2019年4月30日火曜日

トートロジー(恒真式)。

―「返り点と括弧」に関しては、『「返り点」と「括弧」の関係(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html)』他をお読み下さい。―
(01)
(ⅰ)
    1 (1)  P→ Q A
     2(2)  P&~Q A
     2(3)  P    2&E
     2(4)    ~Q 2&E
    12(5)     Q 13MPP
    12(6)  ~Q&Q 45&I
    1 (7)   ~~Q 46RAA
    1 (8)     Q 7DN
    1 (9)  ~P∨Q 8∨I
(ⅱ)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P& P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   A
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   エオ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   7カRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ) P→Q
(ⅱ)~P∨Q
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) であるものの、「この等式」を、「含意の定義α」とする。
(03)
(ⅲ)
    1 (1)  P→ Q  A
     2(2)  P&~Q  A
     2(3)  P     2&E
     2(4)    ~Q  2&E
    12(5)     Q  13MPP
    12(6)  ~Q&Q  45&I
    1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(ⅳ)
   1  (1)~(P&~Q)  A
    2 (2)  P      A
     3(3)    ~Q   A
    23(4)  P&~Q   23&I
   123(5)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  14&I
   12 (6)   ~~Q   35RAA
   12 (7)     Q   6DN
   1  (8)  P→ Q   27CP
従って、
(03)により、
(04)
(ⅲ)  P→ Q
(ⅳ)~(P&~Q)
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) であるものの、「この等式」を、「含意の定義β」とする。
然るに、
(05)
(a)
1(1)  P     A
 (2)  P→P   11CP
(b)
1(1)  P     A
 (2)  P→P   11CP
 (3) ~P∨P   2含意の定義α
(c)
1(1)  P     A
 (2)  P→P   11CP
 (3)~(P&~P) 2含意の定義β
従って、
(05)により、
(06)
「P→P」=「~P∨P」=「~(P&~P)」
である。
従って、
(06)により、
(07)
「P→P」=「~P∨P」=「~(P&~P)」⇔
「PならばPである。」=「Pでないか、または、Pである。」=「PであってPでない。といふことはない。」
である。
然るに、
(08)
「PならばPである。」の「対偶」は、
「PでないならばPでない。」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
「PならばPである。」
「PでないならばPでない。」
「Pでないか、または、Pである。」
「PであってPでない。といふことはない。」
に於いて、「4つの言ひ方」は、すべて、「同じこと」である。
然るに、
(10)
「Pでないか、または、Pである。」
といふことと、
「PでないならばPでなく、PであるならばPである。」
といふことは、たしかに、「同じこと」である。
然るに、
(11)
「Pでないか、または、Pである。」
といふことは、
「Pであるのか、Pでないのかは、分からない。」
といふことである。
然るに、
(12)
「Pであるのか、Pでないのかは、分からない。」
と、誰かが言ふならば、その誰かは、
「Pであるとは、言ってゐないし、Pでないとも、言ってゐない。」
といふことである。
然るに、
(13)
「Pであるとは、言ってゐないし、Pでないとも、言ってゐない。」
と、誰かが言ったとして、その誰かが「言ったこと」を、「否定」することは、「不可能」である。
従って、
(06)~(13)により、
(14)
「  P→ P 」=「PならばPである。」⇔
「 ~P→~P 」=「PでないならばPでない。」⇔
「 ~P∨ P 」=「Pでないか、または、Pである。」⇔
「~(P&~P)」=「PであってPでない。といふことはない。」
といふ「4通りの、言ひ方」は、誰にも「否定できず」、それ故、「常に真(トートロジー)」である。
然るに、
(15)
1(1) ~(P&~P) A
1(2)~~(P&~P) A
1(3)  (P&~P) 2DN
然るに、
(16)
(ⅴ)
1   (1) ~(~P∨Q)        A
 2  (2)   ~P           A
 2  (3)   ~P∨Q         2∨I
12  (4) ~(~P∨Q)&(~P∨Q) 13&I
1   (5)  ~~P           24RAA
1   (6)    P           5DN
   7(7)      Q         A
   7(8)   ~P∨Q         7∨I
1  7(9) ~(~P∨Q)&(~P∨Q) 18&I
1   (ア)     ~Q         79RAA
1   (ウ)   P&~Q         6イ&I
(ⅵ)
1   (1)   P&~Q          A
 2  (2)  ~P∨ Q          A
  3 (3)  ~P             A
1   (4)   P             1&E
1 3 (5)  ~P& P          34&I
  3 (6) ~(P&~Q)         15RAA
   7(7)      Q          A
1   (8)     ~Q          1&E
1  7(9)   Q&~Q          78&I
   7(ア) ~(P&~Q)         19RAA
 2  (イ) ~(P&~Q)         2367ア∨E
12  (ウ)  (P&~Q)&~(P&~Q) 1イ&I
1   (エ)~(~P∨ Q)         2ウRAA
従って、
(16)により、
(17)
(ⅴ)~(~P∨ Q) 
(ⅵ) ( P&~Q)
に於いて、
(ⅴ)=(ⅵ) である。
ものの、「この等式」を、「ド・モルガンの法則」と言ふ。
然るに、
(18)
(ⅴ)~(~P∨ Q) 
(ⅵ) ( P&~Q)
に於いて、
(ⅴ)Q=P
(ⅵ)Q=P
といふ「代入」を行ふと、
(ⅴ)~(~P∨ P) 
(ⅵ) ( P&~P)
従って、
(17)(18)により、
(19)
(ⅴ)~(~P∨ P) 
(ⅵ) ( P&~P)
に於いて、
(ⅴ)=(ⅵ) である。
従って、
(14)(15)(19)により、
(20)
「 ~P∨ P 」=「Pでないか、または、Pである。」⇔
「~(P&~P)」=「PであってPでない。といふことはない。」⇔
を「否定」すると、「矛盾(P&~P)」が、生じることになる。
従って、
(09)(14)(20)により、
(21)
「  P→ P 」=「PならばPである。」⇔
「 ~P→~P 」=「PでないならばPでない。」⇔
「 ~P∨ P 」=「Pでないか、または、Pである。」⇔
「~(P&~P)」=「PであってPでない。といふことはない。」
といふ「4通り」を「否定」すると、「矛盾(P&~P)」が、生じることになる。
然るに、
(22)
「矛盾(P&~P)」の「肯定」するわけには、行かない。
従って、
(21)(22)により、
(23)
「  P→ P 」=「PならばPである。」⇔
「 ~P→~P 」=「PでないならばPでない。」⇔
「 ~P∨ P 」=「Pでないか、または、Pである。」⇔
「~(P&~P)」=「PであってPでない。といふことはない。」
といふ「4通りの、言ひ方」は、誰にも「否定できず」、それ故、「常に真(トートロジー)」である。
従って、
(22)(23)により、
(24)
「  P→ P 」=「PならばPである。」⇔
「 ~P→~P 」=「PでないならばPでない。」⇔
「 ~P∨ P 」=「Pでないか、または、Pである。」⇔
「~(P&~P)」=「PであってPでない。といふことはない。」
といふ「4通りの、言ひ方」は、「当然のこと」を述べてゐるのと「同時」に、「矛盾(P&~P)」は、「否定」しなければならない。
といふことを、述べてゐる。
(25)
1(1)~P    A
1(2)~P∨ Q 1∨I
1(3) P→ Q 3含意の定義α
1(4)   ~Q 前件否定
然るに、
(26)
 P=Aは外国人である。とすれば、
~P=Aは日本人である。
 Q=Aは女性である。 とすれば、
~Q=Aは男性である。
従って、
(25)(26)により、
(27)
1(1)~P    A
1(2)~P∨ Q 1∨I
1(3) P→ Q 3含意の定義α
1(4)   ~Q 13前件否定
といふ「計算」が「正しい」のであれば、
1(1)~P    A
からは、「どのような結論」をも、得ることが出来る。
然るに、
(28)
前件否定(ぜんけんひてい、英: Denying the antecedent)は、誤謬の一種であり、次のような推論の論証形式に関する誤謬である。
もし P ならば、Q である。
P ではない。
従って、Q ではない。
この形式の主張は妥当ではない。この形式の論証はたとえ前提が真であっても、結論を導く推論過程に瑕疵がある(ウィキペディア)。
従って、
(27)(28)により、
(29)
1(1)~P    A
1(2)~P∨ Q 1∨I
1(3) P→ Q 3含意の定義α
1(4)   ~Q 13前件否定
といふ「計算(前件否定の誤謬)」は「マチガイ」である。
然るに、
(30)
1(1)~P&P A
1(2)~P   1&E
1(3)~P∨Q 2∨I
1(4) P→Q 3含意の定義α
1(5) P   1&E
1(6)   Q 45MPP
といふ「計算」は、「正しい」。
従って、
(30)により、
(31)
1(1)~P&P A
といふ「矛盾(~P&P)」を「仮定」すれば、どのやうな「結論(Q)」であって、「否定」出来ない。
然るに、
(32)
1(1)  ~P&P  A
 (2)~(~P&P) 11RAA
従って、
(33)
「自然演繹(Natural deduction)」では、
1(1)  ~P&P  A
 (2)~(~P&P) 11RAA
といふ具合に、「矛盾(~P&P)」を「仮定(A)」すると、ただちに、「背理法(RAA)」によって、「否定」される。
平成31年04月30日、毛利太。

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