(01)
① 鼻は象の鼻が長い。⇔
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)⇔長x}⇔
① ∀x∀y{(鼻xy&象y)→長x&長x→(鼻xy&象y)}⇔
① すべてのxとyについて、xがyの鼻であって、yが象ならば、そのときに限って、xは長い。
(02)
② 薬は唐の薬が良い。⇔
② ∀x∀y{(薬xy&唐y)⇔良x}⇔
② ∀x∀y{(薬xy&唐y)→良x&良x→(薬xy&唐y)}⇔
② すべてのxとyについて、xがyの薬であって、yが唐ならば、そのときに限って、xは良い。
(03)
③ 薬は唐の薬は良い。⇔
③ ∀x∀y{(薬xy&唐y)→良x}⇔
③ すべてのxとyについて、xがyの薬であって、yが唐ならば、xは良い。
然るに、
(04)
【1】[が][の]
③ 体言を代用する。〈・・・・・のモノ〉
薬は、唐のはめでたし。 [訳]薬は中国のものはすばらしい。
(中村菊一、重点整理 基礎からわかる古典文法、1978年、154頁)
従って、
(03)(04)により、
(05)
③ 薬は、唐のはめでたし。⇔
③ ∀x∀y{(薬xy&唐y)→素晴x}⇔
③ すべてのxとyについて、xがyの薬であって、yが唐ならば、xは素晴らしい。
に於いて、
③「の」=「の薬」
であって、
③「の」は「体言(薬)」の「代用」である。
従って、
(05)により、
(06)
「体言」の「代用」としての「の」に関しては、前から、知ってゐて、何らの疑問も、持ってはゐない。
然るに、
(07)
はしがき
日本語の文法的手段のうち、最も重要なのはテニヲハです。中でもハです。本書は、問題をそのハ一つに絞って、日本文法の土台を明らかにしようとしたものです。代行というの中心概念の一つになっています。ハはガノニヲを代行する。というものです。
三上章
然るに、
従って、
(07)により、
(08)
③ 薬は、唐のはめでたし。
に於いて、
③「薬は」は「何か」を「代行」してゐることになるものの、私には、
③「薬は」が「薬は」以外の「何か」を「代行」してゐるとは、思へないし、「代用」してゐるとも、思へない。
従って、
(09)
代行というの中心概念の一つになっています。ハはガノニヲを代行する。というものです。
とはいふものの、「三上章 著、象は鼻が長い」を何度、読んでも、結局は、私には、「代行」といふ「言ひ方」が、何のことか、分からない。
(10)
「話」を、
② 薬は唐の薬が良い。⇔
② ∀x∀y{(薬xy&唐y)⇔良x}⇔
② ∀x∀y{(薬xy&唐y)→良x&良x→(薬xy&唐y)}⇔
② すべてのxとyについて、xがyの薬であって、yが唐ならば、そのときに限って、xは良い。
に戻して、
②の「否定」を「計算」すると、(11)の通りである。
(11)
(ⅱ)
1 (1)~∀x∀y{(薬xy&唐y)⇔良x} A
1 (2)~∀x∀y{(薬xy&唐y)→良x&良x→(薬xy&唐y)} 1Df.⇔
1 (3)∃x~∀y{(薬xy&唐y)→良x&良x→(薬xy&唐y)} 2量化子の関係(は、ド・モルガンの法則である。)
1 (4)∃x∃y~{(薬xy&唐y)→良x&良x→(薬xy&唐y)} 2量化子の関係(は、ド・モルガンの法則である。)
5 (5) ~{(薬ay&唐y)→良a&良a→(薬ay&唐y)} A
6 (6) ~{(薬ab&唐b)→良a}∨~{良a→(薬ab&唐b)} 5ド・モルガンの法則
7 (7) ~{(薬ab&唐b)→良a} A
8 (8) ~(薬ab&唐b)∨良a A
8 (9) (薬ab&唐b)→良a 8含意の定義
78 (ア) ~{(薬ab&唐b)→良a}&
{(薬ab&唐b)→良a} 79&I
7 (イ)~{~(薬ab&唐b)∨良a} 8アRAA
7 (ウ) (薬ab&唐b)&~良a イ、ド・モルガンの法則
7 (エ) (唐b&薬ab)&~良a ウ交換法則
7 (オ) (唐b&薬ab)&~良a∨ ~(唐b&薬ab)&良a エ∨I
カ (カ) ~{良a→(薬ab&唐b)} A
キ(キ) ~良a∨(薬ab&唐b) A
キ(ク) 良a→(薬ab&唐b) キ含意の定義
カキ(ケ) ~{良a→(薬ab&唐b)}&
{良a→(薬ab&唐b)} カク&I
カ (コ) ~{~良a∨(薬ab&唐b)} キケRAA
カ (サ) 良a&~(薬ab&唐b) コ、ド・モルガンの法則
カ (シ) ~(薬ab&唐b)&良a サ交換法則
カ (ス) ~(唐b&薬ab)&良a シ交換法則
カ (セ) (唐b&薬ab)&~良a∨ ~(唐b&薬ab)&良a ス∨I
6 (ソ) (唐b&薬ab)&~良a∨ ~(唐b&薬ab)&良a 67オカセ∨E
6 (タ) ∃y{(唐y&薬ay)&~良a∨~(唐y&薬ay)&良a} ソEI
5 (チ)∃x∃y{(唐y&薬xy)&~良x∨~(唐y&薬xy)&良x} 56タEE
5 (ツ)∃x∃y{(唐y&薬xy)&~良x∨~(唐y&薬xy)&良x} タEI
1 (テ)∃x∃y{(唐y&薬xy)&~良x∨~(唐y&薬xy)&良x} 15ツEE
(ⅲ)
1 (1)∃x∃y{(唐y&薬xy)&~良x∨~(唐y&薬xy)&良x} A
2 (2) ∃y{(唐y&薬ay)&~良a∨~(唐y&薬ay)&良a} A
3 (3) (唐b&薬ab)&~良a∨~(唐b&薬ab)&良a A
4 (4) (唐b&薬ab)&~良a A
4 (5) (薬ab&唐b)&~良a 4交換法則
6 (6) (薬ab&唐b)→ 良a A
4 (7) (薬ab&唐b) 5&E
46 (8) 良a 67MPP
4 (9) ~良a 4&E
46 (ア) 良a&~良a 89&I
4 (イ) ~{(薬ab&唐b)→良a} 6アRAA
4 (ウ) ~{(薬ab&唐b)→良a}∨~{良a→(薬ab&唐b)} イ∨I
エ (エ) ~(唐b&薬ab)&良a A
エ (オ) ~(薬ab&唐b)&良a エ交換法則
カ(カ) 良a→(薬ab&唐b) A
エ (キ) 良a オ&E
エカ(ク) (薬ab&唐b) カキMPP
エ (ケ) ~(薬ab&唐b) カ&E
エカ(コ) (薬ab&唐b)&~(薬ab&唐b) クケ&I
エ (サ) ~{良a→(薬ab&唐b) カコRAA
エ (シ) ~{(薬ab&唐b)→良a}∨~{良a→(薬ab&唐b)} サ∨I
3 (ス) ~{(薬ab&唐b)→良a}∨~{良a→(薬ab&唐b)} 34ウエシ∨
3 (セ) ~{(薬ab&唐y)→良a & 良a→(薬ab&唐b)} ス、ド・モルガンの法則
3 (ソ) ∃y~{(薬ay&唐y)→良a&良a→(薬ay&唐y)} セEI
2 (タ) ∃y~{(薬ay&唐y)→良a&良a→(薬ay&唐y)} セEI 23ソEI
2 (チ)∃x∃y~{(薬xy&唐y)→良x&良x→(薬xy&唐y)} セEI
1 (ツ)∃x∃y~{(薬xy&唐y)→良x&良a→(薬xy&唐y)} 12チEE
1 (テ)∃x~∀y{(薬xy&唐y)→良x&良x→(薬xy&唐y)} ツ量化子の関係(は、ド・モルガンの法則である。)
1 (ト)~∀x∀y{(薬xy&唐y)→良x&良x→(薬xy&唐y)} テ量化子の関係(は、ド・モルガンの法則である。)
1 (ナ)~∀x∀y{(薬xy&唐y)⇔良x} トDf.⇔
従って、
(11)により、
(12)
② ~∀x∀y{(薬xy&唐y)⇔良x}
③ ∃x∃y{(唐y&薬xy)&~良x∨~(唐y&薬xy)&良x}
に於いて、すなはち、
② すべてのxとyについて、xがyの薬であって、yが唐ならば、そのときに限って、xは良い。といふわけであない。
③ あるxとyについて、yは唐であって、xはyの薬であるが、xは良くないか、yは唐であって、xはyの薬である、ではないが、xは良いか、または、その両方である。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(13)
② すべてのxとyについて、xがyの薬であって、yが唐ならば、そのときに限って、xは良い。といふわけであない。
③ あるxとyについて、yは唐であって、xはyの薬であるが、xは良くないか、yは唐であって、xはyの薬である、ではないが、xは良いか、または、その両方である。
といふことは、
③ 唐の薬であっても、良くない薬はあるし、唐の薬でなくとも、良い薬はある。
といふ、ことである。
従って、
(10)(13)により、
(14)
② 薬は唐の薬が良い。といふわけではない。
③ 唐の薬であっても、良くない薬はあるし、唐の薬でなくとも、良い薬はある。
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(15)
② 薬は唐の薬が良い。といふわけではない。
③ 唐の薬であっても、良くない薬はあるし、唐の薬でなくとも、良い薬はある。
に於いて、
②=③ である。
といふことは、確かに、さうである。
従って、
(10)~(15)により、
(16)
② 薬は唐の薬が良い。⇔
② ∀x∀y{(薬xy&唐y)⇔良x}⇔
② ∀x∀y{(薬xy&唐y)→良x&良x→(薬xy&唐y)}⇔
② すべてのxとyについて、xがyの薬であって、yが唐ならば、そのときに限って、xは良い。
といふ「等式」は、「正しい」。
令和02年正月04日、毛利太。
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