ)ある人が、すべての人を愛す。といふことはない。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ)であって、
(ⅲ)=(ⅳ)であるため、
(ⅰ)すべての人が、ある人を愛す。といふことはない。
(ⅱ)ある人は、すべての人を愛さない。
(ⅲ)すべての人は、ある人を愛す。
(ⅳ)ある人が、すべての人を愛さない。といふことはない。
に於いても、
(ⅰ)=(ⅱ)であって、
(ⅲ)=(ⅳ)である。
従って、
(07)
{xとyの変域}は、
{人間}であるとして、例へば、
① ~∀x{∃y(~愛xy)}≡ ∃x{∀y( 愛xy)}
② ∀x{∃y(~愛xy)}≡~∃x{∀y( 愛xy)}
③ ~∀x{∃y( 愛xy)}≡ ∃x{∀y(~愛xy)}
④ ∀x{∃y( 愛xy)}≡~∃x{∀y(~愛xy)}
といふ「等式(量化子の関係)」が成立する。
(08)
① ~∀x{∃y(~愛xy)}≡ ∃x{∀y( 愛xy)}
④ ∀x{∃y( 愛xy)}≡~∃x{∀y(~愛xy)}
であるならば、
① すべての人が、ある人を愛さない。といふわけはない。≡イエスは、すべての人を愛す。
④ すべての人は、ある人を愛す。≡(自分の親を愛さない人はゐないはずなので)すべての人を愛さない人はゐない。
といふ場合が、さうである。
令和02年06月23日、毛利太。
2020年6月22日月曜日
「量化子(quantifiers)の関係」。
―「先程(令和02年06月22日)の記事」を補足します。―
(01)
(ⅰ)
1 (1) ~∀x( Fx) A
2 (2) ~∃x(~Fx) A
3(3) ~Fa A
3(4) ∃x(~Fa) 3EI
23(5) ~∃x(~Fx)&
∃x(~Fx) 24&I
2 (6) ~~Fa 35RAA
2 (7) Fa 6DN
2 (8) ∀x( Fx) 7UI
12 (9) ~∀x( Fx)&
∀x( Fx) 18&I
1 (ア)~~∃x(~Fx) 29RAA
1 (イ) ∃x(~Fx) アDN
(ⅱ)
1 (1) ∃x(~Fx) A
2 (2) ∀x( Fx) A
3(3) ~Fa A
2 (4) Fa 1UE
23(5) ~Fa&Fa 34&I
3(6) ~∀x( Fx) 25RAA
1 (7) ~∀x( Fx) 136EE
(ⅲ)
1 (1) ~∃x( Fx) A
2 (2) ~∀x(~Fx) A
3(3) Fa A
3(4) ∃x( Fx) 3EI
1 3(5) ~∃x( Fx)&
∃x( Fc) 14&I
1 (6) ~Fa 35RAA
1 (7) ∀x(~Fx) 6UI
12 (8) ~∀x(~Fx)&
∀x(~Fx) 27&I
1 (9)~~∀x(~Fx) 28RAA
1 (ア) ∀x(~Fx) 9DN
(ⅳ)
1 (1) ∀x(~Fx) A
2 (2) ∃x( Fx) A
1 (3) ~Fa 1UE
4(4) Fa A
1 4(5) ~Fa&Fa 34&I
12 (6) ~Fa&Fa 245EE
1 (7) ~∃x( Fx) 26RAA
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x( Fx)≡すべてのxがFである。といふわけではない。
② ∃x(~Fx)≡Fでないxが存在する。
③ ~∃x( Fx)≡Fであるxは存在しない。
④ ∀x(~Fx)≡すべてのxはFでない。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(02)により、
(03)
① ~∀x{∀y(愛xy)}≡∃x{~∀y(愛xy)}≡∃x{∃y(~愛xy)}
② ~∀x{∃y(愛xy)}≡∃x{~∃y(愛xy)}≡∃x{∀y(~愛xy)}
③ ~∃x{∀y(愛xy)}≡∀x{~∀x(愛xy)}≡∀x{∃x(~愛xy)}
④ ~∃x{∃y(愛xy)}≡∀x{~∃x(愛xy)}≡∀x{∀x(~愛xy)}
然るに、
(04)
{xとyの変域}が、{人間}であるならば、
① ∀x{∀y(愛xy)}≡すべての人は(、自分を含めて)すべての人を愛す。≡すべての人は(、自分を含めて)すべての人によって愛される。
② ∀x{∃y(愛xy)}≡すべての人は(、自分を含めて)ある人を 愛す。
③ ∃x{∀y(愛xy)}≡ ある人は(、自分を含めて)すべて人を 愛す。
④ ∃x{∃y(愛xy)}≡ ある人は(、自分を含めて)ある人を 愛す。≡ ある人(、自分を含めて) ある人によって愛される。
従って、
(04)により、
(05)
① ∀x{∀y(~愛xy)}≡すべての人は(、自分を含めて)すべての人を愛さない。
② ∀x{∃y(~愛xy)}≡すべての人は(、自分を含めて)ある人を 愛さない。
③ ∃x{∀y(~愛xy)}≡ ある人は(、自分を含めて)すべて人を 愛さない。
④ ∃x{∃y(~愛xy)}≡ ある人は(、自分を含めて)ある人を 愛さない。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
① ~∀x{∀y(愛xy)}≡すべての人がすべての人を愛する。といふことはない。≡ある人は ある人を愛さない。
② ~∀x{∃y(愛xy)}≡すべての人が ある人を愛する。といふことはない。≡ある人は すべての人を愛さない。
③ ~∃x{∀y(愛xy)}≡ ある人がすべての人を愛する。といふことはない。≡すべての人は ある人を愛さない。
④ ~∃x{∃y(愛xy)}≡ ある人が ある人を愛する。といふことはない。≡すべての人はすべての人を愛さない。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(06)により、
(07)
①(ある人が、 ある人を愛さない。)といふことはない。⇔ すべての人は、すべての人を愛す。
②(ある人が、 すべての人を愛さない。)といふことはない。⇔ すべての人は、 ある人を愛す。
③(すべての人が、 ある人を愛さない。)といふことはない。⇔ ある人は、 すべての人を愛す。
④(すべての人が、すべての人を愛さない。)といふことはない。⇔ ある人は、 ある人を愛す。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(08)
教えて!goo:キリスト教って博愛主義なんじゃないの?
質問者:noname#72832質問日時:2006/02/02 05:11回答数:26件
私は幼稚園がキリスト教でした。
小学生の頃は日曜学校にも行っていて、ページェントもやりました。
そこで習ったことはなんとなくですが今でも覚えています。
「右頬を殴られたら左頬を差し出せ」
「たとえ気に入らなくても一生懸命あなたの隣人を愛しなさい」
「求める者には惜しみなく与えよ」
たしかこんなことだったと思います。
先生からはこれらの言葉やイエス・キリストの最期を通して、嫌な相手を憎むのではなく愛して許すことや人を傷つけてはならないということを教えられました。
子供ながらに「イエス様って優しいなぁすごいなぁ」と思ったものです。
神様(いわゆる天の上にいて私達を見守っているもの)はいないと思っている今でも、イエス・キリストのそんな考え方は尊敬しているし、実践できたらいいなと思います。(そんなに心が広くはないのでまだ出来てませんが。)
従って、
(07)(08)により、
(09)
③ ある人は、すべての人を愛す。⇔(すべての人が、ある人を愛さない。)といふわけではない。
に関して言へば、
③ イエスといふ人(Son of Man、アダムの子)は、(自分の敵を含めて)すべての人を愛す。従って、
③(イエスが、さうであるため、すべての人が、ある、特定の人を愛さない。)といふことにはならない。
といふ「例」で考へると、「分かりやすい」。
令和02年06月22日、毛利太。
(01)
(ⅰ)
1 (1) ~∀x( Fx) A
2 (2) ~∃x(~Fx) A
3(3) ~Fa A
3(4) ∃x(~Fa) 3EI
23(5) ~∃x(~Fx)&
∃x(~Fx) 24&I
2 (6) ~~Fa 35RAA
2 (7) Fa 6DN
2 (8) ∀x( Fx) 7UI
12 (9) ~∀x( Fx)&
∀x( Fx) 18&I
1 (ア)~~∃x(~Fx) 29RAA
1 (イ) ∃x(~Fx) アDN
(ⅱ)
1 (1) ∃x(~Fx) A
2 (2) ∀x( Fx) A
3(3) ~Fa A
2 (4) Fa 1UE
23(5) ~Fa&Fa 34&I
3(6) ~∀x( Fx) 25RAA
1 (7) ~∀x( Fx) 136EE
(ⅲ)
1 (1) ~∃x( Fx) A
2 (2) ~∀x(~Fx) A
3(3) Fa A
3(4) ∃x( Fx) 3EI
1 3(5) ~∃x( Fx)&
∃x( Fc) 14&I
1 (6) ~Fa 35RAA
1 (7) ∀x(~Fx) 6UI
12 (8) ~∀x(~Fx)&
∀x(~Fx) 27&I
1 (9)~~∀x(~Fx) 28RAA
1 (ア) ∀x(~Fx) 9DN
(ⅳ)
1 (1) ∀x(~Fx) A
2 (2) ∃x( Fx) A
1 (3) ~Fa 1UE
4(4) Fa A
1 4(5) ~Fa&Fa 34&I
12 (6) ~Fa&Fa 245EE
1 (7) ~∃x( Fx) 26RAA
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x( Fx)≡すべてのxがFである。といふわけではない。
② ∃x(~Fx)≡Fでないxが存在する。
③ ~∃x( Fx)≡Fであるxは存在しない。
④ ∀x(~Fx)≡すべてのxはFでない。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(02)により、
(03)
① ~∀x{∀y(愛xy)}≡∃x{~∀y(愛xy)}≡∃x{∃y(~愛xy)}
② ~∀x{∃y(愛xy)}≡∃x{~∃y(愛xy)}≡∃x{∀y(~愛xy)}
③ ~∃x{∀y(愛xy)}≡∀x{~∀x(愛xy)}≡∀x{∃x(~愛xy)}
④ ~∃x{∃y(愛xy)}≡∀x{~∃x(愛xy)}≡∀x{∀x(~愛xy)}
然るに、
(04)
{xとyの変域}が、{人間}であるならば、
① ∀x{∀y(愛xy)}≡すべての人は(、自分を含めて)すべての人を愛す。≡すべての人は(、自分を含めて)すべての人によって愛される。
② ∀x{∃y(愛xy)}≡すべての人は(、自分を含めて)ある人を 愛す。
③ ∃x{∀y(愛xy)}≡ ある人は(、自分を含めて)すべて人を 愛す。
④ ∃x{∃y(愛xy)}≡ ある人は(、自分を含めて)ある人を 愛す。≡ ある人(、自分を含めて) ある人によって愛される。
従って、
(04)により、
(05)
① ∀x{∀y(~愛xy)}≡すべての人は(、自分を含めて)すべての人を愛さない。
② ∀x{∃y(~愛xy)}≡すべての人は(、自分を含めて)ある人を 愛さない。
③ ∃x{∀y(~愛xy)}≡ ある人は(、自分を含めて)すべて人を 愛さない。
④ ∃x{∃y(~愛xy)}≡ ある人は(、自分を含めて)ある人を 愛さない。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
① ~∀x{∀y(愛xy)}≡すべての人がすべての人を愛する。といふことはない。≡ある人は ある人を愛さない。
② ~∀x{∃y(愛xy)}≡すべての人が ある人を愛する。といふことはない。≡ある人は すべての人を愛さない。
③ ~∃x{∀y(愛xy)}≡ ある人がすべての人を愛する。といふことはない。≡すべての人は ある人を愛さない。
④ ~∃x{∃y(愛xy)}≡ ある人が ある人を愛する。といふことはない。≡すべての人はすべての人を愛さない。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(06)により、
(07)
①(ある人が、 ある人を愛さない。)といふことはない。⇔ すべての人は、すべての人を愛す。
②(ある人が、 すべての人を愛さない。)といふことはない。⇔ すべての人は、 ある人を愛す。
③(すべての人が、 ある人を愛さない。)といふことはない。⇔ ある人は、 すべての人を愛す。
④(すべての人が、すべての人を愛さない。)といふことはない。⇔ ある人は、 ある人を愛す。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(08)
教えて!goo:キリスト教って博愛主義なんじゃないの?
質問者:noname#72832質問日時:2006/02/02 05:11回答数:26件
私は幼稚園がキリスト教でした。
小学生の頃は日曜学校にも行っていて、ページェントもやりました。
そこで習ったことはなんとなくですが今でも覚えています。
「右頬を殴られたら左頬を差し出せ」
「たとえ気に入らなくても一生懸命あなたの隣人を愛しなさい」
「求める者には惜しみなく与えよ」
たしかこんなことだったと思います。
先生からはこれらの言葉やイエス・キリストの最期を通して、嫌な相手を憎むのではなく愛して許すことや人を傷つけてはならないということを教えられました。
子供ながらに「イエス様って優しいなぁすごいなぁ」と思ったものです。
神様(いわゆる天の上にいて私達を見守っているもの)はいないと思っている今でも、イエス・キリストのそんな考え方は尊敬しているし、実践できたらいいなと思います。(そんなに心が広くはないのでまだ出来てませんが。)
従って、
(07)(08)により、
(09)
③ ある人は、すべての人を愛す。⇔(すべての人が、ある人を愛さない。)といふわけではない。
に関して言へば、
③ イエスといふ人(Son of Man、アダムの子)は、(自分の敵を含めて)すべての人を愛す。従って、
③(イエスが、さうであるため、すべての人が、ある、特定の人を愛さない。)といふことにはならない。
といふ「例」で考へると、「分かりやすい」。
令和02年06月22日、毛利太。
2020年6月21日日曜日
「∀x{∃y(Fyx)}と∀y{∃x(Fyx)}」他。
―「先程(令和02年06月21日)の記事」に、関連します。―
(01)
{a,b,c}が「変域(ドメイン)」であるとして、
① ∀x{∃y(Fyx)}
① ∀x{∃y(Fyx)}⇒(Fax∨Fbx∨Fcx)
① ∀x{∃y(Fyx)}⇒(Fax∨Fbx∨Fcx)&(Fax∨Fbx∨Fcx)&(Fax∨Fbx∨Fcx)
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Faa∨Fba∨Fca)&(Fab∨Fbb∨Fcb)&(Fac∨Fbc∨Fcc)
(02)
{a,b,c}が「変域(ドメイン)」であるとして、
② ∀y{∃x(Fyx)}
② ∀y{∃x(Fyx)}⇒(Fxa∨Fxb∨Fxc)
② ∀y{∃x(Fyx)}⇒(Fxa∨Fxb∨Fxc)&(Fxa∨Fxb∨Fxc)&(Fxa∨Fxb∨Fxc)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Faa∨Fab∨Fac)&(Fba∨Fbb∨Fbc)&(Fca∨Fcb∨Fcc)
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Faa∨Fba∨Fca)&(Fab∨Fbb∨Fcb)&(Fac∨Fbc∨Fcc)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Faa∨Fab∨Fac)&(Fba∨Fbb∨Fbc)&(Fca∨Fcb∨Fcc)
から、
① Faa,Fbb,Fcc
② Faa,Fbb,Fcc
を除くと、
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Fba∨Fca)&(Fab∨Fcb)&(Fac∨Fbc)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Fab∨Fac)&(Fba∨Fbc)&(Fca∨Fcb)
然るに、
(03)により、
(04)
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Fba∨Fca)&(Fab∨Fcb)&(Fac∨Fbc)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Fab∨Fac)&(Fba∨Fbc)&(Fca∨Fcb)
に於いて、例へば、
Fba≡「真」
Fcb≡「真」
Fac≡「真」
であるならば、
① は「真」であり、
② も「真」である。
然るに、
(03)により、
(05)
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Fba∨Fca)&(Fab∨Fcb)&(Fac∨Fbc)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Fab∨Fac)&(Fba∨Fbc)&(Fca∨Fcb)
に於ける、
① に於いて、
①「残させる選言項」は「すべて真である」とし、
② に於いて、
②「残される選言項」は「すべて真である」とは限らない。とすると、
例へば、
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Fba)&(Fcb)&(Fac)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Fab)&(Fbc)&(Fca)
となる。
然るに、
(05)により、
(06)
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Fba)&(Fcb)&(Fac)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Fab)&(Fbc)&(Fca)
に於いて、
Fba≡「真」
Fcb≡「真」
Fac≡「真」
であるため、
① は「真」であるが、
Fba≡「真」
Fcb≡「真」
Fac≡「真」
であったとしても、
② が「真」であるとは、限らない。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
① ∀x{∃y(Fyx)}
② ∀y{∃x(Fyx)}
に於いて、
① が「真」であるとしても、
② も「真」であるとは、限らない。
従って、
(07)により、
(08)
① ∀x{∃y(Fyx)}
② ∀y{∃x(Fyx)}
に於いて、
①=② ではない。
従って、
(08)により、
(09)
① ∀x{∃y(子yx)}≡すべての人はある人の子である(すべての人は、ある人(母)から生まれた)。
② ∀y{∃x(子yx)}≡すべての人はある人を子とする(すべての人には、子供がゐる)。
に於いて、
①=② ではない。
(10)
(ⅰ)
1 (1) ~Z&H→~N A
2(2) ~Z&N A
2(3) ~Z 2&E
2(4) N 2&E
2(5) ~~N 4DN
12(6)~(~Z& H) 15MTT
12(7) ~~Z∨~H 6ド・モルガンの法則
12(8) ~Z→~H 7含意の定義
12(9) ~H 38MPP
1 (ア)~Z&N→~H 29CP
(ⅱ)
1 (1) ~Z&N→~H A
2(2) ~Z&H A
2(3) ~Z 2&E
2(4) H 2&E
2(5) ~~H 4DN
12(6)~(~Z& N) 15MTT
12(7) ~~Z∨~N 6ド・モルガンの法則
12(8) ~Z→~N 7含意の定義
12(9) ~N 38PP
1 (ア)~Z&H→~N 29CP
従って、
(10)により、
(11)
① ~Z&H→~N
② ~Z&N→~H
に於いて、
①=② である。
従って、
(11)により、
(12)
① ∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}
② ∀y∃x{(鼻yx&象x→長y)&(~象x&長y→~鼻yx)}
に於ける、
①(~象x&鼻yx→~長y)}
②(~象x&長y→~鼻yx)}
に於いて、
①=② である。
令和02年06月21日、毛利太。
(01)
{a,b,c}が「変域(ドメイン)」であるとして、
① ∀x{∃y(Fyx)}
① ∀x{∃y(Fyx)}⇒(Fax∨Fbx∨Fcx)
① ∀x{∃y(Fyx)}⇒(Fax∨Fbx∨Fcx)&(Fax∨Fbx∨Fcx)&(Fax∨Fbx∨Fcx)
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Faa∨Fba∨Fca)&(Fab∨Fbb∨Fcb)&(Fac∨Fbc∨Fcc)
(02)
{a,b,c}が「変域(ドメイン)」であるとして、
② ∀y{∃x(Fyx)}
② ∀y{∃x(Fyx)}⇒(Fxa∨Fxb∨Fxc)
② ∀y{∃x(Fyx)}⇒(Fxa∨Fxb∨Fxc)&(Fxa∨Fxb∨Fxc)&(Fxa∨Fxb∨Fxc)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Faa∨Fab∨Fac)&(Fba∨Fbb∨Fbc)&(Fca∨Fcb∨Fcc)
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Faa∨Fba∨Fca)&(Fab∨Fbb∨Fcb)&(Fac∨Fbc∨Fcc)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Faa∨Fab∨Fac)&(Fba∨Fbb∨Fbc)&(Fca∨Fcb∨Fcc)
から、
① Faa,Fbb,Fcc
② Faa,Fbb,Fcc
を除くと、
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Fba∨Fca)&(Fab∨Fcb)&(Fac∨Fbc)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Fab∨Fac)&(Fba∨Fbc)&(Fca∨Fcb)
然るに、
(03)により、
(04)
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Fba∨Fca)&(Fab∨Fcb)&(Fac∨Fbc)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Fab∨Fac)&(Fba∨Fbc)&(Fca∨Fcb)
に於いて、例へば、
Fba≡「真」
Fcb≡「真」
Fac≡「真」
であるならば、
① は「真」であり、
② も「真」である。
然るに、
(03)により、
(05)
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Fba∨Fca)&(Fab∨Fcb)&(Fac∨Fbc)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Fab∨Fac)&(Fba∨Fbc)&(Fca∨Fcb)
に於ける、
① に於いて、
①「残させる選言項」は「すべて真である」とし、
② に於いて、
②「残される選言項」は「すべて真である」とは限らない。とすると、
例へば、
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Fba)&(Fcb)&(Fac)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Fab)&(Fbc)&(Fca)
となる。
然るに、
(05)により、
(06)
① ∀x{∃y(Fyx)}≡(Fba)&(Fcb)&(Fac)
② ∀y{∃x(Fyx)}≡(Fab)&(Fbc)&(Fca)
に於いて、
Fba≡「真」
Fcb≡「真」
Fac≡「真」
であるため、
① は「真」であるが、
Fba≡「真」
Fcb≡「真」
Fac≡「真」
であったとしても、
② が「真」であるとは、限らない。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
① ∀x{∃y(Fyx)}
② ∀y{∃x(Fyx)}
に於いて、
① が「真」であるとしても、
② も「真」であるとは、限らない。
従って、
(07)により、
(08)
① ∀x{∃y(Fyx)}
② ∀y{∃x(Fyx)}
に於いて、
①=② ではない。
従って、
(08)により、
(09)
① ∀x{∃y(子yx)}≡すべての人はある人の子である(すべての人は、ある人(母)から生まれた)。
② ∀y{∃x(子yx)}≡すべての人はある人を子とする(すべての人には、子供がゐる)。
に於いて、
①=② ではない。
(10)
(ⅰ)
1 (1) ~Z&H→~N A
2(2) ~Z&N A
2(3) ~Z 2&E
2(4) N 2&E
2(5) ~~N 4DN
12(6)~(~Z& H) 15MTT
12(7) ~~Z∨~H 6ド・モルガンの法則
12(8) ~Z→~H 7含意の定義
12(9) ~H 38MPP
1 (ア)~Z&N→~H 29CP
(ⅱ)
1 (1) ~Z&N→~H A
2(2) ~Z&H A
2(3) ~Z 2&E
2(4) H 2&E
2(5) ~~H 4DN
12(6)~(~Z& N) 15MTT
12(7) ~~Z∨~N 6ド・モルガンの法則
12(8) ~Z→~N 7含意の定義
12(9) ~N 38PP
1 (ア)~Z&H→~N 29CP
従って、
(10)により、
(11)
① ~Z&H→~N
② ~Z&N→~H
に於いて、
①=② である。
従って、
(11)により、
(12)
① ∀x∃y{(象x&鼻yx→長y)&(~象x&鼻yx→~長y)}
② ∀y∃x{(鼻yx&象x→長y)&(~象x&長y→~鼻yx)}
に於ける、
①(~象x&鼻yx→~長y)}
②(~象x&長y→~鼻yx)}
に於いて、
①=② である。
令和02年06月21日、毛利太。
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