2021年5月13日木曜日

「EI(選言導入)」と「EE(選言除去)」。

(01)
(ⅰ)あるxはフランス人である。
(ⅱ)あるxは学生である。従って、
(ⅲ)あるxはフランス人の学生である。
といふ「推論」が、「妥当」であるならば、
(ⅰ)はフランス人である。
(ⅱ)は学生である。従って、
(ⅲ)はフランス人の学生である。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(02)
(ⅰ)ポールがフランス人で、
(ⅱ)ジャンが学生であったとしても、
(ⅲ)ポールが、フランス人の学生であるとは、限らない
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)はフランス人である。
(ⅱ)は学生である。従って、
(ⅲ)はフランス人の学生である。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(ⅰ)あるxはフランス人である。
(ⅱ)あるxは学生である。従って、
(ⅲ)あるxはフランス人の学生である。
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
然るに、
(05)
(ⅰ)あるxはフランス人である。
(ⅱ)あるxは学生である。従って、
(ⅲ)あるxはフランス人の学生である。
といふ「推論」が、「妥当」ではないならば、
1   (1)   ∃x(Fx) A
 2  (2)   ∃x(Gx) A
  3 (3)      Fa  A
   4(4)      Ga  A
  34(5)   Fa&Ga  34&I
  34(6)∃x(Fx&Gx) 5EI
 23 (7)∃x(Fx&Gx) 246EE
12  (8)∃x(Fx&Gx) 137EE
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
従って、
(04)(05)により、
(06)
1   (1)   ∃x(Fx) A
 2  (2)   ∃x(Gx) A
  3 (3)      Fa  A
   4(4)      Ga  A
  34(5)   Fa&Ga  34&I
  34(6)∃x(Fx&Gx) 5EI
 23 (7)∃x(Fx&Gx) 246EE
12  (8)∃x(Fx&Gx) 137EE
といふ「推論」は、「妥当」ではない。
然るに、
(07)
(ⅰ)ポールが、フランス人の学生であるならば、
(ⅱ)ポールといふ、フランス人が存在し、
(ⅲ)ポールといふ、学生も存在する。
従って、
(07)により、
(08)
(ⅰ)あるxはフランス人の学生である。従って、
(ⅱ)フランス人は、存在し、
(ⅲ)学生も存在する。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(08)により、
(09)
(a)
1 (1)∃x(Fx&Gx) A
 2(2)   Fa&Ga  A
 2(3)   Fa     2&E
 2(4)∃x(Fx)    3EI
1 (5)∃x(Fx)    124EE
1 (6)      Ga  2&E
 2(7)   ∃x(Gx) 5EI
1 (8)   ∃x(Gx) 127EE
(b)
1 (1)∃x(Fx&Gx)     A
 2(2)   Fa&Ga      A
 2(3)   Fa         2&E
 2(4)∃x(Fx)        3EI
 2(5)      Ga      2&E
 2(6)   ∃x(Gx)     5EI
 2(7)∃x(Fx)&∃x(Gx) 46&I
1 (8)∃x(Fx)&∃x(Gx) 127EE
従って、
(06)(09)により、
(10)
EE(選言除去)の回数EI(選言導入)の回数
であるならば、その「推論」は、「妥当」ではない。
(11)
[2020前期火5]哲学(演習) 論理学 前期第10回授業(京都大学文学部・矢田部俊介)「形式的な算術体系」
を視聴してゐて、改めて、(10)であることを、「確認」しましたが、 矢田部先生が、そのように、説明してゐる。
といふわけでは、ありません。
令和03年05月13日、毛利太。

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