2020年1月1日水曜日

「鼻が長いのが象である」の「否定」の「述語論理」。

(01)
前回(今日の昼前)は、
鼻は象長い。⇔ 鼻が長いならば、そのときに限って、象である。
耳は兎長い。⇔ 耳が長いならば、そのときに限って、兎である。
顔は馬長い。⇔ 顔が長いならば、そのときに限って、馬である。
としたものの、
(02)
「語順」としては、
鼻が長いの象である。⇔ 鼻が長いならば、そのときに限って、象である。
耳が長いの兎である。⇔ 耳が長いならば、そのときに限って、兎である。
顔が長いの馬である。⇔ 顔が長いならば、そのときに限って、馬である。
とする方が、「正確」である。
従って、
(02)により、
(03)
① 鼻が長いのが象である。の「否定」は、
② 鼻が長いのが象である。ではない。 ⇔
② ~∀x∀y{(鼻xy&長x)⇔象y}⇔
② ~∀x∀y{(鼻xy&長x)→象y&象y→(鼻xy&長x)}⇔
② すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、xが長いならば、そのときに限って、yは象である。といふことではない。
といふ風に、書くことが出来る。
然るに、
(04)
(ⅱ)
1      (1)~∀x∀y{(鼻xy&長x)→象y&象y→(鼻xy&長x)}   A
1      (2)∃x~∀y{(鼻xy&長x)→象y&象y→(鼻xy&長x)}   1量化子の関係
1      (3)∃x∃y~{(鼻xy&長x)→象y&象y→(鼻xy&長x)}   2量化子の関係
 4     (4)  ∃y~{(鼻ay&長a)→象y&象y→(鼻ay&長a)}   A
  5    (5)    ~{(鼻ab&長a)→象b&象b→(鼻ab&長a)}   A
  5    (6) ~{(鼻ab&長a)→象b}∨~{象b→(鼻ab&長a)}   5ド・モルガンの法則
   7   (7) ~{(鼻ab&長a)→象b}                  A
    8  (8)  ~(鼻ab&長a)∨象b                   A
    8  (9)   (鼻ab&長a)→象b                   8含意の定義
   78  (ア) ~{(鼻ab&長a)→象b}&
            {(鼻ab&長a)→象b}                  79&I
   7   (イ)~{~(鼻ab&長a)∨象b}                  8アRAA
   7   (ウ)  (鼻ab&長a)&~象b                   イ、ド・モルガンの法則
   7   (エ)   ~象b&(鼻ab&長a)                  ウ、交換法則
   7   (オ)   ~象b&(鼻ab&長a)∨象b&(鼻ab→~長a)     エ∨I
     カ (カ)                 ~{象b→(鼻ab&長a)}  A
      キ(キ)                  ~象b∨(鼻ab&長a)   A
      キ(ク)                   象b→(鼻ab&長a)   キ含意の定義
     カキ(ケ)                 ~{象b→(鼻ab&長a)}&
     カキ(コ)                  {象b→(鼻ab&長a)}  カク&I
     カ (サ)                ~{~象b∨(鼻ab&長a)}  キコRAA
     カ (シ)                  象b&~(鼻ab&長a)   サ、ド・モルガンの法則
     カ (ス)                  象b             シ&E
     カ (セ)                     ~(鼻ab&長a)   シ&E
     カ (ソ)                     ~鼻ab∨~長a    セ、ド・モルガンの法則
     カ (タ)                      鼻ab→~長a    ソ含意の定義
     カ (チ)                  象b&(鼻ab→~長a)   スタ&I
     カ (ツ)     ~象b&(鼻ab&長a)∨象b&(鼻ab→~長a)   チ∨I
   5   (テ)     ~象b&(鼻ab&長a)∨象b&(鼻ab→~長a)   67オカツ∨E
   5   (ト)     象b&(鼻ab→~長a)∨~象b&(鼻ab&長a)   テ交換法則
   5   (ナ)  ∃y{象y&(鼻ay→~長a)∨~象y&(鼻ay&長a)}  トEI
  4    (ニ)  ∃y{象y&(鼻ay→~長a)∨~象y&(鼻ay&長a)}  45ナEE
  4    (ヌ)∃x∃y{象y&(鼻xy→~長x)∨~象y&(鼻xy&長x)}  ニEI
1      (ネ)∃x∃y{象y&(鼻xy→~長x)∨~象y&(鼻xy&長x)}  14ヌEE
(ⅲ)
1      (1)∃x∃y{象y&(鼻xy→~長x)∨~象y&(鼻xy&長x)}  1
 2     (2)  ∃y{象y&(鼻ay→~長a)∨~象y&(鼻ay&長a)}  A
  3    (3)     象b&(鼻ab→~長a)∨~象b&(鼻ab&長a)   A
  3    (4)     ~象b&(鼻ab&長a)∨象b&(鼻ab→~長a)   3交換法則
   5   (5)     ~象b&(鼻ab&長a)                A
   5   (6)     (鼻ab&長a)&~象b                5交換法則
   5   (7)  ~{~(鼻ab&長a)∨象b}                6ド・モルガンの法則
    8  (8)     (鼻ab&長a)→象b                 A
    8  (9)    ~(鼻ab&長a)∨象b                 8含意の定義
   58  (ア)  ~{~(鼻ab&長a)∨象b}&
             {~(鼻ab&長a)∨象b}                79&I
   5   (イ)   ~{(鼻ab&長a)→象b}                8アRAA
   5   (ウ)   ~{(鼻ab&長a)→象b}∨~{象b→(鼻ab&長a)} イ∨I
     エ (エ)                  象b&(鼻ab→~長a)   A
     エ (オ)                  象b             エ&E
     エ (カ)                     (鼻ab→~長a)   エ&E
     エ (キ)                     ~鼻ab∨~長a    カ含意の定義
     エ (ク)                    ~(鼻ab& 長a)   キ、ド・モルガンの法則
     エ (ケ)                  象b&~(鼻ab&長a)   オク&I
      コ(コ)                  象b→ (鼻ab&長a)   A
     エ (サ)                  象b             ケ&E
     エコ(シ)                      (鼻ab&長a)   コサMPP
      コ(ス)                     ~(鼻ab&長a)   ケ&E
     エコ(セ)                      (鼻ab&長a)&
                               ~(鼻ab&長a)   シス&I

     エ (ソ)                 ~{象b→(鼻ab&長a)}  コセRAA
     エ (タ)  ~{(鼻ab&長a)→象b}∨~{象b→(鼻ab&長a)}  セ∨I
  3    (チ)  ~{(鼻ab&長a)→象b}∨~{象b→(鼻ab&長a)}  45ウエタ∨E
  3    (ツ)     ~{(鼻ab&長a)→象b&象b→(鼻ab&長a)}  タ、ド・モルガンの法則
  3    (テ)   ∃y~{(鼻ay&長a)→象y&象b→(鼻ay&長a)}  ツEI
 2     (ト)   ∃y~{(鼻ay&長a)→象y&象y→(鼻ay&長a)}  23テEE
 2     (ナ) ∃x∃y~{(鼻xy&長x)→象y&象y→(鼻xy&長x)}  トEI
1      (ニ) ∃x∃y~{(鼻xy&長x)→象y&象y→(鼻xy&長x)}  12ナEE
1      (ヌ) ∃x~∀y{(鼻xy&長x)→象y&象y→(鼻xy&長x)}  ニ量化子の関係
1      (ネ) ~∀x∀y{(鼻xy&長x)→象y&象y→(鼻xy&長x)}  ヌ量化子の関係
従って、
(04)により、
(05)
② ~∀x∀y{(鼻xy&長x)→象y  &  象y→(鼻xy&長x)}
③   ∃x∃y{象y&(鼻xy→~長x)∨~象y&(鼻xy&長x)}
に於いて、すなはち、
② すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、xが長いならば、そのときに限って、yは象である。といふことではない。
③ あるxとyについて、yは象であって、xがyの鼻であるならば、xは長くないか、yは象でなくて、xはyの鼻であって、xは長いか、または、その、両方である。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(06)
② すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、xが長いならば、そのときに限って、yは象である。といふことではない。
③ あるxとyについて、yは象であって、xがyの鼻であるならば、xは長くないか、yは象でなくて、xはyの鼻であって、xは長いか、または、その、両方である。
といふことは、
② 象であっても、鼻が長くない場合もあるし、象以外にも、鼻が長い動物は、ゐるかも知れない。
③ 象であっても、鼻が長くない場合もあるし、象以外にも、鼻が長い動物は、ゐるかも知れない。
といふ、ことである。
従って、
(02)~(06)により、
(07)
① ∀x∀y{(鼻xy&長x)→象y&象y→(鼻xy&長x)}
② ∃x∃y{象y&(鼻xy→~長x)∨~象y&(鼻xy&長x)} 
に於いて、従って、
① 鼻が長いのが象である。
② 象であっても、鼻が長くない場合もあるし、象以外にも、鼻が長い動物は、ゐるかも知れない。
に於いて、
① の「否定」は、② であり、
② の「否定」は、① である。
従って、
(08)
② 鼻が長くない象がゐる。ならば、
① 鼻が長いのが象である。とは、言へないし、
① 鼻が長いのが象である。と言ふのであれば、
② 象ではない、鼻が長い動物がゐる。とも、言へない。
といふ、ことになる。
(09)
「説明」は「省略」するものの、
① 鼻長いの象である。
に於いて、
①「の」が、「形式名詞」であるため、
①「鼻」の「が」と、
①「の」の「が」は、「同じ種類の、」ではない
(10)
② ∃x∃y{象y&(鼻xy→~長x)∨ ~象y&(鼻xy&長x)}  は、
② ∃x∃y{象y&(鼻xy→~長x)∨[~象y&(鼻xy&長x)]} と書く方が、「正確」である。
(11)
② ∃x∃y{象y&(鼻xy→~長x)[~象y&(鼻xy&長x)]} を、仮に、
② ∃x∃y{象y&(鼻xy→~長x)[~象y&(鼻xy&長x)]} とするならば、
②「象であっても、鼻が長くない場合もあるし、象以外にも、鼻が長い動物は、ゐるかも知れない。」ではなく、
②「象であっても、鼻が長くない場合もあるし、象以外にも、鼻が長い動物は、ゐる。」といふ、「意味」になる。
令和2年01月元日、毛利太。

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