―「返り点と括弧」に関しては、『「返り点」と「括弧」の関係(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html)』他をお読み下さい。―
(01)
数学では不等号を「≠」で表しますが、Excelでは「<>」で表すルールになっています。
従って、
(01)により、
(02)
以下では、
「a≠b」を、
「a<>b」とし、
「a=b」を、
「a<>bではない。」とします。
(03)
(ⅰ)
1 (1)∀x{2<x&素数x→~∃y∃z(偶数y&整数z&x=yz)} A
1 (2) 2<a&素数a→~∃y∃z(偶数y&整数z&a=yz) 1UE
3 (3) 2<a&素数a A
13 (4) ~∃y∃z(偶数y&整数z&a=yz) 23MPP
13 (5) ∀y~∃z(偶数y&整数z&a=yz) 4量化子の関係
13 (6) ∀y∀z~(偶数y&整数z&a=yz) 5量化子の関係
13 (7) ∀z~(偶数b&整数z&a=bz) 6UE
13 (8) ~(偶数b&整数c&a=bc) 7UE
13 (9) ~偶数b∨~整数c∨a<>bc 8ドモルガンの法則
13 (ア) ~偶数b∨(~整数c∨a<>bc) 9結合法則
13 (イ) 偶数b→(~整数c∨a<>bc) ア含意の定義
ウ(ウ) 偶数b A
13ウ(エ) (~整数c∨a<>bc) ウエMPP
13ウ(オ) 整数c→a<>bc エ含意の定義
13 (カ) 偶数b→ 整数c→a<>bc) ウオCP
13 (キ) ∀z(偶数b→ 整数z→a<>bz) カUI
13 (ク) ∀y∀z(偶数y→ 整数z→a<>yz) キUI
1 (ケ) 2<a&素数a→∀y∀z(偶数y→ 整数z→a<>yz) 3クCP
1 (コ)∀x{2<x&素数x→∀y∀z(偶数y→ 整数z→x<>yz)} ケUI
(ⅱ)
1 (1)∀x{2<x&素数x→∀y∀z(偶数y→ 整数z→x<>yz)} A
1 (2) 2<x&素数x→∀y∀z(偶数y→ 整数x→a<>yz) 1UE
3 (3) 2<a&素数a A
13 (4) ∀y∀z(偶数y→ 整数y→a<>yz) 23MPP
13 (5) ∀z(偶数b→ 整数z→a<>bz) 4UE
13 (6) 偶数b→(整数c→a<>bc) 5UE
7(7) 偶数b 7A
137(8) (整数c→a<>bc) 67MPP
137(9) (~整数c∨a<>bc) 8含意の定義
13 (ア) 偶数b→(~整数c∨a<>bc) 79CP
13 (イ) ~偶数b∨(~整数c∨a<>bc) ア含意の定義
13 (ウ) ~偶数b∨~整数c∨a<>bc イ結合法則
13 (エ) ~(偶数b&整数c&a=bc) ウ、ドモルガンの法則
13 (オ) ∀z~(偶数b&整数z&a=bz) エUI
13 (カ) ∀y∀z~(偶数y&整数z&a=yz) オUI
13 (キ) ~~∀y∀z~(偶数y&整数z&a=yz) カDN
13 (ク) ~∃y~∀z~(偶数y&整数z&a=yz) キ量化子の関係
13 (ケ) ~∃y∃z~~(偶数y&整数z&a=yz) ク量化子の関係
13 (サ) ~∃y∃z~~(偶数y&整数z&a=yz) ケ量化子の関係
13 (シ) ~∃y∃z(偶数y&整数z&a=yz) ケ量化子の関係
1 (ス) 2<a&素数a→~∃y∃z(偶数y&整数z&a=yz) 3シCP
1 (セ)∀x{2<x&素数x→~∃y∃z(偶数y&整数z&x=yz)} スUI
(04)
―「結合法則の証明」―
(a)
1 (1)P∨ Q∨R A
2 (2)P A
2 (3)P∨(Q∨R) 2∨I
3 (4) Q A
3 (5) (Q∨R) 4∨I
3 (6)P∨(Q∨R) 5∨I
7 (7) R A
7 (8) (Q∨R) 7∨I
7 (9)P∨(Q∨R) 8∨I
1 (ア)P∨(Q∨R) 1234679∨E
(b)
1 (1)P∨(Q∨R) A
2 (2)P A
2 (3)P∨ Q 2∨I
2 (4)P∨ Q∨R 3∨I
5 (5) (Q∨R) A
6 (6) Q A
6 (7) Q∨R 6∨I
6 (8)P∨ Q∨R 7∨I
9(9) R A
9(ア) Q∨R 9∨I
9(イ)P∨ Q∨R ア∨I
1 (ウ)P∨ Q∨R 1245イ∨E
従って、
(03)(04)により、
(05)
(ⅰ)∀x{2<x&素数x→~∃y∃z(偶数y&整数z&x=yz)}
(ⅱ)∀x{2<x&素数x→ ∀y∀z(偶数y→整数z→x<>yz)}
に於いて、
(ⅰ)ならば(ⅱ)であり、
(ⅱ)ならば(ⅰ)である。
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ)∀x{2<x&素数x→~∃y∃z(偶数y&整数z&x=yz)}
(ⅱ)∀x{2<x&素数x→ ∀y∀z(偶数y→整数z→x<>yz)}
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) である。
従って、
(06)により、
(07)
(ⅰ)すべてのxについて、xが2より大きい素数であるならば、あるyが偶数で、あるzが整数である際に、xが、yとzで割りきれる。といふことはない。
(ⅱ)すべてのxについて、xが2より大きい素数であるならば、すべてのyと、すべてのzについて、yが偶数ならば、zが整数ならば、xは、yとzでは、割り切れない。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) である。
然るに、
(08)
(ⅰ)すべてのxについて、xが2より大きい素数であるならば、あるyが偶数で、あるzが整数である際に、xが、yとzで割りきれる。といふことはない。
(ⅱ)すべてのxについて、xが2より大きい素数であるならば、すべてのyと、すべてのzについて、yが偶数ならば、zが整数ならば、xは、yとzでは、割り切れない。
といふことは、
(ⅲ)2よりも大きい、偶数の素数はない。
といふことに、他ならない。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
(ⅲ)2よりも大きい、偶数の素数はない。
といふ「日本語」は、
(ⅰ)∀x{2<x&素数x→~∃y∃z(偶数y&整数z&x=yz)}
(ⅱ)∀x{2<x&素数x→ ∀y∀z(偶数y→整数z→x<>yz)}
といふ「述語論理」に、翻訳される。
然るに、
(10)
一階述語論理(いっかいじゅつごろんり、first-order predicate logic)とは、個体の量化のみを許す述語論理 (predicate logic) である。述語論理とは、数理論理学における論理の数学的モデルの一つであり、命題論理を拡張したものである(ウィキペディア)。
従って、
(09)(10)により、
(11)
「述語論理」は、例へば、
(ⅰ)2よりも大きい、偶数の素数はない=∀x{2<x&素数x→~∃y∃z(偶数y&整数z&x=yz)}。
(ⅱ)2よりも大きい、偶数の素数はない=∀x{2<x&素数x→ ∀y∀z(偶数y→整数z→x<>yz)}。
といふ「命題」を「表現」するために、発明されたのであって、例へば、
(ⅲ)虎百獸を求めて之を食ひ、狐を得たり=∃y{虎y&∀x[獸x→求yx&食yx&∃z(狐z&獸z&得yz)]}。
といふ「命題」を「表現」するために、発明されたのではない。
といふ、ことになる。
平成31年04月14日、毛利太。
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