2019年4月20日土曜日

「選言導入の規則(∨I)」は「不自然」ではない(Ⅱ)。

―「返り点と括弧」に関しては、『「返り点」と「括弧」の関係(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html)』他をお読み下さい。―
―「午前中の記事」を「補足」します。―
(01)
選言の導入または追加(または導入とも呼ばれる)[1] [2] [3]は命題論理および他のほとんどすべての推論システムの推論の法則です。規則は論理的証明に選言を導入することを可能にする。ある推論あればというPが真である場合、PまたはQが真でなければなりません。
英語での例:
ソクラテスは男です。したがって、
ソクラテスは男である、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいる。
規則は次のように表すことができます。
形式表記
P→(P∨Q)
(英語版、ウィキペディア、グーグル翻訳改)。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
1 (3)  Q∨P 2交換法則
1 (4)~~Q∨P 2DN
1 (5) ~Q→P 4含意の規則
 6(6) ~Q   A
16(7)    P 56MPP
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」である際に、「Pを真にする」ことは、「可能」である。
然るに、
(04)
(ⅱ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
1 (3)  Q∨P 2交換法則
1 (4)~~Q∨P 2DN
1 (5) ~Q→P 4含意の規則
 6(6)  Q   A
 6(7)~~Q   6DN
16(8)   ~P 57前件否定虚偽
cf.
前件否定の虚偽
仮言的三段論法において生じる虚偽。前件が否定されることから後件も否定するところに生じる(デジタル大辞泉)。
従って、
(04)により、
(05)
(ⅱ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」である際に、「Pを偽にする」ことは、「可能」ではない。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
1 (3)~~P∨Q 2DN
1 (4) ~P→Q 3含意の定義
 5(5) ~P   A
15(6)    Q 45MPP
15(5) P&~P は、「矛盾」である。
従って、
(06)により、
(07)
(ⅲ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」である際に、「Qを真にする」ことは、「可能」ではない。
然るに、
(08)
(ⅳ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
1 (3)~~P∨Q 2DN
1 (4) ~P→Q 3含意の定義
 5(5)~~P   A
15(6)   ~Q 45前件否定虚偽
従って、
(08)により、
(09)
(ⅳ)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」である際に、「Qを偽にする」ことも、「可能」ではない。
従って、
(03)(05)(07)(09)により、
(10)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」である際に、
(ⅰ)「Pをにする」ことは、「可能」である
(ⅱ)「Pをにする」ことは、「可能」ではない
(ⅲ)「Qをにする」ことは、「可能」ではない
(ⅳ)「Qをにする」ことは、「可能」ではない
然るに、
(11)
「排中律(P∨~P)」により、
「Pは真である、偽であるか、いづれかである。」
従って、
(10)(11)により、
(12)
(ⅰ)「Pをにする」ことは、「可能」であるが、
(ⅱ)「Pをにする」ことは、「可能」ではない
といふのであれば、
(ⅰ)「Pはである。」と、すべきである
然るに、
(13)
(ⅲ)「Qをにする」ことは、「可能」ではないし、
(ⅳ)「Qをにする」ことも、「可能」ではない
といふのであれば、必然的に、
(ⅲ)「Qはであるのかも知れない。」
(ⅳ)「Qはであるのかも知れない。」
従って、
(10)~(13)により、
(14)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「真」であるならば、
(ⅰ)「Pである。」は「」であり、
(ⅱ)「Pでない。」は「」であり、
(ⅲ)「Qである。」は「真偽不明」であり、
(ⅳ)「Qでない。」も「真偽不明」である。
従って、
(14)により、
(15)
P=ソクラテスは人間である。
Q=豚がイギリスの海峡を越えて編隊で飛んでいる。
であるとして、
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」であるならば、
(ⅰ)「ソクラテスは人間である。」は「」であり、
(ⅱ)「ソクラテスは人間でない。」は「」であり、
(ⅲ)「豚がイギリスの海峡を越えて編隊で飛んでいる。 」は「真偽不明」であり、
(ⅳ)「豚がイギリスの海峡を越えて編隊で飛んでいない。」も「真偽不明」である。
従って、
(15)により、
(16)
P=ソクラテスは人間である。
Q=豚がイギリスの海峡を越えて編隊で飛んでいる。
であるとして、
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
が「妥当」であるといふことは、
「ソクラテスは人間である。従って、ソクラテスは人間であるが、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいるかどうかは、分からない。」
といふことを、述べてゐる。
従って、
(01)(16)により、
(17)
「ソクラテスは人間である。従って、ソクラテスは人間である、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいる。」
といふ「推論」は、実際には、
「ソクラテスは人間である。従って、ソクラテスは人間であるが、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいるかどうかは、分からない。」
といふことを、述べてゐる。
然るに、
(18)
「ソクラテスは人間である。従って、ソクラテスは人間であるが、豚がイギリスの海峡を越えて編隊を組んで飛んでいるかどうかは、分からない。」
といふ「推論」は、明らかに、「妥当」である。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
1 (1)  P   A
1 (2)  P∨Q 1∨I(選言導入の規則)
といふ「推論」は、「妥当(valid)」である。
平成31年04月20日、毛利太。

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