2020年1月14日火曜日

「含意の定義(Df.→)」について。

(01)
① ~P∨Q
①いふ「式」は、
①(~Pと、Qが、同時にである。)といふことは有っても、
①(~Pと、Qが、同時にである。)といふことは無い
といふ「意味」である。
従って、
(01)により、
(02)
① ~P∨Q
に於いて、
② ~Pが「偽」であるならば、 Qは「偽」ではなく、「真」であり、
③  Qが「偽」であるならば、~Pが「偽」ではなく、「真」である。
然るに
(03)
②   Pが「真」であるならば、~Pは「偽」であり、
③ ~Qが「真」であるならば、 Qが「偽」である。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① ~P∨Q
に於いて、
②  Pが「真」であるならば、 Qが「真」であり、
③ ~Qが「真」であるならば、~Pが「真」である。
(05)
① ~(P&~Q)
といふ「式」は、
①(Pと、~Qが、同時にである。)といふことは有っても、
①(Pと、~Qが、同時にである。)といふことは無い
といふ「意味」である。
従って、
(05)により、
(06)
① ~(P&~Q)
に於いて、
②  Pが「真」であるならば、~Qは「真」ではなく、「偽」であり、
③ ~Qが「真」であるならば、 Pは「真」ではなく、「偽」である。
然るに、
(07)
② ~Qが「偽」であるならば、 Qが「真」であり、
③   Pが「偽」であるならば、~Pが「真」である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① ~(P&~Q)
に於いて、
②  Pが「真」であるならば、 Qが「真」であり、
③ ~Qが「真」であるならば、~Pが「真」である。
従って、
(04)(08)により、
(09)
①  ~P∨ Q
① ~(P&~Q)
に於いて、両方とも、
②  Pが「真」であるならば、 Qが「真」であり、
③ ~Qが「真」であるならば、~Pが「真」である。
然るに、
(10)
③  Pが「真」であるならば、 Qが「真」であり、
④ ~Qが「真」であるならば、~Pが「真」である。
といふことは、要するに、
③ Pであるならば、Qであり、
④ Qでないならば、Pでない。
といふ、ことである。
然るに、
(11)
③ Pであるならば、Qである。
④ Qでないならば、Pでない。
に於いて、両者は、「対偶(Contraposition)」であるため、
③=④ である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
「番号」を付け直すと、
①     P→ Q ≡Pであるならば、Qである。
②  ~P∨ Q ≡Pでないか、  Qである。
③ ~(P&~Q)≡Pであって、  Qでない。といふことはない。
に於いて、
①=②=③ であるが、特に、
  ②=③ は、「ド・モルガンの法則」でもある。
然るに、
(13)
(ⅰ)P→Q├ ~P∨Q 
1  (1)    P→Q   A
 2 (2) ~(~P∨Q)  A
  3(3)   ~P     A
  3(4)   ~P∨Q   3∨I
 23(5) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  24&I
 2 (6)  ~~P     35RAA
 2 (7)    P     6DN
12 (8)      Q   17MPP
12 (9)   ~P∨Q   8∨I
12 (ア) ~(~P∨Q)&
        (~P∨Q)  29&I
1  (イ)~~(~P∨Q)  2アRAA
1  (ウ)   ~P∨Q   イDN
(ⅱ)~P∨Q├ P→Q
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P& P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   A
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   エオ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   7カRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
(ⅲ)P→Q├ ~(P&~Q)
    1 (1)  P→ Q  A
     2(2)  P&~Q  A
     2(3)  P     2&E
     2(4)    ~Q  2&E
    12(5)     Q  13MPP
    12(6)  ~Q&Q  45&I
    1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(ⅳ)~(P&~Q)├ P→Q
   1  (1)~(P&~Q)  A
    2 (2)  P      A
     3(3)    ~Q   A
    23(4)  P&~Q   23&I
   123(5)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  14&I
   12 (6)   ~~Q   35RAA
   12 (7)     Q   6DN
   1  (8)  P→ Q   27CP
従って、
(13)により、
(14)
果たして、「命題計算」の「結果」としても、
①     P→ Q
②  ~P∨ Q 
③ ~(P&~Q)
①=②=③ である
従って、
(12)(14)により、
(15)
①   P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
P=P&~P
といふ「代入」を行ふと、
①  (P&~P)→Q
② ~(P&~P)∨Q
に於いて、
①=② である。
然るに、
(16)
(ⅱ)
1  (1)~(P&~P)∨Q A
 2 (2)~(P&~P)   A
 2 (3) ~P∨ P    2ド・モルガンの法則
 2 (4) ~P∨ P ∨Q 3∨I
  5(5)        Q A
  5(6)     P ∨Q 5∨I
  5(7) ~P∨ P ∨Q 6∨I
1  (8) ~P∨ P ∨Q 12457∨E
(ⅲ)
1  (1) ~P∨ P ∨Q A
1  (2)(~P∨ P)∨Q 1結合法則
 3 (3)(~P∨ P)   A
 3 (4)~(P&~P)   2ド・モルガンの法則
 3 (5)~(P&~P)∨Q 4∨I
  6(6)        Q A
  6(7)~(P&~P)∨Q 5∨I
1  (8)~(P&~P)∨Q 23567∨E
従って、
(16)により、
(17)
② ~(P&~P)∨Q
③   ~P∨ P ∨Q 
に於いて、
②=③ である。
従って、
(15)(16)(17)により、
(18)
①  (P&~P)→Q
② ~(P&~P)∨Q
③   ~P∨ P ∨Q
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(19)
③ ~P∨P∨Q
といふ「式」は、
③(~Pと、Pと、Qが、同時に、真である。)といふことは有っても、
③(~Pと、Pと、Qが、同時に、偽である。)といふことは無い。
といふ「意味」である。
従って、
(19)により、
(20)
③ ~P∨P∨Q
に於いて、
~P≡Pでない。 が「偽」であり、
 P≡Pである。 も「偽」であるならば、
 Q≡Qである。 は「偽」ではなく、「真」である。
然るに、
(21)
~P≡Pでない。 が「偽」であるならば、そのときに限って、 P≡Pである。 は「真」であり、
 P≡Pである。 が「偽」であるならば、そのときに限って、~P≡Pでない。 は「真」である。
従って、
(20)(21)により、
(22)
③ ~P∨P∨Q
に於いて、
 P≡Pである。 が「真」であり、
~P≡Pでない。 も「真」であるならば、
 Q≡Qである。 は「偽」ではなく、「真」である。
従って、
(18)(22)により、
(23)
①  (P&~P)→Q
② ~(P&~P)∨Q
③   ~P∨ P ∨Q
に於いて、
 P≡Pである。 が「真」であり、
~P≡Pでない。 も「真」であるならば、
 Q≡Qである。 は「偽」ではなく、「真」である。
然るに、
(24)
 P≡Pである。 が「真」であるならば、
~P≡Pでない。 は「偽」である。
従って、
(23)(24)により、
(25)
 P≡Pである。 が「真」であり、
~P≡Pでない。 も「真」である。
といふことは、「有り得ない」。
従って、
(23)(24)により、
(25)
①  (P&~P)→Q
② ~(P&~P)∨Q
③   ~P∨ P ∨Q
に於いて、
 P≡Pである。 が「真」であり、
~P≡Pでない。 も「真」であるならば、
 Q≡Qである。 は「偽」ではなく、「真」である。
としも、「そのやうなこと」は、「有り得ない」。
従って、
(26)
(P&~P)→Q 然るに、
(P&~P)   従って、
              Q。
といふ「三段論法(MPP)」は、「有り得ない」。
従って、
(26)
P=太陽は東から昇る。
Q=バカボンのパパは天才である。
として、
 太陽が東から昇り、太陽が東から昇らないのであれば、バカボンのパパは天才である。 然るに、
 太陽は東から昇り、太陽は東から昇らない。 従って、
 バカボンのパパは天才である。
といふ「三段論法(MPP)」は、「有り得ない」。
cf.
西から昇ったおひさまが東へ沈む。(あ、たいへーん!)
これでいいのだ。これでいいのだ。
(アニメ、天才バカボン、主題歌)
然るに、
(27)
③ ~P∨P∨Q
といふ「式」は、
③ ~真∨真∨Q
であるか、
③ ~偽∨偽∨Q
であるかの、いづれかである。
然るに、
(28)
③ ~真∨真∨Q
③ ~偽∨偽∨Q
であれば、
③  偽∨真∨Q
③  真∨偽∨Q
であり、
③  偽∨真∨Q
③  真∨偽∨Q
は、「恒真式(トートロジー)」である。
(18)(26)(28)により、
(29)
①  (P&~P)→Q
② ~(P&~P)∨Q
③   ~P∨ P ∨Q
に於いて、
①=②=③ である。
とする限り、
①(P&~P)→Q
① 太陽が東から昇り、太陽が東から昇らないのであれば、バカボンのパパは天才である。
といふ「仮言命題」は、「恒に」であるが、
① 太陽が東から昇り、太陽が東から昇らない。
といふ「命題(矛盾)」は、「恒に」である。
令和02年01月14日、毛利太。

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