2021年5月13日木曜日

「排中律」への「代入例」と「直観主義論理は不思議である。」

(01)
1 (1) ~(~P∨P)  A
 2(2)   ~P     A
 2(3)   ~P∨P   2∨I
12(4) ~(~P∨P)&
       (~P∨P)  13&I
1 (5)  ~~P     24RAA
1 (6)    P     5DN
1 (7)   ~P∨P   6∨I
1 (8) ~(~P∨P)&
       (~P∨P)  17&I
  (9)~~(~P∨P)  18RAA
  (ア)   ~P∨P   9DN
従って、
(01)により、
(02)
① ~P∨P=Pでないか、Pである(排中律
は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(02)により、
(03)
① P=∃x(Fx&~Gx)
であるとして、
② ~∃x(Fx&~Gx)∨∃x(Fx&~Gx)
といふ「論理式(排中律)」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1   (1) ~∃x(Fx&~Gx)∨∃x(Fx&~Gx) A
 2  (2) ~∃x(Fx&~Gx)            A
 2  (3) ∀x~(Fx&~Gx)            2量化子の関係
 2  (4)   ~(Fa&~Ga)            3UE
 2  (5)    ~Fa∨ Ga             4ド・モルガンの法則
 2  (6)     Fa→ Ga             5含意の定義
 2  (7)  ∀x(Fx→ Gx)            6UI
 2  (8)~~∀x(Fx→ Gx)            7∨I
 2  (9)~~∀x(Fx→ Gx)∨∃x(Fx&~Gx) 7∨I
 2  (ア) ~∀x(Fx→ Gx)→∃x(Fx&~Gx) 8含意の定義
  イ (イ)             ∃x(Fx&~Gx) A
  イ (ウ)~~∀x(Fx→ Gx)∨∃x(Fx&~Gx) イ∨I
  イ (エ) ~∀x(Fx→ Gx)→∃x(Fx&~Gx) ウ含意の定義
1   (オ) ~∀x(Fx→ Gx)→∃x(Fx&~Gx) 12アイエ∨E
   オ(カ)            ~∃x(Fx&~Gx) A
1  オ(キ)~~∀x(Fx→ Gx)            オカMTT
1  オ(ク)  ∀x(Fx→ Gx)            キDN
1   (ケ) ~∃x(Fx&~Gx)→∀x(Fx→ Gx) オクCP
(ⅱ)
1   (1) ~∃x(Fx&~Gx)→∀x(Fx→ Gx) A
 2  (2)             ∃x(Fx&~Gx) A
  3 (3)                Fa&~Ga  A
   4(4)             ∀x(Fx→ Gx) A
   4(5)                Fa→ Ga  4UE
  3 (6)                   ~Ga  3&E
  34(7)               ~Fa      56MTT
  3 (8)                Fa      3&E
  34(9)               ~Fa&Fa   78&I
  3 (ア)            ~∀x(Fx→ Gx) 49RAA
 2  (イ)            ~∀x(Fx→ Gx) 23アEE
12  (ウ)~~∃x(Fx&~Gx)            1イMTT
12  (エ)  ∃x(Fx&~Gx)            ウDN
1   (オ)  ∃x(Fx&~Gx)→∃x(Fx&~Gx) 2エCP
1   (カ) ~∃x(Fx&~Gx)∨∃x(Fx&~Gx) オ含意の定義
従って、
(04)により、
(05)
① ~∃x(Fx&~Gx)∨∃x(Fx&~Gx)
② ~∃x(Fx&~Gx)→∀x(Fx→ Gx)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1  (1) ∀x(Fx→ Gx)  A
 2 (2) ∃x(Fx&~Gx)  A
1  (3)    Fa→ Ga   1UE
  4(4)    Fa&~Ga   A
  4(5)    Fa       4&E
  4(6)       ~Ga   4&E
1 4(7)        Ga   35MPP
1 4(8)    ~Ga&Ga   67&I
  4(9)  ~(Fa→ Ga)  18RAA
1  (ア)    Fa→ Ga   1UE
1 4(イ)  ~(Fa→ Ga)&
         (Fa→ Ga)  9ア&I
  4(ウ)~∀x(Fx→ Gx)  1イRAA
 2 (エ)~∀x(Fx→ Gx)  24ウEE
12 (オ) ∀x(Fx→ Gx)&
      ~∀x(Fx→ Gx)  1エ&I
1  (カ)~∃x(Fx&~Gx)  2オRAA
(ⅳ)
1   (1)~∃x(Fx&~Gx)  A
 2  (2)    Fa&~Ga   A
 2  (3) ∃x(Fx&~Gx)  2EI
12  (4)~∃x(Fx&~Gx)&
        ∃x(Fx&~Gx)  13&I
1   (5)  ~(Fa&~Ga)  24RAA
  6 (6)    Fa       A
   7(7)       ~Ga   A
  67(8)    Fa&~Ga   67&
1 67(9)  ~(Fa&~Ga)&
          (Fa&~Ga)  58&I
1 6 (ア)      ~~Ga   79RAA
1 6 (イ)        Ga   アDN
1   (ウ)    Fa→ Ga   6イCP
1   (エ) ∀x(Fx→ Gx)  ウUI
従って、
(06)により、
(07)
③  ∀x(Fx→ Gx)
④ ~∃x(Fx&~Gx)
に於いて、
③=④ である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① ~∃x(Fx&~Gx)∨∃x(Fx&~Gx)
② ~∃x(Fx&~Gx)→∀x(Fx→ Gx)
③  ∀x(Fx→ Gx)
④ ~∃x(Fx&~Gx)
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
③=④ である。
従って、
(03)(08)により、
(09)
① ~∃x(Fx&~Gx)∨ ∃x(Fx&~Gx)
② ~∃x(Fx&~Gx)→ ∀x(Fx→ Gx)
③  ∀x(Fx→ Gx)→~∃x(Fx&~Gx)
に於いて、
① は、「排中律(トートロジー)」であって、
② も、「排中律(トートロジー)」であって、
③ も、「排中律(トートロジー)」であって、
①=②=③ である。
然るに、
(10)
いまひとつの、特に言っておいてよいほどに一般的な語法は、「Fをもつ幾らかのものはGをもたない」あるいは「FをもつがGをもたないものが存在する」(「幾らかのフランス人は寛大でない」、「寛大でないフランス人が存在する」)である。これは明らかに、「xがFをもちそしてxがGをもたないようなxが存在する」、すなわち、
 (27)∃x(Fx&~Gx)
となる(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、123頁)。
従って、
(03)(09)(10)により、
(11)
①(寛大でないフランス人は存在しないか)、または(寛大でないフランス人は存在する)。
②(寛大でないフランス人が存在しない)ならば(すべてのフランス人は寛大である)。
③(すべてのフランス人が寛大である)ならば(寛大でないフランス人は存在しない)。
に於いて、
① は、「排中律(トートロジー)」であって、
② は、「排中律(トートロジー)」であって、
③ は、「排中律(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=②=③ である。
然るに、
(12)
排中律 ~P∨P拒絶古典論理に親しい者には奇妙に思われるが直観主義論理で命題論理式を証明するには、全ての可能な命題論理式に対して真または偽の証明が要求され、これは様々な理由によって不可能である(ウィキペディア)。
従って、
(11)(12)により、
(13)
古典論理」とは異なり、「直観主義論理」にの場合は、例へば、
③(すべてのフランス人が寛大である)ならば(寛大でないフランス人は存在しない)。
といふ「排中律」を、「恒真式(トートロジー)」である。とは、認めない(?)。
といふ、ことになる。
令和03年05月13日、毛利太。

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