2019年6月3日月曜日

「象は鼻が長い。」の「述語論理」の「対偶」(Ⅲ)。

―「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他、諸々」を、お読み下さい。―
(01)
(ⅰ)
1  (1) P→Q  A
 2 (2) P    A
  3(3)  ~Q  A
12 (4)   Q  12MPP
123(5)~Q&Q  34&I
1 3(6)~P    25RAA
1  (7)~Q→~P 36CP
(ⅱ)
1  (1)~Q→~P A
 2 (2)~Q    A
  3(3)    P A
12 (4)   ~P 12MPP
123(5) P&~P 34&I
1 3(6)~~Q   25RAA
1 3(7)  Q   6DN
1  (8)P→Q   37CP
従って、
(ⅰ)(ⅱ)により、
(02)
①  P→ Q=PであるならばQである。
② ~Q→~P=QでないならばPでない。
に於いて、
①=② であって、
この「等式」を、「対偶(contraposition)」といふ。
cf.
命題「PであるならばQである」の真偽とその対偶「QでないならPでない」の真偽とは必ず一致する(すなわち真理値が等しい)。
(ウィキペディア改)
然るに、
(03)
①  P→ Q
② ~Q→~P
に於いて、
Q=(Q&R)
といふ「代入(置換)」を行ふと、
①   P→ (Q&R)
② ~(Q&R)→~P
に於いて、
①=②
は、「対偶(contraposition)」である。
然るに、
(04)
(ⅱ)
1  (1)~(Q& R)  A
 2 (2)  Q      A
  3(3)     R   A
 23(4)  Q& R   23&I
123(5)~(Q& R)&
       (Q& R)  14&I
12 (6)    ~R   35RAA
1  (7)  Q→~R   26CP
(ⅲ)
1  (1)  Q→~R  A
 2 (2)  Q& R  A
 2 (3)  Q     2&E
 2 (4)     R  2&E
12 (5)    ~R  13MPP
12 (6)  R&~R  45&I
1  (7)~(Q& R) 26RAA
従って、
(05)
② ~(Q&  R)
③     Q→~R
に於いて、
②=③ である。
従って、
(03)(05)により、
(06)
① P→(Q& R)
② Q→~R→~P
に於いて、
①=②
は、「対偶(contraposition)」である。
従って、
(06)により、
(07)
①( )を省略すると、
① P→ Q& R
② Q→~R→~P
に於いて、
①=②
は、「対偶(contraposition)」である。
従って、
(08)
① P→ Q& R
② Q→~R→~P
に於いて、
P=象a
Q=∃y(鼻ya&長y)
R=∀z(~鼻za→~長z)
といふ「代入(置換)」を行ふと、
① 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)
② ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)→~象a
に於いて、
①=②
は、「対偶(contraposition)」である。
然るに、
(09)
(ⅱ)
1 (1)~∀z(~鼻za→~長z) A
1 (2)∃z~(~鼻za→~長z) 1量化子の関係
 3(3)  ~(~鼻ba→~長b) A
 3(4) ~(~~鼻ba∨~長b) 3含意の定義
 3(5)   ~(鼻ba∨~長b) 4DN
 3(6)   ~鼻ba&~~長b  5ド・モルガンの法則
 3(7)    ~鼻ba& 長b  6DN
 3(8) ∃z(~鼻za& 長z) 7EI
1 (9) ∃z(~鼻za& 長z) 238EE
(ⅲ)
1 (1) ∃z(~鼻za& 長z) A
 2(2)    ~鼻ba& 長b  A
 2(3)   ~(鼻ba∨~長b) 2ド・モルガンの法則
 2(4) ~(~~鼻ba∨~長b) 3DN
 2(5)  ~(~鼻ba→~長b) 4含意の定義
 2(6)∃z~(~鼻za→~長z) 5EI
1 (7)∃z~(~鼻za→~長z) 126EE
1 (8)~∀z(~鼻za→~長z) 7量化子の関係
従って、
(09)により、
(10)
② ~∀z(~鼻za→~長z)
③   ∃z(~鼻za& 長z)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(08)(10)により、
(11)
② ∃y(鼻ya&長y)→~∀z(~鼻za→~長z)→~象a
③ ∃y(鼻ya&長y)→ ∃z(~鼻za& 長z)→~象a
に於いて、
②=③ である。
従って、
(08)(11)により、
(12)
① 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)
③ ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za&長z)→~象a
に於いて、
①=③
は、「対偶(contraposition)」である。
従って、
(12)により、
(13)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ∀x{∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)→~象x}
に於いて、
①=③
は、「対偶(contraposition)」である。
従って、
(13)により、
(14)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
③ ∀x{∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)→~象x}⇔
③ すべてのxについて、あるyがxの鼻であって、yが長いならば、あるzがxの鼻でなくて、zが長いならば、xは象ではない。
に於いて、
①=③
は、「対偶(contraposition)」である。
然るに、
(15)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふことは、
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyは象の鼻であって長く、すべてのzについて、zが象の鼻でないならば、zは長くない。
といふ、「意味」である。
従って、
(15)により、
(16)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
といふことは、
① 象は、鼻が長く、鼻以外は長くない
といふ、「意味」である。
然るに、
(17)
③ ∀x{∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)→~象x}⇔
③ すべてのxについて、あるyがxの鼻であって、yが長いならば、あるzが、xの鼻でなくて、zも長いならば、xは象ではない。
といふことは、
③ すべてのxについて、xの鼻であるyが長く、その上、xの、鼻でないzが、長いのであれば、xは象ではない。
といふ、「意味」である。
従って、
(17)により、
(18)
③ ∀x{∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)→~象x}
といふことは、
③ 象は、鼻が長く、鼻以外は長くない
といふ、「意味」である。
従って、
(13)(16)(18)により、
(19)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ ∀x{∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)→~象x}
といふ「論理式」は、互いに、「対偶(contraposition)」であって、両方とも、
① 象は、鼻以外は長くない
③ 象は、鼻以外は長くない
といふ、「意味」である。
然るに、
(20)
① 私は、あなた以外は好きではない
と言ふのであれば、
① 私は、あなたは好きです。
とは、言はずに、
① 私は、あなた好きです。
と、言ふことになる。
従って、
(20)により、
(21)
① 象は、鼻以外は長くない
と言ふのであれば、
① 象は、鼻は長い。
とは、言はずに、
① 象は、鼻長い。
と、言ふことになる。
従って、
(19)(20)(21)により、
(22)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)→~象x}
といふ「論理式」は、互いに、「対偶(contraposition)」であって、両方とも、
① 象は鼻長い。
② 象は鼻長い。
といふ、「意味」である。
然るに、
(19)により、
(23)
③ 兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
とした上で、
④ ある兎は象である(すべての兎が象でない。といふわけではない)。
とするならば、
④ ある象は、鼻以外長くないのに、耳も長い
といふことになって、「矛盾」する。
従って、
(22)(23)により、
(24)
次の「述語計算(Predicate calculation)」は、「正しい」。
1    (1)  ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1    (2) ∀x{∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)→~象x} 1対偶(contraposition)
 3   (3) ∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  4  (4)~∀x(兎x→~象x)                     A
1    (5)    象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
1    (6)    ∃y(鼻ya&長y)→∃z(~鼻za&長z)→~象a   2
 3   (7)    兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  3
  4  (8)∃x~(兎x→ ~象x)                    4量化子の関係
   9 (9)  ~(兎a→ ~象a)                    A
   9 (ア) ~(~兎a∨ ~象a)                     9含意の定義
   9 (イ)  ~~兎a&~~象a                     ア、ド・モルガンの法則
   9 (ウ)    兎a&  象a                     イDN
   9 (エ)    兎a                          ウ&E
   9 (オ)         象a                     ウ&E
1  9 (カ)       ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)   5オMPP
1  9 (キ)       ∃y(鼻ya&長y)                カ&E
    ク(ク)          鼻ba&長b                 A
    ク(ケ)              長b                 ク&E
1  9 (コ)               ∃z(~鼻za&長z)→~象a   6キMPP
13 9 (サ)       ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)   7エMPP
13 9 (シ)       ∃y(耳ya&長y)               サ&E
    ス(ス)          耳ba&長b                A
    ス(セ)          耳ba                   ス&E
13 9 (ソ)                  ∀z(耳za→~鼻za)  サ&E
13 9 (タ)                     耳ba→~鼻ba   ソUE
13 9 (チ)                         ~鼻ba   セタMPP
13 9ク(ツ)                      ~鼻ba&長b   ケチ&I
13 9ク(テ)                   ∃z(~鼻za&長z)  ツEI
13 9 (ト)                   ∃z(~鼻za&長z)  キクテEE
13 9 (ナ)                           ~象a  コトMPP
13 9 (ニ)         象a&~象a                 オナ&I
134  (ヌ)         象a&~象a                 89ニEE
13   (ネ)~∃x~(兎x→~象x)                    8ヌRAA
13   (ノ)∀x~~(兎x→~象x)                    ネ量化子の関係
13   (ハ)∀x(兎x→~象x)                      ノDN
13   (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。    ノDN
13   (〃)ではない。                        ノDN
従って、
(22)(23)(24)により、
(25)
たしかに、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{∃y(鼻yx&長y)→∃z(~鼻zx&長z)→~象x}
といふ「論理式」は、互いに、「対偶(contraposition)」であって、両方とも、
① 象は鼻長い。
② 象は鼻長い。
といふ、「意味」である。
然るに、
(25)により、
(26)
「意味」はともかく、「語順」から言へば、
① 象は鼻長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
である。
然るに、
(27)
学校文法は単純な英語文法からの輸入で、主語・述語関係を単純に当てはめたものだ。そのため、「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。これに対して三上は、日本語には主語はない、とする。「象は」は、テーマを提示する主題であり、これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する(この場合は「長い」までをスコープとする)。また、「鼻が」は主格の補語にすぎなく、数ある補語と同じ格であるとする。基本文は述語である「長い」だけだ(三上文法! : wrong, rogue and log)。
然るに、
(28)
括弧は、論理演算子のスコープ(scope)を明示する働きを持つ。スコープは、論理演算子の働きが及ぶ範囲のことをいう。
(産業図書、数理言語学辞典、2013年、四七頁:命題論理、今仁生美)
従って、
(27)(28)により、
(29)
① 象は、鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
といふことからすれば、
これから象についてのことを述べますよというメンタルスペースのセットアップであり、そのメンタルスペースのスコープを形成する働きをもつと主張する。」といふ「説明」は「正しい」。
然るに、
(30)
(ⅰ)論理式または命題関数において、量記号が現れる任意の箇所の作用範囲は、問題になっている変数が現れる少なくとも2つの箇所を含むであろう(その1つの箇所は量記号そのもののなかにある);
(ⅱ)論理式または命題関数において、量記号が現れる任意の箇所の作用範囲は、同じ変数を用いたいかなる他の量記号も含まないであろう。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、183頁)
然るに、
(31)
① 象は鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。
の場合、
の「作用範囲」は、
① ∀{象→∃y(鼻y&長y)&∀z(~鼻z→~長z)}
といふ「論理式の、全体」である。
然るに、
(32)
① ∀{象
① すべてのについて、が象であるならば、
といふことからすれば、
とは、すなはち、「」である。
従って、
(31)(32)により、
(33)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「論理式」に於ける。
の「作用範囲」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「論理式の、全体」であって、
とは、すなはち、「」である。
従って、
(33)により、
(34)
私に言はせれば、
① 象は鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於ける、
象は は、
① 象は鼻長い。 といふ「文全体の、主語」である。
従って、
(34)により、
(35)
①    鼻が は、
① 象は鼻が長い。 といふ「文の、一部の、主語」である。
加へて、
(36)
① 象は鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
であるため、
① 象は鼻長い。
の場合も、
①{ ( )( ) }
といふ「形」の、「入れ子」である。
従って、
(27)(34)(35)(36)により、
(37)
「象は、鼻が長い」という単純な文でさえ、どれが主語だか指摘できず、複数主語だとか、主語の入れ子だとか、奇矯な技を使う。
とは言ふものの、
① 象は鼻が長い。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
といふ「述語論理式」からすれば、「複数主語も、主語の入れ子」も、「奇矯な技」であるとは、思はない。
然るに、
(38)
「象は」は「主辞」である。の「」は、
「主辞」は「象は」である。である。
従って、
(39)
「象は」は「主辞」であり、「鼻が長い」は「賓辞」である。
であるの「」とは、
「賓辞」は「鼻が長い」であり、「主辞」は「象は」である。
であると、思はれる。
然るに、
(40)
「象は」は「主辞」であり、「鼻が長い」は「賓辞」である。
「賓辞」は「鼻が長い」であり、「主辞」は「象は」である。
に於いて、2つは、「同じこと」であるとしか、思へない。
従って、
(40)により、
(41)
「象は鼻が長い」はどれが主辞がわからないから、このままでは非論理的な構造の文である、と言う人がもしあった(沢田『入門』二九ペ)とすれば、その人は旧『論理学』を知らない人であろう、これはこのままで、
 象は 鼻が長い。 
 主辞 賓辞
とはっきりしている。速水式に簡単明リョウである。意味も、主辞賓辞の関係も小学生にもわかるはずの文である。これに文句をつけたり、それを取り次いだりするのは、人々が西洋文法に巻かれていることを語る以外の何物でもない。このまま定理扱いしてもよろしい。そしてこの定理の逆は真でないとして、鼻の長いもの例に、鞍馬山の天狗だの、池の尾の禅珍内供だのを上げるのも一興だろう。それでおしまいである(三上章、日本語の論理、1963年、13・14頁)。
に於ける、「そしてこの定理の逆は真でない(として、鼻の長いもの例に、鞍馬山の天狗だの、池の尾の禅珍内供だのを上げるのも一興だろう)。」といふ言ひ方が、私には、理解できない。
(42)
伝統的論理学を清水滉『論理学』(1916年)で代表させよう。わたしのもっているのが四十三年の第十九冊の一冊で、なお引き続き刊行だろうから、前後かなり多くの読者をもつ論理学書と考えられる。新興の記号論理学は、沢田允茂『現代論理学入門』(1962年)を参照することにする(三上章、日本語の論理、1963年、4頁)。
といふ風に、書かれてゐる一方で、『三上章、日本語の論理、1963年』に目を通す限り、その時点での三上章先生に、「現代論理学(述語論理)」を学んでゐた、「形跡」は無い
然るに、
(43)
このうち、「象は鼻が長い」と「日本語の論理」をオススメする。あまりのクリアカットな主張に、愕然とする、なるほどそうだったのか、僕らは何も知らなかったのだなと(三上文法! : wrong, rogue and log)。
然るに、
(44)
「象は鼻が長い」にしても、「日本語の論理」にしても、何度、目を通しても、私には、「難解」過ぎて、ほとんど、「理解」出来ない
(45)
「間違ってゐること」を、「正しい」と、「言ひ包めよう」とすれば、「難解にならざるを得ない」ことは、「当然」である。
令和元年06月03日、毛利太。

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