2019年4月30日火曜日

トートロジー(恒真式)Ⅱ。

―「先ほどの記事」を「続き」を書きます。―
―「返り点と括弧」に関しては、『「返り点」と「括弧」の関係(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html)』他をお読み下さい。―
(34)
(ⅶ)
1  (1)  P→ Q A
 2 (2)  P    A
  3(3)    ~Q A
12 (4)     Q 12MPP
123(5)  ~Q&Q 34&I
1 3(6) ~P    25RAA
1  (7) ~Q→~P 36CP
(ⅷ)
1  (1) ~Q→~P A
 2 (2) ~Q    A
  3(3)     P A
12 (4)    ~P 12MPP
123(5)  P&~P 34&I
1 3(6)~~Q    25RAA
1 3(7)  Q    6DN
1  (8)  P→ Q 47CP
従って、
(34)により、
(35)
(ⅶ) P→ Q
(ⅷ)~Q→~P
に於いて、
(ⅶ)=(ⅷ) である。
然るに、
(36)
自然演繹論理のあるバージョンには、公理が存在しない。ジョン・レモンが開発した体系Lは、証明の構文規則に関する次のような「10個の基本的規則」だけを持つ。
1.仮定の規則(A)
2.肯定肯定式(MPP)
3.否定否定式(MTT)
4.二重否定 (DN)
5.条件的証明(CP)
6.&導入  (&I)
7.&除去  (&E) 
8.∨導入  (&I)
9.∨除去  (&E)
10.背理法  (RAA)
(ウィキペディア改)
従って、
(35)(36)により、
(37)
「体系Lの基本規則の内の、A、MPP、DN、CP、&I、RAA」によって、
(ⅶ) P→ Q
(ⅷ)~Q→~P
すなはち、「対偶は、等しい」。
然るに、
(38)
(ⅸ)
1(1)  P→ Q A
1(2) ~P∨ Q 1含意の定義
1(3)  Q∨~P 2交換法則
1(4)~~Q∨~P 3DN
1(5) ~Q→~P 4含意の定義
(ⅹ)
1(1) ~Q→~P A
1(2)~~Q∨~P 1含意の定義α
1(3)  Q∨~P 2DN
1(4) ~P∨ Q 3交換法則
1(5)  P→ Q 4含意の定義α
従って、
(36)(38)により、
(39)
「体系Lの基本規則の内の、A、DN」と「含意の定義α、交換法則」によっても、
(ⅸ) P→ Q
(ⅹ)~Q→~P
すなはち、「対偶は、等しい」。
然るに、
(40)
(ⅺ)
1  (1)~P∨Q A
 2 (2)~P   A
 2 (3)Q∨~P 2∨I
  4(4)   Q A
  4(5)Q∨~P 4∨I
1  (6)Q∨~P 12345EE
(ⅻ)
1  (1)Q∨~P A
 2 (2)Q    A
 2 (3)~P∨Q 2∨I
  4(4)  ~P A
  4(5)~P∨Q 4∨I
1  (6)~P∨Q 12345EE
従って、
(41)
(01)(02)(36)(40)により、
(41)
「含意の定義α、交換法則」自体も、「体系Lの、10個の基本規則」で「証明」出来る。
加へて、
(16)により、
(42)
「ド・モルガンの法則」も、「体系Lの、10個の基本規則」で「証明」出来る。
従って、
(36)~(42)により、
(43)
「自然演繹の体系Lの、10個の基本規則」は、「公理」のやうな「働き」をする。
然るに、
(44)
ヒルベルトの演繹システムは、公理が多く、推論規則が少ないものです。そして、公理も、わけのわからない論理式となっています。例えば、
  P→(Q→P)(Pならば(QならばP))
という論理式が公理として設定されています。つまり、この論理式を出発点として演繹を行って良い。ということです、多くの人は、この論理式の意味が飲み込めないでしょう(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、136頁)。
然るに、
(45)
(α)
  1 (1)  P→(Q→ P)   A
   2(2)  P&(Q&~P)   A
   2(3)  P          2&E
   2(4)     Q&~P    2&E
   2(5)     Q       2&E
   2(6)       ~P    4&E
  12(7)     Q→ P    13MPP
  12(8)        P    57MPP
  12(9)     ~P&P    68&I
  1 (ア)~{P&(Q&~P)}  29RAA
(β)
1   (1)~{P&(Q&~P)}  A
 2  (2)  P          A
  3 (3)    (Q&~P)   A
 23 (4)  P&(Q&~P)   34&I
123 (5)~{P&(Q&~P)}& 
        {P&(Q&~P)}  14&I
12  (6)   ~(Q&~P)   35RAA
  7 (7)     Q       A
   8(8)       ~P    A
  78(9)     Q&~P    78&I
1278(ア)   ~(Q&~P)&
           (Q&~P)   69&I
127 (イ)      ~~P    8アRAA
127 (ウ)        P    イDN
12  (エ)     Q→ P    7ウCP
1   (オ)  P→(Q→ P)   2エCP
従って、
(45)により、
(46)
(α)     P→(Q→  P) 
(β)~{(P&~P)&Q}
に於いて、
(α)=(β) である。
然るに、
(47)
(β)~{(P&~P)&Q} は、
(β)~{( 矛盾 )&Q} である。
従って、
(47)により、
(48)
(β)~{(P&~P)&Q} は、
(β)~{( 偽  )&} であっても、
(β)~{( 偽  )&} であっても、
(β)~{       } は、「」である。
従って、
(47)(48)により、
(49)
(α)     P→(Q→  P) 
(β)~{(P&~P)&Q}
に於いて、
(α)=(β) であって、尚且つ、
    (β) は、「恒真」である。
従って、
(44)(49)により、
(50)
(α)P→(Q→P)(Pならば(QならばP))
といふ、「わけのわからない、ヒルベルトの公理(論理式)」は「恒真」である。
従って、
(36)(44)(50)により、
(51)
(α)P→(Q→P)(Pならば(QならばP))
といふ、「わけのわからない、ヒルベルトの公理(論理式)」は、「ジョン・レモンが開発した自然演繹の体系L」に於いても、「恒真」である。
平成31年04月30日、毛利太。

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