2020年1月17日金曜日

「選言三段論法(消去法)」と「は・が」と「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
1   (1)  P∨Q     A
 2  (2)  P       A 
 2  (3)~~P       2
 2  (4)~~P∨Q     3∨I
  5 (5)    Q     A
  5 (6)~~P∨Q     5∨I
1   (7)~~P∨Q     12456∨E
1   (8) ~P→Q     7含意の定義
   9(9)   ~Q     A
1  9(ア)~~P       89MTT
1  9(イ)  P       9DN
1   (ウ) ~Q→P     9イCP
1   (エ)~P→Q&~Q→P 8ウ&I
(ⅱ)
1   (1) ~P→Q&~Q→P A
1   (2) ~P→Q      1&I
1   (3)~~P∨Q      2含意の定義
 4  (4)~~P        A
 4  (5)  P        4DN
 4  (6)  P∨Q      5∨I
  7 (7)    Q      A
  7 (8)  P∨Q      7∨I
1   (9)  P∨Q      34678∨E
従って、
(01)により、
(02)
①    P∨Q
②(~P→Q)&(~Q→P)
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
1(8)含意の定義
1(3)含意の定義
といふ「定理(Theorem)」を用ひてもよいのであれば、
① Pであるか、Qである。
② Pでないならば、Qであり、QでないならばPである。
といふ「定理」は、「22行の計算」で、「証明」出来る。
然るに、
(04)
1(8)含意の定義
1(3)含意の定義
といふ「定理(Theorem)」を用ひるためには、『含意の定義』といふ「定理(Theorem)」が、「証明済み」でなければならない。
然るに、
(05)
①    P∨Q
②(~P→Q)&(~Q→P)
③                  Q∨P
に於いて、
P=~P
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
①  ~P∨Q
② (P→Q)&(~Q→~P)
③                  Q∨~P
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(06)
①  ~P∨Q
② (P→Q)&(~Q→~P)
③                  Q∨~P
に於いて、
①=②=③ である。
といふ「こと自体」が、「教科書」に載ってゐる、『含意の定義』そのものである。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
(ⅰ)
1   (1)  P∨Q     A
 2  (2)  P       A 
 2  (3)~~P       2
 2  (4)~~P∨Q     3∨I
  5 (5)    Q     A
  5 (6)~~P∨Q     5∨I
1   (7)~~P∨Q     12456∨E
1   (8) ~P→Q     7含意の定義
   9(9)   ~Q     A
1  9(ア)~~P       89MTT
1  9(イ)  P       9DN
1   (ウ) ~Q→P     9イCP
1   (エ)~P→Q&~Q→P 8ウ&I
(ⅱ)
1   (1) ~P→Q&~Q→P A
1   (2) ~P→Q      1&I
1   (3)~~P∨Q      2含意の定義
 4  (4)~~P        A
 4  (5)  P        4DN
 4  (6)  P∨Q      5∨I
  7 (7)    Q      A
  7 (8)  P∨Q      7∨I
1   (9)  P∨Q      34678∨E
といふ「22行の計算」は、例へば、「次(08)」のやうな、「54行の計算」に、書き換へなければ、ならない。
(08)
(ⅰ)
1       (1)   P∨ Q       A
 2      (2)  ~P&~Q       A
  3     (3)   P          A
 2      (4)  ~P          2&E
 23     (5)   P&~P       34&I
  3     (6)~(~P&~Q)      25RAA
   7    (7)      Q       A
 2      (8)     ~Q       2&E
 2 7    (9)   Q&~Q       78&I
   7    (ア)~(~P&~Q)      29RAA
1       (イ)~(~P&~Q)      1367ア∨E
    ウ   (ウ)  ~P          A
     エ  (エ)     ~Q       A
    ウエ  (オ)  ~P&~Q       ウエ&I
1   ウエ  (カ)~(~P&~Q)&
            (~P&~Q)      イオ&I
1   ウ   (キ)    ~~Q       エカRAA
1   ウ   (ク)      Q       キDN
1       (ケ)  ~P→ Q       ウクCP
      コ (コ)     ~Q       A
1     コ (サ) ~~P          ケコMTT
1     コ (シ)   P          サDN
1       (ス)  ~Q→ P       コシCP
1       (ソ)(~P→Q)&(~Q→P) ケス&I
(ⅱ)
1      (1) (~P→Q)&(~Q→P) A
1      (2)  ~P→Q         1&E
 3     (3) ~(P∨Q)        A
  4    (4)   P           A
  4    (5)   P∨Q         4∨I
 34    (6) ~(P∨Q)&(P∨Q)  35&I
 3     (7)  ~P           46RAA
13     (8)     Q         27MPP
13     (9)   P∨Q         8∨I
13     (ア) ~(P∨Q)&(P∨Q)  39&I
1      (イ)~~(P∨Q)        3アRAA
1      (ウ)   P∨Q         イDN
1      (エ)  ~Q→P         1&E
   オ   (オ) ~(Q∨P)        A
    カ  (カ)   Q           A
    カ  (キ)   Q∨P         カ∨I
   オカ  (ク) ~(Q∨P)&(Q∨P)  オキ&I
   オ   (ケ)  ~Q           カクRAA
1  オ   (コ)     P         エケMPP
1  オ   (サ)   Q∨P         コ∨I
1  オ   (シ) ~(Q∨P)&(Q∨P)  オサ&I
1      (ス)~~(Q∨P)        オスRAA
1      (セ)   Q∨P         スDN
     ソ (ソ)   Q           A
     ソ (タ)   P∨Q         ソ∨I
      チ(チ)     P         A
      チ(ツ)   P∨Q         チ∨I
1      (テ)   P∨Q         セソタチツ∨E
1      (ト)(P∨Q)&(P∨Q)    ウテ&I
1      (ナ) P∨Q           ト&E
従って、
(07)(08)により、
(09)
①    P∨Q
②(~P→Q)&(~Q→P)
に於いて、すなはち、
① Pであるか、Qである。
② Pでないならば、Qであり、QでないならばPである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(10)
① P∨Q≡Aさんは男性であるか、Aさんは女性である。
① P∨Q≡Aさんと、Bさんの、少なくとも、一方は、日本人である。
に於いて、「前者」を「排他的選言」といひ、「後者」を「両立的選言」といふ。
然るに、
(11)
「論理学」で用ひる、
① P∨Q≡Pであるか、Qである。
は、「両立的選言」である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
命題P=Aさんは日本人である。
命題Q=Bさんは日本人である。
として、
① Pであるか、Qである。
② Pでないならば、Qであり、QでないならばPである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(13)
とりわけ、を両立的選言の方に決めておけば、排他的選言の方はによって簡単に表現できる―(P∨Q)&~(P&Q)―。
(昭和堂、論理学の基礎、1994年、11頁)
従って、
(10)(13)により、
(14)
① P∨Q≡Aさんは男性であるか、Aさんは女性であるかの、いづれかである。
のやうな、「排他的選言」は、
命題P=Aさんは男性である。
命題Q=Aさんは女性である。
として、
① (P∨Q)&~(P&Q)
といふ風に、書くことになる。
然るに、
(15)
① Aは犯人であるか、Bは犯人である。
といふ「言ひ方」よりも、
① A犯人であるか、B犯人である。
といふ「言ひ方」の方が、「普通」である。
(16)
単独犯であることが想定され、容疑者が、AとBの、2しかゐない。」といふのであれば、
① A犯人であるか、B犯人である。
といふのであって、
① Aは犯人であるか、Bは犯人である。
とは、いはない。
従って、
(16)により、
(17)
① A犯人である。
① B犯人である。
といふ「日本語」は、
① Aは犯人であって、A以外(B)は犯人ではない
① Bは犯人であって、B以外(A)は犯人ではない
といふ、「意味」である。
然るに、
(18)
① A以外は犯人ではない。
① B以外は犯人ではない。
の「対偶(Contraposition)」は、
① 犯人はA以外ではない
① 犯人はB以外ではない
である。
然るに、
(19)
① 犯人はA以外ではない
① 犯人はB以外ではない
といふことは、
犯人はAである。
犯人はBである。
といふことに、他ならない。
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
① A犯人である。⇔ A以外は犯人ではない。⇔ 犯人はAである。
① B犯人である。⇔ B以外は犯人ではない。⇔ 犯人はBである。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(21)
1      (1)∀x{犯人x→[(x=a)∨(x=b)]&~(a=b)} A
1      (2)   犯人γ→[(γ=a)∨(γ=b)]&~(a=b)  1UE
 3     (3)   犯人γ                       A
13     (4)       [(γ=a)∨(γ=b)]&~(a=b)  23MPP
13     (5)        (γ=a)∨(γ=b)          4&E
  6    (6)        (γ=a)                A
  6    (7)      ~~(γ=a)                6DN
  6    (8)      ~~(γ=a)∨(γ=b)          7∨I
   9   (9)              (γ=b)          A
   9   (ア)      ~~(γ=a)∨(γ=b)          9∨I
13     (イ)      ~~(γ=a)∨(γ=b)          5689アEE
13     (ウ)       ~(γ=a)→(γ=b)          イ含意の定義
    エ  (エ)             ~(γ=b)          A
13  エ  (オ)      ~~(γ=a)                ウエMTT
13  エ  (カ)        (γ=a)                オDN
13     (キ)       ~(γ=b)→(γ=a)          エカCP
     ク (ク)      ∃x(x=a&犯人x)            A
      ケ(ケ)         γ=a&犯人γ             A
      ケ(コ)         γ=a                 ケ&E
1      (サ)       ~(a=b)                2&E
1     ケ(シ)       ~(γ=b)                コサ=E
1    ク (ス)       ~(γ=b)                クケシEE
13   ク (セ)        (γ=a)                キスMPP
1    ク (ソ)   犯人γ→ (γ=a)                3セCP
1    ク (タ)∀x{犯人x→ (x=a)}               ソUI
従って、
(21)により、
(22)
「aとb」を「大文字」で書くと、
① ∀x{犯人x→[(x=A)∨(x=B)]&~(A=B)}。然るに、
② ∃x(x=A&犯人x)。従って、
③ ∀x{犯人x→(x=A)}。
といふ「推論」、すなはち、
① すべてのxについて、xが犯人であるならば、xはAであるか、xはBであるが、AとBは別人である。 然るに、
②   あるxはAであって、xは犯人である。 従って、
③ すべてのxについて、xが犯人であるならば、xはAである。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(23)
③ ∀x{犯人x→(x=A)}⇔
③ すべてのxについて、xが犯人であるならば、xはAである。
といふことは、
Only A is the 犯人.
といふことである。
従って、
(20)(23)により、
(24)
③ ∀x{犯人x→(x=A)}⇔
③ すべてのxについて、xが犯人であるならば、xはAである。
といふことは、
① A犯人である。⇔ A以外は犯人ではない。⇔ 犯人はAである。

といふ、ことである。
従って、
(15)~(24)により、
(25)
① A犯人であるか、B犯人である。
といふ「日本語」は、
① ∀x{犯人x→[(x=A)∨(x=B)]&~(A=B)}
といふ「述語論理」に、対応する。
令和02年01月17日、毛利太。

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