2021年5月18日火曜日

「恒真式(トートロジー)」と「恒偽式(矛盾)」。

(01)
(ⅰ)
1(1)P   A
 (2)P→P 11CP
(ⅱ)
1 (1)  P     A
  (2)  P→ P  11CP
 3(3)  P&~P  A
 3(4)  P     3&E
 3(5)    ~P  3&E
 3(6)     P  24MPP
 3(7)  ~P&P  56&I
  (8)~(P&~P) 37RAA
(ⅲ)
1   (1)   P      A
    (2)   P→ P   11CP
 3  (3)   P&~P   A
 3  (4)   P      3&E
 3  (5)     ~P   3&E
 3  (6)      P   24MPP
 3  (7)   ~P&P   56&I
    (8) ~(P&~P)  37RAA
  9 (9) ~(P∨~P)  A
   ア(ア)   P      A
   ア(イ)   P∨~P   ア
  9ア(ウ) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  9イ&I
  9 (エ)  ~P      アウDN
  9 (オ)     ~P   エDN
  9 (カ)   P∨~P   オ∨I
  9 (キ) ~(P∨~P)&
         (P∨~P)  9カ&I
    (ク)  (P∨~P)  9キRAA
    (ケ)   P∨~P   クDN
従って、
(01)により、
(02)
①   P→ P ≡Pならば、 Pである。
② ~(P&~P)≡Pであって、Pでない。といふことはない。
③   P∨~P ≡Pであるか、Pでない。
は、3つとも、「恒式(トートロジー)」である。
然るに、
(03)
「恒式(トートロジー)」の「否定」は、 「恒にはならず(部分否定)」ではなく、
「恒に、である(全部否定)」である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ~(P→ P)≡(Pならば、 Pである)ではない。
②  (P&~P)≡(Pであって、Pでない)。
③ ~(P∨~P)≡(Pであるか、Pでない)ではない。
は、3つとも、「恒式(矛盾)」である。
然るに、
(05)
例へば、
④[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
は、「ルカジェヴィッツの公理2」であるため、「恒式」でなければ、ならない。
然るに、
(06)
1  (1) P→(Q→R)                A
 2 (2) P→ Q                   A
  3(3) P                      A
1 3(4)    Q→R                 13MPP
 23(5)    Q                   23MPP
123(6)         R              45MPP
12 (7)       P→R              36CP
1  (8)(P→Q)→(P→R)             27CP
   (9)[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)] 18CP
従って、
(05)(06)により、
(07)
果たして、
④[P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]
は、「恒式(トートロジー)」である。
然るに、
(08)
(ⅳ)
1(1) [ P→( Q→R)]→[  (P→Q)→( P→R)] A
1(2) [~P∨( Q→R)]→[  (P→Q)→( P→R)] 1含意の定義
1(3) [~P∨(~Q∨R)]→[  (P→Q)→( P→R)] 2含意の定義
1(4)~[~P∨(~Q∨R)]∨[  (P→Q)→( P→R)] 3含意の定義
1(5)~[~P∨(~Q∨R)]∨[ (~P∨Q)→( P→R)] 4含意の定義
1(6)~[~P∨(~Q∨R)]∨[~(~P∨Q)∨( P→R)] 5含意の定義
1(7)~[~P∨(~Q∨R)]∨[~(~P∨Q)∨(~P∨R)] 6含意の定義
(ⅴ)
1(1)~[~P∨(~Q∨R)]∨[~(~P∨Q)∨(~P∨R)] A
1(2)~[~P∨(~Q∨R)]∨[~(~P∨Q)∨( P→R)] 1含意の定義
1(3)~[~P∨(~Q∨R)]∨[ (~P∨Q)→( P→R)] 2含意の定義
1(4)~[~P∨(~Q∨R)]∨[  (P→Q)→( P→R)] 3含意の定義
1(5) [~P∨(~Q∨R)]→[  (P→Q)→( P→R)] 4含意の定義
1(6) [~P∨( Q→R)]→[  (P→Q)→( P→R)] 5含意の定義
1(7) [ P→( Q→R)]→[  (P→Q)→( P→R)] 6含意の定義
従って、
(08)により、
(09)
④  [ P→( Q→R)]→[  (P→Q)→( P→R)]
⑤ ~[~P∨(~Q∨R)]∨[~(~P∨Q)∨(~P∨R)]
に於いて、
④=⑤ であって、
④ は、「恒式(トートロジー)」であるため、
⑤ も、「恒式(トートロジー)」である。
然るに、
(10)
(ⅵ)
1(1)~{~[~P∨(~Q∨R)]∨ [~(~P∨Q)∨(~P∨R)]} A
1(2)   [~P∨(~Q∨R)]&~[~(~P∨Q)∨(~P∨R)]  1ド・モルガンの法則
1(3)   [~P∨(~Q∨R)]                    2&E
1(4)     P→(~Q∨R)                     3含意の定義
1(5)               ~[~(~P∨Q)∨(~P∨R)]  2&E
1(6)                 (~P∨Q)&~(~P∨R)   5ド・モルガンの法則
1(7)                 (~P∨Q)           6&E
1(8)                   P→Q            7含意の定義
1(9)                        ~(~P∨R)   6&E
  1(ア)                          P&~R    9ド・モルガンの法則
1(イ)                          P       ア&E
1(ウ)                            ~R    ア&E
1(エ)        ~Q∨R                      4イMPP
1(オ)         Q→R                      エ含意の定義
1(カ)                     Q            8イMPP
1(キ)           R                      オカMPP
1(ク)           R&~R                   ウキ&I
1(ケ)                   P&Q            イカ&I
1(コ)          (R&~R)&(P&Q)            クケ&I
(ⅶ)
1(1)(R&~R)&(P&Q)                      A
1(2)(R&~R)                            1&E
1(3) R                                2&E
1(4)   ~R                             2&E
1(5)~Q∨R                              3∨I
1(6)~P∨(~Q∨R)                         4∨I
1(7)        P&Q                       1&E
1(8)        P                         7&E
1(9)          Q                       7&E
1(ア)        P&~R                      48&I
1(イ)      ~(~P∨R)                     ア、ド・モルガンの法則
1(ウ)        ~P∨Q                      9∨I
1(エ)                  (~P∨Q)&~(~P∨R)  イウ&I
1(オ)               ~[~(~P∨Q)∨(~P∨R)]  エド・モルガンの法則
1(カ)   [~P∨(~Q∨R)]&~[~(~P∨Q)∨(~P∨R)]  6オ&I
1(キ)~{~[~P∨(~Q∨R)]∨ [~(~P∨Q)∨(~P∨R)]} カ、ド・モルガンの法則
従って、
(10)により、
(11)
⑥ ~{~[~P∨(~Q∨R)]∨ [~(~P∨Q)∨(~P∨R)]}
⑦ (R&~R)&(P&Q)
に於いて、すなはち、
⑥ ~{~[~P∨(~Q∨R)]∨ [~(~P∨Q)∨(~P∨R)]}
⑦ ( 矛盾 )&(P&Q)
に於いて、
⑥=⑦ である。
従って、
(06)~(11)により、
(12)
④  [ P→( Q→R)]→[  (P→Q)→( P→R)]
⑤ ~[~P∨(~Q∨R)]∨[~(~P∨Q)∨(~P∨R)]
⑥ ~{~[~P∨(~Q∨R)]∨ [~(~P∨Q)∨(~P∨R)]}
⑦  (R&~R)&(P&Q)
に於いて、
④=⑤ であって、
⑥=⑦ であって、
④ は、「公理(Axiom)」であるため、「恒式」であって、それ故、
⑤ も、「恒式」であり、そのため、その「否定」である、
⑥ と、
⑦ は、「恒式(矛盾)」でなければ、ならないものの、果たして、
⑦ (矛盾)&(P&Q)
であるため、確かに、
⑦ は、「恒式(矛盾)」である。
従って、
(02)(04)(12)により、
(13)
①   P→ P ≡Pならば、 Pである。
② ~(P&~P)≡Pであって、Pでない。といふことはない。
③     P∨~P ≡Pであるか、Pでない。
④  [P→(Q→R)]→[(P→Q)→(P→R)]≡[Pならば(QならばRである)]ならば[(PならばQである)ならば(PならばRである)]。
は、4つとも、「恒式(トートロジー)」であって、尚且つ、
① ~(P→ P)≡(Pならば、 Pである)ではない。
②  (P&~P)≡(Pであって、Pでない)。
③ ~(P∨~P)≡(Pであるか、Pでない)ではない。
④  (R&~R)&(P&Q)≡(Rであって、~Rでなく)、尚且つ(Pであって、Qである)。
は、4つとも、「恒式(矛盾)」である。
然るに、
(14)
(ⅳ)
1  (1)~{(R&~R)& (P&Q)} A
1  (2) ~(R&~R)∨~(P&Q)  1ド・モルガンの法則
 3 (3) ~(R&~R)         A
 3 (4)  ~R∨ R          3ド・モルガンの法則
 3 (5)   R→ R          4含意の定義
 3 (6)  (R→ R)∨~(P&Q)  5∨I
  4(7)         ~(P&Q)  A
  4(8)  (R→ R)∨~(P&Q)  7∨I
1  (9)  (R→ R)∨~(P&Q)  13648∨E
1  (〃)  ( 同一律 )∨~(P&Q)  13648∨E
(ⅴ)
1   (1)  (R→ R)∨~(P&Q)  A
1   (〃)  ( 同一律 )∨~(P&Q)  A
 2  (2)   R→ R          A
  3 (3)   R&~R          A
  3 (4)   R             3&E
  3 (5)     ~R          3&E
 23 (6)      R          24MPP
 23 (7)   ~R&R          56&I
 2  (8) ~(R&~R)         37RAA
 2  (9) ~(R&~R)∨~(P&Q)  8∨I
   ア(ア)         ~(P&Q)  A
   ア(イ) ~(R&~R)∨~(P&Q)  ア∨I
1   (ウ) ~(R&~R)∨~(P&Q)  129アイ∨E
1   (エ)~{(R&~R)& (P&Q)} ウ、ド・モルガンの法則
従って、
(13)(14)により、
(15)
④ ~{(R&~R)& (P&Q)}
⑤   ( 同一律 )∨~(P&Q)
に於いて
④=⑤ であって、
④ は、「恒式(矛盾)」の「否定」であって、
⑤ は、「恒式(トートロジー)」である。
従って、
(02)(04)(15)により、
(16)
「恒式(トートロジー)」の「否定」は「恒式(矛盾)」であって、
「恒式(矛盾)」の「否定」は、「恒式(トートロジー)」である。
令和03年05月18日、毛利太。

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