―「先ほどの記事」を「続き」を書きます。―
―「返り点と括弧」に関しては、『「返り点」と「括弧」の関係(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html)』他をお読み下さい。―
(34)
(ⅶ)
1 (1) P→ Q A
2 (2) P A
3(3) ~Q A
12 (4) Q 12MPP
123(5) ~Q&Q 34&I
1 3(6) ~P 25RAA
1 (7) ~Q→~P 36CP
(ⅷ)
1 (1) ~Q→~P A
2 (2) ~Q A
3(3) P A
12 (4) ~P 12MPP
123(5) P&~P 34&I
1 3(6)~~Q 25RAA
1 3(7) Q 6DN
1 (8) P→ Q 47CP
従って、
(34)により、
(35)
(ⅶ) P→ Q
(ⅷ)~Q→~P
に於いて、
(ⅶ)=(ⅷ) である。
然るに、
(36)
自然演繹論理のあるバージョンには、公理が存在しない。ジョン・レモンが開発した体系Lは、証明の構文規則に関する次のような「10個の基本的規則」だけを持つ。
1.仮定の規則(A)
2.肯定肯定式(MPP)
3.否定否定式(MTT)
4.二重否定 (DN)
5.条件的証明(CP)
6.&導入 (&I)
7.&除去 (&E)
8.∨導入 (&I)
9.∨除去 (&E)
10.背理法 (RAA)
(ウィキペディア改)
従って、
(35)(36)により、
(37)
「体系Lの基本規則の内の、A、MPP、DN、CP、&I、RAA」によって、
(ⅶ) P→ Q
(ⅷ)~Q→~P
すなはち、「対偶は、等しい」。
然るに、
(38)
(ⅸ)
1(1) P→ Q A
1(2) ~P∨ Q 1含意の定義
1(3) Q∨~P 2交換法則
1(4)~~Q∨~P 3DN
1(5) ~Q→~P 4含意の定義
(ⅹ)
1(1) ~Q→~P A
1(2)~~Q∨~P 1含意の定義α
1(3) Q∨~P 2DN
1(4) ~P∨ Q 3交換法則
1(5) P→ Q 4含意の定義α
従って、
(36)(38)により、
(39)
「体系Lの基本規則の内の、A、DN」と「含意の定義α、交換法則」によっても、
(ⅸ) P→ Q
(ⅹ)~Q→~P
すなはち、「対偶は、等しい」。
然るに、
(40)
(ⅺ)
1 (1)~P∨Q A
2 (2)~P A
2 (3)Q∨~P 2∨I
4(4) Q A
4(5)Q∨~P 4∨I
1 (6)Q∨~P 12345EE
(ⅻ)
1 (1)Q∨~P A
2 (2)Q A
2 (3)~P∨Q 2∨I
4(4) ~P A
4(5)~P∨Q 4∨I
1 (6)~P∨Q 12345EE
従って、
(41)
(01)(02)(36)(40)により、
(41)
「含意の定義α、交換法則」自体も、「体系Lの、10個の基本規則」で「証明」出来る。
加へて、
(16)により、
(42)
「ド・モルガンの法則」も、「体系Lの、10個の基本規則」で「証明」出来る。
従って、
(36)~(42)により、
(43)
「自然演繹の体系Lの、10個の基本規則」は、「公理」のやうな「働き」をする。
然るに、
(44)
ヒルベルトの演繹システムは、公理が多く、推論規則が少ないものです。そして、公理も、わけのわからない論理式となっています。例えば、
P→(Q→P)(Pならば(QならばP))
という論理式が公理として設定されています。つまり、この論理式を出発点として演繹を行って良い。ということです、多くの人は、この論理式の意味が飲み込めないでしょう(小島寛之、証明と論理に強くなる、2017年、136頁)。
然るに、
(45)
(α)
1 (1) P→(Q→ P) A
2(2) P&(Q&~P) A
2(3) P 2&E
2(4) Q&~P 2&E
2(5) Q 2&E
2(6) ~P 4&E
12(7) Q→ P 13MPP
12(8) P 57MPP
12(9) ~P&P 68&I
1 (ア)~{P&(Q&~P)} 29RAA
(β)
1 (1)~{P&(Q&~P)} A
2 (2) P A
3 (3) (Q&~P) A
23 (4) P&(Q&~P) 34&I
123 (5)~{P&(Q&~P)}&
{P&(Q&~P)} 14&I
12 (6) ~(Q&~P) 35RAA
7 (7) Q A
8(8) ~P A
78(9) Q&~P 78&I
1278(ア) ~(Q&~P)&
(Q&~P) 69&I
127 (イ) ~~P 8アRAA
127 (ウ) P イDN
12 (エ) Q→ P 7ウCP
1 (オ) P→(Q→ P) 2エCP
従って、
(45)により、
(46)
(α) P→(Q→ P)
(β)~{(P&~P)&Q}
に於いて、
(α)=(β) である。
然るに、
(47)
(β)~{(P&~P)&Q} は、
(β)~{( 矛盾 )&Q} である。
従って、
(47)により、
(48)
(β)~{(P&~P)&Q} は、
(β)~{( 偽 )&真} であっても、
(β)~{( 偽 )&偽} であっても、
(β)~{ 偽 } は、「真」である。
従って、
(47)(48)により、
(49)
(α) P→(Q→ P)
(β)~{(P&~P)&Q}
に於いて、
(α)=(β) であって、尚且つ、
(β) は、「恒真」である。
従って、
(44)(49)により、
(50)
(α)P→(Q→P)(Pならば(QならばP))
といふ、「わけのわからない、ヒルベルトの公理(論理式)」は「恒真」である。
従って、
(36)(44)(50)により、
(51)
(α)P→(Q→P)(Pならば(QならばP))
といふ、「わけのわからない、ヒルベルトの公理(論理式)」は、「ジョン・レモンが開発した自然演繹の体系L」に於いても、「恒真」である。
平成31年04月30日、毛利太。
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