2021年5月29日土曜日

「象は鼻が長い。」の「述語論理」:「ゆる言語学ラジオ(#11)」に関連して。

(01)

となっている所の、『公開コメントを入力』を試みたのですが、何回やっても、うまく行きませんでした。
そのため、
(02)
「デジタルライフサポートプレミアム(マイクロトレンド)」に電話(40分間)をかけて、「遠隔操作」にて、「公開コメントを入力」が「出来ない原因」を、明らかにしようと試みたものの、『不成功』に終わっています。
(03)
万が一、「このブログ」が、「ゆる言語ラジオさん」の目に止まり、その上、「コメント」が頂けるのであれば、幸いに思います。
(04)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私が理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(04)により、
(05)
① 私理事長です。
理事長は私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
(ⅱ)
1  (1)理事長であるならば、私である。  仮定
 2 (2)          私でない。  仮定
  3(3)理事長である。          仮定
1 3(4)          私である。  13肯定肯定式
123(5)私でないが、    私である。  24連言導入
12 (6)理事長でない。          35背理法
1  (7)私でないならば、理事長ではない。 26条件法
(ⅲ)
1  (1)私でないならば、理事長でない。  仮定
 2 (2)        理事長である。  仮定
  3(3)私でない。            仮定
1 3(4)        理事長でない。  13肯定肯定式
123(5)理事長であるが理事長でない。   24連言導入
12 (6)私でない、でない。        35背理法
12 (7)私である。            6二重否定
1  (8)理事長であるならば、私である。  27条件法
従って、
(06)により、
(07)
② 理事長であるならば、私である。
③ 私でないならば、理事長ではない。
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(07)により、
(08)
理事長は、私です。
③ 私以外は、理事長ではない
に於いて、
②=③ は、「対偶(Contraposition)」である。
従って、
(05)(08)により、
(09)
① 私理事長です。
理事長は私です。
③ 私以外は、理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
① 鼻長い。
長いのは鼻である。
③ 鼻以外は長くない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(01)~(10)により、
(11)
① 鼻長い。
長いのは鼻である。
③ 鼻以外は長くない
に於いて、
①=②=③ である。
といふことに、関しては、三上章先生も、認めざるを得ない。
従って、
(11)により、
(12)
① 象は鼻が長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。
に於いて、
①=② である。
といふことに、関しては、三上章先生も、認めざるを得ない。
然るに、
(13)
1     (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2    (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx~鼻zx)} A
  3   (3)∃x(兎x&象x)                      A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)      象a                       6&E
   6  (8)   兎a                          6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  48MPP
 2 6  (ア)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
    ウ (ウ)         鼻ba&長b                A
 2 6  (エ)      ∃y(長y&耳ya)               ア&E
     オ(オ)         長b&耳ba                A
     オ(カ)            耳ba                オ&E
 2 6  (キ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ク)                    耳ba~鼻ba   キUE
 2 6 オ(ケ)                        ~鼻ba   カクMPP
1  6  (コ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  ア&E
1  6  (サ)                    ~鼻ba→~長b   コUE
12 6 オ(シ)                         ~長b   ケサMPP
     オ(ス)         長b                    オ&E
12 6 オ(セ)         長b&~長b                シス&I
12 6  (ソ)         長b&~長b                エオセEE
123   (タ)         長b&~長b                36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
従って、
(13)により、
(14)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。   然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(14)により、
(15)
(ⅰ)象は鼻長い。然るに
(ⅱ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
三上章先生が、
(ⅰ)象は鼻長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」を、「妥当」であるとするのであれば、
三上章先生は、
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」も、「妥当」であると、せざるを得ない。
然るに、
(17)
(ⅰ)象は鼻長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(12)(16)(17)により、
(18)
三上章先生は、
① 象は鼻長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことを、認めざるを得ない。
然るに、
(19)
三上章先生は、「山崎紀美子、日本語基礎講座、三上文法入門、2003年」等を読む限り、
① 象は鼻長い。
② 象は鼻は長く、鼻以外は長くない
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於いて、
①=②=③ である。
といふ、『基本的事実』に、気付いてゐない
然るに、
(20)
1   (1)  ∃x{吾輩x&猫x&~∃y(名前yx)}    A
 2  (2)  ∃x{タマx&    ∃y(名前yx)}    A
  3 (3)     吾輩a&猫a&~∃y(名前ya)     A
   4(4)     タマa&    ∃y(名前ya)     A
  3 (5)            ~∃y(名前ya)     3&E
   4(6)             ∃y(名前ya)     4&E
  34(7)   ~∃y(名前ya)∃y(名前ya)     56&I
 23 (8)   ~∃y(名前ya)&∃y(名前ya)     247EE
12  (9)   ~∃y(名前ya)&∃y(名前ya)     138EE
1   (ア) ~∃x{タマx&    ∃y(名前yx)}    29RAA
1   (イ) ∀x~{タマx&    ∃y(名前yx)}    ア量化子の関係
1   (ウ)   ~{タマa&    ∃y(名前ya)     イUE
1   (エ)    ~タマa∨   ~∃y(名前ya)     ウ、ド・モルガンの法則
1   (オ)    ~∃y(名前ya)∨~タマa        エ交換法則
1   (カ)     ∃y(名前ya)→~タマa        オ含意の定義
1  4(キ)              ~タマa        6カMPP
12  (ク)              ~タマa        24キEE
  3 (ケ)     吾輩a&猫a               3&E
123 (コ)     吾輩a&猫a&~タマa          クケ&I
123 (サ)  ∃x(吾輩x&猫x&~タマx)         コEI
12  (シ)  ∃x(吾輩x&猫x&~タマx)         13サEE
12  (〃)あるxは(吾輩であって猫であるが、タマではない)。 13サEE
従って、
(20)により、
(21)
(ⅰ)∃x{吾輩x&猫x&~∃y(名前yx)}。然るに、
(ⅱ)∃x{タマx&    ∃y(名前yx)}。従って、
(ⅲ)∃x(吾輩x&猫x&~タマx)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)あるxは(吾輩であって、猫であるが、あるyが、xの名前であることはない)。然るに、
(ⅱ)あるxは(タマであって、      あるyは、xの名前である)。従って、
(ⅲ)あるxは(吾輩であって、猫であるが、タマではない)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(21)により、
(22)
(ⅰ)吾輩は猫であるが、名前は無い。然るに、
(ⅱ)タマには名前がある。従って、
(ⅲ)吾輩は猫であるが、タマではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(20)(21)(22)により、
(23)
①  ∃x{吾輩x&猫x&~∃y(名前yx)}。
② 吾輩は{猫である。名前は(無い)}。
に於いて、
①=② である。
従って、
(23)により、
(24)
①  ∃x{吾輩x&猫x&~∃y(名前yx)&∃z(家zx)}。
② 吾輩は{猫である。(名前は)無い。しかし、(家は)有る}。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)(08)(09)により、
(25)
① 私猫です。
② 私ならば猫であり、猫ならば私です。
③ 私は猫であり、私以外は、猫ではない
に於いて、
①=②=③ である。
(24)(25)により、
(26)
③  ∀x{吾輩x猫x&~∃y(名前yx)&∃z(家zx)}。
④ 吾輩{猫であるが、(名前は)無い。しかし、(家は)有る}。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(24)(25)(26)により、
(27)
① ∃x{吾輩x&猫x&~∃y(名前yx)&∃z(家zx)}。
∀x{吾輩x猫x&~∃y(名前yx)&∃z(家zx)}。
に於いて、
①=③ ではないが故に、
② 吾輩は{猫である。(名前は)無い。しかし、(家は)有る}。
④ 吾輩{猫である。(名前は)無い。しかし、(家は)有る}。
に於いて、
②=④ ではない。
然るに、
(28)
(ⅰ)論理式または命題関数において、量記号が現れる任意の箇所の作用範囲は、問題になっている変数が現れる「少なくとも2つの箇所」を含むであろう(その1つの箇所は量記号そのもののなかにある);
(〃)the scope of any occurrence of a quantifier in a wff or propositional function will contain at least two occerrences of the variable in question(one occerrence being in the quantifier itself);
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、183頁)
(29)
括弧は、論理演算子のスコープ(scope)を明示する働きを持つ。スコープは論理演算子の働きが及ぶ範囲のことをいう。
(産業図書、数理言語学辞典、2013年、四七頁:命題論理、今仁生美)
従って、
(27)(28)(29)により、
(30)
② 吾輩は{猫である。(名前は)無い。しかし、(家は)有る}。
④ 吾輩が{猫である。(名前は)無い。しかし、(家は)有る}。
に於いて、従って、
② 吾輩は猫である。名前は無い。しかし、家は有る}。
④ 吾輩が猫である。名前は無い。しかし、家は有る}。
に於いて、「スコープ(scope)」に関して、
②=④ である。
従って、
(30)により、
(31)
― 要約すると、―
堀本:「主題」を表す  「は」のスコープは、プログラミングにおける、「グロバール変数的」である。
水野:「主題」を表さない「が」のスコープは、プログラミングにおける、 「ローカル変数的」である。
といふことには、ならない。
(32)
水野:『吾輩猫である。』は、「4文目」くらいまで、「吾輩」が「主題」だけと、そこまでのことが頻繁に起きるわけではない。
堀本:そうですね。でも、「言語設計的」にそうなっているのが、問題なんです。
水野:プログラミン言語は、言語じゃないからね。
堀本:ああ、それも難しい議論ですね。プログラミン言語は、言語じゃない
水野:あれは、数式ですよね。
然るに、
(33)
より一般的に受け入られている狭い意味での論理プログラミングは、述語論理式を非決定的なプログラミング言語とみなすもので、述語論理式は宣言的であると同時に手続き的にも解釈される(ウィキペディア)。
従って、
(27)(32)(33)により、
(34)
水野:プログラミン言語は、言語じゃないからね。
とは言ふものの、
① ∃x{吾輩x&猫x&~∃y(名前yx)&∃z(家zx)}。
③ ∀x{吾輩x⇔猫x&~∃y(名前yx)&∃z(家zx)}。
といふ「述語論理式」は、「論理プログラミング言語であるに、違ひない。
令和03年05月29日、毛利太。

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