2019年6月9日日曜日

「象は鼻は長い」と「鼻は象が長い」と「象は鼻も長い」の「述語論理」。

―「返り点と括弧」に関しては、
(α)「返り点」と「括弧」に付いて。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html
(β)「返り点」と「括弧」の条件。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html
(γ)「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ):(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html
(δ)「返り点」は、下には戻らない。 :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html
(ε)「下中上点」等が必要な「理由」。:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html
(ζ)「返り点・モドキ」について。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)⇒
 Web上には存在しますが、何故か、アクセス出来ません。
(η)「一二点・上下点」に付いて。  :(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html
(θ)「括弧」の「順番」。      :(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html
(ι)「返り点」と「括弧」の関係   :(https://kannbunn.blogspot.com/2019/01/blog-post_21.html
等々、「その他、諸々」を、お読み下さい。―
(01)
① 象は鼻長い=象は鼻は長く、鼻以外は長くない
① 象は鼻長く、鼻以外は長くない=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
然るに、
(02)
対偶(contraposition)」により、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(  長z→  鼻zx)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(長z→鼻zx)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zが長いならば、zはxの鼻である。
然るに、
(04)
(1)象は鼻長い。 
(2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 
(3)ある兎は象である。
といふ風に、「仮定」すると、「背理法(RAA)」により、
(4)兎は象ではない
といふ『結論』を、得る。
然るに、
(05)
1     (1)象は鼻が長い。                        A
1     (〃)象は鼻は長く、鼻以外は長くない。               A
1     (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z( 長z→ 鼻zx)} A
 2    (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。              A
 2    (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3   (3)ある兎は象である。                      A
  3   (〃)∃x(兎x&象x)                      A
  3   (〃)あるxは兎であって象である。                 A
1     (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z( 長z→ 鼻za)  1UE
 2    (5)   兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  1UE
   6  (6)   兎a&象a                       A
   6  (7)   兎a                          6&E
   6  (8)      象a                       6&E
1  6  (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z( 長z→ 鼻za)  47MPP
 2 6  (ア)      ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za)  58MPP
1  6  (イ)      ∃y(鼻ya&長y)               9&E
 2 6  (ウ)      ∃y(耳ya&長y)               ア&E
    エ (エ)         鼻ba&長b                A
     オ(オ)         耳ba&長b                A
1  6  (カ)                 ∀z( 長z→ 鼻za)  9&E
1  6  (キ)                     長b→ 鼻ba   カUE
 2 6  (ク)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
 2 6  (ケ)                    耳ba→~鼻ba   クUE
    オ (コ)                    耳ba        オ&E
 2 6オ (サ)                        ~鼻ba   ケコMPP
12 6オ (シ)                         ~長b   キサMTT
    オ (ス)             長b                オ&E
12 6オ (セ)             長b&~長b            シス&I
12 6  (ソ)             長b&~長b            ウオセEE
123   (タ)             長b&~長b            36ソEE
12    (チ)~∃x(兎x&象x)                     3タRAA
12    (ツ)∀x~(兎x&象x)                     チ量化子の関係
12    (テ)  ~(兎a&象a)                     ツUE
12    (ト)  ~兎a∨~象a                      テ、ド・モルガンの法則
12    (ナ)   兎a→~象a                      ト含意の定義
12    (ニ)∀x(兎x→~象x)                     ナUI
12    (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。   ナUI
12    (〃)ではない。                       ナUI
といふ『推論』が、成立する。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(長z→鼻zx)}⇔
① すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zが長いならば、zはxの鼻である。
といふ「等式」は、「正しい」。
然るに、
(07)
② 鼻は象長い=象の鼻は長いが、象以外の動物(e.g.兎、馬、キリン)の鼻は長くない
② 象の鼻は長いが、象以外の動の物鼻は長くない=∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[~(鼻xy&象y)→~長x]}。
然るに、
(08)
対偶(contraposition)」により、
② ∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[~(鼻xy&象y)→~長x]}
③ ∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[  長x→ (鼻xy&象y)]}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
② 鼻は象長い。⇔
② 象の鼻は長いが、象以外の動物の鼻は長くない。⇔
② ∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[長x→(鼻xy&象y)]}⇔
② すべてのxと、すべてのyについて、(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、xが長いならば、(xはyの鼻であって、yは象である)。
然るに、
(10)
(1)耳は兎長い。
(5)兎には耳がある。
といふ風に、「仮定」すると、
(エ)耳が長い兎がゐる。
といふ『結論』を、得る。
然るに、
(11)
1   (1)耳は兎が長い。                             A
1   (〃)兎の耳は長いが、兎以外の動物の耳は長くない。              A
1   (〃)∀x∀y{[(耳xy&兎y)→長x]&[長x→(耳xy&兎y)]}   A
1   (〃)すべてのxと、すべてのyについて、(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、xが長いならば、(xはyの鼻であって、yは象である)。 A
1   (2)  ∀y{[(耳ay&兎y)→長a]&[長x→(耳xy&兎y)]}   1UE
1   (3)     [(耳ab&兎b)→長a]&[長x→(耳xy&兎y)]}   2UI
1   (4)      (耳ab&兎b)→長a                   3&E
 5  (5)  兎には耳がある。                          A
 5  (〃)  ∃x∃y(耳xy&兎y)                      A
 5  (〃)  あるxはあるyの耳であって、あるyは兎である。           A
  6 (6)    ∃y(耳ay&兎y)                      A
   7(7)       耳ab&兎b                       A   
1  7(8)               長a                   47MPP
1  7(9)       耳ab&兎b&長a                    78&I
1  7(ア)    ∃y(耳ay&兎y&長a)                   9EI
1 6 (イ)    ∃y(耳ay&兎y&長a)                   67アEE
1 6 (ウ)  ∃x∃y(耳xy&兎y&長x)                   イEI
15  (エ)  ∃x∃y(耳xy&兎y&長x)                   56ウEE 
15  (〃)あるxはyの耳であって、yは兎であり、xは長い。            56ウEE
15  (〃)あるxは兎の耳であって、xは長い。                   56ウEE
15  (〃)耳長い兎がゐる。                           56ウEE
といふ『推論』が、成立する。
然るに、
(12)
(1)鼻は象長い。
(イ)兎には鼻があるが、兎は象ではない
といふ風に、「仮定」すると、
(ソ)鼻が長くない、兎がゐる。 
といふ『結論』を、得る。
然るに、
(13)
1    (1)鼻は象が長い。                             A
1    (〃)∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[~(鼻xy&象y)→~長x]} A
1    (〃)すべてのxと、すべてのyについて、(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、そのときに限って、xは長い。 A
1    (2)  ∀y{[(鼻ay&象y)→長a]&[~(鼻ay&象y)→~長a]} 1UE
1    (3)     [(鼻ab&象b)→長a]&[~(鼻ab&象b)→~長a]  2UI
1    (4)                    ~(鼻ab&象b)→~長a   3&E 
1    (4)                    ~(鼻ab&象b)→~長a   3&E
1    (5)                      長a→(鼻ab&象b)   4対偶
 6   (6)                      鼻ab→~象b       A
 6   (7)                     ~鼻ab∨~象b       6含意の定義
 6   (8)                     ~(鼻ab&象b)      7ド・モルガンの法則
16   (9)                              ~長a   58MTT
1    (ア)                      鼻ab→~象b→~長a   69CP
  イ  (イ)兎には鼻があるが、兎は象ではない。                   A
  イ  (〃)∃x∃y(鼻xy&兎y&~象y)                    A
    イ  (〃)あるxはあるyの鼻であって、yは兎であって、象ではない。        A
   ウ (ウ)  ∃y(鼻ay&兎y&~象y)                    A
    エ(エ)     鼻ab&兎b&~象b                     A
    エ(オ)     鼻ab                            エ&E
    エ(カ)         兎b                         エ&E
    エ(キ)            ~象b                     エ&E
1   エ(ク)                          ~象b→~長a   アオMPP
1   エ(ケ)                              ~長a   キクMPP
1   エ(コ)     鼻ab&兎b                         オカ&I
1   エ(サ)     鼻ab&兎b&~長a                     ケコケ&I
1   エ(シ)  ∃y(鼻ay&兎y&~長a)                    エEI
1  ウ (ス)  ∃y(鼻ay&兎y&~長a)                    ウエシEE
1  ウ (セ)∃x∃y(鼻xy&兎y&~長x)                    スEI
1 イ  (ソ)∃x∃y(鼻xy&兎y&~長x)                    イウセEE
1 イ  (〃)あるxはあるyの鼻であって、yは兎であり、xは長くない。        イウセEE
1 イ  (〃)鼻長くないがゐる。                        イウセEE
といふ『推論』が、成立する。
従って、
(09)~(13)により、
(14)
② 鼻は象長い。⇔
② 象の鼻は長いが、象以外の動物の鼻は長くない。⇔
② ∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[長x→(鼻xy&象y)]}⇔
② すべてのxと、すべてのyについて、(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、xが長いならば、(xはyの鼻であって、yは象である)。
といふ「等式」は、「正しい」。
従って、
(06)(14)により、
(15)
① 象は鼻長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(長z→鼻zx)}。
といふ「等式」は、「正しく」、
② 鼻は象長い。⇔
② 象の鼻は長いが、象以外の動物の鼻は長くない。⇔
② ∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[長x→(鼻xy&象y)]}。
といふ「等式」も、「正しい」。
然るに、
(16)
1  (1) ∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[長x→(鼻xy&象y)]} A
1  (2)   ∀y{[(鼻ay&象y)→長a]&[長a→(鼻ay&象y)]}  1UE
1  (3)       (鼻ab&象b)→長a & 長a→(鼻ab&象b)   2UE
1  (4)        鼻ab&象b  →長a                                  3&E
1  (5)                     長a→  鼻ab&象b        3&E
 6 (6)                     長a            A
16 (7)                         鼻ab&象b    56MPP
16 (8)                         鼻ab       7&E
16 (9)                             象b    8&E
16 (ア)                     鼻ab&長a        68&I
16 (イ)                  ∃y(鼻yb&長y)       アEI
1  (ウ)               象b→∃y(鼻yb&長y)              9イCP
  エ(エ)                     長a            A
1 エ(オ)                         鼻ab&象b    5エMPP
1 エ(カ)                         鼻ab       オ&E
1  (キ)                     長a→鼻ab         エカCP
1  (ク)                  ∀z(長z→鼻zb)              キUI
1  (ケ)    象b→∃y(鼻yb&長y)&∀z(長z→鼻zb)              ウク&I
1  (コ) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(長z→鼻zx)}       ケUI
 ―「何かヲカシイ!!」、初めての「挫折」か?、「大ピンチ!!」―
然るに、
(17)
1  (1) ∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[長x→(鼻xy&象y)]} A
1  (2)   ∀y{[(鼻ay&象y)→長a]&[長a→(鼻ay&象y)]}  1UE
1  (3)       (鼻ab&象b)→長a & 長a→(鼻ab&象b)   2UE
1  (4)        鼻ab&象b  →長a                                  3&E
1  (5)                     長a→  鼻ab&象b        3&E
 6 (6)        鼻ab&象b                     A
16 (7)                長a                 46MPP
16 (8)                         鼻ab&象b    57MPP
16 (9)                長a                 48MPP
然るに、
(18)
1  (1) ∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[長x→(鼻xy&象y)]} A
1  (2)   ∀y{[(鼻ay&象y)→長a]&[長a→(鼻ay&象y)]}  1UE
1  (3)       (鼻ab&象b)→長a & 長a→(鼻ab&象b)   2UE
1  (4)        鼻ab&象b  →長a                                  3&E
1  (5)                     長a→  鼻ab&象b        3&E
 6 (6)        鼻ab&象b                     A
16 (7)                長a                 46MPP
16 (8)                         鼻ab&象b    57MPP
16 (9)                         鼻ab       8&E
とするならば、
16 (ア)                長a                 49MPP
とすることは、「出来ない」。
そのため、
(19)
1  (キ)                     長a→鼻ab         エカCP
は、「不可」であるといふ、「姑息な()手段」を用ひることにして、次のやうに、「計算」を続けることにする。
(20)
1  (1) ∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[長x→(鼻xy&象y)]} A
1  (2)   ∀y{[(鼻ay&象y)→長a]&[長a→(鼻ay&象y)]}  1UE
1  (3)       (鼻ab&象b)→長a & 長a→(鼻ab&象b)   2UE
1  (4)        鼻ab&象b  →長a                                  3&E
1  (5)                     長a→  鼻ab&象b        3&E
 6 (6)                     長a            A
16 (7)                         鼻ab&象b    56MPP
16 (8)                         鼻ab       7&E
16 (9)                             象b    8&E
16 (ア)                     鼻ab&長a        68&I
16 (イ)                  ∃y(鼻yb&長y)       アEI
1  (ウ)               象b→∃y(鼻yb&長y)              9イCP
1  (エ)            ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}             ウUI
1  (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長い。 ウUI
1  (〃)象は鼻長い。                            ウUI
然るに、
(21)
1   (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(長z→鼻zx)} A
1   (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(長z→鼻za)  1UE
 3  (3)   象a                        A
13  (4)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(長z→鼻za)  23MPP
13  (5)      ∃y(鼻ya&長y)             4&E
  6 (7)         鼻ba&長b              A
  6 (8)         鼻ba                 7&E
  6 (9)             長b              7&E
13  (ア)                 ∀z(長z→鼻za)  4&E
13  (イ)                    長b→鼻ba   アUE
136 (ウ)                       鼻ba   9イMPP
136 (エ)   鼻ba&象a                    3ウ&I
13  (オ)   長b→鼻ba&象a                 6エCP
   カ(カ) ~(鼻ba&象a)                   A
   カ(キ) ~(鼻ba&象a)∨長b                カ∨I            
   カ(ク)  (象ba&象a)→長b                ク含意の定義
13 カ(ケ)  ~長b                        オクMTT
136カ(コ)  ~長b&長b                     9ケ&I
136 (サ)~~(鼻ba&象a)                   カコRAA
136 (シ)  (鼻ba&象a)                   サDN
cf.
    (カ) ~(鼻ba&象a) を「仮定」したら、RAA(背理法)によって、
    (シ)  (鼻ba&鼻a) に「戻された」ため、
    (キ) ~(鼻ba&象a)∨長b による、          
    (ク)  (象ba&象a)→長b は「不可」である。

従って、
(21)により、
(22)
13  (オ)   長b→鼻ba&象a                 6エCP
は、「妥当」であるが、
   カ(ク)  (象ba&象a)→長b                ク含意の定義
は、「妥当」ではない
従って、
(21)(22)により、
(23)
1   (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(長z→鼻zx)} A
1   (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(長z→鼻za)  1UE
 3  (3)   象a                        A
13  (4)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(長z→鼻za)  23MPP
13  (5)      ∃y(鼻ya&長y)             4&E
  6 (7)         鼻ba&長b              A
  6 (8)         鼻ba                 7&E
  6 (9)             長b              7&E
13  (ア)                 ∀z(長z→鼻za)  4&E
13  (イ)                    長b→鼻ba   アUE
136 (ウ)                       鼻ba   9イMPP
136 (エ)     鼻ba&象a                  3ウ&I
13  (オ)     長b→(鼻ba&象a)             6エCP
13  (カ)  ∀y{長b→(鼻by&象y)}            オUI
13  (キ)∀x∀y{長x→(鼻xy&象y)}            カUI
13  (〃)すべてのxと、すべてのyについて、xが長いならば、xは鼻であって、yは象である。 カUI
13  (〃)長いのは、象の鼻である。                             カUI
従って、
(20)(23)により、
(24)
①   ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(長z→鼻zx)}
② ∀x∀y{長x→(鼻xy&象y)}
③ ∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[長x→(鼻xy&象y)]}
④   ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
① ならば、② であり、
③ ならば、④ である。
従って、
(15)(24)により、
(25)
① 象は鼻が長い。⇔
① 象は鼻は長く、鼻以外は長くない。⇔
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(長z→鼻zx)}。
といふ「等式」は、「正しく」、
② 鼻は象が長い。⇔
② 象の鼻は長いが、象以外の動物の鼻は長くない。⇔
② ∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[長x→(鼻xy&象y)]}。
といふ「等式」は、「正しい」ものの、
①=② ではない。
然るに、
(26)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(長z→鼻zx)}
に於いて、
1 (1)                  ∀z(長z→鼻zx)
                        を「否定」すると、
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(長z→鼻zx)}
然るに、
(27)
(ⅲ)
1  (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(長z→鼻zx)} A
1  (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)&~∀z(長z→鼻za)  1UE
 3 (3)   象a                         A
13 (4)      ∃y(鼻ya&長y)&~∀z(長z→鼻za)  23MPP
13 (5)      ∃y(鼻ya&長y)              4&E
13 (6)                 ~∀z(長z→鼻za)  4&E
13 (7)                 ∃z~(長z→鼻za)  6量化子の関係
  8(8)                   ~(長c→鼻ca)  A
  8(9)                  ~(~長c∨鼻ca)  8含意の定義
  8(ア)                  ~~長c&~鼻ca   9ド・モルガンの法則
  8(イ)                    長c&~鼻ca   アDN
  8(ウ)                    ~鼻ca&長c   イ交換法則
  8(エ)                 ∃z(~鼻za&長z)  ウEI
13 (オ)                 ∃z(~鼻za&長z)  78エEE
13 (カ)      ∃y(鼻ya&長y)&∃z(~鼻za&長z)  5オ&I
1  (キ)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∃z(~鼻za&長z)  3カCP
1  (ク)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)} キUI
1  (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、あるzはxの鼻でなくて、長い。 キUI
1  (〃)象は鼻以外も長い。                     キUI
1  (〃)象は鼻も長い。                       キUI
(ⅳ)
1  (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)} A
1  (2)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∃z(~鼻za&長z)  1UE
 3 (3)   象a                         A
13 (4)      ∃y(鼻ya&長y)&∃z(~鼻za&長z)  23MPP
13 (5)      ∃y(鼻ya&長y)              4&E
13 (6)                 ∃z(~鼻za&長z)  4&E
  7(7)                    ~鼻ca&長c   A
  7(8)                    長c&~鼻ca   7交換法則
  7(9)                  ~~長c&~鼻ca   8DN
  7(ア)                  ~(~長c∨鼻ca)  9ド・モルガンの法則
  7(イ)                   ~(長c→鼻ca)  ア含意の定義
  7(ウ)                 ∃z~(長z→鼻za)  イEI
13 (エ)                 ∃z~(長z→鼻za)  67ウEE
13 (オ)                 ~∀z(長z→鼻za)  エ量化子の関係
13 (カ)      ∃y(鼻ya&長y)&~∀z(長z→鼻za)  5オ&I
1  (キ)   象a→∃y(鼻ya&長y)&~∀z(長z→鼻za)  3カCP
1  (ク)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(長z→鼻zx)} キUI
1  (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zが長いならば、zはxの鼻である。といふわけではない。 キUI
1  (〃)象は鼻以外長い。                     キUI
1  (〃)象は鼻長い。                       キUI
従って、
(27)により、
(28)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(長z→鼻zx)}=象は鼻長い。
④ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)}=象は鼻長い。
に於いて、
③=④ である。
(15)(28)により、
(29)
① 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(長z→鼻zx)}。
② 鼻は象が長い=∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[長x→(鼻xy&象y)]}。
③ 象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)}。
である。
従って、
(29)により、
(30)
① 象は鼻以外は長くない=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(長z→鼻zx)}。
③ 象は鼻以外も長い  =∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)}。
である。
然るに、
(31)
④ 象は鼻長い。
といふのであれば、
④ 鼻以外については、長いとも、長くないとも、言ってゐない。
従って、
(29)(30)(31)により、
(32)
① 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(長z→鼻zx)}。
③ 象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)}。
④ 象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)            }。
である。
従って、
(29)(32)により、
(33)
「順番」を「付け直す」と、
① 象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)            }。
② 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(長z→鼻zx) }。
③ 象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)}。
④ 鼻は象が長い=∀x∀y{[(鼻xy&象y)→長x]&[長x→(鼻xy&象y)]}。
といふ、ことになる。
(34)
述語論理」を用ひて、
① 象は鼻は長い。
② 象は鼻が長い。
③ 象は鼻も長い。
④ 鼻は象が長い。
といふ「日本語」を「分析」してゐるわけではない
(35)
「述語論理」ではなく、「日本語」を用ひて、
① 象は鼻長い。
② 象は鼻長い。
③ 象は鼻長い。
④ 鼻象が長い。
といふ「日本語」を「分析」した「結果」が、「正しい」か「否」かを、「確認」する際に、「述語論理」を用ひることになる。
そのため、
(36)
「日本語」で考へた「結論」と、「述語論理」で「確認」した「結論」が「違ってゐる」場合は、
 ―「何かヲカシイ!!」、初めての「挫折」か?、「大ピンチ!!」―
といふ風に、「狼狽」することになる。
令和元年06月09日、毛利太。

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